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目次
(注) |
レイヤ 2 インターフェイスの作成の詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Interfaces Configuration Guide』を参照してください。 |
スパニングツリー プロトコル(STP)は、ネットワークのレイヤ 2 でループのないネットワークを実現するために実装されました。 Rapid PVST+ は、VLAN ごとにスパニングツリー トポロジを 1 つ作成することができる、STP の更新版です。 デバイスのデフォルト STP モードは Rapid PVST+ です。
(注) |
このマニュアルでは、IEEE 802.1w および IEEE 802.1s を指す用語として、「スパニングツリー」を使用します。 このマニュアルで IEEE 802.1D STP に関して説明する場合は、具体的に 802.1D と表記されます。 |
(注) |
Rapid PVST+ はデフォルトの STP モードです。 |
Rapid PVST+ プロトコルは、VLAN 単位で実装される IEEE 802.1w 標準(Rapid Spanning Tree Protocol(RSTP:高速スパニングツリー プロトコル))です。 Rapid PVST+ は、個別の VLAN でなく、すべての VLAN に対応する単一の STP インスタンスが規定された IEEE 802.1Q VLAN 標準と相互運用されます。
デバイスのデフォルト VLAN(VLAN1)および新規作成されたすべての VLAN では、Rapid PVST+ がデフォルトでイネーブルです。 Rapid PVST+ はレガシー IEEE 802.1D STP が稼働するデバイスと相互運用されます。
RSTP は、元の STP 規格 802.1D の拡張版で、より高速な収束が可能です。
(注) |
デバイスは、Rapid PVST+ に対して中断のない完全アップグレードをサポートしています。 中断のない完全アップグレードの詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS High Availability and Redundancy Guide』を参照してください。 |
STP は、ネットワークのループを排除しながらパスの冗長性を実現する、レイヤ 2 リンク管理プロトコルです。
レイヤ 2 イーサネット ネットワークが正常に動作するには、2 つの端末間で存在できるアクティブ パスは 1 つだけです。 STP の動作はエンド ステーションに対してトランスペアレントなので、単一の LAN セグメントに接続されているのか、それとも複数セグメントからなるスイッチド LAN に接続されているのかを、エンド ステーションが検知することはできません。
フォールト トレラントなインターネットワークを作成する場合、ネットワーク上のすべてのノード間にループフリー パスを構築する必要があります。 STP アルゴリズムは、スイッチド レイヤ 2 ネットワーク上で最良のループフリー パスを算出します。 レイヤ 2 LAN ポートは STP フレーム(Bridge Protocol Data Unit(BPDU:ブリッジ プロトコル データ ユニット))を一定の時間間隔で送受信します。 ネットワーク デバイスは、これらのフレームを転送せずに、フレームを使用してループフリー パスを構築します。
エンド ステーション間に複数のアクティブ パスがあると、ネットワーク内でループが発生する原因になります。 ネットワークにループが存在する場合、エンド ステーションが重複したメッセージを受信したり、ネットワーク デバイスが複数のレイヤ 2 LAN ポート上でエンド ステーション MAC アドレスを学習したりする可能性があります。
STP は、ルート ブリッジおよびそのルートからレイヤ 2 ネットワーク上のすべてのネットワーク デバイスへのループフリー パスを備えたツリーを定義します。 STP は冗長データパスを強制的にブロック状態にします。 スパニングツリーのネットワーク セグメントに障害が発生した場合、冗長パスがあると、STP アルゴリズムにより、スパニングツリー トポロジが再計算され、ブロックされたパスがアクティブになります。
ネットワーク デバイス上の 2 つのレイヤ 2 LAN ポートがループの一部になっている場合、デバイス上のどちらのポートがフォワーディング ステートになり、どちらのポートがブロッキング ステートになるかは、STP ポート プライオリティおよびポート パスコストの設定によって決まります。 STP のポート プライオリティ値は、その場所でポートがトラフィックを送受信する場合の効率を示します。 STP ポート パスコスト値は、メディア速度から算出されます。
スパニングツリーに参加している LAN 内のすべてのデバイスは、BPDU を交換して、ネットワーク内の他のスイッチに関する情報を収集します。 この BPDU の交換により、次のアクションが発生します。
そのスパニングツリー ネットワーク トポロジでルート スイッチが 1 台選択されます。
LAN セグメントごとに指定スイッチが 1 台選定されます。
冗長スイッチ ポートをバックアップ ステートにすることにより、スイッチド ネットワーク上のループが排除されます。スイッチド ネットワーク内のどの場所からも、ルート デバイスに到達するために必要でないパスは、すべて STP ブロック ステートになります。
アクティブなスイッチド ネットワーク上のトポロジは、次の情報によって決定されます。
スイッチド ネットワークでは、ルート スイッチが論理的にスパニングツリー トポロジの中心になります。 STP は BPDU を使用して、スイッチド ネットワークのルート スイッチおよびルート ポートを選定します。
(注) |
mac-address bpdu source version 2 コマンドを実行すると、STP が新しいシスコの MAC アドレス(00:26:0b:xx:xx:xx)を、vPC ポートで生成される BDPU の発信元アドレスとして使用できるようになります。 このコマンドを適用するには、両方の vPC ピア スイッチまたはピアの設定が同一である必要があります。 STP 不整合に起因するトラフィックの中断を最小限に抑えるため、このコマンドを実行する前に、エッジ デバイスの EtherChannel ガードをディセーブルにすることを強くお勧めします。 両方のピアの更新後に、EtherChannel ガードを再びイネーブルにします。 |
各ネットワーク装置上の各 VLAN には、一意の 64 ビット ブリッジ ID が設定されています。ブリッジ ID はブリッジ プライオリティ値、拡張システム ID(IEEE 802.1t)、および STP MAC アドレス割り当てで構成されています。
拡張システム ID がイネーブルの場合、ブリッジ プライオリティは 4 ビット値です。
デバイスのブリッジ ID(ルート ブリッジの ID を判別するためにスパニングツリー アルゴリズムで使用され、最小値が優先される)に指定できるのは、4096 の倍数だけです。
(注) |
このデバイスでは、拡張システム ID は常にイネーブルです。拡張システム ID をディセーブルにできません。 |
デバイスでは常に 12 ビット拡張システム ID が使用されます。
ブリッジ プライオリティ値 |
拡張システム ID(VLAN ID と同設定) |
|||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ビット 16 |
ビット 15 |
ビット 14 |
ビット 13 |
ビット 12 |
ビット 11 |
ビット 10 |
ビット 9 |
ビット 8 |
ビット 7 |
ビット 6 |
ビット 5 |
ビット 4 |
ビット 3 |
ビット 2 |
ビット 1 |
|
32768 |
16384 |
8192 |
4096 |
2048 |
1024 |
512 |
256 |
128 |
64 |
32 |
16 |
8 |
4 |
2 |
1 |
(注) |
デバイスでは常に MAC アドレス リダクションがイネーブルです。 |
デバイスでは常に MAC アドレス リダクションがイネーブルであるため、不要なルート ブリッジの選定を防止して、スパニングツリー トポロジの問題を防ぐには、その他のすべてのレイヤ 2 接続ネットワーク装置でも MAC アドレス リダクションをイネーブルにする必要があります。
MAC アドレス リダクションをイネーブルにすると、ルート ブリッジ プライオリティは、4096 + VLAN ID の倍数となります。 デバイスのブリッジ ID(ルート ブリッジの ID を判別するためにスパニングツリー アルゴリズムで使用され、最小値が優先される)に指定できるのは、4096 の倍数だけです。 指定できるのは次の値だけです。
STP は、拡張システム ID および MAC アドレスを使用して、VLAN ごとにブリッジ ID を一意にします。
(注) |
同じスパニングツリー ドメイン内の別のブリッジで MAC アドレス リダクション機能が稼働していない場合、ブリッジ ID により細かい値を選択できるため、そのブリッジがルート ブリッジの所有権を取得する可能性があります。 |
ネットワーク装置は STP インスタンス全体に BPDU を送信します。 各ネットワーク デバイスはコンフィギュレーション BPDU を送信して、スパニングツリー トポロジを伝達および計算します。 各コンフィギュレーション BPDU に含まれる最小限の情報は、次のとおりです。
送信側ネットワーク デバイスがルート ブリッジになると見なしているネットワーク デバイスの固有のブリッジ ID
ルートまでの STP パス コスト
送信側ブリッジのブリッジ ID
メッセージ経過時間
送信側ポートの ID
hello タイマー、転送遅延タイマー、最大エージング タイム プロトコル タイマー
STP 拡張プロトコルの追加情報
ネットワーク装置が Rapid PVST+ BPDU フレームを伝送すると、そのフレームが伝送される VLAN に接続されたすべてのネットワーク装置が BPDU を受信します。 ネットワーク装置が BPDU を受信しても、フレームは転送されません。代わりに、フレームに含まれる情報を使用して BPDU が計算されます。 トポロジが変更されると、ネットワーク装置は BPDU 交換を開始します。
BPDU 交換によって次の処理が行われます。
VLAN ごとに、最小の数値 ID を持つネットワーク デバイスが、ルート ブリッジとして選定されます。 すべてのネットワーク デバイスがデフォルト プライオリティ(32768)に設定されている場合は、VLAN 内で最小の MAC アドレスを持つネットワーク デバイスがルート ブリッジになります。 ブリッジ プライオリティ値はブリッジ ID の最上位ビットを占めます。
ブリッジ プライオリティ値を変更すると、デバイスがルート ブリッジとして選定される可能性が変わります。 小さい値を設定するほどその可能性が大きくなり、大きい値を設定するほどその可能性は小さくなります。
STP ルート ブリッジは、レイヤ 2 ネットワークにおける各スパニングツリー トポロジの論理上の中心です。 レイヤ 2 ネットワーク内のどの場所からでも、ルート ブリッジに到達するために必要でないパスは、すべて STP ブロッキング モードになります。
BPDU には、送信側ブリッジおよびそのポートについて、ブリッジおよび MAC アドレス、ブリッジ プライオリティ、ポート プライオリティ、パス コストなどの情報が含まれます。 STP はこの情報を使用して STP インスタンスのルート ブリッジを選定し、ルート ブリッジへのルート ポートを選定し、各レイヤ 2 セグメントの指定ポートを判別します。
最適なネットワーク デバイスがルート ブリッジになるように、デバイスの数値を下げることで、ルートとして最適なネットワーク デバイスを使用する、新しいスパニングツリー トポロジを形成するように強制的に再計算させることができます。
スパニングツリー トポロジをデフォルトのパラメータに基づいて計算すると、スイッチド ネットワーク上の送信元から宛先エンド ステーションまでのパスが最適にならない可能性があります。 たとえば、現在のルート ポートよりも数値の大きいポートに高速リンクを接続すると、ルート ポートが変更される場合があります。 最高速のリンクをルート ポートにすることが重要です。
スイッチ B のあるポートが光ファイバ リンクであり、スイッチ B の別のポート(シールドなしツイストペア(UTP)リンク)がルート ポートであるとします。 ネットワーク トラフィックを高速の光ファイバ リンクに流した方が効率的です。 光ファイバ ポートの STP ポート プライオリティをルート ポートよりも高いプライオリティに変更すると(数値を下げる)、光ファイバ ポートが新しいルート ポートになります。
Rapid PVST+ は、ソフトウェアのデフォルトのスパニングツリー モードで、デフォルト VLAN および新規作成のすべての VLAN 上で、デフォルトでイネーブルになります。
設定された各 VLAN 上で RSTP の単一インスタンスまたはトポロジが実行され、VLAN 上の各 Rapid PVST+ インスタンスに 1 つのルート デバイスが設定されます。 Rapid PVST+ の実行中には、VLAN ベースで STP をイネーブルまたはディセーブルにできます。
Rapid PVST+ は、VLAN ごとに実装されている IEEE 802.1w(RSTP)規格です。 (手作業で STP をディセーブルにしていない場合)STP の 1 つのインスタンスは、設定されている各 VLAN で実行されます。 VLAN 上の各 Rapid PVST+ インスタンスには、1 つのルート スイッチがあります。 Rapid PVST+ の実行中には、VLAN ベースで STP をイネーブルまたはディセーブルにできます。
(注) |
デバイスのデフォルト STP モードは Rapid PVST+ です。 |
Rapid PVST+ では、ポイントツーポイントの配線を使用して、スパニングツリーの高速コンバージェンスが行われます。 Rapid PVST+ によりスパニングツリーの再設定を 1 秒未満に発生させることができます(802.1D STP のデフォルト設定では 50 秒)。 PVID は自動的にチェックされます。
(注) |
Rapid PVST+ では、VLAN ごとに 1 つの STP インスタンスがサポートされます。 |
Rapid PVST+ を使用すると、STP コンバージェンスが急速に発生します。 デフォルトでは、STP 内の各指定ポートは 2 秒おきに BPDU を送信します。 トポロジ内の指定ポートで、hello メッセージが 3 回連続して受信されない場合、または最大エージング タイムが満了した場合、ポートはテーブル内のすべてのプロトコル情報をただちに消去します。 ポートで BPDU が受信されなかった回数が 3 に達するか、または最大エージング タイムが満了した場合、ポートは直接接続されたネイバーの指定ポートとの接続が切断されていると見なします。 プロトコル情報の急速な経過により、障害検出を迅速に行うことができます。
Rapid PVST+ を使用すると、デバイス、デバイス ポート、または LAN の障害後に、接続をすばやく回復できます。 RSTP は、エッジ ポート、新しいルート ポート、およびポイントツーポイント リンクで接続されているポートに次のような高速コンバージェンスを提供します。
エッジ ポート:RSTP デバイスでエッジ ポートとしてポートを設定すると、エッジ ポートはフォワーディング ステートにすぐに移行します (この即時移行は、PortFast というシスコ独自の機能でした)。単一のエンド ステーションに接続するポートだけをエッジ ポートとして設定してください。 エッジ ポートでは、リンクの変更時にはトポロジの変更は生成されません。
STP エッジ ポートとしてポートを設定するには、spanning-tree port type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力します。
(注) |
レイヤ 2 ホストに接続されたすべてのポートをエッジ ポートとして設定することを推奨します。 |
ルート ポート:Rapid PVST+ が新規ルート ポートを選択した場合、古いルート ポートをブロックして、即座に新規ルート ポートをフォワーディング ステートに移行します。
ポイントツーポイント リンク:ポイントツーポイント リンクによってあるポートと別のポートを接続することでローカル ポートが指定ポートになると、提案合意ハンドシェイクを使用して他のポートと急速な移行がネゴシエートされ、トポロジにループがなくなります。
Rapid PVST+ では、エッジ ポートとポイントツーポイント リンクでのみ、フォワーディング ステートへの急速な移行が達成されます。 リンク タイプは設定が可能ですが、システムでは、ポートのデュプレックス設定からリンク タイプ情報が自動的に引き継がれます。 全二重ポートはポイントツーポイント ポートであると見なされ、半二重ポートは共有ポートであると見なされます。
エッジ ポートでは、トポロジの変更は生成されませんが、直接接続されているネイバーから 3 回連続 BPDU の受信に失敗するか、最大エージング タイムのタイム アウトが発生すると、他のすべての指定ポートとルート ポートにより、トポロジ変更(TC)BPDU が生成されます。 この時点で、指定ポートまたはルート ポートは TC フラグが設定された BPDU を送信します。 BPDU では、ポート上で TC While タイマーが実行されている限り、TC フラグが設定され続けます。 TC While タイマーの値は、hello タイムに 1 秒を加えて設定された値です。 トポロジ変更の初期ディテクタにより、トポロジ全体で、この情報がフラッディングされます。
Rapid PVST+ により、トポロジの変更が検出される場合、プロトコルでは次の処理が発生します。
必要に応じて、すべての非エッジ ルート ポートおよび指定ポートに対して、hello タイムの 2 倍の値に設定された TC While タイマーを開始します。
