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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。 あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco NX-OS スイッチに Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)を設定する方法について説明します。
MSDP を使用すると、複数の Border Gateway Protocol (BGP; ボーダ ゲートウェイ プロトコル)対応 Protocol Independent Multicast(PIM)スパース モード ドメイン間で、マルチキャスト送信元情報を交換できます。PIM の詳細については、「PIM の設定」を参照してください。BGP の詳細については、『 Cisco Nexus 3000 Series NX-OS Unicast Routing Configuration Guide 』を参照してください。
受信者が要求するグループが別のドメイン内の送信元から送信されたグループと一致した場合、Rendezvous Point(RP; ランデブー ポイント)は送信元方向に PIM Join メッセージを送信して、最短パス ツリーを構築します。Designated Router(DR; 指定ルータ)は、送信元ドメイン内の送信元ツリーにパケットを転送します。これらのパケットは、必要に応じて送信元ドメイン内の RP を経由し、送信元ツリーの各ブランチを通って他のドメインへと送信されます。受信者を含むドメインでは、対象のドメインの RP が送信元ツリー上に配置されている場合があります。ピアリング関係は Transmission Control Protocol(TCP; 転送制御プロトコル)接続を介して構築されます。
図 5-1 に、4 つの PIM ドメインを示します。接続された各 RP(ルータ)は、独自にマルチキャスト送信元のセットを保持しているため、RP は MSDP ピアと呼ばれます。送信元ホスト 1 はグループ 224.1.1.1 にマルチキャスト データを送信します。MSDP プロセスでは、RP 6 上で PIM Register メッセージを介して送信元に関する情報を学習すると、ドメイン内の送信元に関する情報が、Source-Active(SA)メッセージの一部として MSDP ピアに送信されます。SA メッセージを受信した RP 3 および RP 5 は、MSDP ピアに SA メッセージを転送します。RP 5 は、ホスト 2 から 224.1.1.1 のマルチキャスト データに対する要求を受信すると、192.1.1.1 のホスト 1 方向に PIM Join メッセージを送信して、送信元への最短パス ツリーを構築します。
図 5-1 異なる PIM ドメインに属する RP 間の MSDP ピアリング
各 RP 間で MSDP ピアリング設定を行うには、フル メッシュを作成します。一般的な MSDP フル メッシュは、RP 1、RP 2、RP 3 のように自律システム内に作成され、自律システム間には作成されません。ループ抑制および MSDP ピア Reverse Path Forwarding(RPF)により、SA メッセージのループを防止するには、BGP を使用します。メッシュ グループの詳細については、「MSDP メッシュ グループ」を参照してください。
(注) PIM ドメイン内で Anycast RP(ロード バランシングおよびフェールオーバーを実行するための RP のセット)を使用する場合、MSDP を設定する必要はありません。詳細については、「PIM Anycast-RP セットの設定」を参照してください。
MSDP の詳細については、 RFC 3618 を参照してください。
MSDP ピアによる Source-Active(SA)メッセージの交換を通じて、MSDP ソフトウェアは、アクティブな送信元に関する情報を伝播させます。SA メッセージには、次の情報が格納されています。
PIM Register メッセージによって新しい送信元がアドバタイズされると、MSDP プロセスはそのメッセージを再カプセル化して SA メッセージに格納し、即座にすべての MSDP ピアに転送します。
SA キャッシュには、SA メッセージを介して学習したすべての送信元情報が保持されます。キャッシングを使用すると、既知のグループの情報がすべてキャッシュに格納されるため、新たな受信者を迅速にグループに加入させることができます。キャッシュに格納する送信元エントリ数を制限するには、SA 制限ピア パラメータを設定します。特定のグループ プレフィクスに対してキャッシュに格納する送信元エントリ数を制限するには、グループ制限グローバル パラメータを設定します。
MSDP ソフトウェアは 60 秒おきに、または SA インターバルのグローバル パラメータの設定に従って、SA キャッシュ内の各グループに SA メッセージを送信します。対象の送信元およびグループに関する SA メッセージが、SA インターバルから 3 秒以内に受信されなかった場合、SA キャッシュ内のエントリは削除されます。
MSDP ピアは、発信元 RP から離れた場所で SA メッセージを受信し、そのメッセージの転送を行います。このアクションは、ピア RPF フラッディングと呼ばれます。このルータは BGP ルーティング テーブルを調べ、SA メッセージの発信元 RP 方向にあるネクスト ホップ ピアを特定します。このピアを Reverse Path Forwarding(RPF)ピアと呼びます。
MSDP ピアは、非 RPF ピアから送信元 RP へ向かう同じ SA メッセージを受信すると、そのメッセージをドロップします。それ以外の場合、すべての MSDP ピアにメッセージが転送されます。
