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この章では、Cisco Nexus 1000V に Quality of Service(QoS)マーキング ポリシーを設定して、ネットワーク トラフィックを優先順位付けする方法について説明します。
ポリシー マップにより、ネットワーク トラフィックがクラス単位で優先順位付けされます。最適な Quality of Service が得られるトラフィックの優先順位付けが行われるように、ポリシー マップを作成して各クラスのトラフィックの扱い方法を定義します。
マーキングとは、パケットをマーキングするプロセスです。それにより、パケット内の次のいずれかが QoS の目的のために変化します。
• Differentiated Services Code Point(DSCP; DiffServ コード ポイント)
トラフィック クラスを DSCP(指定したフレームのサービス レベルを表すインジケータ)にマッピングできます。DSCP 値の範囲は 0 ~ 63 です。デフォルト値は 0 です。46 の DSCP 値は使用できません。
サービス ポリシーは、ポリシー マップを使用して指定されます。ポリシー マップにより、クラス マップは順序付きでサービス レベルにマッピングされます。ポリシー マップ内では複数のクラス マップを指定でき、クラス マップを高、中、または低のサービス レベルにマッピングできます。デフォルトのプライオリティは低です。ポリシー マップ名は、63 文字までの英数字に制限されています。
ポリシー マップ内でのクラス マップの順序は重要であり、フレームがクラス マップと比較される順序はこれにより決定します。最初に一致したクラス マップの対応するプライオリティが、フレームにマーキングされます。
マーキングとは、パケットに関連する QoS 情報を設定することです。標準の QoS フィールドである、IP precedence、DSCP、Class of Service(CoS; サービス クラス)の値、および後続のアクション(ポリシングなど)で使用できる内部ラベルを設定できます。
トラフィック クラスを定義した後、それらをポリシー マップ内で参照し、それらをどのようにマーキングするかを定義できます。ポリシーは、クラスの使用を 4 つまでだけにして、単純なものにすることを推奨します。
表 3-1 に、マーキングに使用可能なフィールドを示します。
単一のクラスで、5 つのフィールド(CoS、IP precedence、DSCP、QoS グループ、廃棄クラス)のうちのいずれか 2 つがマーキング可能です。
• ネットワーク トラフィックを分類しておく必要があります。詳細については、「QoS 分類の設定」を参照してください。
• set cos コマンドは 802.1Q インターフェイスにだけ適用できます。つまり、 set cos コマンドは入力インターフェイスで使用できますが、パケットが最終的に 802.1Q 準拠のインターフェイスに表示される場合だけ、設定が適用されます。
• 単一のクラスで、5 つのフィールド(CoS、IP precedence、DSCP、QoS グループ、廃棄クラス)のうちのいずれか 2 つがマーキング可能です。
• set qos-group コマンドは入力ポリシーだけで使用できます。
• set discard-class コマンドは入力ポリシーだけで使用できます。
• QoS ポリシーと Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)ポリシーを設計するときには、QoS ポリシー内で参照される ACL が QoS ポリシーの一部として次のように処理されることに注意してください。
ここでは、Cisco Nexus 1000V の QoS ポリシーを作成する方法について説明します。
IP ヘッダー パケット内の DSCP 値をマーキングするポリシーを作成し、特定クラスのトラフィックを優先順位付けできます。
この手順を始める前に、次のことを知っておく、または実行する必要があります。
• DSCP は、 RFC 2475 で規定されています。
• DSCP マーキングを使用する場合、廃棄クラス マーキングは使用できません(「廃棄クラス ポリシーの作成」を参照)。
• DSCP フィールドには、0 ~ 63 の数値、または「DSCP 値と優先順位値」に示されている一般によく使用される値のいずれかをマーキングできます。
2. policy-map [ type qos ] [ match-first ] policy-map-name
3. class [ type qos ] { class_map_name | class-default }
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policy-map [ type qos ] [ match-first ] policy-map-name |
指定したポリシー マップに対してポリシー マップ QoS コンフィギュレーション モードを開始し、実行コンフィギュレーションでそのマップ名を設定します。 class_map_name 引数は、アルファベット文字列であり、大文字と小文字が区別され、最大 40 文字まで設定できます。ハイフン(-)およびアンダースコア(_)文字を含めることができます。 |
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class-map-name への参照を作成し、指定したクラス マップに対してポリシー マップ クラス QoS コンフィギュレーション モードを開始します。デフォルトでは、このクラスはポリシー マップの最後に追加されます。変更は、実行コンフィギュレーションに保存されます。 class-default キーワードを使用して、ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択します。 |