これらのすべてのポートに関連付けられている MAC アドレスがフラッシュされます。
トポロジ変更通知は、トポロジ全体で迅速にフラッディングされます。 システムでトポロジの変更が受信されると、システムにより、ポート ベースでダイナミック エントリがただちにフラッシュされます。
(注) |
TCA フラグが使用されるのは、そのデバイスが、レガシー 802.1D STP が稼働しているデバイスと相互作用している場合のみです。 |
トポロジの変更後、提案と合意のシーケンスがネットワークのエッジ方向に迅速に伝播され、接続がただちに回復します。
Rapid PVST+ および 802.1w では、次の情報を追加するために、フラグ バイトの 6 ビットをすべて使用しています。
次の図に、Rapid PVST+ の BPDU フラグの使用法を示します。
もう 1 つの重要な変更点は、Rapid PVST+ BPDU がタイプ 2、バージョン 2 であるため、デバイスが接続先のレガシー(802.1D)ブリッジを検出できることです。 802.1D の BPDU はタイプ 0、バージョン 0 です。
次の図では、スイッチ A がスイッチ B にポイントツーポイント リンクで接続され、すべてのポートはブロッキング ステートになっています。 このとき、スイッチ A のプライオリティが、スイッチ B のプライオリティよりも小さい数値であるとします。 スイッチ A は提案メッセージ(提案フラグ セットを設定したコンフィギュレーション BPDU)をスイッチ B に送信し、自分自身を指定スイッチとして提案します。
スイッチ B が提案メッセージを受信すると、提案メッセージを受信したポートを新しいルート ポートとして選択し、すべての非エッジ ポートを強制的にブロッキング ステートにします。さらに、その新しいルート ポート経由で合意メッセージ(合意フラグが設定された BPDU)を送信します。
スイッチ B から合意メッセージの受信後、スイッチ A でも、その指定ポートがただちにフォワーディング ステートに移行されます。 スイッチ B がエッジ以外のすべてのポートをブロックし、かつスイッチ A とスイッチ B の間にポイントツーポイント リンクがあるので、ネットワークでループは形成されません
スイッチ C がスイッチ B に接続されると、類似したハンドシェイク メッセージのセットがやり取りされます。 スイッチ C は、そのルート ポートとしてスイッチ B に接続されたポートを選択し、リンクの両端がただちにフォワーディング ステートになります。 アクティブ トポロジにスイッチが追加されるたびに、このハンドシェイク プロセスが実行されます。 ネットワークが収束するにつれて、提案と合意のハンドシェイクは、次の図に示すようにスパニング ツリーのルートからリーフに向かって進みます。
スイッチはポートのデュプレックス モードからリンク タイプを学習します。全二重ポートはポイントツーポイント接続と見なされ、半二重ポートは共有接続と見なされます。 デュプレックス設定によって制御されるデフォルト設定は、spanning-tree link-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力することで上書きできます。
この提案と合意のハンドシェイクが開始されるのは、非エッジ ポートがブロッキング ステートからフォワーディング ステートに移行した場合だけです。 次に、ハンドシェイク処理は、トポロジ全体に段階的に広がります。
変数 |
説明 |
---|---|
hello タイマー |
ネットワーク装置間で BPDU をブロードキャストする頻度を決定します。 デフォルトは 2 秒で、範囲は 1 ~ 10 です。 |
転送遅延タイマー |
ポートが転送を開始するまでの、リスニング ステートおよびラーニング ステートが継続する時間を決定します。 このタイマーは通常、プロトコルによっては使用されませんが、802.1D スパニングツリーと相互に動作するときに使用されます。 デフォルトは 15 秒で、範囲は 4 ~ 30 秒です。 |
最大エージング タイマー |
ポートで受信したプロトコル情報がネットワーク デバイスで保持される期間を決定します。 このタイマーは通常、プロトコルによっては使用されませんが、802.1D スパニングツリーと相互に動作するときに使用されます。 デフォルトは 20 秒で、範囲は 6 ~ 40 秒です |
Rapid PVST+ では、ポート ロールを割り当て、アクティビティ トポロジを認識することによって、高速収束が行われます。 Rapid PVST+ は、802.1D STP を利用して、最も高いスイッチ プライオリティ(最小プライオリティ値)を持つデバイスをルート ブリッジとして選択します。 Rapid PVST+ により、次のポート ロールの 1 つが個々のポートに割り当てられます。
ルート ポート:デバイスがルート ブリッジにパケットを転送するとき、最適な(コストが最小の)パスを提供します。
指定ポート:LAN からルート ブリッジにパケットを転送するとき、最小パス コストになる指定デバイスに接続します。 指定デバイスが LAN への接続に使用したポートは、指定ポートと呼ばれます。
代替ポート:現在のルート ポートによって用意されているパスに、ルート ブリッジへの代替パスを用意します。 また、トポロジ内の別のデバイスへのパスを提供します。
バックアップ ポート:指定ポートが提供した、スパニングツリーのリーフに向かうパスのバックアップとして機能します。 2 つのポートがポイントツーポイント リンクによってループバックで接続した場合、または共有 LAN セグメントへの複数の接続がデバイスにある場合に限り、バックアップ ポートは存在できます。 バックアップ ポートは、トポロジ内のデバイスに対する別のパスを提供します。
ディセーブル ポート:スパニングツリーの動作においてロールが与えられていません。
ネットワーク全体でポートのロールに一貫性のある安定したトポロジでは、Rapid PVST+ により、ルート ポートと指定ポートがすべてただちにフォワーディング ステートになり、代替ポートとバックアップ ポートはすべて、必ずブロッキング ステートになります。 指定ポートはブロッキング ステートで開始されます。 フォワーディング プロセスおよびラーニング プロセスの動作はポート ステートによって制御されます。
プロトコル情報がスイッチド LAN を通過するとき、伝播遅延が生じることがあります。 その結果、スイッチド ネットワークのさまざまな時点および場所でトポロジの変化が発生します。 レイヤ 2 LAN ポートがスパニングツリー トポロジに含まれていない状態からフォワーディング ステートに直接移行すると、一時的にデータ ループが発生する可能性があります。 ポートは新しいトポロジ情報がスイッチド LAN 経由で伝播されるまで待機し、それからフレーム転送を開始する必要があります。
Rapid PVST+ または MST を使用するデバイスの各レイヤ 2 LAN ポートは、次の 4 つのステートのいずれかになります。
ブロッキング:レイヤ 2 LAN ポートはフレーム転送に参加しません。
ラーニング:レイヤ 2 LAN ポートがフレーム転送に参加する準備をしている状態です。
フォワーディング:レイヤ 2 LAN ポートはフレームを転送します。
ディセーブル:レイヤ 2 LAN ポートが STP に参加せず、フレームを転送しません。
Rapid PVST+ をイネーブルにすると、デバイス上のすべてのポート、VLAN、およびネットワークは、電源投入時に必ずブロッキング ステートを経て、それからラーニングという移行ステートに進みます。 設定が適切であれば、各レイヤ 2 LAN ポートはフォワーディング ステートまたはブロッキング ステートで安定します。
STP アルゴリズムによってレイヤ 2 LAN ポートがフォワーディング ステートになると、次の処理が行われます。
ブロッキング ステートのレイヤ 2 LAN ポートは、フレーム転送に参加しません。
ブロッキング ステートのレイヤ 2 LAN ポートは、次の処理を実行します。
ラーニング ステートのレイヤ 2 LAN ポートは、フレームの MAC アドレスを学習して、フレーム転送に参加するための準備を行います。 レイヤ 2 LAN ポートは、ブロッキング ステートからラーニング ステートを開始します。
ラーニング ステートのレイヤ 2 LAN ポートは、次の処理を実行します。
フォワーディング ステートのレイヤ 2 LAN ポートはフレームを転送します。 レイヤ 2 LAN ポートは、ラーニング ステートからフォワーディング ステートを開始します。
フォワーディング ステートのレイヤ 2 LAN ポートは、次の処理を実行します。
ディセーブル ステートのレイヤ 2 LAN ポートは、フレーム転送または STP に参加しません。 ディセーブル ステートのレイヤ 2 LAN ポートは事実上、動作することはありません。
ディセーブルになったレイヤ 2 LAN ポートは、次の処理を実行します。
動作ステータス |
ポート ステート |
ポートがアクティブ トポロジに含まれているか |
---|---|---|
イネーブル |
ブロッキング |
No |
イネーブル |
ラーニング |
Yes |
イネーブル |
フォワーディング |
Yes |
ディセーブル |
ディセーブル |
No |
デバイスがいずれかのポートで提案メッセージを受信し、そのポートが新しいルート ポートとして選択されると、Rapid PVST+ はその他すべてのポートを新しいルート情報で同期化します。
その他すべてのポートを同期化する場合、ルート ポートで受信した優位ルート情報でデバイスは同期化されます。 次のうちいずれかが当てはまる場合、デバイスのそれぞれのポートは同期化されます。
指定ポートがフォワーディング ステートの場合で、エッジ ポートとして設定されていない場合、Rapid PVST+ により強制的に新しいルート情報との同期がとられるときに、ブロッキング ステートに移行します。 一般的に、Rapid PVST+ により、強制的にルート情報との同期がとられる場合で、ポートで前述の条件のいずれかが満たされない場合、ポート ステートはブロッキングに設定されます。
すべてのポートが同期化されてから、デバイスは、ルート ポートに対応する指定デバイスに合意メッセージを送信します。 ポイントツーポイント リンクで接続されたデバイスがポート ロールについて合意すると、Rapid PVST+ はポート ステートをフォワーディング ステートにただちに移行します。
上位 BPDU とは、自身のために現在保存されているものより上位であるルート情報(より小さいスイッチ ID、より小さいパス コストなど)を持つ BPDU のことです。
上位 BPDU がポートで受信されると、Rapid PVST+ は再設定を起動します。 そのポートが新しいルート ポートとして提案され選択されると、Rapid PVST+ はすべての非エッジ、指定ポートを強制的に同期化します。
受信した BPDU が提案フラグを設定した Rapid PVST+ BPDU である場合、その他すべてのポートが同期化されたあとで、デバイスは合意メッセージを送信します。 前のポートがブロッキング ステートになるとすぐに、新しいルート ポートがフォワーディング ステートに移行します。
ポートで受信した上位情報によりポートがバックアップ ポートまたは代替ポートになる場合、Rapid PVST+ はポートをブロッキング ステートに設定し、合意メッセージを送信します。 指定ポートは、転送遅延タイマーが期限切れになるまで、提案フラグが設定された BPDU を送信し続けます。 期限切れになると、ポートはフォワーディング ステートに移行します。
下位 BPDU とは、自身のために現在保存されているものより下位であるルート情報(より大きいスイッチ ID、より大きいパス コストなど)を持つ BPDU のことです。
DP は、下位 BPDU を受信すると、独自の情報ですぐに応答します。
ソフトウェアは、受信した BPDU のポート ロールとステートの一貫性をチェックし、単方向リンク検出(UDLD)機能を使用して、ブリッジング ループが発生する可能性のある単方向リンク障害を検出します。 この機能は、異議メカニズムに基づいています。
UDLD の詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Interfaces Configuration Guide』を参照してください。
指定ポートは、矛盾を検出すると、そのロールを維持しますが、廃棄ステートに戻ります。一貫性がない場合は、接続を中断した方がブリッジング ループを解決できるからです。
(注) |
Rapid PVST+ はデフォルトで、ショート(16 ビット)パスコスト方式を使用してコストを計算します。 ショート パスコスト方式では、1 ~ 65,535 の範囲で任意の値を割り当てることができます。 ただし、ロング(32 ビット)パスコスト方式を使用するようにデバイスを設定できます。この場合は、1 ~ 200,000,000 の範囲で任意の値を割り当てることができます。 パスコスト計算方式はグローバルに設定します。 |
帯域幅 |
ポート コストのショート パスコスト方式 |
ポート コストのロング パスコスト方式 |
---|---|---|
10 Mbps |
100 |
2,000,000 |
100 Mbps |
19 |
200,000 |
1 ギガビット イーサネット |
4 |
20,000 |
10 ギガビット イーサネット |
2 |
2,000 |
40 ギガビット イーサネット |
1 |
500 |
ループが発生した場合、STP では、LAN インターフェイスの選択時に、フォワーディング ステートにするためのポート コストを考慮します。
STP に最初に選択させたい LAN インターフェイスには低いコスト値を、最後に選択させたい LAN インターフェイスには高いコスト値を割り当てることができます。 すべての LAN インターフェイスが同じコスト値を使用している場合には、STP は LAN インターフェイス番号が最も小さい LAN インターフェイスをフォワーディング ステートにして、残りの LAN インターフェイスをブロックします。
アクセス ポートでは、ポート コストをポートごとに割り当てます。 トランク ポートでは VLAN ごとにポート コストを割り当てるため、トランク ポート上のすべての VLAN に同じポート コストを設定できます。
複数のポートのパス コストが同じである場合に、冗長パスが発生すると、Rapid PVST+ はポート プライオリティを考慮して、フォワーディング ステートにする LAN ポートを選択します。 Rapid PVST+ に最初に選択させる LAN ポートには小さいプライオリティ値を割り当て、Rapid PVST+ に最後に選択させる LAN ポートには大きいプライオリティ値を割り当てます。
すべての LAN ポートに同じプライオリティ値が割り当てられている場合、Rapid PVST+ は、LAN ポート番号が最小の LAN ポートをフォワーディング ステートにし、他の LAN ポートをブロックします。 指定可能なプライオリティの範囲は 0 ~ 224(デフォルトは 128)であり、32 単位で設定できます。 デバイスは LAN ポートがアクセス ポートとして設定されている場合にはポート プライオリティ値を使用し、LAN ポートがトランク ポートとして設定されている場合には VLAN ポート プライオリティ値を使用します。
802.1Q トランクによって、ネットワークの STP の構築方法に、いくつかの制約が課されます。 802.1Q トランクを使用して接続しているシスコのネットワーク デバイスを使用したネットワークでは、ネットワーク デバイスがトランク上で許容される VLAN ごとに 1 つの STP インスタンスを維持します。 しかし、他社製の 802.1Q ネットワーク装置では、トランク上で許容されるすべての VLAN に対して 1 つの STP インスタンス(Common Spanning Tree(CST))しか維持されません。
802.1Q トランクを使用してシスコのネットワーク デバイスを他社製のネットワーク デバイスに接続する場合、シスコのネットワーク デバイスは、トランクの 802.1Q VLAN の STP インスタンスを、他社製の 802.1Q ネットワーク デバイスのインスタンスと統合します。 ただし、シスコのネットワーク装置によって維持される VLAN 別の STP 情報はすべて、他社製の 802.1Q ネットワーク装置のクラウドによって切り離されます。 シスコのネットワーク装置を隔てている他社製の 802.1Q 装置のクラウドは、ネットワーク装置間の単一トランク リンクとして処理されます。
802.1Q トランクの詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Interfaces Configuration Guide』を参照してください。
Rapid PVST+ は、レガシー 802.1D プロトコルが稼働しているデバイスと相互運用できます。 デバイスは、BPDU バージョン 0 を受信すると、802.1D を実行している機器と相互運用していることを認識します。 Rapid PVST+ の BPDU はバージョン 2 です。 受信した BPDU が、提案フラグを設定した 802.1w BPDU バージョン 2 である場合、デバイスはその他すべてのポートが同期化した後で合意メッセージを送信します。 BPDU が 802.1D BPDU バージョン 0 である場合、デバイスは提案フラグを設定せず、ポートの転送遅延タイマーを開始します。 新しいルート ポートはフォワーディング ステートに移行するために 2 倍の転送遅延時間を必要とします。
デバイスは、次のように、レガシー 802.1D デバイスと相互運用します。
通知:802.1D BPDU とは異なり 802.1w は、TCN BPDU を使用しません。 ただし、802.1D デバイスと相互運用性を保つために、デバイスは TCN BPDU の処理と生成を行います。