MSDP メッシュ グループを使用すると、ピア RPF フラッディングで生成される SA メッセージ数を抑えることができます。図 5-1 の RP 1、RP 2、および RP 3 は、RP 6 から SA メッセージを受信しています。メッシュ内のすべてのルータ間にピアリング関係を設定してから、これらのルータのメッシュ グループを作成すると、あるピアから発信される SA メッセージが他のすべてのピアに送信されます。メッシュ内のピアが受信した SA メッセージは転送されません。RP 3 が発信する SA メッセージは、RP 1 および RP 2 に転送されますが、これらの RP は受信したメッセージをメッシュ内のその他の RP には転送しません。
複数の Virtual Routing and Forwarding(VRF; 仮想ルーティングおよびフォワーディング)インスタンスを定義することができます。MSDP 設定を選択された VRF に適用します。
show コマンドに VRF 引数を指定して実行すると、表示される情報のコンテキストを確認できます。VRF 引数を指定しない場合は、デフォルト VRF が使用されます。
VRF の設定の詳細については、『 Cisco Nexus 3000 Series NX-OS Unicast Routing Configuration Guide 』を参照してください。
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MSDP には、LAN Base Services ライセンスが必要です。Cisco NX-OS のライセンス方式の詳細と、ライセンスの取得および適用の方法については、『 Cisco NX-OS Licensing Guide 』を参照してください。 |
• 現在の Virtual Routing and Forwarding(VRF; 仮想ルーティングおよびフォワーディング)モードが正しい(グローバル コマンドの場合)。この章の例で示すデフォルトのコンフィギュレーション モードは、デフォルト VRF に適用されます。
表 5-1 に、MSDP パラメータのデフォルト設定を示します。
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MSDP ピアリングを有効にするには、各 PIM ドメイン内で MSDP ピアを設定します。
ステップ 1 MSDP ピアとして動作させるルータを選択します。
ステップ 2 MSDP 機能をイネーブルにします。「MSDP 機能のイネーブル化」を参照してください。
ステップ 3 ステップ 1 で選択した各ルータで、MSDP ピアを設定します。「MSDP ピアの設定」を参照してください。
ステップ 4 各 MSDP ピアでオプションの MSDP ピア パラメータを設定します。「MSDP ピア パラメータの設定」を参照してください。
ステップ 5 各 MSDP ピアでオプションのグローバル パラメータを設定します。「MSDP グローバル パラメータの設定」を参照してください。
ステップ 6 各 MSDP ピアでオプションのメッシュ グループを設定します。「MSDP メッシュ グループの設定」を参照してください。
(注) MSDP をイネーブルにする前に入力された MSDP コマンドは、キャッシュに格納され、MSDP がイネーブルになると実行されます。MSDP をイネーブルにするには、ip msdp peer または ip msdp originator-id コマンドを使用します。
(注) Cisco IOS の CLI に慣れている場合、この機能の Cisco NX-OS コマンドは従来の Cisco IOS コマンドと異なる点があるため注意が必要です。
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MSDP 機能をイネーブルにして、MSDP コマンドを実行できるようにします。デフォルトでは、MSDP 機能はディセーブルになっています。 |
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現在の PIM ドメインまたは別の PIM ドメイン内にある各 MSDP ピアとピアリング関係を構築するには、MSDP ピアを設定します。最初の MSDP ピアリング関係を設定すると、ルータ上で MSDP がイネーブルになります。
LAN Base Services ライセンスがインストールされていること、および PIM と MSDP がイネーブル化されていることを確認します。
2. ip msdp peer peer-ip-address connect-source interface [ remote-as as-number ]
3. 各 MSDP ピアリング関係について、ステップ 2 を繰り返します。
4. (任意) show ip msdp summary [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ]
表 5-2 に、設定可能なオプションの MSDP ピア パラメータを示します。これらのパラメータは、各ピアの IP アドレスを使用して、グローバル コンフィギュレーション モードで設定します。
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MSDP ピアをシャットダウンするパラメータ。コンフィギュレーションの設定はこのコマンドの影響を受けません。このパラメータを使用すると、ピアがアクティブになる前に、複数のパラメータ設定を有効にできます。シャットダウンを実行すると、その他のピアとの TCP 接続は強制終了されます。デフォルトでは、各ピアは定義した時点でイネーブルになります。 |
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着信 SA メッセージのルートマップ ポリシー。1デフォルトでは、すべての SA メッセージが受信されます。 |
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発信 SA メッセージのルートマップ ポリシー。 1 デフォルトでは、発信される SA メッセージには登録済みの全送信元が含まれます。 |
