この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Catalyst 6500 シリーズ スイッチで使用可能な CLI(コマンドライン インターフェイス)について説明します。具体的な内容は、次のとおりです。
Asynchronous Transfer Mode(ATM; 非同期転送モード)CLI およびコマンドの詳細については、『 ATM Software Configuration Guide and Command Reference--Catalyst 5000 Family and 6500 Series Switches 』を参照してください。
IDSM CLI およびコマンドの詳細については、『 Catalyst 6500 Series Intrusion Detection System Module Installation and Configuration Note 』を参照してください。
このマニュアルに記載されている用語および略語の定義については、 付録 A「略語」 を参照してください。
Catalyst 6500 シリーズ スイッチはマルチモジュール システムです。CLI から入力したコマンドは、システム全体に適用したり、特定のモジュール、ポート、または VLAN(仮想 LAN)に適用できます。
Catalyst 6500 シリーズ スイッチを設定およびメンテナンスするには、スイッチ CLI からコマンドを入力します。CLI は、UNIX の C シェルに似ている基本的なコマンドライン インタープリタです。CLI の session コマンドを使用すると、ルータ コンフィギュレーション ソフトウェアにアクセスし、ヒストリ置換やエイリアス作成などの作業を実行できます。
スイッチ CLI には、EIA/TIA-232 ポートに接続されたコンソール端末、または Telnet セッションを通してアクセスできます。CLI では固定ボー レートを使用できます。ユーザが定義した期間にわたりアイドル状態であった Telnet セッションは、自動的に切断されます。
(注) EIA/TIA-232 は、EIA(米国電子工業会)および TIA(米国通信工業会)によって標準として認定されるまでは、RS-232 と呼ばれていました。
コンソール(EIA/TIA-232)ポートを介してスイッチ CLI にアクセスする手順は、次のとおりです。
ステップ 1 Cisco Systems Console プロンプトで、 Return キーを押します。
ステップ 2 プロンプトにシステム パスワードを入力します。 Console> プロンプトが表示されます。このプロンプトは、CLI にユーザ モードでアクセスしたことを表します。
ステップ 4 終わったら、 quit コマンドを入力してセッションを終了します。
コンソール ポートを介して接続した場合は、次のように表示されます。
Telnet セッションを介してスイッチにアクセスするには、まずスイッチの IP アドレスを設定する必要があります。Telnet を介して、スイッチに対する複数のセッションを開くことができます。
Telnet を介してリモート ホストからスイッチにアクセスする手順は、次のとおりです。
ステップ 1 リモート ホストから telnet コマンド、およびアクセスするスイッチのホスト名または IP アドレスを入力します。
ステップ 2 プロンプトに CLI のパスワードを入力します。パスワードを設定していない場合は、 Return キーを押します。
ステップ 4 終わったら、 quit コマンドを入力して Telnet セッションを終了します。
Telnet セッションを介して接続した場合は、次のように表示されます。
CLI には、ユーザ モードとイネーブル モードの2種類の操作モードがあります。これらのモードは、どちらもパスワードで保護されます。日常的なシステム モニタにはユーザ モード コマンドを使用します。システム設定および基本的なトラブルシューティングには、イネーブル モード コマンドを使用します。
ログイン直後のシステムはユーザ モードであり、ユーザはユーザ モード コマンドにのみアクセスできます。イネーブル モードを開始するには、 enable コマンドを入力し、そのあとにイネーブル パスワードを指定します。イネーブル モードの場合は、システム プロンプトに [enable] と表示されます。ユーザ モードに戻るには、プロンプトに disable コマンドを入力します。
スイッチ コマンドに大文字と小文字の区別はありません。コマンドおよびパラメータは、現在使用可能な他のコマンドおよびパラメータの中で、一意に認識できる文字数まで省略可能です。直前に入力した 20 個のコマンドは、ヒストリ バッファに保存されます。これらのコマンドをスクロールして、プロンプトにコマンドを入力したり、編集できます( 表1-1 を参照)。
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Ctrl-F または右矢印キー1 |