確認応答:802.1w デバイスは、802.1D デバイスから指定ポートで TCN メッセージを受信すると、TCA ビットを設定して 802.1D コンフィギュレーション BPDU で応答します。 ただし、802.1D デバイスに接続しているルート ポートで TC While タイマー(802.1D の TC タイマーと同じ)がアクティブであり、TCA を設定したコンフィギュレーション BPDU を受信した場合、TC While タイマーはリセットされます。
この動作方式は 802.1D デバイスだけで必要となります。 802.1w BPDU では、TCA ビットは設定されません。
プロトコル移行:802.1D デバイスとの下位互換性のため、802.1w は 802.1D コンフィギュレーション BPDU および TCN BPDU をポートごとに選択的に送信します。
ポートが初期化されると、移行遅延タイマー(802.1w BPDU が送信される最小時間を指定)が開始され、802.1w BPDU が送信されます。 このタイマーがアクティブである間、デバイスはそのポートで受信したすべての BPDU を処理し、プロトコル タイプを無視します。
デバイスは、ポート移行遅延タイマーの満了後に 802.1D BPDU を受信すると、802.1D デバイスに接続されていると見なして 802.1D BPDU だけを使用し始めます。 ただし、802.1w デバイスが 802.1D BPDU をポートで使用しており、タイマーの満了後に 802.1w BPDU を受信すると、802.1w デバイスはタイマーを再開し、802.1w BPDU をそのポートで使用し始めます。
(注) |
同じ LAN セグメント上のすべてのデバイスで、インターフェイスごとにプロトコルを再初期化する場合は、Rapid PVST+ を再初期化する必要があります。 |
Rapid PVST+ は、IEEE 802.1s Multiple Spanning Tree(MST)規格とシームレスに相互運用されます。 ユーザによる設定は不要です。 このシームレスな相互運用をディセーブルにするには、PVST シミュレーションを使用します。
ソフトウェアは Rapid PVST+ に対してハイ アベイラビリティをサポートしています。 ただし、Rapid PVST+ を再起動した場合、統計情報およびタイマーは復元されません。 タイマーは最初から開始され、統計情報は 0 にリセットされます。
(注) |
ハイ アベイラビリティ機能の詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS High Availability and Redundancy Guide』を参照してください。 |
次の表に、この機能のライセンス要件を示します。
製品 |
ライセンス要件 |
---|---|
Cisco NX-OS |
Rapid PVST+ にライセンスは必要ありません。 ライセンス パッケージに含まれていない機能はすべて Cisco NX-OS システム イメージにバンドルされており、追加費用は一切発生しません。 |
Rapid PVST+ には次の前提条件があります。
Rapid PVST+ には次の注意事項と制約事項があります。
VLAN およびポートの最大数は 507 です。
ポート チャネリング:ポート チャネル バンドルは、単一ポートと見なされます。 ポート コストは、そのチャネルに割り当てられている設定済みのすべてのポート コストの合計です。
レイヤ 2 ホストに接続されたすべてのポートを STP エッジ ポートとして設定することを推奨します。
STP は常にイネーブルのままにしておきます。
タイマーは変更しないでください。安定性が低下することがあります。
ユーザ トラフィックを管理 VLAN から切り離し、管理 VLAN をユーザ データから分離します。
プライマリおよびセカンダリ ルート スイッチの場所として、ディストリビューション レイヤおよびコア レイヤを選択します。
802.1Q トランクを介して 2 台のシスコ デバイスを接続すると、トランク上で許容される VLAN ごとにスパニングツリー BPDU が交換されます。 トランクのネイティブ VLAN 上の BPDU は、タグなしの状態で、予約済み 802.1D スパニングツリー マルチキャスト MAC アドレス(01-80-C2-00-00-00)に送信されます。 トランクのすべての VLAN 上の BPDU は、タグ付きの状態で、予約済み Cisco Shared Spanning Tree Protocol(SSTP)マルチキャスト MAC アドレス(01-00-0c-cc-cc-cd)に送信されます。
PVST+ プロトコルに 802.1 w 標準を適用した Rapid PVST+ が、デバイスのデフォルトの STP 設定です。
Rapid PVST+ は VLAN ごとにイネーブルにします。 デバイスは VLAN ごとに個別の STP インスタンスを維持します(STP をディセーブルに設定した VLAN を除きます)。 デフォルトで Rapid PVST+ は、デフォルト VLAN と、作成した各 VLAN でイネーブルになります。
Rapid PVST+ をディセーブル化した VLAN がある場合は、指定した VLAN で Rapid PVST+ を再度イネーブルにする必要があります。 デバイスで MST がイネーブルな場合に、Rapid PVST+ を使用するには、そのデバイスで Rapid PVST+ をイネーブルにする必要があります。
Rapid PVST+ はデフォルトの STP モードです。 同じシャーシ上で MST と Rapid PVST+ を同時に実行することはできません。
(注) |
スパニングツリー モードを変更すると、すべてのスパニングツリー インスタンスが前のモードで停止して新規モードで再開されるため、トラフィックが中断されます。 |
1. config t
2. spanning-tree mode rapid-pvst
3. exit
4. (任意) show running-config spanning-tree all
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
||
ステップ 2 | spanning-tree mode rapid-pvst 例: switch(config)# spanning-tree mode rapid-pvst |
デバイスで Rapid PVST+ をイネーブルにします。 Rapid PVST+ はデフォルトのスパニングツリー モードです。
|
||
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
||
ステップ 4 | show running-config spanning-tree all 例: switch# show running-config spanning-tree all |
(任意) 現在稼働している STP コンフィギュレーションの情報を表示します。 |
||
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、デバイス上で Rapid PVST+ をイネーブルにする例を示します。
switch# config t switch(config)# spanning-tree mode rapid-pvst switch(config)# exit switch#
(注) |
Rapid PVST+ はデフォルトでイネーブルに設定されているので、show running コマンドを入力して設定の結果を表示しても、Rapid PVST+ をイネーブルにするために入力したコマンドは表示されません。 |
Rapid PVST+ は、VLAN ごとにイネーブルまたはディセーブルにできます。
(注) |
Rapid PVST+ は、デフォルト VLAN と、作成したすべての VLAN でデフォルトでイネーブルになります。 |
1. config t
2. spanning-tree vlan vlan-range または no spanning-tree vlan vlan-range
3. exit
4. (任意) show spanning-tree
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 | spanning-tree vlan vlan-range または no spanning-tree vlan vlan-range 例: switch(config)# spanning-tree vlan 5 |
|
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 | show spanning-tree 例: switch# show spanning-tree |
(任意) STP コンフィギュレーションを表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、VLAN 5 で STP をイネーブルにする例を示します。
switch# config t switch(config)# spanning-tree vlan 5 switch(config)# exit switch#
(注) |
VLAN のすべてのスイッチおよびブリッジでスパニングツリーがディセーブルになっていない場合は、VLAN でスパニングツリーをディセーブルにしないでください。 スパニングツリーは、VLAN の一部のスイッチおよびブリッジでディセーブルにしておきながら、VLAN のその他のスイッチおよびブリッジでイネーブルにしておくことはできません。 スパニングツリーをイネーブルにしたスイッチとブリッジに、ネットワークの物理トポロジに関する不完全な情報が含まれることになるので、この処理によって予想外の結果となることがあります。 |
注意 |
物理的なループがないトポロジであっても、スパニングツリーをディセーブルにしないことを推奨します。 スパニングツリーは、設定の誤りおよび配線の誤りに対する保護手段として動作します。 VLAN 内に物理的なループが存在しないことを保証できる場合以外は、VLAN でスパニングツリーをディセーブルにしないでください。 |
(注) |
STP はデフォルトでイネーブルのため、設定結果を参照するために show running コマンドを入力しても、STP をイネーブルするために入力したコマンドは表示されません。 |
デバイスは、Rapid PVST+ でアクティブ VLAN ごとに、STP インスタンスを個別に維持します。 VLAN ごとに、最小のブリッジ ID を持つネットワーク デバイスが、その VLAN のルート ブリッジになります。
特定の VLAN インスタンスがルート ブリッジになるように設定するには、そのブリッジのプライオリティをデフォルト値(32768)よりかなり小さい値に変更します。
spanning-tree vlan vlan-range root primary コマンドを入力すると、ブリッジ プライオリティ 24576 によりデバイスが指定の VLAN のルートとなる場合に、ブリッジ プライオリティがこの値(24576)に設定されます。 指定 VLAN のルート ブリッジのブリッジ プライオリティが 24576 より小さい場合、デバイスは最小ブリッジ プライオリティより 4096 小さい値に指定 VLAN のブリッジ プライオリティを設定します。
注意 |
STP のインスタンスごとのルート ブリッジは、バックボーンまたはディストリビューション デバイスである必要があります。 アクセス デバイスは、STP のプライマリ ルートとして設定しないでください。 |
(注) |
ルート ブリッジとして設定されているデバイスでは、hello タイム、転送遅延時間、最大エージング タイムは手動で設定(spanning-tree mst hello-time、spanning-tree mst forward-time、spanning-tree mst max-age の各グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用)しないでください。 |
1. config t
2. spanning-tree vlan vlan-range root primary
3. exit
4. (任意) show spanning-tree
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 | spanning-tree vlan vlan-range root primary 例: switch(config)# spanning-tree vlan 2 root primary |
スパニングツリーのルート ブリッジのブリッジ プライオリティを設定します。 |
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 | show spanning-tree 例: switch# show spanning-tree |
(任意) STP コンフィギュレーションを表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、デバイスをルート ブリッジとして設定する例を示します。
switch# config t switch(config)# spanning-tree vlan 2 root primary switch(config)# exit switch#
デバイスをセカンダリ ルートとして設定すると、STP ブリッジ プライオリティはデフォルト値(32768)から変更されます。その結果、プライマリ ルート ブリッジに障害が発生した場合に(ネットワーク上の他のネットワーク装置がデフォルトのブリッジ プライオリティ 32768 を使用していると仮定して)、このデバイスが指定された VLAN のルート ブリッジになる可能性が高くなります。 STP により、ブリッジ プライオリティが 28672 に設定されます。
レイヤ 2 ネットワークの直径(つまり、レイヤ 2 ネットワーク上の任意の 2 つのエンド ステーション間における最大ブリッジ ホップ数)を指定するには、diameter キーワードを入力します。 ネットワーク直径を指定すると、その直径のネットワークに最適な hello タイム、転送遅延時間、最大エージング タイムが自動的に選択されます。これにより、STP コンバージェンスの時間が大幅に削減されます。 キーワード hello-time を入力すると、自動的に計算された hello タイムを上書きできます。
この方法で、複数のデバイスに複数のバックアップ ルート ブリッジを設定できます。 プライマリ ルート ブリッジの設定時に使用した値と同じネットワーク直径と hello タイムの値を入力します。
(注) |
ルート ブリッジとして設定されているデバイスでは、hello タイム、転送遅延時間、最大エージング タイムは手動で設定(spanning-tree mst hello-time、spanning-tree mst forward-time、spanning-tree mst max-age の各グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用)しないでください。 |
1. config t
2. spanning-tree vlan vlan-range root secondary [diameter dia [hello-time hello-time]]
3. exit
4. (任意) show spanning-tree vlan vlan_id
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
ステップ 2 | spanning-tree vlan vlan-range root secondary [diameter dia [hello-time hello-time]] 例: switch(config)# spanning-tree vlan 5 root secondary diameter 4 |
デバイスをセカンダリ ルート ブリッジとして設定します。 vlan-range の値は、2 ~ 3967 の範囲です(予約済みの VLAN の値を除く)。 dia のデフォルトは 7 です。 hello-time の範囲は 1 ~ 10 秒で、デフォルト値は 2 秒です。 |
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 | show spanning-tree vlan vlan_id 例: switch# show spanning-tree vlan 5 |
(任意) 指定された VLAN の STP コンフィギュレーションを表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、デバイスを VLAN 5 のセカンダリ ルート ブリッジとして設定し、ネットワーク直径を 4 に設定する例を示します。
switch# config t switch(config)# spanning-tree vlan 5 root secondary diameter 4 switch(config)# exit switch#
VLAN の Rapid PVST+ のブリッジ プライオリティを設定できます。 この方法で、ルート ブリッジを設定することもできます。
(注) |
この設定を使用するときは注意が必要です。 ブリッジ プライオリティを変更するには、プライマリ ルートおよびセカンダリ ルートを設定することを推奨します。 |
1. config t
2. spanning-tree vlan vlan-range priority value
3. exit
4. (任意) show spanning-tree vlan vlan_id
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
ステップ 2 | spanning-tree vlan vlan-range priority value 例: switch(config)# spanning-tree vlan 5 priority 8192 |