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指定したクラスのすべての IP ヘッダー内で使用する DSCP 値を定義し、その値を実行コンフィギュレーションに保存します。 1 ~ 60 の数値か、「DSCP 値と優先順位値」の標準の値のいずれかを使用できます。 |
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show policy-map policy_map_name n1000v(config-pmap-c-qos)# show policy-map policy1 |
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copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーし、リブートと再起動を行って、永久的に保存します。 |
IP Precedence をマーキングして、特定のトラフィック クラスのすべてのパケットにプライオリティを与えることができます。
この手順を始める前に、次のことを知っておく、または実行する必要があります。
• 表 3-2 に、 RFC 791 の優先順位値を最低の重要度から最高の重要度まで示します。
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2. policy-map [ type qos ] [ match-first ] policy-map-name
3. class [ type qos ] { class_map_name | class-default }
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policy-map [ type qos ] [ match-first ] policy-map-name |
指定したポリシー マップに対してポリシー マップ QoS コンフィギュレーション モードを開始し、実行コンフィギュレーションでそのマップ名を設定します。 class_map_name 引数は、アルファベット文字列であり、大文字と小文字が区別され、最大 40 文字まで設定できます。ハイフン(-)およびアンダースコア(_)文字を含めることができます。 |
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class-map-name への参照を作成し、指定したクラス マップに対してポリシー マップ クラス QoS コンフィギュレーション モードを開始します。デフォルトでは、このクラスはポリシー マップの最後に追加されます。変更は、実行コンフィギュレーションに保存されます。 class-default キーワードを使用して、ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択します。 |
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指定したトラフィック クラスのすべてのパケット内で使用する優先順位値を追加します。変更は、実行コンフィギュレーションに保存されます。 0 ~ 7 の数値を使用できます( 表 3-2 を参照してください)。 |
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show policy-map policy_map_name n1000v(config-pmap-c-qos)# show policy-map policy1 |
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copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーし、リブートと再起動を行って、永久的に保存します。 |
特定のクラスのすべてのトラフィックの IEEE 802.1Q ヘッダー内で CoS フィールドをマーキングできます。入力または出力ポリシー内でこのフィールドをマーキングすると、パケットが IEEE 802.1Q 準拠のインターフェイスに表示されるときだけ、この設定が適用されます。
2. policy-map [ type qos ] [ match-first ] policy-map-name
3. class [ type qos ] { class_map_name | class-default }
この手順を始める前に、次のことを知っておく、または実行する必要があります。
2. policy-map [ type qos ] [ match-first ] policy-map-name
3. class [ type qos ] { class_map_name | class-default }
4. set qos-group qos-group-value
この手順を始める前に、次のことを知っておく、または実行する必要があります。
• ローカルな内部ラベル廃棄クラス ポリシーを設定する場合、DSCP ポリシーを作成することはできません。DSCP ポリシーの詳細については、「DSCP ポリシーの作成」を参照してください。
• ポリシー内またはトラフィック分類内でローカル廃棄クラスを参照するには、 match discard-class コマンドを使用します。
詳細については、「廃棄クラス分類の設定」を参照してください。
2. policy-map [ type qos ] [ match-first ] policy-map-name
3. class [ type qos ] { class_map_name | class-default }
4. set discard-class discard-class-value
ポリシー マップをインターフェイスまたはポート プロファイルに付加すると、マーキング命令が入力または出力パケットに適用されます。
この手順を始める前に、次のことを知っておく、または実行する必要があります。
• インターフェイスまたはポート プロファイルが作成されています。
(注) 1 つのインターフェイスまたはポート プロファイルには、1 つの入力ポリシーと 1 つの出力ポリシーだけを付加できます。