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Catalyst 6500 シリーズ スイッチ ソフトウェアには、Emacs エディタと類似した一連の編集キー機能を提供する拡張編集モードが備わっています。コマンドは、大文字、小文字、またはその両方を組み合わせて入力できます。大文字と小文字を正確に区別しなければならないのは、パスワードだけです。コマンドおよびキーワードは、一意の略語として認識できる文字数まで省略できます。
たとえば、 show コマンドの省略形として sh を使用できます。システム プロンプトにコマンドを入力してから Return キーを押すと、そのコマンドが実行されます。
訂正または変更のためにコマンドライン上でカーソルを移動するには、次のいずれかの作業を実行します。
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Ctrl-B または左矢印キーを押します 2 。 |
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完全なコマンド名が不明な場合は、 Tab キーを押して、コマンドの省略形を完全なコマンドにできます。そのための手順は、次のとおりです。
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キーボードに Tab キーがない場合は、 Ctrl-I を押します。
次の例では、 conf を入力して Tab キーを押した場合、完全なコマンドが表示されます。
入力した文字列によって特定されるコマンドが複数存在する場合は、エラーであることを示すビープ音が鳴ります。疑問符(?)を入力すると、この文字列で開始するコマンドのリストが表示されます。最後の文字と疑問符(?)の間にスペースを入れないでください。たとえば、co で始まるイネーブル モード コマンドは 3 つあります。これらのコマンドを表示するには、イネーブル プロンプトで co? を入力します。次のように、co で始まるすべてのコマンドが表示されます。
直前に削除された項目は 10 個までバッファに格納されます。これらの項目を呼び出してコマンドラインに挿入する手順は、次のとおりです。
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バッファには、直前に削除された項目が 10 個までしか保存されません。 Esc Y を 10 回以上押すと、最初のバッファ エントリに戻ります。
新しい編集コマンド セットには、画面上で 1 行分を超える長いコマンドの折り返し機能が組み込まれています。カーソルが右マージンに達すると、コマンドラインは 10 文字分だけ左へシフトされます。コマンドラインの先頭から 10 文字までは見えなくなりますが、左へスクロールして、コマンドの先頭部分の構文をチェックできます。先頭方向にスクロールする手順は、次のとおりです。
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Ctrl-B または左矢印キーを何回か押して、コマンド エントリの先頭までスクロールします。または、 Ctrl-A を押して、コマンドラインの先頭に直接移動します3。 |
折り返し機能とコマンド ヒストリ機能を併用すると、以前に入力した複雑なコマンド エントリを呼び出して変更できます。以前に入力したコマンド エントリの呼び出し方法については、「ヒストリ置換の使用」を参照してください。
端末画面は 80 カラム幅であると想定されています。ご使用の画面幅が 80 カラムでない場合は、 terminal width コマンドを入力して、ルータに正しい画面幅を指定してください。
入力ミスがあった場合、または入力したコマンドが不要になった場合に、コマンド エントリを削除する手順は、次のとおりです。
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特定のモードでヘルプ機能を使用して表示されたコマンド リストは、端末画面に収まらない場合があります。このような場合には、画面の最下部に---More---プロンプトが表示されます。次の行または画面を表示する手順は、次のとおりです。
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(注) ---More--- プロンプトが使用されるのは、show コマンドの出力など、端末画面に一度に表示できない長い出力の場合です。
--More-- プロンプトに/ text を入力して Return キーを押すと、 text 文字列を含む行の 2 つ上の行から表示が開始されます。そのテキスト ストリングが見つからない場合は、[Pattern Not Found] と表示されます。また、--More-- プロンプトに [" n "] と入力して、最後に入力した text " ストリングを検索することもできます。More バッファを使用するすべての show コマンドでは、この検索方法を使用して、出力を画面単位で表示できます。次に、More バッファを使用せず、この機能に対応していない show コマンドを示します。