VLAN のブリッジ プライオリティを設定します。 有効な値は 0、4096、8192、12288、16384、20480、24576、28672、32768、36864、40960、45056、49152、53248、57344、61440 です。 その他すべての値は拒否されます。 デフォルト値は 32768 です。 |
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 | show spanning-tree vlan vlan_id 例: switch# show spanning-tree vlan 5 |
(任意) 指定された VLAN の STP コンフィギュレーションを表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、ギガビット イーサネット ポート 1/4 で VLAN 5 のプライオリティを 8192 に設定する例を示します。
switch# config t switch(config)# spanning-tree vlan 5 priority 8192 switch(config)# exit switch#
Rapid PVST+ に最初に選択させる LAN ポートには小さいプライオリティ値を割り当て、Rapid PVST+ に最後に選択させる LAN ポートには大きいプライオリティ値を割り当てます。 すべての LAN ポートに同じプライオリティ値が割り当てられている場合、Rapid PVST+ は、LAN ポート番号が最小の LAN ポートをフォワーディング ステートにし、他の LAN ポートをブロックします。
デバイスは LAN ポートがアクセス ポートとして設定されている場合にはポート プライオリティ値を使用し、LAN ポートがトランク ポートとして設定されている場合には VLAN ポート プライオリティ値を使用します。
1. config t
2. interface type slot/port
3. spanning-tree [vlan vlan-list] port-priority priority
4. exit
5. (任意) show spanning-tree interface {ethernet slot/port | port channel channel-number}
6. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
ステップ 2 | interface type slot/port 例: switch(config)# interface ethernet 1/4 switch(config-if)# |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 | spanning-tree [vlan vlan-list] port-priority priority 例: switch(config-if)# spanning-tree port-priority 160 |
LAN インターフェイスのポート プライオリティを設定します。 priority の値は 0 ~ 224 の範囲です。 値が小さいほど、プライオリティは高くなります。 プライオリティ値は、0、32、64、96、128、160、192、224 です。 他のすべての値は拒否されます。 デフォルト値は 128 です。 |
ステップ 4 | exit 例: switch(config-if)# exit switch(config)# |
インターフェイス モードを終了します。 |
ステップ 5 | show spanning-tree interface {ethernet slot/port | port channel channel-number} 例: switch# show spanning-tree interface ethernet 2/10 |
(任意) 指定されたインターフェイスの STP コンフィギュレーションを表示します。 |
ステップ 6 | copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、イーサネット アクセス ポート 1/4 のポート プライオリティを 160 に設定する例を示します。
switch# config t switch (config)# interface ethernet 1/4 switch(config-if)# spanning-tree port-priority 160 switch(config-if)# exit switch(config)#
アクセス ポートでは、ポートごとにポート コストを割り当てることができます。 トランク ポートでは、VLAN ごとにポート コストを割り当てることができます。トランク上のすべての VLAN に同じポート コストを設定できます。
(注) |
Rapid PVST+ モードでは、ショートまたはロング パスコスト方式を使用できます。パスコスト方式の設定は、インターフェイス サブモードまたはコンフィギュレーション サブモードで行います。 デフォルト パスコスト方式はショートです。 |
1. config t
2. spanning-tree pathcost method {long | short}
3. interface type slot/port
4. spanning-tree [vlan vlan-id] cost [value | auto]
5. exit
6. (任意) show spanning-tree pathcost method
7. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
||
ステップ 2 | spanning-tree pathcost method {long | short} 例: switch(config)# spanning-tree pathcost method long |
Rapid PVST+ パスコスト計算に使用される方式を選択します。 デフォルト方式は short 型です。 |
||
ステップ 3 | interface type slot/port 例: switch(config)# interface ethernet 1/4 switch(config-if) |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
||
ステップ 4 | spanning-tree [vlan vlan-id] cost [value | auto] 例: switch(config-if)# spanning-tree cost 1000 |
LAN インターフェイスのポート コストを設定します。 ポート コスト値には、パスコスト計算方式に応じて、次の値を指定できます。
デフォルトの auto では、パスコスト計算方式およびメディア速度に基づいてポート コストが設定されます。 |
||
ステップ 5 | exit 例: switch(config-if)# exit switch(config)# |
インターフェイス モードを終了します。 |
||
ステップ 6 | show spanning-tree pathcost method 例: switch# show spanning-tree pathcost method |
(任意) STP パスコスト方式を表示します。 |
||
ステップ 7 | copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、イーサネット アクセス ポート 1/4 のポート コストを 1000 に設定する例を示します。
switch# config t switch (config)# spanning-tree pathcost method long switch (config)# interface ethernet 1/4 switch(config-if)# spanning-tree cost 1000 switch(config-if)# exit switch(config)#
VLAN の Rapid-PVST+ hello タイムを設定できます。
(注) |
この設定を使用する場合は、注意してください。スパニングツリーが中断されることがあります。 ほとんどの場合、プライマリ ルートとセカンダリ ルートを設定して、hello タイムを変更することを推奨します。 |
1. config t
2. spanning-tree vlan vlan-range hello-time value
3. exit
4. (任意) show spanning-tree vlan vlan_id
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
ステップ 2 | spanning-tree vlan vlan-range hello-time value 例: switch(config)# spanning-tree vlan 5 hello-time 7 |
VLAN の hello タイムを設定します。 hello タイムの値の範囲は 1 ~ 10 秒で、デフォルトは 2 秒です。 |
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 | show spanning-tree vlan vlan_id 例: switch# show spanning-tree vlan 5 |
(任意) STP コンフィギュレーションを VLAN 単位で表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、VLAN 5 の hello タイムを 7 秒に設定する例を示します。
switch# config t switch(config)# spanning-tree vlan 5 hello-time 7 switch(config)# exit switch#
Rapid PVST+ の使用時は、VLAN ごとに転送遅延時間を設定できます。
1. config t
2. spanning-tree vlan vlan-range forward-time value
3. exit
4. (任意) show spanning-tree vlan vlan_id
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
ステップ 2 | spanning-tree vlan vlan-range forward-time value 例: switch(config)# spanning-tree vlan 5 forward-time 21 |
VLAN の転送遅延時間を設定します。 転送遅延時間の値の範囲は 4 ~ 30 秒で、デフォルトは 15 秒です。 |
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 | show spanning-tree vlan vlan_id 例: switch# show spanning-tree vlan 5 |
(任意) STP コンフィギュレーションを VLAN 単位で表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、VLAN 5 の転送遅延時間を 21 秒に設定する例を示します。
switch# config t switch(config)# spanning-tree vlan 5 forward-time 21 switch(config)# exit switch#
Rapid PVST+ の使用時は、VLAN ごとに最大エージング タイムを設定できます。
1. config t
2. spanning-tree vlan vlan-range max-age value
3. exit
4. (任意) show spanning-tree vlan vlan_id
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
ステップ 2 | spanning-tree vlan vlan-range max-age value 例: switch(config)# spanning-tree vlan 5 max-age 36 |
VLAN の最大エージング タイムを設定します。 最大エージング タイムの値の範囲は 6 ~ 40 秒で、デフォルトは 20 秒です。 |
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 | show spanning-tree vlan vlan_id 例: switch# show spanning-tree vlan 5 |
(任意) STP コンフィギュレーションを VLAN 単位で表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、VLAN 5 の最大エージング タイムを 36 秒に設定する例を示します。
switch# config t switch(config)# spanning-tree vlan 5 max-age 36 switch(config)# exit switch#
Rapid の接続性(802.1w 規格)は、ポイントツーポイントのリンク上でのみ確立されます。 リンク タイプは、デフォルトでは、インターフェイスのデュプレックス モードから制御されます。 全二重ポートはポイントツーポイント接続であると見なされ、半二重ポートは共有接続であると見なされます。
リモート デバイスの単一ポートに、ポイントツーポイントで物理的に接続されている半二重リンクがある場合、リンク タイプのデフォルト設定を上書きして高速移行をイネーブルにできます。
リンクを共有に設定すると、STP は 802.1D にフォール バックします。
1. config t
2. interface type slot/port
3. spanning-tree link-type {auto | point-to-point | shared}
4. exit
5. (任意) show spanning-tree
6. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
ステップ 2 | interface type slot/port 例: switch(config)# interface ethernet 1/4 switch(config-if)# |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 | spanning-tree link-type {auto | point-to-point | shared} 例: switch(config-if)# spanning-tree link-type point-to-point |
リンク タイプを、ポイントツーポイント リンクまたは共有リンクに設定します。 デフォルト値はデバイス接続から読み取られ、半二重リンクは共有、全二重リンクはポイントツーポイントです。 リンク タイプが共有の場合、STP は 802.1D にフォール バックします。 デフォルトは auto で、インターフェイスのデュプレックス設定に基づいてリンク タイプが設定されます。 |
ステップ 4 | exit 例: switch(config-if)# exit switch(config)# |
インターフェイス モードを終了します。 |
ステップ 5 | show spanning-tree 例: switch# show spanning-tree |
(任意) STP コンフィギュレーションを表示します。 |
ステップ 6 | copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、リンク タイプをポイントツーポイント リンクとして設定する例を示します。
switch# config t switch (config)# interface ethernet 1/4 switch(config-if)# spanning-tree link-type point-to-point switch(config-if)# exit switch(config)#
Rapid PVST+ が稼働するブリッジにレガシー ブリッジが接続されている場合は、1 つのポートから 802.1D BPDU を送信できます。 ただし、STP プロトコルを移行しても、レガシー デバイスが代表スイッチでないかぎり、レガシー デバイスがリンクから削除されたかどうかを判別することはできません。 デバイス全体で、または指定されたインターフェイスで、プロトコル ネゴシエーションを再初期化する(ネイバー デバイスと強制的に再ネゴシエーションを行う)ことができます。
1. clear spanning-tree detected-protocol [interface {ethernet slot/port | port channel channel-number}]
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | clear spanning-tree detected-protocol [interface {ethernet slot/port | port channel channel-number}] 例: switch# clear spanning-tree detected-protocol |
デバイス上のすべてのインターフェイス、または指定されたインターフェイスで、Rapid PVST+ を再初期化します。 |
次に、スロット 2 のイーサネット インターフェイス ポート 8 で、Rapid PVST+ を再初期化する例を示します。
switch# clear spanning-tree detected-protocol interface ethernet 2/8 switch#
コマンド |
目的 |
---|---|
show running-config spanning-tree [ all] |
STP についての情報を表示します。 |
show spanning-tree summary |
STP の概要を表示します。 |
show spanning-tree detail |
