Cisco Firepower Management Center Virtual for KVM 導入クイック スタート ガイド
Firepower Management Center Virtual の起動
Virtual Machine Manager を使用した起動
OpenStack での 第 0 日のコンフィギュレーション ファイルについて
第 0 日のコンフィギュレーション ファイルを使用しない Firepower Management Center Virtual の起動
カーネルベースの仮想マシン(KVM)ハイパーバイザを使用して Firepower Management Center Virtual を導入できます。
KVM は、仮想化拡張機能(Intel VT など)を搭載した x86 ハードウェア上の Linux 向け完全仮想化ソリューションです。KVM は、コア仮想化インフラストラクチャを提供するロード可能なカーネル モジュール(kvm.ko)と kvm-intel.ko などのプロセッサ固有のモジュールで構成されています。
KVM を使用して、修正されていない OS イメージを実行している複数の仮想マシンを実行できます。各仮想マシンには、ネットワーク カード、ディスク、グラフィック アダプタなどのプライベートな仮想化ハードウェアが搭載されています。
KVM 上の Firepower Management Center Virtual でサポートされている内容は、次の通りです。
–
Firepower Management Center Virtual には 250 GB が必要
https://software.cisco.com/download/navigator.html
(注
) Cisco.com のログインおよびシスコ サービス契約が必要です。
–
macvtap:高性能の Linux ブリッジ。Linux ブリッジの代わりに macvtap を使用できます。ただし、Linux ブリッジの代わりに macvtap を使用する場合は、特定の設定を行う必要があります。
–
Transparent Huge Pages:メモリ ページ サイズを増加させます。Ubuntu 14.04 では、デフォルトでオンになっています。
–
Hyperthread disabled:2 つの vCPU を 1 つのシングル コアに削減します。
–
txqueuelength:デフォルトの txqueuelength を 4000 パケットに増加させ、ドロップ レートを低減します。
–
pinning:qemu および vhost プロセスを特定のCPU コア にピン接続します。特定の条件下では、ピン接続によってパフォーマンスが大幅に向上します。
Firepower Threat Defense Virtual デバイスには、Firepower Management Center から設定可能なスマート ソフトウェア ライセンシングが必要です。詳細については、『Firepower Management Center Configuration Guide』の「Licensing」の章または Firepower Management Center のオンライン ヘルプを参照してください。
Firepower Management Center Virtual を起動する前に、第 0 日用のコンフィギュレーション ファイルを準備できます。このファイルは、仮想マシンの導入時に適用される初期設定データを含むテキスト ファイルです。この初期設定は、「day0-config」というテキスト ファイルとして指定の作業ディレクトリに格納され、さらに day0.iso ファイルへと処理されます。この day0.iso ファイルが最初の起動時にマウントされて読み取られます。
(注
) day0.iso ファイルは、最初のブート時に使用できる必要があります。
第 0 日のコンフィギュレーション ファイルを使用して展開する場合、プロセスで、Firepower Management Center Virtual アプライアンスの初期設定全体を実行できます。次を指定することができます。
第 0 日のコンフィギュレーション ファイルを使用せずに展開する場合は、起動後に Firepower システム の必須設定を指定する必要があります。詳細については、第 0 日のコンフィギュレーション ファイルを使用しない Firepower Management Center Virtual の起動を参照してください。
(注
) この例では Linux が使用されていますが、Windows の場合にも同様のユーティリティがあります。
1.
「day0-config」というテキスト ファイルに Firepower Management Center Virtual の CLI 設定を記入します。ネットワーク設定と Firepower Management Center の管理に関する情報を追加します。
2.
テキスト ファイルを ISO ファイルに変換して仮想 CD-ROM を生成します。
3.
手順を繰り返して、導入する Firepower Management Center Virtual ごとに一意のデフォルト設定ファイルを作成します。
virt-install ベースの導入スクリプトを使用して Firepower Management Center Virtual を起動できます。
環境に最適なゲスト キャッシング モードを選択してパフォーマンスを最適化できることに注意してください。使用中のキャッシュ モードは、データ損失が発生するかどうかに影響を与え、キャッシュ モードはディスクのパフォーマンスにも影響します。
各 KVM ゲスト ディスク インターフェイスで、指定されたいずれかのキャッシュ モード( writethrough 、 writeback 、 none 、 directsync 、または unsafe )を指定できます。 writethrough は読み取りキャッシングを提供します。 writeback は読み取りと書き込みキャッシングを提供します。 directsync はホスト ページ キャッシュをバイパスします。 unsafe はすべてのコンテンツをキャッシュし、ゲストからのフラッシュ要求を無視できます。
1.