コマンドの入力中に、システムから画面にメッセージが送信された場合は、現在のコマンドライン エントリを呼び出すことができます。そのための手順は、次のとおりです。
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コマンド入力をミスした場合に、入力をミスした文字列を入れ替える手順は、次のとおりです。
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簡単な一連のキーストローク操作で、ワードを大文字または小文字に変更したり、文字列を大文字にできます。
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特定のキーストロークを実行可能コマンドとして使用できます。そのための手順は、次のとおりです。
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正規コマンドと同様に、エイリアスには大文字と小文字の区別がありません。ただし、正規コマンドと異なり、一部のエイリアスには省略形を使用できません。省略形を使用できないスイッチ CLI エイリアスのリストについては、 表1-2 を参照してください。
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各端末セッション中に入力されたコマンドはヒストリ バッファに保存されます。ヒストリ バッファには、端末セッション中に入力された直前のコマンドが 20 個格納されます。特別な省略形コマンドを使用すると、再入力しなくても、保存されているコマンドにアクセスできます( 表1-3 を参照)。
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最上位レベルのコマンドおよびコマンド カテゴリを表示するには、ユーザ モードまたはイネーブル モードで help を入力します。各コマンドのコンテキスト ヘルプ(使用法および構文情報)を表示するには、各コマンドに help を追加します。コマンドを入力するときに指定した引数の個数が違っている場合、または不適切な引数を指定した場合は、このコマンドの使用法および構文情報が表示されます。また、コマンド カテゴリに help を追加すると、このカテゴリに含まれるコマンドのリストが表示されます。
ユーザ モードで help コマンドを使用すると、次のように、最上位レベルのコマンドおよびコマンド カテゴリのリストが表示されます。
イネーブル モードで help コマンドを入力すると、次のように、最上位レベルのコマンドおよびコマンド カテゴリのリストが表示されます。
一部のコマンド( clear 、 set 、 show など)では、コマンドのあとに help を入力すると、このカテゴリに属するコマンドのリストが表示されます。たとえば、次の出力は、 clear カテゴリに属するコマンド リストの一部を示します。
各コマンドの使用法および構文情報を表示するには、各コマンドに help を追加します。たとえば、次の出力は、 set length コマンドの使用法および構文情報を示します。
Catalyst 6500 シリーズ モジュール(モジュール スロット)、ポート、および VLAN には、1 から始まる番号が設定されています。スーパバイザ エンジン モジュールはモジュール 1 で、上部スロットに搭載します。各モジュールのポート 1 は、左端にあるポートです。特定のモジュール上の特定のポートを参照する場合のコマンド構文は、 mod/port です。たとえば、 3/1 はモジュール 3 のポート 1 を示します。 set trunk 、 set cam 、 set vlan など、一部のコマンドでは、ポートおよび VLAN のリストを入力できます。
複数のポートを指定するには、モジュール番号とポート番号のペアをカンマで区切って入力します。ポート範囲を指定するには、モジュール番号とポート番号のペアの間にダッシュを使用します。ダッシュはカンマより優先されます。次の例では、ポートを指定する複数の方法を示します。
例 1: 2/1,2/3 ― モジュール 2 のポート 1 およびモジュール 2 のポート 3 を示します。
例 2: 2/1-12 ― モジュール 2 のポート 1 ~ 12 を示します。
例 3: 2/1-2/12 ― 同様に、モジュール 2 のポート 1 ~ 12 を示します。
各 VLAN は単一番号で指定します。VLAN のリストは、ポートの場合と同様な方法で指定できます。各 VLAN はカンマ(,)で区切ります。VLAN 範囲はダッシュ(-)で区切ります。次に、VLAN 1 ~ 10 および VLAN 1000 を指定する例を示します。
一部のコマンドでは、MAC(メディア アクセス制御)アドレスを標準フォーマットで指定する必要があります。MAC アドレスは、次の例のように 6 個の 16 進数をハイフンで区切って指定します。