STP の詳細を表示します。 |
show spanning-tree{vlanvlan-id | interface {[ethernetslot/port] | [port-channelchannel-number]}} [detail] |
VLAN またはインターフェイス単位の STP 情報を表示します。 |
show spanning-tree vlan vlan-id bridge |
STP ブリッジの情報を表示します。 |
コマンド |
目的 |
---|---|
clear spanning-tree counters [interface type slot/port | vlanvlan-id] |
STP のカウンタをクリアします。 |
show spanning-tree {vlan vlan-id | interface {[ethernet slot/port] | [port-channel channel-number]}} detail | 送受信された BPDU などの STP 情報を、インターフェイスまたは VLAN 別に表示します。 |
次に、Rapid PVST+ の設定例を示します。
switch# configure terminal switch(config)# spanning-tree port type edge bpduguard default switch(config)# spanning-tree port type edge bpdufilter default switch(cnfig)# spanning-tree port type network default switch(config)# spanning-tree vlan 1-10 priority 24576 switch(config)# spanning-tree vlan 1-10 hello-time 1 switch(config)# spanning-tree vlan 1-10 forward-time 9 switch(config)# spanning-tree vlan 1-10 max-age 13 switch(config)# interface Ethernet 3/1 switchport switch(config-if)# spanning-tree port type edge switch(config-if)# exit switch(config)# spanning-tree port type edge switch(config-if)# switchport switch(config-if)# switchport mode trunk switch(config-if)# spanning-tree guard root switch(config-if)# exit switch(config)#
関連項目 |
マニュアル タイトル |
---|---|
レイヤ 2 インターフェイス |
『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Interfaces Configuration Guide』 |
Cisco NX-OS の基礎 |
『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide』 |
高可用性 |
『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS High Availability and Redundancy Guide』 |
システム管理 |
『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS System Management Configuration Guide』 |
標準 |
タイトル |
---|---|
IEEE 802.1Q-2006(旧称 IEEE 802.1s)、IEEE 802.1D-2004(旧称 IEEE 802.1w)、IEEE 802.1D、IEEE 802.1t |
— |
MIB |
MIB のリンク |
---|---|
MIB を検索およびダウンロードするには、次の URL にアクセスしてください。ftp://ftp.cisco.com/pub/mibs/supportlists/nexus9000/Nexus9000MIBSupportList.html |
目次
(注) |
レイヤ 2 インターフェイスの作成の詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Interfaces Configuration Guide』を参照してください。 |
スパニングツリー プロトコル(STP)は、ネットワークのレイヤ 2 でループのないネットワークを実現するために実装されました。 Rapid PVST+ は、VLAN ごとにスパニングツリー トポロジを 1 つ作成することができる、STP の更新版です。 デバイスのデフォルト STP モードは Rapid PVST+ です。
(注) |
このマニュアルでは、IEEE 802.1w および IEEE 802.1s を指す用語として、「スパニングツリー」を使用します。 このマニュアルで IEEE 802.1D STP に関して説明する場合は、具体的に 802.1D と表記されます。 |
(注) |
Rapid PVST+ はデフォルトの STP モードです。 |
Rapid PVST+ プロトコルは、VLAN 単位で実装される IEEE 802.1w 標準(Rapid Spanning Tree Protocol(RSTP:高速スパニングツリー プロトコル))です。 Rapid PVST+ は、個別の VLAN でなく、すべての VLAN に対応する単一の STP インスタンスが規定された IEEE 802.1Q VLAN 標準と相互運用されます。
デバイスのデフォルト VLAN(VLAN1)および新規作成されたすべての VLAN では、Rapid PVST+ がデフォルトでイネーブルです。 Rapid PVST+ はレガシー IEEE 802.1D STP が稼働するデバイスと相互運用されます。
RSTP は、元の STP 規格 802.1D の拡張版で、より高速な収束が可能です。
(注) |
デバイスは、Rapid PVST+ に対して中断のない完全アップグレードをサポートしています。 中断のない完全アップグレードの詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS High Availability and Redundancy Guide』を参照してください。 |
レイヤ 2 イーサネット ネットワークが正常に動作するには、2 つの端末間で存在できるアクティブ パスは 1 つだけです。 STP の動作はエンド ステーションに対してトランスペアレントなので、単一の LAN セグメントに接続されているのか、それとも複数セグメントからなるスイッチド LAN に接続されているのかを、エンド ステーションが検知することはできません。
フォールト トレラントなインターネットワークを作成する場合、ネットワーク上のすべてのノード間にループフリー パスを構築する必要があります。 STP アルゴリズムは、スイッチド レイヤ 2 ネットワーク上で最良のループフリー パスを算出します。 レイヤ 2 LAN ポートは STP フレーム(Bridge Protocol Data Unit(BPDU:ブリッジ プロトコル データ ユニット))を一定の時間間隔で送受信します。 ネットワーク デバイスは、これらのフレームを転送せずに、フレームを使用してループフリー パスを構築します。
エンド ステーション間に複数のアクティブ パスがあると、ネットワーク内でループが発生する原因になります。 ネットワークにループが存在する場合、エンド ステーションが重複したメッセージを受信したり、ネットワーク デバイスが複数のレイヤ 2 LAN ポート上でエンド ステーション MAC アドレスを学習したりする可能性があります。
STP は、ルート ブリッジおよびそのルートからレイヤ 2 ネットワーク上のすべてのネットワーク デバイスへのループフリー パスを備えたツリーを定義します。 STP は冗長データパスを強制的にブロック状態にします。 スパニングツリーのネットワーク セグメントに障害が発生した場合、冗長パスがあると、STP アルゴリズムにより、スパニングツリー トポロジが再計算され、ブロックされたパスがアクティブになります。
ネットワーク デバイス上の 2 つのレイヤ 2 LAN ポートがループの一部になっている場合、デバイス上のどちらのポートがフォワーディング ステートになり、どちらのポートがブロッキング ステートになるかは、STP ポート プライオリティおよびポート パスコストの設定によって決まります。 STP のポート プライオリティ値は、その場所でポートがトラフィックを送受信する場合の効率を示します。 STP ポート パスコスト値は、メディア速度から算出されます。
スパニングツリーに参加している LAN 内のすべてのデバイスは、BPDU を交換して、ネットワーク内の他のスイッチに関する情報を収集します。 この BPDU の交換により、次のアクションが発生します。
そのスパニングツリー ネットワーク トポロジでルート スイッチが 1 台選択されます。
LAN セグメントごとに指定スイッチが 1 台選定されます。
冗長スイッチ ポートをバックアップ ステートにすることにより、スイッチド ネットワーク上のループが排除されます。スイッチド ネットワーク内のどの場所からも、ルート デバイスに到達するために必要でないパスは、すべて STP ブロック ステートになります。
アクティブなスイッチド ネットワーク上のトポロジは、次の情報によって決定されます。
スイッチド ネットワークでは、ルート スイッチが論理的にスパニングツリー トポロジの中心になります。 STP は BPDU を使用して、スイッチド ネットワークのルート スイッチおよびルート ポートを選定します。
(注) |
mac-address bpdu source version 2 コマンドを実行すると、STP が新しいシスコの MAC アドレス(00:26:0b:xx:xx:xx)を、vPC ポートで生成される BDPU の発信元アドレスとして使用できるようになります。 このコマンドを適用するには、両方の vPC ピア スイッチまたはピアの設定が同一である必要があります。 STP 不整合に起因するトラフィックの中断を最小限に抑えるため、このコマンドを実行する前に、エッジ デバイスの EtherChannel ガードをディセーブルにすることを強くお勧めします。 両方のピアの更新後に、EtherChannel ガードを再びイネーブルにします。 |
デバイスでは常に 12 ビット拡張システム ID が使用されます。
ブリッジ プライオリティ値 |
拡張システム ID(VLAN ID と同設定) |
|||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ビット 16 |
ビット 15 |
ビット 14 |
ビット 13 |
ビット 12 |
ビット 11 |
ビット 10 |
ビット 9 |
ビット 8 |
ビット 7 |
ビット 6 |
ビット 5 |
ビット 4 |
ビット 3 |
ビット 2 |
ビット 1 |
|
32768 |
16384 |
8192 |
4096 |
2048 |
1024 |
512 |
256 |
128 |
64 |
32 |
16 |
8 |
4 |
2 |
1 |
(注) |
デバイスでは常に MAC アドレス リダクションがイネーブルです。 |
デバイスでは常に MAC アドレス リダクションがイネーブルであるため、不要なルート ブリッジの選定を防止して、スパニングツリー トポロジの問題を防ぐには、その他のすべてのレイヤ 2 接続ネットワーク装置でも MAC アドレス リダクションをイネーブルにする必要があります。
MAC アドレス リダクションをイネーブルにすると、ルート ブリッジ プライオリティは、4096 + VLAN ID の倍数となります。 デバイスのブリッジ ID(ルート ブリッジの ID を判別するためにスパニングツリー アルゴリズムで使用され、最小値が優先される)に指定できるのは、4096 の倍数だけです。 指定できるのは次の値だけです。
STP は、拡張システム ID および MAC アドレスを使用して、VLAN ごとにブリッジ ID を一意にします。
(注) |
同じスパニングツリー ドメイン内の別のブリッジで MAC アドレス リダクション機能が稼働していない場合、ブリッジ ID により細かい値を選択できるため、そのブリッジがルート ブリッジの所有権を取得する可能性があります。 |
ネットワーク装置は STP インスタンス全体に BPDU を送信します。 各ネットワーク デバイスはコンフィギュレーション BPDU を送信して、スパニングツリー トポロジを伝達および計算します。 各コンフィギュレーション BPDU に含まれる最小限の情報は、次のとおりです。
送信側ネットワーク デバイスがルート ブリッジになると見なしているネットワーク デバイスの固有のブリッジ ID
ルートまでの STP パス コスト
送信側ブリッジのブリッジ ID
メッセージ経過時間
送信側ポートの ID
hello タイマー、転送遅延タイマー、最大エージング タイム プロトコル タイマー
STP 拡張プロトコルの追加情報
ネットワーク装置が Rapid PVST+ BPDU フレームを伝送すると、そのフレームが伝送される VLAN に接続されたすべてのネットワーク装置が BPDU を受信します。 ネットワーク装置が BPDU を受信しても、フレームは転送されません。代わりに、フレームに含まれる情報を使用して BPDU が計算されます。 トポロジが変更されると、ネットワーク装置は BPDU 交換を開始します。
BPDU 交換によって次の処理が行われます。
VLAN ごとに、最小の数値 ID を持つネットワーク デバイスが、ルート ブリッジとして選定されます。 すべてのネットワーク デバイスがデフォルト プライオリティ(32768)に設定されている場合は、VLAN 内で最小の MAC アドレスを持つネットワーク デバイスがルート ブリッジになります。 ブリッジ プライオリティ値はブリッジ ID の最上位ビットを占めます。
ブリッジ プライオリティ値を変更すると、デバイスがルート ブリッジとして選定される可能性が変わります。 小さい値を設定するほどその可能性が大きくなり、大きい値を設定するほどその可能性は小さくなります。
STP ルート ブリッジは、レイヤ 2 ネットワークにおける各スパニングツリー トポロジの論理上の中心です。 レイヤ 2 ネットワーク内のどの場所からでも、ルート ブリッジに到達するために必要でないパスは、すべて STP ブロッキング モードになります。
BPDU には、送信側ブリッジおよびそのポートについて、ブリッジおよび MAC アドレス、ブリッジ プライオリティ、ポート プライオリティ、パス コストなどの情報が含まれます。 STP はこの情報を使用して STP インスタンスのルート ブリッジを選定し、ルート ブリッジへのルート ポートを選定し、各レイヤ 2 セグメントの指定ポートを判別します。
最適なネットワーク デバイスがルート ブリッジになるように、デバイスの数値を下げることで、ルートとして最適なネットワーク デバイスを使用する、新しいスパニングツリー トポロジを形成するように強制的に再計算させることができます。
スパニングツリー トポロジをデフォルトのパラメータに基づいて計算すると、スイッチド ネットワーク上の送信元から宛先エンド ステーションまでのパスが最適にならない可能性があります。 たとえば、現在のルート ポートよりも数値の大きいポートに高速リンクを接続すると、ルート ポートが変更される場合があります。 最高速のリンクをルート ポートにすることが重要です。
スイッチ B のあるポートが光ファイバ リンクであり、スイッチ B の別のポート(シールドなしツイストペア(UTP)リンク)がルート ポートであるとします。 ネットワーク トラフィックを高速の光ファイバ リンクに流した方が効率的です。 光ファイバ ポートの STP ポート プライオリティをルート ポートよりも高いプライオリティに変更すると(数値を下げる)、光ファイバ ポートが新しいルート ポートになります。
Rapid PVST+ は、VLAN ごとに実装されている IEEE 802.1w(RSTP)規格です。 (手作業で STP をディセーブルにしていない場合)STP の 1 つのインスタンスは、設定されている各 VLAN で実行されます。 VLAN 上の各 Rapid PVST+ インスタンスには、1 つのルート スイッチがあります。 Rapid PVST+ の実行中には、VLAN ベースで STP をイネーブルまたはディセーブルにできます。
(注) |
デバイスのデフォルト STP モードは Rapid PVST+ です。 |
Rapid PVST+ では、ポイントツーポイントの配線を使用して、スパニングツリーの高速コンバージェンスが行われます。 Rapid PVST+ によりスパニングツリーの再設定を 1 秒未満に発生させることができます(802.1D STP のデフォルト設定では 50 秒)。 PVID は自動的にチェックされます。
(注) |
Rapid PVST+ では、VLAN ごとに 1 つの STP インスタンスがサポートされます。 |
Rapid PVST+ を使用すると、STP コンバージェンスが急速に発生します。 デフォルトでは、STP 内の各指定ポートは 2 秒おきに BPDU を送信します。 トポロジ内の指定ポートで、hello メッセージが 3 回連続して受信されない場合、または最大エージング タイムが満了した場合、ポートはテーブル内のすべてのプロトコル情報をただちに消去します。 ポートで BPDU が受信されなかった回数が 3 に達するか、または最大エージング タイムが満了した場合、ポートは直接接続されたネイバーの指定ポートとの接続が切断されていると見なします。 プロトコル情報の急速な経過により、障害検出を迅速に行うことができます。