3. service-policy [ type qos ] { input | output } policy-map-name [ no-stats ]
次の例では、イーサネット インターフェイスで入力ポリシーを設定する方法を示します。
n1000v(config)# interface ethernet 1/1
n1000v(config-if)# service-policy input policy1
次の例では、ポート プロファイルで入力ポリシーを設定する方法を示します。
n1000v(config)# port-profile accessprofile
n1000v(config-port-prof)# service-policy input policy1
この手順を始める前に、次のことを知っておく、または実行する必要があります。
• デフォルトの動作では、DSCP 値は保存(つまり、DSCP は信頼)されます。ポートを非信頼にするには、DSCP 値を変更します。
• QoS ポリシーを設定して、指定したインターフェイスにそのポリシーを付加しない限り、DSCP 値は保存されます。
• 使用するクラス マップが定義されています。「QoS 分類の設定」を参照してください。
(注) 1 つのインターフェイスまたはポート プロファイルには、1 つの入力ポリシーと 1 つの出力ポリシーだけを付加できます。
2. policy-map [ type qos ] [ match-first ] policy-map-name
3. class [ type qos ] { class_map_name | class-default }
5. 作成する各クラス マップに対して、ステップ 3. および 4. を繰り返します。
9. service-policy [ type qos ] { input | output } policy-map-name [ no-stats ]
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policy-map [ type qos ] [ match-first ] policy-map-name |
指定したポリシー マップに対してポリシー マップ QoS コンフィギュレーション モードを開始し、実行コンフィギュレーションでそのマップ名を設定します。 class_map_name 引数は、アルファベット文字列であり、大文字と小文字が区別され、最大 40 文字まで設定できます。ハイフン(-)およびアンダースコア(_)文字を含めることができます。 |
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class [ type qos ] { class_map_name | class-default } |
class-map-name への参照を作成し、指定したクラス マップに対してポリシー マップ クラス QoS コンフィギュレーション モードを開始します。デフォルトでは、このクラスはポリシー マップの最後に追加されます。変更は、実行コンフィギュレーションに保存されます。 class-default キーワードを使用して、ポリシー マップ内のクラスと現在一致していないトラフィックをすべて選択します。 |
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DSCP 値を設定します。有効な値については、「DSCP 値と優先順位値」を参照してください。 |
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指定したイーサネット/vEthernet インターフェイスまたはポート プロファイルに対してコンフィギュレーション モードを開始します。 |
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service-policy [type qos] {input | output} policy-map-name [no-stats] |
(任意)インターフェイスまたはポート プロファイルの入力または出力パケットに追加されるポリシー マップ名を付加します。 (注) 1 つのインターフェイスまたはポート プロファイルには、1 つの入力ポリシーと 1 つの出力ポリシーだけを付加できます。 |
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show policy-map policy_map_name n1000v(config-if)# show policy-map policy1 |
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copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーし、リブートと再起動を行って、永久的に保存します。 |
次の例では、イーサネット インターフェイス上で、入力ポリシー マップで定義されるトラフィック クラスごとに DSCP ポートをマーキングする方法を示します。
次の例では、ポート プロファイル上で、入力ポリシー マップで定義されるトラフィック クラスごとに DSCP ポートをマーキングする方法を示します。
QoS ポリシー設定を確認するには、次の作業のいずれかを行います。
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次の例では、特定のポリシー マップ ポリシーを表示する方法を示します。
次の例では、すべてのインターフェイスのポリシー マップを表示する方法を示します。
ここでは、QoS マーキング ポリシーのリリース履歴を示します。
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DSCP と廃棄クラスは、相互に排他的な関係ではなくなりました。単一のクラスで、5 つのフィールド(CoS、IP precedence、DSCP、QoS グループ、廃棄クラス)のうちのいずれか 2 つがマーキング可能です。 |