音声VLAN設定時の注意事項
音声VLAN設定時の注意事項は次のとおりです。
• 音声VLANはスイッチのアクセス ポートに設定する必要があります。音声VLANはトランク ポートではサポートされていません。音声VLANはレイヤ2ポートにのみ設定できます。
(注) 音声VLANがサポートされるのは、アクセス ポートのみです。設定で許可されている場合でも、トランク ポートではサポートされません。
• Power over Ethernet(PoE)スイッチは、旧シスコ製標準電源装置およびIEEE 802.3af準拠の電源装置がAC電源から給電されていない場合、それらに自動的に電力を供給できます。PoEインターフェイスの詳細については、「インターフェイスでのPoEの設定」を参照してください。
• 音声VLANをイネーブルにする前に、mls qos グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力してスイッチでQoSをイネーブルにし、mls qos trust cosインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力してポートの信頼状態をtrustに設定することを推奨します。自動QoS機能を使用すると、これらの設定値が自動的に設定されます。詳細については、 第29章「QoSの設定」 を参照してください。
• Cisco IP Phoneへコンフィギュレーション ファイルを送信するために、Cisco IP Phoneに接続するスイッチ ポートのCDPをイネーブルにする必要があります(デフォルトでは、CDPはすべてのスイッチ インターフェイスでグローバルにイネーブルになっています)。
• 音声VLANを設定すると、PortFast機能は自動的にイネーブルに設定されます。音声VLAN機能をディセーブルしても自動的にディセーブルになりません。
• Cisco IP PhoneとCisco IP Phoneに接続されたデバイスが同じVLANに属する場合は、同じサブネットに属する必要があります。次の状態は、それらが同じVLANに属していることを示しています。
–両方が、802.1pまたはタグなしフレームを使用している。
–Cisco IP Phoneが802.1pフレームを使用し、デバイスがタグなしフレームを使用している。
–Cisco IP Phoneがタグなしフレームを使用し、デバイスが802.1pフレームを使用している。
–Cisco IP Phoneが802.1Qフレームを使用し、音声VLANがアクセスVLANと同一である。
• Cisco IP Phoneと電話機に接続されたデバイスが、同じVLANとサブネットに属していても、異なるフレーム タイプを使用する場合、同じサブネット内のトラフィックはルーティングされないため(ルーティングによってフレーム タイプの違いは排除されてしまう)、それらは通信できません。
• 音声VLANでは、スタティック セキュアMACアドレスを設定できません。
• 音声VLANポートは、次のポート タイプにすることもできます。
–ダイナミック アクセス ポート。詳細については、「VMPSクライアントのダイナミック アクセス ポートの設定」を参照してください。
–802.1x認証ポート。詳細については、「802.1x認証の設定」を参照してください。
–保護ポート。詳細については、「保護ポートの設定」を参照してください。
–SPANまたはRSPANセッションの送信元または宛先ポート。
–セキュア ポート。詳細については、「ポート セキュリティの設定」を参照してください。
(注) インターフェイス上でポート セキュリティをイネーブルにし、さらに音声VLANを使用するようにも設定する場合は、ポートで許可されるセキュア アドレスの最大数を、アクセスVLANで許可されているセキュア アドレスの最大数に2を加えた値に設定する必要があります。ポートがCisco IP Phoneに接続されている場合は、IP PhoneにMACアドレスが最大で2つ必要です。IP Phoneアドレスは音声VLAN上で学習されますが、アクセスVLAN上で学習される場合もあります。PCをIP Phoneに接続するには、さらにMACアドレスが必要になります。
IP Phoneの音声トラフィックの設定
Cisco IP Phoneへ接続するポートは、CDPパケットを送信するように設定できます。このCDPパケットは、電話機に、音声トラフィックを送信する方法を設定するように指示します。電話機は、レイヤ2 CoS値を持ち、特定の音声VLANに対応する802.1Qフレームで音声トラフィックを搬送できます。802.1pプライオリティ タギングを使用して、音声トラフィックにより高いプライオリティを付け、ネイティブ(アクセス)VLAN経由ですべての音声トラフィックを転送できます。また、IP Phoneはタグなしトラフィックを送信することもできれば、自分の設定を使用してアクセスVLAN内でトラフィックを送信することもできます。どの構成でも、音声トラフィックはレイヤ3 IP precedence値(デフォルトは5)を搬送します。
ポートに音声トラフィックを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、IP Phoneに接続されているインターフェイスを指定します。 |
ステップ 3 |
mls qos trust cos |
パケットCoS値を使用して入トラフィックのパケットを分類するようにインターフェイスを設定します。タグなしパケットの場合は、ポートのデフォルトのCoS値が使用されます。