Rapid PVST+ を使用すると、デバイス、デバイス ポート、または LAN の障害後に、接続をすばやく回復できます。 RSTP は、エッジ ポート、新しいルート ポート、およびポイントツーポイント リンクで接続されているポートに次のような高速コンバージェンスを提供します。
エッジ ポート:RSTP デバイスでエッジ ポートとしてポートを設定すると、エッジ ポートはフォワーディング ステートにすぐに移行します (この即時移行は、PortFast というシスコ独自の機能でした)。単一のエンド ステーションに接続するポートだけをエッジ ポートとして設定してください。 エッジ ポートでは、リンクの変更時にはトポロジの変更は生成されません。
STP エッジ ポートとしてポートを設定するには、spanning-tree port type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力します。
(注) |
レイヤ 2 ホストに接続されたすべてのポートをエッジ ポートとして設定することを推奨します。 |
ルート ポート:Rapid PVST+ が新規ルート ポートを選択した場合、古いルート ポートをブロックして、即座に新規ルート ポートをフォワーディング ステートに移行します。
ポイントツーポイント リンク:ポイントツーポイント リンクによってあるポートと別のポートを接続することでローカル ポートが指定ポートになると、提案合意ハンドシェイクを使用して他のポートと急速な移行がネゴシエートされ、トポロジにループがなくなります。
Rapid PVST+ では、エッジ ポートとポイントツーポイント リンクでのみ、フォワーディング ステートへの急速な移行が達成されます。 リンク タイプは設定が可能ですが、システムでは、ポートのデュプレックス設定からリンク タイプ情報が自動的に引き継がれます。 全二重ポートはポイントツーポイント ポートであると見なされ、半二重ポートは共有ポートであると見なされます。
エッジ ポートでは、トポロジの変更は生成されませんが、直接接続されているネイバーから 3 回連続 BPDU の受信に失敗するか、最大エージング タイムのタイム アウトが発生すると、他のすべての指定ポートとルート ポートにより、トポロジ変更(TC)BPDU が生成されます。 この時点で、指定ポートまたはルート ポートは TC フラグが設定された BPDU を送信します。 BPDU では、ポート上で TC While タイマーが実行されている限り、TC フラグが設定され続けます。 TC While タイマーの値は、hello タイムに 1 秒を加えて設定された値です。 トポロジ変更の初期ディテクタにより、トポロジ全体で、この情報がフラッディングされます。
Rapid PVST+ により、トポロジの変更が検出される場合、プロトコルでは次の処理が発生します。
必要に応じて、すべての非エッジ ルート ポートおよび指定ポートに対して、hello タイムの 2 倍の値に設定された TC While タイマーを開始します。
これらのすべてのポートに関連付けられている MAC アドレスがフラッシュされます。
トポロジ変更通知は、トポロジ全体で迅速にフラッディングされます。 システムでトポロジの変更が受信されると、システムにより、ポート ベースでダイナミック エントリがただちにフラッシュされます。
(注) |
TCA フラグが使用されるのは、そのデバイスが、レガシー 802.1D STP が稼働しているデバイスと相互作用している場合のみです。 |
トポロジの変更後、提案と合意のシーケンスがネットワークのエッジ方向に迅速に伝播され、接続がただちに回復します。
次の図では、スイッチ A がスイッチ B にポイントツーポイント リンクで接続され、すべてのポートはブロッキング ステートになっています。 このとき、スイッチ A のプライオリティが、スイッチ B のプライオリティよりも小さい数値であるとします。 スイッチ A は提案メッセージ(提案フラグ セットを設定したコンフィギュレーション BPDU)をスイッチ B に送信し、自分自身を指定スイッチとして提案します。
スイッチ B が提案メッセージを受信すると、提案メッセージを受信したポートを新しいルート ポートとして選択し、すべての非エッジ ポートを強制的にブロッキング ステートにします。さらに、その新しいルート ポート経由で合意メッセージ(合意フラグが設定された BPDU)を送信します。
スイッチ B から合意メッセージの受信後、スイッチ A でも、その指定ポートがただちにフォワーディング ステートに移行されます。 スイッチ B がエッジ以外のすべてのポートをブロックし、かつスイッチ A とスイッチ B の間にポイントツーポイント リンクがあるので、ネットワークでループは形成されません
スイッチ C がスイッチ B に接続されると、類似したハンドシェイク メッセージのセットがやり取りされます。 スイッチ C は、そのルート ポートとしてスイッチ B に接続されたポートを選択し、リンクの両端がただちにフォワーディング ステートになります。 アクティブ トポロジにスイッチが追加されるたびに、このハンドシェイク プロセスが実行されます。 ネットワークが収束するにつれて、提案と合意のハンドシェイクは、次の図に示すようにスパニング ツリーのルートからリーフに向かって進みます。
スイッチはポートのデュプレックス モードからリンク タイプを学習します。全二重ポートはポイントツーポイント接続と見なされ、半二重ポートは共有接続と見なされます。 デュプレックス設定によって制御されるデフォルト設定は、spanning-tree link-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力することで上書きできます。
この提案と合意のハンドシェイクが開始されるのは、非エッジ ポートがブロッキング ステートからフォワーディング ステートに移行した場合だけです。 次に、ハンドシェイク処理は、トポロジ全体に段階的に広がります。
変数 |
説明 |
---|---|
hello タイマー |
ネットワーク装置間で BPDU をブロードキャストする頻度を決定します。 デフォルトは 2 秒で、範囲は 1 ~ 10 です。 |
転送遅延タイマー |
ポートが転送を開始するまでの、リスニング ステートおよびラーニング ステートが継続する時間を決定します。 このタイマーは通常、プロトコルによっては使用されませんが、802.1D スパニングツリーと相互に動作するときに使用されます。 デフォルトは 15 秒で、範囲は 4 ~ 30 秒です。 |
最大エージング タイマー |
ポートで受信したプロトコル情報がネットワーク デバイスで保持される期間を決定します。 このタイマーは通常、プロトコルによっては使用されませんが、802.1D スパニングツリーと相互に動作するときに使用されます。 デフォルトは 20 秒で、範囲は 6 ~ 40 秒です |
Rapid PVST+ では、ポート ロールを割り当て、アクティビティ トポロジを認識することによって、高速収束が行われます。 Rapid PVST+ は、802.1D STP を利用して、最も高いスイッチ プライオリティ(最小プライオリティ値)を持つデバイスをルート ブリッジとして選択します。 Rapid PVST+ により、次のポート ロールの 1 つが個々のポートに割り当てられます。
ルート ポート:デバイスがルート ブリッジにパケットを転送するとき、最適な(コストが最小の)パスを提供します。
指定ポート:LAN からルート ブリッジにパケットを転送するとき、最小パス コストになる指定デバイスに接続します。 指定デバイスが LAN への接続に使用したポートは、指定ポートと呼ばれます。
代替ポート:現在のルート ポートによって用意されているパスに、ルート ブリッジへの代替パスを用意します。 また、トポロジ内の別のデバイスへのパスを提供します。
バックアップ ポート:指定ポートが提供した、スパニングツリーのリーフに向かうパスのバックアップとして機能します。 2 つのポートがポイントツーポイント リンクによってループバックで接続した場合、または共有 LAN セグメントへの複数の接続がデバイスにある場合に限り、バックアップ ポートは存在できます。 バックアップ ポートは、トポロジ内のデバイスに対する別のパスを提供します。
ディセーブル ポート:スパニングツリーの動作においてロールが与えられていません。
ネットワーク全体でポートのロールに一貫性のある安定したトポロジでは、Rapid PVST+ により、ルート ポートと指定ポートがすべてただちにフォワーディング ステートになり、代替ポートとバックアップ ポートはすべて、必ずブロッキング ステートになります。 指定ポートはブロッキング ステートで開始されます。 フォワーディング プロセスおよびラーニング プロセスの動作はポート ステートによって制御されます。
プロトコル情報がスイッチド LAN を通過するとき、伝播遅延が生じることがあります。 その結果、スイッチド ネットワークのさまざまな時点および場所でトポロジの変化が発生します。 レイヤ 2 LAN ポートがスパニングツリー トポロジに含まれていない状態からフォワーディング ステートに直接移行すると、一時的にデータ ループが発生する可能性があります。 ポートは新しいトポロジ情報がスイッチド LAN 経由で伝播されるまで待機し、それからフレーム転送を開始する必要があります。
Rapid PVST+ または MST を使用するデバイスの各レイヤ 2 LAN ポートは、次の 4 つのステートのいずれかになります。
ブロッキング:レイヤ 2 LAN ポートはフレーム転送に参加しません。
ラーニング:レイヤ 2 LAN ポートがフレーム転送に参加する準備をしている状態です。
フォワーディング:レイヤ 2 LAN ポートはフレームを転送します。
ディセーブル:レイヤ 2 LAN ポートが STP に参加せず、フレームを転送しません。
Rapid PVST+ をイネーブルにすると、デバイス上のすべてのポート、VLAN、およびネットワークは、電源投入時に必ずブロッキング ステートを経て、それからラーニングという移行ステートに進みます。 設定が適切であれば、各レイヤ 2 LAN ポートはフォワーディング ステートまたはブロッキング ステートで安定します。
STP アルゴリズムによってレイヤ 2 LAN ポートがフォワーディング ステートになると、次の処理が行われます。
デバイスがいずれかのポートで提案メッセージを受信し、そのポートが新しいルート ポートとして選択されると、Rapid PVST+ はその他すべてのポートを新しいルート情報で同期化します。
その他すべてのポートを同期化する場合、ルート ポートで受信した優位ルート情報でデバイスは同期化されます。 次のうちいずれかが当てはまる場合、デバイスのそれぞれのポートは同期化されます。
指定ポートがフォワーディング ステートの場合で、エッジ ポートとして設定されていない場合、Rapid PVST+ により強制的に新しいルート情報との同期がとられるときに、ブロッキング ステートに移行します。 一般的に、Rapid PVST+ により、強制的にルート情報との同期がとられる場合で、ポートで前述の条件のいずれかが満たされない場合、ポート ステートはブロッキングに設定されます。
すべてのポートが同期化されてから、デバイスは、ルート ポートに対応する指定デバイスに合意メッセージを送信します。 ポイントツーポイント リンクで接続されたデバイスがポート ロールについて合意すると、Rapid PVST+ はポート ステートをフォワーディング ステートにただちに移行します。
上位 BPDU とは、自身のために現在保存されているものより上位であるルート情報(より小さいスイッチ ID、より小さいパス コストなど)を持つ BPDU のことです。
上位 BPDU がポートで受信されると、Rapid PVST+ は再設定を起動します。 そのポートが新しいルート ポートとして提案され選択されると、Rapid PVST+ はすべての非エッジ、指定ポートを強制的に同期化します。
受信した BPDU が提案フラグを設定した Rapid PVST+ BPDU である場合、その他すべてのポートが同期化されたあとで、デバイスは合意メッセージを送信します。 前のポートがブロッキング ステートになるとすぐに、新しいルート ポートがフォワーディング ステートに移行します。
ポートで受信した上位情報によりポートがバックアップ ポートまたは代替ポートになる場合、Rapid PVST+ はポートをブロッキング ステートに設定し、合意メッセージを送信します。 指定ポートは、転送遅延タイマーが期限切れになるまで、提案フラグが設定された BPDU を送信し続けます。 期限切れになると、ポートはフォワーディング ステートに移行します。
(注) |
Rapid PVST+ はデフォルトで、ショート(16 ビット)パスコスト方式を使用してコストを計算します。 ショート パスコスト方式では、1 ~ 65,535 の範囲で任意の値を割り当てることができます。 ただし、ロング(32 ビット)パスコスト方式を使用するようにデバイスを設定できます。この場合は、1 ~ 200,000,000 の範囲で任意の値を割り当てることができます。 パスコスト計算方式はグローバルに設定します。 |
帯域幅 |
ポート コストのショート パスコスト方式 |
ポート コストのロング パスコスト方式 |
---|---|---|
10 Mbps |
100 |
2,000,000 |
100 Mbps |
19 |
200,000 |
1 ギガビット イーサネット |
4 |
20,000 |
10 ギガビット イーサネット |
2 |
2,000 |
40 ギガビット イーサネット |
1 |
500 |
ループが発生した場合、STP では、LAN インターフェイスの選択時に、フォワーディング ステートにするためのポート コストを考慮します。
STP に最初に選択させたい LAN インターフェイスには低いコスト値を、最後に選択させたい LAN インターフェイスには高いコスト値を割り当てることができます。 すべての LAN インターフェイスが同じコスト値を使用している場合には、STP は LAN インターフェイス番号が最も小さい LAN インターフェイスをフォワーディング ステートにして、残りの LAN インターフェイスをブロックします。
アクセス ポートでは、ポート コストをポートごとに割り当てます。 トランク ポートでは VLAN ごとにポート コストを割り当てるため、トランク ポート上のすべての VLAN に同じポート コストを設定できます。
複数のポートのパス コストが同じである場合に、冗長パスが発生すると、Rapid PVST+ はポート プライオリティを考慮して、フォワーディング ステートにする LAN ポートを選択します。 Rapid PVST+ に最初に選択させる LAN ポートには小さいプライオリティ値を割り当て、Rapid PVST+ に最後に選択させる LAN ポートには大きいプライオリティ値を割り当てます。
すべての LAN ポートに同じプライオリティ値が割り当てられている場合、Rapid PVST+ は、LAN ポート番号が最小の LAN ポートをフォワーディング ステートにし、他の LAN ポートをブロックします。 指定可能なプライオリティの範囲は 0 ~ 224(デフォルトは 128)であり、32 単位で設定できます。 デバイスは LAN ポートがアクセス ポートとして設定されている場合にはポート プライオリティ値を使用し、LAN ポートがトランク ポートとして設定されている場合には VLAN ポート プライオリティ値を使用します。
802.1Q トランクによって、ネットワークの STP の構築方法に、いくつかの制約が課されます。 802.1Q トランクを使用して接続しているシスコのネットワーク デバイスを使用したネットワークでは、ネットワーク デバイスがトランク上で許容される VLAN ごとに 1 つの STP インスタンスを維持します。 しかし、他社製の 802.1Q ネットワーク装置では、トランク上で許容されるすべての VLAN に対して 1 つの STP インスタンス(Common Spanning Tree(CST))しか維持されません。
802.1Q トランクを使用してシスコのネットワーク デバイスを他社製のネットワーク デバイスに接続する場合、シスコのネットワーク デバイスは、トランクの 802.1Q VLAN の STP インスタンスを、他社製の 802.1Q ネットワーク デバイスのインスタンスと統合します。 ただし、シスコのネットワーク装置によって維持される VLAN 別の STP 情報はすべて、他社製の 802.1Q ネットワーク装置のクラウドによって切り離されます。 シスコのネットワーク装置を隔てている他社製の 802.1Q 装置のクラウドは、ネットワーク装置間の単一トランク リンクとして処理されます。
802.1Q トランクの詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Interfaces Configuration Guide』を参照してください。
Rapid PVST+ は、レガシー 802.1D プロトコルが稼働しているデバイスと相互運用できます。 デバイスは、BPDU バージョン 0 を受信すると、802.1D を実行している機器と相互運用していることを認識します。 Rapid PVST+ の BPDU はバージョン 2 です。 受信した BPDU が、提案フラグを設定した 802.1w BPDU バージョン 2 である場合、デバイスはその他すべてのポートが同期化した後で合意メッセージを送信します。 BPDU が 802.1D BPDU バージョン 0 である場合、デバイスは提案フラグを設定せず、ポートの転送遅延タイマーを開始します。 新しいルート ポートはフォワーディング ステートに移行するために 2 倍の転送遅延時間を必要とします。
デバイスは、次のように、レガシー 802.1D デバイスと相互運用します。
通知:802.1D BPDU とは異なり 802.1w は、TCN BPDU を使用しません。 ただし、802.1D デバイスと相互運用性を保つために、デバイスは TCN BPDU の処理と生成を行います。
