この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章の内容は、次のとおりです。
リンクレベル フロー制御とは、システムの輻輳が解決されるまでデータ伝送を一時停止する輻輳管理技術です。受信デバイスは輻輳が発生すると、ポーズ フレームを送信してトランスミッタと通信します。ポーズ フレームを受信した送信デバイスは、以降のデータ フレームの送信を短時間停止します。リンクレベル フロー制御機能は、リンク上のすべてのトラフィックに適用されます。送受信方向は個別に設定できます。デフォルトでは、リンクレベル フロー制御は両方向でディセーブルです。
イーサネット インターフェイスは、リンクレベル フロー制御機能を自動検出しません。機能を明示的に設定する必要があります。
リンクレベル フロー制御のみがサポートされます。プライオリティ フロー制御(PFC)はサポートされていません。
リンクレベル フロー制御をイネーブルにするには、バッファの一部を予約する必要があります。これにより、使用可能な共有バッファ スペースが減少します。
フロー制御は 40G ポートではサポートされていません。
Data Center Bridging Exchange(DCBX)プロトコルはサポートされていません。
ポーズ フレームの設定時間量子はサポートされていません。
各イーサネット インターフェイスで、スイッチは PFC または LLFC のいずれかをイネーブルにできますが、両方をイネーブルにすることはできません。
純粋な CoS ベースのトラフィック クラスの分類のみがサポートされます。
ポーズしきい値の設定には制限があります。
インターフェイスでリンクレベル フロー制御を設定すると、インターフェイス フラップが発生して一時的なトラフィック損失の原因となります。
no-drop QoS グループを設定する場合は、フロー制御 send-on が設定されていないポートで受信したパケットが no-drop QoS グループに分類されないようにしてください。
no-drop QoS グループでのみリンクレベルのポーズ フレームを生成できます。
出力キューのドロップが発生する可能性があるため、no-drop クラスで Weighted Random Early Detection(WRED)をイネーブルにしないでください。
CLI を使用してバッファ サイズを指定すると、リンク速度と MTU サイズに関係なく、すべてのポートに同じバッファ サイズが割り当てられます。したがって、no-drop クラスにはデフォルト バッファ サイズを使用することを推奨します。
トラフィックがない場合は、LLFC 設定の変更を推奨します。変更しないと、すでにシステムの MMU 内にあるパケットが予期するとおりに処理されない可能性があります。
リンクレベル フロー制御を設定すると、指定したインターフェイスがアップ状態の場合、システムはインターフェイスの状態をダウンに変更してフロー制御設定を適用します。設定が正常にインターフェイスに適用された後、システムはインターフェイスをアップ状態に戻します。
ポートのシャットダウン イベント中、インターフェイスのフロー制御設定は保持されますが、リンク上でトラフィックは送受信されません。ポートの起動イベント中にフロー制御設定はハードウェア上で元の状態に戻ります。
送受信の方向は個別に設定でき、ネットワーク上のデバイスごとに異なるリンクレベル フロー制御(LLFC)設定を使用することが可能です。次の表では、設定が一致していないデバイスの相互の影響について説明します。
スイッチ A | スイッチ B | 説明 |
---|---|---|
ポーズ フレームを送受信するように LLFC を設定。 |
ポーズ フレームを受信するように LLFC を設定。 |
スイッチ A は 802.3x ポーズ フレームの送信と 802.3x ポーズ フレームの受信が可能です。スイッチ B は 802.3x ポーズ フレームの受信のみ可能です。 |
ポーズ フレームを送受信するように LLFC を設定。 |
ポーズ フレームを送信するように LLFC を設定。 |
スイッチ A は 802.3x ポーズ フレームの送信と 802.3x ポーズ フレームの受信が可能です。スイッチ B は 802.3x ポーズ フレームを送信できますが、受信されるポーズ フレームはすべてドロップします。 |
インターフェイスでリンクレベル フロー制御 transmit を設定するには、インターフェイスでフロー制御をイネーブルにして、network-qos タイプの QoS ポリシーを設定して no-drop QoS グループをイネーブルにします。さらに no-drop 動作を必要とするトラフィックを no-drop クラスに分類するために qos タイプの QoS ポリシーを適用します。
no-drop クラスを定義する際に、キューイング ポリシーを使用して帯域幅が no-drop QoS クラスに割り当てられていることを確認してください。詳細については、「タイプ キューイング ポリシーの設定」の項を参照してください。
(注) |
no-drop QoS グループを設定する場合は、フロー制御 send-on が設定されていないポートで受信したパケットが no-drop QoS グループに分類されないようにしてください。これは、フロー制御 send-on が設定されていない入力ポートではリンクレベルのポーズ フレームを生成できず、送信デバイスに送信の停止を要求する方法がないためです。したがって、すべてのインターフェイスでフロー制御 send-on が設定されていない場合は、システム ポリシーを使用してパケットを no-drop QoS グループに分類しないでください。代わりに、フロー制御 send-on がイネーブルになっているインターフェイスにインターフェイス QoS ポリシーを適用する必要があります。 |
次に、デバイスでリンクレベル フロー制御 receive を設定する例を示します。
Device# configure terminal Device(config)# interface ethernet 1/1 Device(config-if)# flowcontrol receive on Device(config-if)# exit