一部のコマンドでは、IP エイリアスを指定する必要があります。IP アドレスのフォーマットは 32 ビットです。4 つのオクテットをピリオドで区切って入力します(ドット付き 10 進表記)。IP アドレスはネットワーク セクション、任意のサブネット セクション、およびホスト セクションで構成されます(次の例を参照)。
スイッチに DNS が適切に設定されている場合は、IP アドレスの代わりに IP ホスト名を使用できます。DNS の設定手順については、『 Catalyst 6500 Series Switch Software Configuration Guide 』を参照してください。
IP エイリアス テーブルが設定されている場合は、IP アドレスをドット付き 10 進表記で指定する代わりに、IP エイリアスを使用できます。IP エイリアスは、IP アドレスまたは IP エイリアスを定義するコマンドを除き、IP アドレスを使用するほとんどのコマンドで使用できます。
IPX アドレス構文を入力する場合、次のフォーマットを使用します。
• IPX ノードアドレス ― x.x.x(ここでは、x は 0..FFFF)
• IPX アドレス ― ipx_net.ipx_node(3.0034.1245.AB45、A43.0000.0000.0001 など)
コマンド再表示機能を使用すると、入力した文字列が一意のコマンドと一致している場合に、そのコマンドで使用可能なすべてのキーワードが表示されます。一致する一意のコマンドがない場合は、最長一致文字列が使用されます。検索結果を表示するには、最後のパラメータのあとにスペースを入力して、 ? を入力します。検索結果が表示されると、プロンプトが再表示されて、直前のコマンドが?を除去した状態で表示されます。次に、入力したコマンドが ? を除去した状態で再表示される例を示します。
Console> (enable)
set mls nde
disable Disable multilayer switching data export filter
enable Enable multilayer switching data export filter
engineer Engineer setting of the export filter
flow Setting multilayer switching export filter
<collector_ip> IP address
Console> (enable) set mls nde
キーワード参照機能を使用すると、コマンドに有効なキーワードおよび引数のリストが表示されます。検索結果を表示するには、最後のパラメータのあとにスペースを入力して、 ? を入力します。たとえば、set mls コマンドでは 5 つのパラメータが使用されます。これらのパラメータを表示するには、イネーブル プロンプトにset mls ? と入力します。次に、入力したコマンドが ? を除去した状態で再表示される例を示します。
部分キーワード参照機能を使用すると、特定の文字列で始まるコマンドのリストが表示されます。検索結果を表示するには、最後のパラメータの直後に ? を入力します。たとえば、イネーブル プロンプトに co? を入力すると、 co で始まるコマンドのリストが表示されます。co で始まるすべてのコマンドが表示され、入力したコマンドが ? を除去した状態で再表示されます。
コマンド完成機能を使用すると、コマンドまたはキーワードが完成されます。コマンドを一意に識別する部分まで文字列を入力し、 Tab キーを押すと、コマンドラインに完全なコマンドまたはキーワードが入力されます。たとえば、イネーブル プロンプトに co を入力して Tab キーを押すと、その条件と一致する唯一のコマンドである configure が完成されます。
コマンドはまたはキーワードを完成できない場合は、処理が実行されず、プロンプトおよび直前のコマンドが再表示されます。カーソルは、さらに情報を追加できるように、キーワードの直後に配置されます。
コマンド出力のパターンはストリングと呼ばれます。CLI ストリング検索機能を使用すれば、 show または more コマンド出力の検索およびフィルタリングを行うことができます。また、--More-- プロンプトで検索およびフィルタリングを行うことができます。この機能は、大量の出力をソートする必要がある場合や、出力から不要な情報を除外する場合に役立ちます。
検索機能を使用すれば、フィルタリングされていない出力で、指定された正規表現を含むものを最初の行から始めることができます。コマンド 1 つあたり、最大 1 つのフィルタを指定できます。または--More--プロンプトから新しい検索を開始できます。
正規表現は、ソフトウェアが show または more コマンド出力のマッチングを行うために用いるパターン(句、番号、またはより複雑なパターン)です。正規表現は、大文字と小文字を区別し、複雑な一致要件を可能にします。単純な正規表現の例は、Serial、misses、138 などです。複合正規表現の例は、00210...、( is )、[Oo]utput などです。