「virt_install_fmc.sh」という virt-install スクリプトを作成します。
Firepower Management Center Virtual インスタンスの名前は、この KVM ホスト上の他の仮想マシン(VM)全体において一意であることが必要です。Firepower Management Center Virtual は、1 つのネットワーク インターフェイスをサポートできます。仮想 NIC は Virtio でなければなりません。
ウィンドウが開き、VM のコンソールが表示されます。VM が起動中であることを確認できます。VM が起動するまでに数分かかります。VM が起動したら、コンソール画面から CLI コマンドを実行できます。
virt-manager(Virtual Machine Manager とも呼ばれる)を使用して Firepower Management Center Virtual を起動します。virt-manager は、ゲスト仮想マシンを作成および管理するためのグラフィカル ツールです。
1.
virt-manager を起動します([アプリケーション(Applications)] > [システムツール(System Tools)] > [Virtual Machine Manager])。
ハイパーバイザの選択、およびルート パスワードの入力を求められる可能性があります。
2.
左上隅のボタンをクリックし、[VM の新規作成(New VM)] ウィザードを開きます。
b.
オペレーティング システムの場合、[既存のディスクイメージをインポート(Import existing disk image)] を選択します。
この方法でディスク イメージ(事前にインストールされた、ブート可能なオペレーティング システムを含んでいるもの)をインポートできます。
c.
[次へ(Forward)] をクリックして続行します。
a.
[参照...(Browse...)] をクリックしてイメージ ファイルを選択します。
b.
[OS タイプ(OS type)] に [Linux] を選択します。
c.
[バージョン(Version)] に [virtio を含む汎用 2.6.25 以降のカーネル(Generic 2.6.25 or later kernel with virtio)] を選択します 。
d.
[次へ(Forward)] をクリックして続行します。
a.
[メモリ(RAM)(Memory (RAM))] を 8192 に設定します。
c.
[次へ(Forward)] をクリックして続行します。
6.
[完了(Finish)] をクリックする前に [インストール前に設定をカスタマイズする(Customize configuration before install)] ボックスをオンにします。
この操作を行うと、別のウィザードが開き、仮想マシンのハードウェア設定を追加、削除、設定することができます。
左側のパネルから [プロセッサ(Processor)] を選択し、[設定(Configuration)] > [ ホスト CPU 構成のコピー(Copy host CPU configuration)] を選択します。
これによって、物理ホストの CPU モデルと設定が仮想マシンに適用されます。
a.
左側のパネルから [ディスク1(Disk 1)] を選択します。
b.
[詳細オプション(Advanced Options)] をクリックします。
c.
[ディスクバス(Disk bus)] を [Virtio] に設定します。
d.
[ストレージ形式(Storage format)] を [qcow2] に設定します。
a.
左側のパネルから [コンソール(Console)] を選択します。
b.
[削除(Remove)] を選択してデフォルト コンソールを削除します。
c.
[ハードウェアを追加(Add Hardware)] をクリックしてシリアル デバイスを追加します。
d.
[デバイスタイプ(Device Type)] で、[TCP net console (tcp)(TCP net console (tcp)] を選択します。
e.
[モード(Mode)] で、[サーバモード(バインド)(Server mode (bind))] を選択します。
f.
[ホスト(Host)] には IP アドレスと ポート 番号を入力します。
g.
[Telnet を使用(Use Telnet)] ボックスをオンにします。
10.
KVM ゲストがハングまたはクラッシュしたときに何らかのアクションが自動でトリガーされるようウォッチドッグ デバイスを設定します。
a.
[ハードウェアを追加(Add Hardware)] をクリックしてウォッチドック デバイスを追加します。
b.
[モデル(Model)] で、[デフォルト(default)] を選択します。
c.
[アクション(Action)] で、[ゲストを強制的にリセット(Forcefully reset the guest)] を選択します。
a.
[送信元デバイス(Source device)] で、[macvtap] を選択します。
b.
[デバイスモデル(Device model)] で、[virtio] を選択します。
c.
[送信元モード(Source mode)] で、[ブリッジ(Bridge)] を選択します。
(注
) デフォルトでは、Firepower Management Center Virtual 仮想インスタンスは、1 つのインターフェイスで起動し、その後に設定することができます。
12.
第 0 日のコンフィギュレーション ファイルを使用して展開する場合、ISO の仮想 CD-ROM を作成します。
a.
[ハードウェアを追加(Add Hardware)] をクリックします。
c.
[管理対象またはその他既存のストレージを選択(Select managed or other existing storage)] をクリックし、ISO ファイルの場所を参照します。
d.
[デバイスタイプ(Device type)] で、[IDE CDROM] を選択します。
13.
仮想マシンのハードウェアを設定した後、[適用(Apply)] をクリックします。
14.
virt-manager の [インストールの開始(Begin installation)] をクリックして、指定したハードウェア設定で仮想マシンを作成します。
OpenStack 環境に Firepower Management Center Virtual を展開できます。OpenStack は、パブリック クラウドとプライベート クラウドの、クラウド コンピューティング プラットフォームを構築および管理するための一連のソフトウェア ツールで、KVM ハイパーバイザと緊密に統合されています。
OpenStack では、ブート時にインスタンスに接続される特殊な設定ドライブ(config-drive)を使った設定データの提供をサポートしています。第 0 日のコンフィギュレーション ファイルを含む Firepower Management Center Virtual インスタンスを nova boot コマンドを使用して展開するには、次の行を含めます。
--config-drive コマンドが有効な場合、nova クライアントが呼び出される Linux ファイルシステムにあるファイル =/home/user/day0-config が仮想 CDROM の仮想マシンに渡されます。
(注
) VM はこのファイルを day0-config という名前で認識しますが、OpenStack では通常このファイルの内容を /openstack/content/xxxx として保存します。この xxxx は、割り当てられた 4 桁の数字(/openstack/content/0000 など)です。これは、OpenStack ディストリビューションによって異なる場合があります。
nova boot コマンドを使用して Firepower Management Center Virtual インスタンスを作成およびブートします。
1.