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1.ルートマップ ポリシーの設定方法については、『Cisco Nexus 3000 Series NX-OS Unicast Routing Configuration Guide』を参照してください。 |
マルチキャスト ルート マップの設定方法については、「RP 情報配信を制御するルート マップの設定」を参照してください。
(注) メッシュ グループの設定方法については、「MSDP メッシュ グループの設定」を参照してください。
LAN Base Services ライセンスがインストールされていること、および PIM と MSDP がイネーブル化されていることを確認します。
2. ip msdp description peer-ip-address string
ip msdp shutdown peer-ip-address
ip msdp password peer-ip-address password
ip msdp sa-policy peer-ip-address policy-name in
ip msdp sa-policy peer-ip-address policy-name out
ip msdp sa-limit peer-ip-address limit
3. (任意) show ip msdp peer [ peer-address ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ]
表 5-3 に、設定可能なオプションの MSDP グローバル パラメータを示します。
LAN Base Services ライセンスがインストールされていること、および PIM と MSDP がイネーブル化されていることを確認します。
2. ip msdp originator-id interface
ip msdp group-limit limit source source-prefix
ip msdp sa-interval seconds
3. (任意) show ip msdp summary [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ]
グローバル コンフィギュレーション モードでオプションの MSDP メッシュ グループを設定するには、メッシュ内の各ピアを指定します。同じルータに複数のメッシュ グループを設定したり、各メッシュ グループに複数のピアを設定したりできます。
LAN Base Services ライセンスがインストールされていること、および PIM と MSDP がイネーブル化されていることを確認します。
2. ip msdp mesh-group peer-ip-addr mesh-name
3. メッシュ内の各 MSDP ピアについて、ステップ 2 を繰り返します。
4. (任意) show ip msdp mesh-group [ mesh-group ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ]
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MSDP メッシュを設定してピア IP アドレスを指定します。同じルータに複数のメッシュを設定したり、各メッシュ グループに複数のピアを設定したりできます。デフォルトでは、メッシュ グループは設定されていません。 |
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show ip msdp mesh-group [ mesh-group ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ] |
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LAN Base Services ライセンスがインストールされていること、および PIM と MSDP がイネーブル化されていることを確認します。
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show running-configuration | include flush-routes switch(config)# show running-configuration | include flush-routes |
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MSDP の設定情報を表示するには、次の作業のいずれかを行います。
これらのコマンド出力のフィールドの詳細については、『 Cisco Nexus 3000 Series Command Reference 』を参照してください。
次に、MSDP の統計情報を、表示およびクリアするための機能について説明します。
MSDP 統計情報を表示するには、 表 5-4 に示す各種コマンドを使用します。
MSDP 統計情報をクリアするには、 表 5-5 に示す各種コマンドを使用します。
MSDP ピア、一部のオプション パラメータ、およびメッシュ グループを設定するには、各 MSDP ピアで次の手順を実行します。
ステップ 1 他のルータとの MSDP ピアリング関係を設定します。
ステップ 3 オプションのグローバル パラメータを設定します。
次に、図 5-1 で示した MSDP ピアリングのサブセットの設定例を示します。
MSDP の実装に関する詳細情報については、次の項目を参照してください。
• 「関連資料」
• 「規格」
• 付録 A「IP マルチキャストに関する IETF RFC」
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この機能がサポートする新しい規格または変更された規格はありません。また、この機能で変更された既存規格のサポートはありません。 |
表 5-6 に、この機能のリリース履歴を示します。
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