Wide Area Application Services
シスコの Wide Area Application Services( WAAS)は、WAN 最適化およびアプリケーション アクセラレーション ソリューションです。このソリューションにより、ブランチ オフィスのサーバ統合、および集中管理されるアプリケーションのパフォーマンスの向上を実現できるほか、WAN を介したアプリケーション、ストレージ、およびコンテンツへの LAN と同等のアクセスをリモート ユーザに提供できます。
WAAS ソリューションには、次の 3 つの主要なコンポーネントがあります。
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Wide Area Engine Edge ― WAE-E。エッジ WAE はクライアント上にインストールされます。WAE-E はリモート サイトや支店のクライアント要求を処理するファイル キャッシング デバイスです。このデバイスは各ブランチ オフィスまたはリモート キャンパスに配備され、ファイル サーバやプリント サーバの代わりに使用されます。また、リモート データセンターにあるデータのキャッシュされたビューへの LAN と同等の高速な読み書きアクセスをローカル クライアントに提供します。
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Wide Area Engine Core ― WAE-C。データセンターのサーバ上にインストールされるコア WAE コンポーネント。WAE-C は 1 つ以上のネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイスに直接接続されます。コア WAE は、データセンターのファイル サーバと、データセンターを企業のリモート サイトやブランチ オフィスに接続する WAN との間に配置されます。エッジ WAE から受け取った要求は、コア WAE によって元のファイル サーバ プロトコルに変換され、適切なファイル サーバに転送されます。データセンターのコア WAE は、負荷分散およびフェールオーバー サポートを提供できます。
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Web Cache Communication Protocol ― WCCP。1 つ以上のルータまたはレイヤ 3 スイッチと、1 つ以上のアプリケーション アプライアンス、Web キャッシュ、および他のプロトコルのキャッシュとのインタラクションを指定するシスコ プロトコルです。インタラクションの目的は、ルータのグループからアプライアンスのグループに流れる、選択したタイプのトラフィックの透過的なリダイレクションを確立および維持することです。どのタイプの TCP トラフィックもリダイレクトできます。
この章では、WAAS の設定画面に関するヘルプ トピックを紹介します。この章の内容は次のとおりです。
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WAAS 接続の設定
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WAAS のリファレンス
WAAS 接続の設定
WAAS を設定するには、 WAAS ネットワーク インターフェイス モジュールがルータにインストールされている必要があります。
WAAS 接続を設定するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1
Cisco CP の機能バーで、[設定]をクリックします。
ステップ 2
Cisco CP のタスクバーで、[インターフェイスと接続]をクリックします。
ステップ 3
[インターフェイス/接続の編集]タブの横にある[NM-WAAS]タブをクリックします。
ステップ 4
[設定の編集]をクリックして、WAAS ネットワーク モジュールのルータを設定します。
a.
[Integrated Service Engine]タブで必要な情報を入力します。詳細については、「Integrated Service Engine」を参照してください。
b.
[WCCP]をクリックし、[WCCP]タブで必要な情報を入力します。詳細については、「WCCP」を参照してください。
ステップ 5
[OK]をクリックして、[NM-WAAS]タブに戻ります。
ステップ 6
[設定の編集]画面で[コマンドをルータに配信する前にプレビューする]を選択した場合は、送信する Cisco IOS CLI コマンドが表示されます。ルータに設定を送信する場合は[配信]を、この設定を破棄する場合は[キャンセル]をクリックします。この設定を行わなかった場合、[OK]をクリックすると、ルータに設定が送信されます。
ステップ 7
[ツール]メニューの[Telnet]をクリックします。
ステップ 8
ルータのユーザ名とパスワードを入力します。
ステップ 9
必要に応じて、 enable コマンドを入力して Enter キーを押し、enable パスワードを指定します。
ステップ 10
Cisco IOS コマンド プロンプトで、次のコマンドを入力します。
Router# configure terminal
Router(config)# wccp router-list 1 default_gateway
Router(config)# wccp tcp-promiscuous router-list-num 1
Router(config)# wccp version 2
default_gateway は、 CM へのルートを提供するルータの IP アドレスに置き換えてください。
ステップ 11
[NM-WAAS]タブで[登録]をクリックします。
a.
WAAS CM の IP アドレスを入力します。
b.
登録要求を送信するインターフェイスを選択します。選択するインターフェイスには、WAAS CM ネットワークへのルートが設定されている必要があります。
c.
[OK]をクリックします。ユーザ名とパスワードのダイアログ ボックスが表示されます。
d.