確認応答:802.1w デバイスは、802.1D デバイスから指定ポートで TCN メッセージを受信すると、TCA ビットを設定して 802.1D コンフィギュレーション BPDU で応答します。 ただし、802.1D デバイスに接続しているルート ポートで TC While タイマー(802.1D の TC タイマーと同じ)がアクティブであり、TCA を設定したコンフィギュレーション BPDU を受信した場合、TC While タイマーはリセットされます。
この動作方式は 802.1D デバイスだけで必要となります。 802.1w BPDU では、TCA ビットは設定されません。
プロトコル移行:802.1D デバイスとの下位互換性のため、802.1w は 802.1D コンフィギュレーション BPDU および TCN BPDU をポートごとに選択的に送信します。
ポートが初期化されると、移行遅延タイマー(802.1w BPDU が送信される最小時間を指定)が開始され、802.1w BPDU が送信されます。 このタイマーがアクティブである間、デバイスはそのポートで受信したすべての BPDU を処理し、プロトコル タイプを無視します。
デバイスは、ポート移行遅延タイマーの満了後に 802.1D BPDU を受信すると、802.1D デバイスに接続されていると見なして 802.1D BPDU だけを使用し始めます。 ただし、802.1w デバイスが 802.1D BPDU をポートで使用しており、タイマーの満了後に 802.1w BPDU を受信すると、802.1w デバイスはタイマーを再開し、802.1w BPDU をそのポートで使用し始めます。
(注) |
同じ LAN セグメント上のすべてのデバイスで、インターフェイスごとにプロトコルを再初期化する場合は、Rapid PVST+ を再初期化する必要があります。 |
Rapid PVST+ には次の注意事項と制約事項があります。
VLAN およびポートの最大数は 507 です。
ポート チャネリング:ポート チャネル バンドルは、単一ポートと見なされます。 ポート コストは、そのチャネルに割り当てられている設定済みのすべてのポート コストの合計です。
レイヤ 2 ホストに接続されたすべてのポートを STP エッジ ポートとして設定することを推奨します。
STP は常にイネーブルのままにしておきます。
タイマーは変更しないでください。安定性が低下することがあります。
ユーザ トラフィックを管理 VLAN から切り離し、管理 VLAN をユーザ データから分離します。
プライマリおよびセカンダリ ルート スイッチの場所として、ディストリビューション レイヤおよびコア レイヤを選択します。
802.1Q トランクを介して 2 台のシスコ デバイスを接続すると、トランク上で許容される VLAN ごとにスパニングツリー BPDU が交換されます。 トランクのネイティブ VLAN 上の BPDU は、タグなしの状態で、予約済み 802.1D スパニングツリー マルチキャスト MAC アドレス(01-80-C2-00-00-00)に送信されます。 トランクのすべての VLAN 上の BPDU は、タグ付きの状態で、予約済み Cisco Shared Spanning Tree Protocol(SSTP)マルチキャスト MAC アドレス(01-00-0c-cc-cc-cd)に送信されます。
パラメータ |
デフォルト値 |
||
---|---|---|---|
スパニング ツリー |
すべての VLAN でイネーブル。 |
||
スパニングツリー モード |
Rapid PVST+
|
||
VLAN |
VLAN 1 に割り当てられたすべてのポート |
||
拡張システム ID |
常にイネーブル |
||
MAC アドレス リダクション |
常にイネーブル |
||
ブリッジ ID プライオリティ |
32769(デフォルト VLAN 1 のデフォルト ブリッジ プライオリティに拡張システム ID を加えた値) |
||
ポート ステート |
ブロッキング(コンバージェンスが発生すると、即座に変更される) |
||
ポート ロール |
指定(コンバージェンスが発生すると、変更される) |
||
ポート/VLAN プライオリティ |
128. |
||
パスコスト計算方式 |
ショート。 |
||
ポート/VLAN コスト |
Auto デフォルトのポート コストは、次のように、メディア速度およびパスコスト計算方式から判別されます。 |
||
ハロー タイム |
2 秒。 |
||
転送遅延時間 |
15 秒。 |
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最大エージング タイム |
20 秒。 |
||
リンク タイプ |
Auto デフォルト リンク タイプは、次のようにデュプレックスから判別されます。 |
Rapid PVST+ をディセーブル化した VLAN がある場合は、指定した VLAN で Rapid PVST+ を再度イネーブルにする必要があります。 デバイスで MST がイネーブルな場合に、Rapid PVST+ を使用するには、そのデバイスで Rapid PVST+ をイネーブルにする必要があります。
Rapid PVST+ はデフォルトの STP モードです。 同じシャーシ上で MST と Rapid PVST+ を同時に実行することはできません。
(注) |
スパニングツリー モードを変更すると、すべてのスパニングツリー インスタンスが前のモードで停止して新規モードで再開されるため、トラフィックが中断されます。 |
1. config t
2. spanning-tree mode rapid-pvst
3. exit
4. (任意) show running-config spanning-tree all
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
||
ステップ 2 | spanning-tree mode rapid-pvst 例: switch(config)# spanning-tree mode rapid-pvst |
デバイスで Rapid PVST+ をイネーブルにします。 Rapid PVST+ はデフォルトのスパニングツリー モードです。
|
||
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
||
ステップ 4 | show running-config spanning-tree all 例: switch# show running-config spanning-tree all |
(任意) 現在稼働している STP コンフィギュレーションの情報を表示します。 |
||
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
Rapid PVST+ は、VLAN ごとにイネーブルまたはディセーブルにできます。
(注) |
Rapid PVST+ は、デフォルト VLAN と、作成したすべての VLAN でデフォルトでイネーブルになります。 |
1. config t
2. spanning-tree vlan vlan-range または no spanning-tree vlan vlan-range
3. exit
4. (任意) show spanning-tree
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 | spanning-tree vlan vlan-range または no spanning-tree vlan vlan-range 例: switch(config)# spanning-tree vlan 5 |
|
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 | show spanning-tree 例: switch# show spanning-tree |
(任意) STP コンフィギュレーションを表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、VLAN 5 で STP をイネーブルにする例を示します。
switch# config t switch(config)# spanning-tree vlan 5 switch(config)# exit switch#
(注) |
VLAN のすべてのスイッチおよびブリッジでスパニングツリーがディセーブルになっていない場合は、VLAN でスパニングツリーをディセーブルにしないでください。 スパニングツリーは、VLAN の一部のスイッチおよびブリッジでディセーブルにしておきながら、VLAN のその他のスイッチおよびブリッジでイネーブルにしておくことはできません。 スパニングツリーをイネーブルにしたスイッチとブリッジに、ネットワークの物理トポロジに関する不完全な情報が含まれることになるので、この処理によって予想外の結果となることがあります。 |
注意 |
物理的なループがないトポロジであっても、スパニングツリーをディセーブルにしないことを推奨します。 スパニングツリーは、設定の誤りおよび配線の誤りに対する保護手段として動作します。 VLAN 内に物理的なループが存在しないことを保証できる場合以外は、VLAN でスパニングツリーをディセーブルにしないでください。 |
(注) |
STP はデフォルトでイネーブルのため、設定結果を参照するために show running コマンドを入力しても、STP をイネーブルするために入力したコマンドは表示されません。 |
デバイスは、Rapid PVST+ でアクティブ VLAN ごとに、STP インスタンスを個別に維持します。 VLAN ごとに、最小のブリッジ ID を持つネットワーク デバイスが、その VLAN のルート ブリッジになります。
特定の VLAN インスタンスがルート ブリッジになるように設定するには、そのブリッジのプライオリティをデフォルト値(32768)よりかなり小さい値に変更します。
spanning-tree vlan vlan-range root primary コマンドを入力すると、ブリッジ プライオリティ 24576 によりデバイスが指定の VLAN のルートとなる場合に、ブリッジ プライオリティがこの値(24576)に設定されます。 指定 VLAN のルート ブリッジのブリッジ プライオリティが 24576 より小さい場合、デバイスは最小ブリッジ プライオリティより 4096 小さい値に指定 VLAN のブリッジ プライオリティを設定します。
注意 |
STP のインスタンスごとのルート ブリッジは、バックボーンまたはディストリビューション デバイスである必要があります。 アクセス デバイスは、STP のプライマリ ルートとして設定しないでください。 |
(注) |
ルート ブリッジとして設定されているデバイスでは、hello タイム、転送遅延時間、最大エージング タイムは手動で設定(spanning-tree mst hello-time、spanning-tree mst forward-time、spanning-tree mst max-age の各グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用)しないでください。 |
1. config t
2. spanning-tree vlan vlan-range root primary
3. exit
4. (任意) show spanning-tree
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 | spanning-tree vlan vlan-range root primary 例: switch(config)# spanning-tree vlan 2 root primary |
スパニングツリーのルート ブリッジのブリッジ プライオリティを設定します。 |
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 | show spanning-tree 例: switch# show spanning-tree |
(任意) STP コンフィギュレーションを表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
デバイスをセカンダリ ルートとして設定すると、STP ブリッジ プライオリティはデフォルト値(32768)から変更されます。その結果、プライマリ ルート ブリッジに障害が発生した場合に(ネットワーク上の他のネットワーク装置がデフォルトのブリッジ プライオリティ 32768 を使用していると仮定して)、このデバイスが指定された VLAN のルート ブリッジになる可能性が高くなります。 STP により、ブリッジ プライオリティが 28672 に設定されます。
レイヤ 2 ネットワークの直径(つまり、レイヤ 2 ネットワーク上の任意の 2 つのエンド ステーション間における最大ブリッジ ホップ数)を指定するには、diameter キーワードを入力します。 ネットワーク直径を指定すると、その直径のネットワークに最適な hello タイム、転送遅延時間、最大エージング タイムが自動的に選択されます。これにより、STP コンバージェンスの時間が大幅に削減されます。 キーワード hello-time を入力すると、自動的に計算された hello タイムを上書きできます。
この方法で、複数のデバイスに複数のバックアップ ルート ブリッジを設定できます。 プライマリ ルート ブリッジの設定時に使用した値と同じネットワーク直径と hello タイムの値を入力します。
(注) |
ルート ブリッジとして設定されているデバイスでは、hello タイム、転送遅延時間、最大エージング タイムは手動で設定(spanning-tree mst hello-time、spanning-tree mst forward-time、spanning-tree mst max-age の各グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用)しないでください。 |
1. config t
2. spanning-tree vlan vlan-range root secondary [diameter dia [hello-time hello-time]]
3. exit
4. (任意) show spanning-tree vlan vlan_id
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
ステップ 2 | spanning-tree vlan vlan-range root secondary [diameter dia [hello-time hello-time]] 例: switch(config)# spanning-tree vlan 5 root secondary diameter 4 |
デバイスをセカンダリ ルート ブリッジとして設定します。 vlan-range の値は、2 ~ 3967 の範囲です(予約済みの VLAN の値を除く)。 dia のデフォルトは 7 です。 hello-time の範囲は 1 ~ 10 秒で、デフォルト値は 2 秒です。 |
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 | show spanning-tree vlan vlan_id 例: switch# show spanning-tree vlan 5 |
(任意) 指定された VLAN の STP コンフィギュレーションを表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
VLAN の Rapid PVST+ のブリッジ プライオリティを設定できます。 この方法で、ルート ブリッジを設定することもできます。
(注) |
この設定を使用するときは注意が必要です。 ブリッジ プライオリティを変更するには、プライマリ ルートおよびセカンダリ ルートを設定することを推奨します。 |
1. config t
2. spanning-tree vlan vlan-range priority value
3. exit
4. (任意) show spanning-tree vlan vlan_id
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
ステップ 2 | spanning-tree vlan vlan-range priority value 例: switch(config)# spanning-tree vlan 5 priority 8192 |
VLAN のブリッジ プライオリティを設定します。 有効な値は 0、4096、8192、12288、16384、20480、24576、28672、32768、36864、40960、45056、49152、53248、57344、61440 です。 その他すべての値は拒否されます。 デフォルト値は 32768 です。 |
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 | show spanning-tree vlan vlan_id 例: switch# show spanning-tree vlan 5 |
(任意) 指定された VLAN の STP コンフィギュレーションを表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
Rapid PVST+ に最初に選択させる LAN ポートには小さいプライオリティ値を割り当て、Rapid PVST+ に最後に選択させる LAN ポートには大きいプライオリティ値を割り当てます。 すべての LAN ポートに同じプライオリティ値が割り当てられている場合、Rapid PVST+ は、LAN ポート番号が最小の LAN ポートをフォワーディング ステートにし、他の LAN ポートをブロックします。
デバイスは LAN ポートがアクセス ポートとして設定されている場合にはポート プライオリティ値を使用し、LAN ポートがトランク ポートとして設定されている場合には VLAN ポート プライオリティ値を使用します。
1. config t
