スイッチ上の各 802.1x ポートにゲスト VLAN を設定し、クライアントに対して限定的なサービスを提供できます(802.1x クライアントのダウンロードなど)。 これらのクライアントは 802.1x 認証用にシステムをアップグレードできる場合がありますが、一部のホスト(Windows 98 システムなど)は IEEE 802.1x 対応ではありません。
スイッチが EAP Request/Identity フレームに対する応答を受信していない場合、または EAPOL パケットがクライアントによって送信されない場合に、802.1x ポート上でゲスト VLAN をイネーブルにすると、スイッチはクライアントにゲスト VLAN を割り当てます。
スイッチは EAPOL パケット履歴を保持します。 EAPOL パケットがリンクの存続時間中にインターフェイスで検出された場合、スイッチはそのインターフェイスに接続されているデバイスが IEEE 802.1x 対応のものであると判断します。インターフェイスはゲスト VLAN ステートにはなりません。 インターフェイスのリンク ステータスがダウンした場合、EAPOL 履歴はクリアされます。 EAPOL パケットがインターフェイスで検出されない場合、そのインターフェイスはゲスト VLAN のステートになります。
スイッチが 802.1x 対応の音声デバイスを許可しようとしたが、AAA サーバが使用できない場合、許可は失敗します。ただし、EAPOL パケットの検出は EAPOL 履歴に保存されます。 この音声デバイスは、AAA サーバが使用可能になると許可されます。 ただし、他のデバイスによるゲスト VLAN へのアクセスは許可されなくなります。 この状況を防ぐには、次のいずれかのコマンド シーケンスを使用します。
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authentication event no-response action authorize vlan
vlan-id インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力し、ゲスト VLAN へのアクセスを許可します。
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shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力し、さらに
no shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力してポートを再起動します。
制限付き VLAN を使用してネットワーク アクセスの認証に失敗したクライアントを許可するには、
dot1x auth-fail vlan
vlan-id インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力します。
リンクの存続時間中にデバイスが EAPOL パケットを送信した場合、スイッチはゲスト VLAN への認証アクセスに失敗したクライアントを許可しません。
 (注) |
インターフェイスがゲスト VLAN に変わってから EAPOL パケットが検出された場合、無許可ステートに戻って 802.1x 認証を再起動します。
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スイッチ ポートがゲスト VLAN に移行すると、802.1x 無資格ホストの許容数が設定されたホスト モードにより決定します。 ゲスト VLAN が設定されているポートに 802.1x 対応クライアントが加入すると、ポートは、ユーザ設定によるアクセス VLAN で無許可ステートになり、認証が再起動されます。
ゲスト VLAN は、単一のホスト、複数のホスト、複数認証、またはマルチドメイン モードにおける 802.1x ポートでサポートされています。
RSPAN VLAN、プライベート VLAN、音声 VLAN を除いて、アクティブ VLAN を 802.1X ゲスト VLAN として設定できます。 ゲスト VLAN の機能は、内部 VLAN(ルーテッド ポート)またはトランク ポート上ではサポートされません。サポートされるのはアクセス ポートだけです。
スイッチは
MAC 認証バイパス をサポートします。 MAC 認証バイパスが 802.1x ポートでイネーブルの場合、スイッチは、IEEE 802.1x 認証のタイムアウト時に EAPOL メッセージ交換を待機している間、クライアント MAC アドレスに基づいてクライアントを許可できます。 スイッチは、802.1x ポート上のクライアントを検出したあとで、クライアントからのイーサネット パケットを待機します。 スイッチは、MAC アドレスに基づいたユーザ名およびパスワードを持つ RADIUS-access/request フレームを認証サーバに送信します。 認証に成功すると、スイッチはクライアントにネットワークへのアクセスを許可します。 認証に失敗すると、スイッチはポートにゲスト VLAN を割り当てます(指定されていない場合)。