CM へのログインに必要なユーザー名とパスワードを入力します。
登録が完了すると、画面の上部にある HTTPS リンクに CM の IP アドレスが挿入されます。リンクは次のようになります。
https://10.44.160.66:8443
ステップ 12
HTTPS リンクをクリックし、CM にログインします。Cisco Wide Area Application Services のホーム画面が表示されます。
ステップ 13
ホーム画面の[Active Alarms]タブで、ルータの WAAS NM の IP アドレスを探します。たとえば、ルータの WAAS NM の IP アドレスが 10.10.10.1 である場合、[Active Alarms]タブでその IP アドレスを探します。
ステップ 14
ルータの WAAS NM のアラーム情報にカーソルを置きます。カーソルの横にコンテキスト メニューが表示されます。
ステップ 15
コンテキスト メニューから、[Activate Device]を選択します。
ステップ 16
Cisco Wide Area Application Services のホーム画面で[Devices]をクリックします。このタブは画面の左上隅にあります。
ステップ 17
[Devices]タブで、WAAS NM のエントリの左側にある[編集]アイコンをクリックします。このアイコンはデバイス名の左側にあります。
ステップ 18
[Contents]ペインで[Activation]をクリックします。
ステップ 19
[Device Activation]画面で、[Activate]および[Create a new location]を選択します。
ステップ 20
[Device Activation]画面の下部にある[Submit]をクリックします。
ステップ 21
もう一度[Devices]をクリックして、登録されているすべてのデバイスのステータスを表示します。
ステップ 22
ルータの WAAS NM の IP アドレスが表示されているエントリを探します。
ステップ 23
そのエントリの[CMS Status]カラムと[Device Status]カラムを確認します。CMS ステータスは「Online」でなければなりません。デバイス ステータスは信号機で示されます。信号機は緑でなければなりません。
ステップ 24
WAAS NM をアクティブにできなかった場合は、設定を確認し、問題を修正してください。
WAAS のリファレンス
次のセクションでは、 WAAS の設定画面について説明します。
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NM-WAAS
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Integrated Service Engine
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WCCP
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Central Manager 登録
NM-WAAS
WAAS ネットワーク モジュールがルータにインストールされている場合、[NM-WAAS]タブが表示されます。このタブには、WAAS の現在のステータスと設定が表示されます。このタブから WAAS の設定画面に移動し、WAAS CM にログインして、ルータの WAAS NM をアクティブにできます。
ルータの WAAS を設定するには、次の手順に従ってください。
1.
[NM-WAAS]タブで[設定の編集]をクリックし、[Integrated Service Engine]タブと[WCCP]タブで必要な情報を入力します。
2.
Cisco CP の[ツール]メニューから[TelnetCisco CP]を選択し、ルータにログインして、ルータ プロンプトで次のコマンドを入力します。
Router# configure terminal
Router(config)# wccp router-list 1 default_gateway
Router(config)# wccp tcp-promiscuous router-list-num 1
Router(config)# wccp version 2
default_gateway は、 CM へのルートを提供するルータの IP アドレスに置き換えてください。
3.
[NM-WAAS]タブで[登録]をクリックし、 CM へのアクセスに使用する CM の IP アドレスとプライマリ インターフェイスを入力します。ユーザ名とパスワードのダイアログ ボックスが表示されます。
4.
ユーザ名とパスワードを入力して、ルータの WAAS NM を CM に登録します。登録が完了すると、画面の上部にある HTTPS リンクに CM の IP アドレスが挿入されます。リンクは次のようになります。
https://10.44.160.66:8443
5.
[NM-WAAS]タブで、HTTPS リンクをクリックして CM にログインします。
6.
CM を使用して、ルータの WAAS NM をアクティブにします。
これらの作業の詳細については、「WAAS 接続の設定」を参照してください。
関連リンク
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WAAS 接続の設定
フィールド リファレンス
表8-1 に、[NM-WAAS]タブに表示される情報を示します。
表8-1 [NM-WAAS]タブ
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WAAS の登録ステータス |
次のいずれかが表示されます。 • [アクティブ]― エッジ WAE は、WAAS Central Manager に登録されています。エッジ WAE が登録されている場合は緑のアイコンが表示されます。 • [非アクティブ]― エッジ WAE は、WAAS Central Manager に登録されていません。エッジ WAE が登録されていない場合は赤のアイコンが表示されます。 |
登録 |
CM にログインして、エッジ WAE をルータに登録する場合、[登録]をクリックします。
(注) WAAS NM を設定し、このヘルプ トピックの最初に記載されている Cisco IOS CLI コマンドを入力するまでは、登録しないでください。
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更新 |
登録ステータスを更新する場合、[更新]をクリックします。ユーザ名とパスワードのダイアログ ボックスが表示され、CM にログインできます。 |
WAAS デバイスを設定するには、下のリンクをクリックして Central を起動します。 |
Central Manager デバイス マネージャを起動する場合、表示されているリンクをクリックします。 |
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WAAS インターフェイス |