2. interface type slot/port
3. spanning-tree [vlan vlan-list] port-priority priority
4. exit
5. (任意) show spanning-tree interface {ethernet slot/port | port channel channel-number}
6. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
ステップ 2 | interface type slot/port 例: switch(config)# interface ethernet 1/4 switch(config-if)# |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 | spanning-tree [vlan vlan-list] port-priority priority 例: switch(config-if)# spanning-tree port-priority 160 |
LAN インターフェイスのポート プライオリティを設定します。 priority の値は 0 ~ 224 の範囲です。 値が小さいほど、プライオリティは高くなります。 プライオリティ値は、0、32、64、96、128、160、192、224 です。 他のすべての値は拒否されます。 デフォルト値は 128 です。 |
ステップ 4 | exit 例: switch(config-if)# exit switch(config)# |
インターフェイス モードを終了します。 |
ステップ 5 | show spanning-tree interface {ethernet slot/port | port channel channel-number} 例: switch# show spanning-tree interface ethernet 2/10 |
(任意) 指定されたインターフェイスの STP コンフィギュレーションを表示します。 |
ステップ 6 | copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
アクセス ポートでは、ポートごとにポート コストを割り当てることができます。 トランク ポートでは、VLAN ごとにポート コストを割り当てることができます。トランク上のすべての VLAN に同じポート コストを設定できます。
(注) |
Rapid PVST+ モードでは、ショートまたはロング パスコスト方式を使用できます。パスコスト方式の設定は、インターフェイス サブモードまたはコンフィギュレーション サブモードで行います。 デフォルト パスコスト方式はショートです。 |
1. config t
2. spanning-tree pathcost method {long | short}
3. interface type slot/port
4. spanning-tree [vlan vlan-id] cost [value | auto]
5. exit
6. (任意) show spanning-tree pathcost method
7. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
||
ステップ 2 | spanning-tree pathcost method {long | short} 例: switch(config)# spanning-tree pathcost method long |
Rapid PVST+ パスコスト計算に使用される方式を選択します。 デフォルト方式は short 型です。 |
||
ステップ 3 | interface type slot/port 例: switch(config)# interface ethernet 1/4 switch(config-if) |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
||
ステップ 4 | spanning-tree [vlan vlan-id] cost [value | auto] 例: switch(config-if)# spanning-tree cost 1000 |
LAN インターフェイスのポート コストを設定します。 ポート コスト値には、パスコスト計算方式に応じて、次の値を指定できます。
デフォルトの auto では、パスコスト計算方式およびメディア速度に基づいてポート コストが設定されます。 |
||
ステップ 5 | exit 例: switch(config-if)# exit switch(config)# |
インターフェイス モードを終了します。 |
||
ステップ 6 | show spanning-tree pathcost method 例: switch# show spanning-tree pathcost method |
(任意) STP パスコスト方式を表示します。 |
||
ステップ 7 | copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
VLAN の Rapid-PVST+ hello タイムを設定できます。
(注) |
この設定を使用する場合は、注意してください。スパニングツリーが中断されることがあります。 ほとんどの場合、プライマリ ルートとセカンダリ ルートを設定して、hello タイムを変更することを推奨します。 |
1. config t
2. spanning-tree vlan vlan-range hello-time value
3. exit
4. (任意) show spanning-tree vlan vlan_id
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
ステップ 2 | spanning-tree vlan vlan-range hello-time value 例: switch(config)# spanning-tree vlan 5 hello-time 7 |
VLAN の hello タイムを設定します。 hello タイムの値の範囲は 1 ~ 10 秒で、デフォルトは 2 秒です。 |
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 | show spanning-tree vlan vlan_id 例: switch# show spanning-tree vlan 5 |
(任意) STP コンフィギュレーションを VLAN 単位で表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
1. config t
2. spanning-tree vlan vlan-range forward-time value
3. exit
4. (任意) show spanning-tree vlan vlan_id
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
ステップ 2 | spanning-tree vlan vlan-range forward-time value 例: switch(config)# spanning-tree vlan 5 forward-time 21 |
VLAN の転送遅延時間を設定します。 転送遅延時間の値の範囲は 4 ~ 30 秒で、デフォルトは 15 秒です。 |
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 | show spanning-tree vlan vlan_id 例: switch# show spanning-tree vlan 5 |
(任意) STP コンフィギュレーションを VLAN 単位で表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
1. config t
2. spanning-tree vlan vlan-range max-age value
3. exit
4. (任意) show spanning-tree vlan vlan_id
5. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
ステップ 2 | spanning-tree vlan vlan-range max-age value 例: switch(config)# spanning-tree vlan 5 max-age 36 |
VLAN の最大エージング タイムを設定します。 最大エージング タイムの値の範囲は 6 ~ 40 秒で、デフォルトは 20 秒です。 |
ステップ 3 | exit 例: switch(config)# exit switch# |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 | show spanning-tree vlan vlan_id 例: switch# show spanning-tree vlan 5 |
(任意) STP コンフィギュレーションを VLAN 単位で表示します。 |
ステップ 5 | copy running-config startup-config 例: switch# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
Rapid の接続性(802.1w 規格)は、ポイントツーポイントのリンク上でのみ確立されます。 リンク タイプは、デフォルトでは、インターフェイスのデュプレックス モードから制御されます。 全二重ポートはポイントツーポイント接続であると見なされ、半二重ポートは共有接続であると見なされます。
リモート デバイスの単一ポートに、ポイントツーポイントで物理的に接続されている半二重リンクがある場合、リンク タイプのデフォルト設定を上書きして高速移行をイネーブルにできます。
リンクを共有に設定すると、STP は 802.1D にフォール バックします。
1. config t
2. interface type slot/port
3. spanning-tree link-type {auto | point-to-point | shared}
4. exit
5. (任意) show spanning-tree
6. (任意) copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | config t 例: switch# config t switch(config)# |
設定モードを開始します |
ステップ 2 | interface type slot/port 例: switch(config)# interface ethernet 1/4 switch(config-if)# |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 | spanning-tree link-type {auto | point-to-point | shared} 例: switch(config-if)# spanning-tree link-type point-to-point |
リンク タイプを、ポイントツーポイント リンクまたは共有リンクに設定します。 デフォルト値はデバイス接続から読み取られ、半二重リンクは共有、全二重リンクはポイントツーポイントです。 リンク タイプが共有の場合、STP は 802.1D にフォール バックします。 デフォルトは auto で、インターフェイスのデュプレックス設定に基づいてリンク タイプが設定されます。 |
ステップ 4 | exit 例: switch(config-if)# exit switch(config)# |
インターフェイス モードを終了します。 |
ステップ 5 | show spanning-tree 例: switch# show spanning-tree |
(任意) STP コンフィギュレーションを表示します。 |
ステップ 6 | copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意) 実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
Rapid PVST+ が稼働するブリッジにレガシー ブリッジが接続されている場合は、1 つのポートから 802.1D BPDU を送信できます。 ただし、STP プロトコルを移行しても、レガシー デバイスが代表スイッチでないかぎり、レガシー デバイスがリンクから削除されたかどうかを判別することはできません。 デバイス全体で、または指定されたインターフェイスで、プロトコル ネゴシエーションを再初期化する(ネイバー デバイスと強制的に再ネゴシエーションを行う)ことができます。
1. clear spanning-tree detected-protocol [interface {ethernet slot/port | port channel channel-number}]
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | clear spanning-tree detected-protocol [interface {ethernet slot/port | port channel channel-number}] 例: switch# clear spanning-tree detected-protocol |
デバイス上のすべてのインターフェイス、または指定されたインターフェイスで、Rapid PVST+ を再初期化します。 |
コマンド |
目的 |
---|---|
show running-config spanning-tree [ all] |
STP についての情報を表示します。 |
show spanning-tree summary |
STP の概要を表示します。 |
show spanning-tree detail |
STP の詳細を表示します。 |
show spanning-tree{vlanvlan-id | interface {[ethernetslot/port] | [port-channelchannel-number]}} [detail] |
VLAN またはインターフェイス単位の STP 情報を表示します。 |
show spanning-tree vlan vlan-id bridge |
STP ブリッジの情報を表示します。 |
コマンド |
目的 |
---|---|
clear spanning-tree counters [interface type slot/port | vlanvlan-id] |
STP のカウンタをクリアします。 |
show spanning-tree {vlan vlan-id | interface {[ethernet slot/port] | [port-channel channel-number]}} detail | 送受信された BPDU などの STP 情報を、インターフェイスまたは VLAN 別に表示します。 |
次に、Rapid PVST+ の設定例を示します。
switch# configure terminal switch(config)# spanning-tree port type edge bpduguard default switch(config)# spanning-tree port type edge bpdufilter default switch(cnfig)# spanning-tree port type network default switch(config)# spanning-tree vlan 1-10 priority 24576 switch(config)# spanning-tree vlan 1-10 hello-time 1 switch(config)# spanning-tree vlan 1-10 forward-time 9 switch(config)# spanning-tree vlan 1-10 max-age 13 switch(config)# interface Ethernet 3/1 switchport switch(config-if)# spanning-tree port type edge switch(config-if)# exit switch(config)# spanning-tree port type edge switch(config-if)# switchport switch(config-if)# switchport mode trunk switch(config-if)# spanning-tree guard root switch(config-if)# exit switch(config)#
関連項目 |
マニュアル タイトル |
---|---|
レイヤ 2 インターフェイス |
『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Interfaces Configuration Guide』 |
Cisco NX-OS の基礎 |
『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide』 |
高可用性 |
『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS High Availability and Redundancy Guide』 |
システム管理 |
『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS System Management Configuration Guide』 |
MIB |
MIB のリンク |
---|---|
MIB を検索およびダウンロードするには、次の URL にアクセスしてください。ftp://ftp.cisco.com/pub/mibs/supportlists/nexus9000/Nexus9000MIBSupportList.html |