• 指定した正規表現を含む行で出力を始めるには、 begin キーワードを使用します。
• 指定した正規表現を含む出力行を含めるには、 include キーワードを使用します。
• 指定した正規表現を含む出力行を除外するには、 exclude キーワードを使用します。
次に、このフィルタリングされた出力を--More--プロンプトで検索できます。
(注) CLI ストリング検索機能を使用しても、以前の出力へ逆方向に検索またはフィルタリングすることはできません。フィルタリングは、CLI への HTTP アクセスで指定することはできません。
正規表現は、コマンド出力内の同じ 1 つの文字に一致する 1 つの文字でもかまいませんし、コマンド出力内の同じ複数の文字に一致する複数の文字でもかまいません。このセクションでは、単一文字パターンおよび複数文字パターンを作成する方法、および繰り返し指定、選択、位置指定、およびカッコを用いたより複雑な正規表現を作成する方法について説明します。
最も単純な正規表現は、コマンド出力の同じ 1 つの文字と一致する単一文字です。単一文字パターンとしては任意の文字(A ~ Z、a ~ z)または数字(0 ~ 9)を使用できます。他のキーボード文字(!や ~ など)も単一文字パターンとして使用できますが、あるキーボード文字は、正規表現として用いられた場合に特別な意味を持ちます。 表1-4 に特別な意味を持つキーボード文字を一覧表示します。
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これらの特殊文字を単一文字パターンとして入力する場合は、各文字の前にバックスラッシュ(\)を置いて特別の意味を持たないようにしてください。次の例は、それぞれドル記号、アンダースコア、プラス記号に一致する単一文字パターンです。
一連の単一文字パターンを指定して、コマンド出力とのマッチングを行うことができます。たとえば、a、e、i、o、または u のうちの 1 つを含むストリングに一致する正規表現を作成できます。パターン マッチングが成功するためには、これらの文字のうちの 1 つだけがストリングに存在しなくてはなりません。一連の単一文字パターンを指定するには、単一文字パターンを角カッコ([ ])で囲みます。次に例を示します。
小文字アルファベットの 5 つの母音のうちの任意の 1 文字と一致します。
小文字または大文字アルファベットの最初の 4 つの文字のうちの任意の 1 文字と一致します。
ダッシュ(-)で区切って範囲の両端だけを入力することにより範囲を簡略化できます。上記の範囲は次のように簡略化できます。
範囲に単一文字パターンとしてダッシュを追加する場合は、もう 1 つダッシュを追加して、その前にバックスラッシュを置きます。
範囲に単一文字パターンとして右角カッコ(])を含めることもできます。次のように記述してください。
上記の例は、大文字または小文字のアルファベットの最初の 4 文字のうちの任意の 1 文字、ダッシュ、または右角カッコに一致します。
範囲の最初にカレット(^)を含めることにより、範囲の一致を逆にできます。次の例では、列挙された文字以外の任意の文字に一致します。
正規表現を作成する場合、複数の文字を含むパターンを指定することもできます。文字、数字、または特別の意味を持たないキーボード文字を組み合わせて複数文字パターン正規表現を作成できます。たとえば、a4% は複数文字正規表現です。特別な意味を持つキーボード文字からその特別な意味をなくしたい場合には、キーボード文字の前にバックスラッシュを置きます。
複数文字パターンでは、順序が大切です。正規表現 a4% は、a という文字のあとに 4 が続き、そのあとに%記号が続く文字と一致します。そのストリングに a4% という文字がその順序で含まれていない場合、パターン マッチングは失敗します。この複数文字正規表現では、
は、ピリオド文字の特別な意味を使用し、a という文字のあとに任意の文字が 1 つ配置されるストリングと一致します。この例では、ab、a!、または a2 というストリングはすべてこの正規表現での有効な一致となります。
ピリオド文字の前にバックスラッシュを置くことにより、ピリオド文字の特別な意味をなくすことができます。次の表現では
すべての文字、すべての数字、すべてのキーボード文字、または文字、数字、および他のキーボード文字の組み合わせを含む複数文字正規表現を作成できます。次の例はすべて有効な正規表現です。
ある特殊文字を単一および複数文字パターンとともに使用することにより、指定された正規表現の繰り返しに一致する、より複雑な正規表現を作成できます。 表1-5 に正規表現の「繰り返し」を指定する特殊文字を一覧表示します。
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次の例は、a という文字の任意の回数(0 を含む)に一致します。
次のパターンでは、ストリング内で最低 1 つの a という文字が一致している必要があります。