(注) ポートの信頼状態を設定する前に、最初に、mls qosグローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、グローバルにQoSをイネーブルにする必要があります。
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ステップ 4 |
switchport voice vlan { vlan-id | dot1p | none | untagged} |
Cisco IP Phoneが音声トラフィックを搬送する方法を設定します。 • vlan-id ― 指定されたVLAN経由ですべての音声トラフィックを転送するように、Cisco IP Phoneを設定します。デフォルトでは、Cisco IP Phoneは、802.1Qプライオリティ値5で音声トラフィックを転送します。有効なVLAN IDは1~4094です。 • dot1p ― 音声トラフィック用に802.1pプライオリティ タギングを使用し、デフォルトのネイティブVLAN(VLAN 0)を使用してすべてのトラフィックを搬送するように、Cisco IP Phoneを設定します。デフォルトでは、Cisco IP Phoneは、802.1pプライオリティ値5で音声トラフィックを転送します。 • none ― IP Phoneは、自分の設定を使用してタグなし音声トラフィックを送信できます。 • untagged ― タグなし音声トラフィックを送信するように電話機を設定します。 |
ステップ 5 |
end |
イネーブルEXECモードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show interfaces interface-id switchport または show running-config interface interface-id |
音声VLANエントリを確認します。 QoSと音声VLANの設定を確認します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
次に、CoS値を使用して入力トラフィックを分類し、音声トラフィック用に802.1pプライオリティ タギングを使用し、デフォルトのネイティブVLAN(VLAN 0)を使用してすべてのトラフィックを搬送するように、IP Phoneに接続されたポートを設定する方法を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config-if)# mls qos trust cos
Switch(config-if)# switchport voice vlan dot1p
ポートをデフォルト設定に戻すには、 no switchport voice vlan インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
着信データ フレームのプライオリティの設定
PCまたはその他のデータ処理デバイスをCisco IP Phoneのポートに接続できます。タグ付きデータ トラフィック(802.1Qまたは802.1pフレーム)を処理するため、CDPパケットを送信するようにスイッチを設定できます。このCDPパケットは、IP Phoneに、Cisco IP Phoneのアクセス ポートに接続デバイスからのデータ パケットを送信する方法を指示します。PCは、割り当てられたCoS値を持つパケットを生成できます。接続デバイスからIP Phoneに到達したフレームのプライオリティを変更しない(信頼する)、または無効化する(信頼しない)ように、Cisco IP Phoneを設定できます。
Cisco IP Phoneで、非音声ポートから受信したデータ トラフィックのプライオリティを設定するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、IP Phoneに接続されているインターフェイスを指定します。 |
ステップ 3 |
switchport priority extend { cos value | trust } |
IP Phoneアクセス ポートから受信したデータ トラフィックのプライオリティを設定します。 • cos value ― 指定のCoS値を持つPCまたは接続デバイスから受信したプライオリティを無効化するように、IP Phoneを設定します。CoS値は0~7の数字です。7が最高のプライオリティになります。デフォルトのプライオリティは、 cos 0です。 • trust ― PCまたは接続デバイスから受信したプライオリティを信頼するようIP Phone アクセス ポートを設定します。 |
ステップ 4 |
end |
イネーブルEXECモードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces interface-id switchport |
設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
次に、PCまたは接続デバイスから受信したフレームのプライオリティを変更することなく、IP Phoneに接続されたポートを設定する方法を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config-if)# switchport priority extend trust
ポートをデフォルト設定に戻すには、 no switchport priority extend インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。