WAAS ネットワーク モジュールの名前(Integrated Service Engine 0/0 など)。 |
ルータの IP アドレス |
サービス モジュールへのルータ インターフェイスの IP アドレス。リダイレクト インターフェイスの IP アドレスです。 |
サービス モジュール IP アドレス |
サービス モジュールに割り当てられている内部 IP アドレス。 |
サービス モジュール外部 IP アドレス |
(オプション)。サービス モジュールに割り当てられている外部 IP アドレス。 |
デフォルト ゲートウェイ |
サービス モジュールが使用するデフォルト ゲートウェイの IP アドレス。 |
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バージョン |
使用されている WCCP プロトコルのバージョン(WCCP バージョン 2 など)。 |
内部インターフェイス |
WCCP 内部インターフェイスに使用されているルータ インターフェイスの名前。このインターフェイスは LAN に接続されています。 |
外部インターフェイス |
WCCP 外部インターフェイスに使用されているルータ インターフェイスの名前。このインターフェイスは WAN に接続されています。 |
リダイレクト インターフェイス |
WAAS サービス モジュールにトラフィックをリダイレクトするルータ インターフェイス。このインターフェイスは、リダイレクション ループを回避するように設定されています。 |
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設定の編集 |
[設定の編集]をクリックすると、ダイアログ ボックスが表示され、Integrated Service Engine の設定および WCCP の設定を変更できます。 |
削除 |
[削除]をクリックすると、現在の WAAS 設定が削除されます。 |
リロード |
[リロード]をクリックすると、この画面の情報が更新されます。 |
Integrated Service Engine
この画面では、ルータ、 WAAS サービス モジュール、およびサービス モジュールが使用するゲートウェイの設定を入力します。
フィールド リファレンス
表8-2 に、この画面の設定フィールドを示します。
表8-2 [Integrated Service Engine]タブ
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IP アドレス |
WAAS サービス モジュールにトラフィックをリダイレクトするルータ インターフェイスの IP アドレスを入力します。 |
サブネット マスク |
サブネット マスクを 10 進表記で入力します(255.255.255.0 など)。または、サブネット ビットの数値を選択します(24 など)。1 つのフィールドに値を入力すると、他のフィールドの値が更新されます。たとえば、255.255.255.0 と入力すると、サブネット ビット フィールドは自動的に更新されて 24 が表示されます。 |
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内部 IP アドレス |
WAAS ネットワーク モジュールの内部 IP アドレスを入力します。この IP アドレスは、使用しているルータの IP アドレスと同じサブネット上になければなりません。たとえば、ルータの IP アドレスが 10.0.0.20 である場合、サービス モジュールの内部 IP アドレスは 10.0.0.21 などです。 |
サブネット マスク |
サブネット マスクを 10 進表記で入力します(255.255.255.0 など)。または、サブネット ビットの数値を選択します(24 など)。1 つのフィールドに値を入力すると、他のフィールドの値が更新されます。たとえば、255.255.255.0 と入力すると、サブネット ビット フィールドは自動的に更新されて 24 が表示されます。 |
外部 IP アドレス |
(オプション)。 WAAS ネットワーク モジュールの外部 IP アドレスを入力します。この IP アドレスは、WAAS CM に接続するのに必要になることがあります。 |
サブネット マスク |
サブネット マスクを 10 進表記で入力します(255.255.255.0 など)。または、サブネット ビットの数値を選択します(24 など)。1 つのフィールドに値を入力すると、他のフィールドの値が更新されます。たとえば、255.255.255.0 と入力すると、サブネット ビット フィールドは自動的に更新されて 24 が表示されます。 |
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デフォルト ゲートウェイ IP アドレス |
WAAS サービス モジュールが使用するデフォルト ゲートウェイ ルータの IP アドレスを入力します。 |
WCCP
この画面では、 WCCP を設定します。WCCP の設定では、 WAAS NM にトラフィックをリダイレクトするルータ インターフェイスと、WAAS CM に関する情報を指定します。
フィールド リファレンス
表8-3 で、この画面のフィールドについて説明します。
表8-3 [WCCP]タブのフィールド リファレンス
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WCCP 61 リダイレクト |
WAAS NM にリダイレクトするトラフィックを伝送する LAN サブインターフェイスをリストから選択します。選択したインターフェイスは、[NM-WAAS]タブに内部インターフェイスとして表示されます。インターフェイス リストの右側にあるリストから[IN]を選択します。 |
WCCP 62 リダイレクト |
WAAS NM にリダイレクトするトラフィックを伝送する WAN サブインターフェイスをリストから選択します。選択したインターフェイスは、[NM-WAAS]タブに外部インターフェイスとして表示されます。インターフェイス リストの右側にあるリストから[IN]を選択します。 |
WCCP リダイレクトの除外対象 |
この設定で使用している Integrated Service Engine を選択して、ルータが同じトラフィックをローカルの WAE に繰り返しリダイレクトしないように指定します。 |
Central Manager 登録
この画面では、WAAS Central Manager への登録を行います。
フィールド リファレンス
表8-4 で、この画面のフィールドについて説明します。
表8-4 WAAS Central Manager の登録
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IP アドレス |
WAAS Central Manager の IP アドレスを入力します。 |
プライマリ インターフェイス |
登録要求を送信するルータ インターフェイスを選択します。このインターフェイスには、WAAS Central Manager のネットワークへのルートが設定されている必要があります。 |