次のパターンでは、ストリング bb または bab に一致します。
次のストリングでは、任意の数のアスタリスク(*)に一致します。
複数文字パターンで繰り返し指定を使用する場合は、パターンをカッコで囲みます。次の例では、パターンは任意の数の複数文字ストリング ab に一致します。
より複雑な例として、次のパターンは、1 つまたは複数の英数字ペアに一致します(ただし、0、すなわち空ストリングには一致しません)。
繰り返し指定(*、+、または?)を使用している一致の記述順序では、最も長い構造が最初にマッチします。ネスティングされた構造でのマッチングは外側から内側へ行われます。連結構造では、構造の左側からマッチングされます。したがって、この正規表現は番号の前に文字が指定されるため、A9b3 には一致しますが、9Ab3 には一致しません。
選択を使用すると、ストリングとのマッチングに選択パターンを指定できます。選択パターンは、縦棒(|)で分離します。選択肢のうちの 1 つだけが、ストリングと一致できます。たとえば、正規表現
は、codex または telebit というストリングと一致できますが、codex と telebit の両方と一致することができません。
ストリングの最初または最後に対して正規表現パターンのマッチングを行うことができます。つまり、ストリングの最初または最後に固有のパターンが含まれるよう指定できます。ストリングの一部に対してこれらの正規表現の「位置指定」を行うには、 表1-6 に示す特殊文字を使用します。
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次の正規表現がストリングと一致するのは、ストリングが abcd で始まるときだけです。
対照的に、次の表現は、a、b、c、または d という文字以外のすべての単一文字に一致します。
次の例では、正規表現は .12 で終わるストリングと一致します。
これらの位置指定文字を特殊文字アンダースコア(_)と対比させてください。アンダースコアは、ストリングの始め(^)、ストリングの終わり($)、カッコ()、スペース()、波カッコ({ })、カンマ(,)、またはアンダースコア(_)と一致します。アンダースコア文字を使用した場合、パターンはストリングのどこに存在していてもかまいません。
は、ストリング内のどこかに 1300 が含まれるストリングに一致します。ストリングの 1300 の前後にスペース、波カッコ、またはカンマを置くことができます。
は、正規表現に一致しますが、21300 および 13000 は一致しません。
^1300$ ^1300(space) (space)1300 {1300, ,1300, {1300} ,1300, (1300
ROM モニタは、プラットフォームの起動時、リセット時、または重大な例外が発生したときに実行される ROM ベースのプログラムです。
ROM モニタ モードが開始するのは、スイッチが有効なシステム イメージを検出できなかった場合、NVRAM(不揮発性 RAM)内の設定が壊れていた場合、またはコンフィギュレーション レジスタが ROM モニタ モードを開始するように設定されている場合です。ROM モニタ モードでは、フラッシュ メモリ、ネットワーク サーバ ファイル、またはブートフラッシュ内のシステム イメージを手動でロードできます。スイッチを再起動し、起動から 60 秒以内に Break キーを押して、ROM モニタ モードを開始することもできます。
(注) コンフィギュレーション レジスタで Break キーがオフに設定されているかどうかに関係なく、再起動から 60 秒間は常に Break キーが有効です。
端末サーバから接続するには、Telnet プロンプトにエスケープし、 send break コマンドを入力して、ROM モニタ モードに戻ります。
システム イメージ、マイクロコード イメージ、およびコンフィギュレーション ファイルのロードやコピーを行う場合は、ROM モニタ コマンドを使用します。システム イメージには、システム ソフトウェアが含まれます。マイクロコード イメージには、各ハードウェア デバイスにダウンロードされるマイクロコードが含まれています。コンフィギュレーション ファイルには、Catalyst 6500 シリーズ ソフトウェアをカスタマイズするためのコマンドが含まれています。
手動で boot コマンドを入力する場合の構文は、次のとおりです。
(注) ネットワークからイメージを取得するには、copy file-id {tftp | flash | file-id} コマンドを入力します。
• boot [ -xv ] [ device : ][ imagename ] ― ローカル デバイスからブートします。イメージ名を指定しない場合は、デバイス内の最初の有効なファイルがデフォルトで使用されます。イメージ名は大文字と小文字の区別があります。
ROM モニタ モードが開始されると、プロンプトは rommon 1> に変わります。ROM モニタ モードの場合は、コマンドを入力するたびに、プロンプト内の数字が 1 ずつ増分します。