イメージ、フレーバー、インターフェイス、および第 0 日の設定情報を使用して Firepower Management Center Virtual インスタンスをブートします。
(注
) Firepower Management Center Virtual には 1 つの管理インターフェイスが必要です。
Horizon は、OpenStack のダッシュボードであり、Nova、Swift、Keystone などの OpenStack サービスへの Web ベース ユーザ インターフェイスを提供します。
https://software.cisco.com/download/navigator.html
(注
) Cisco.com のログインおよびシスコ サービス契約が必要です。
1.
[Log In] ページで、ユーザ名とパスワードを入力し、[Sign In] をクリックします。
ダッシュボードに表示されるタグと機能は、ログインしているユーザのアクセス権限(権限)によって異なります。
2.
メニューから [Admin] > [System Panel] > [Flavor] を選択します。
仮想ハードウェアのテンプレートは OpenStack でフレーバーと呼ばれ、RAM、ディスクのサイズ、コア数を定義します。
3.
[Flavor Info] ウィンドウに必要な情報を入力します。
a.
[名前(Name)]:インスタンスを簡単に識別するわかりやすい名前を入力します。たとえば、FTD-FMC-4vCPU-8GB とします。
b.
[VCPU の数(VCPUs)]:[4] を選択します。
5.
メニューから [Admin] > [System Panel] > [Images] を選択します。
6.
[Create An Image] ウィンドウに必要な情報を入力します。
a.
[Name]:イメージを簡単に識別する名前を入力します。たとえば、FTD-Version-Build とします。
b.
[Description]:(オプション)イメージ ファイルの説明を入力します。
c.
[参照(Browse)]:前に Cisco.com からダウンロードした Firepower Management Center Virtual の qcow2 ファイルを選択します。
d.
[Format]:形式タイプとして [QCOW2-QEMU Emulator] を選択します。
8.
メニューから [Project] > [Compute] > [Instances] を選択します。
9.
[Launch Instance] をクリックします。
10.
[Launch Instance] > [Details] タブに必要な情報を入力します。
a.
[Instance Name]:インスタンスを簡単に識別する名前を入力します。たとえば、「 FMC-Version-Build 」と入力します。
b.
[Flavor]:手順 3. で前に作成したフレーバーを選択します。このイメージ ファイルの説明を入力します。
c.
[Instance Boot Source]:[Boot from image] を選択します。
d.
[Image Name]:手順 6. で作成したイメージを選択します。
11.
[インスタンスの起動(Launch Instance)] > [ネットワーキング(Networking)] タブから、Firepower Management Center Virtual インスタンスの管理ネットワークを選択します。
インスタンスはクラウド内のコンピューティング ノードから開始します。[インスタンス(Instances)] ウィンドウから新しく作成したインスタンスを表示します。
13.
Firepower Management Center Virtual インスタンスを選択します。
どの Firepower Management Center についても、設定プロセスを完了する必要があります。このプロセスにより、管理ネットワーク上でアプライアンスが通信できるようになります。
次の手順では、Firepower Management Center で CLI を使用して初期設定を完了する方法について説明します。
1.
コンソールから、Firepower Management Center Virtual アプライアンスにログインします。ユーザ名として admin を、パスワードとして Admin123 を使用します。
2.
admin プロンプトで、次のスクリプトを実行します。
Firepower Management Center Virtual に初めて接続すると、起動後の設定を求めるメッセージが表示されます。
最初に IPv4 管理設定を構成(または無効に)してから、IPv6 に移ります。ネットワーク設定を手動で指定する場合は、IPv4 または IPv6 アドレスを入力する必要があります。
次の手順では、Firepower Management Center で Web インターフェイスを使用して初期設定を完了する方法について説明します。
1.
ブラウザで Firepower Management Center Virtual の管理インターフェイスのデフォルト IP アドレスにアクセスします。
2.
Firepower Management Center Virtual アプライアンスにログインします。ユーザ名として admin を、パスワードとして Admin123 を使用します。
設定ページが表示されます。管理者のパスワード変更と、ネットワーク設定の指定をまだ行っていない場合はこれらの 2 つを実行し、EULA に同意する必要があります。
仮想 Firepower Management Center が選択内容に従って設定されます。中間ページが表示されたら、管理者ロールを持つ admin ユーザとして Web インターフェイスにログインしています。
Firepower Management Center Virtual を使用する準備ができました。展開を設定する方法の詳細については、『 Firepower Management Center Configuration Guide 』を参照してください。