オブジェクト トラッキングについて
オブジェクト トラッキングを使用すると、インターフェイス ライン プロトコル ステート、IP ルーティング、ルート到達可能性などの、デバイス上の特定のオブジェクトをトラッキングし、トラッキング対象オブジェクトのステートが変化したときに対処できます。この機能により、ネットワークのアベイラビリティが向上し、オブジェクトがダウンした場合のリカバリ時間が短縮されます。
オブジェクト トラッキングの概要
オブジェクト トラッキングを使用すると、インターフェイス ライン プロトコル ステート、IP ルーティング、ルート到達可能性などの、デバイス上の特定のオブジェクトをトラッキングし、トラッキング対象オブジェクトのステートが変化したときに対処できます。この機能により、ネットワークのアベイラビリティが向上し、オブジェクトがダウンした場合のリカバリ時間が短縮されます。
オブジェクト トラッキング機能を使用すると、トラッキング対象オブジェクトを作成できます。複数のクライアントでこのオブジェクトを使用し、トラッキング対象オブジェクトが変化したときのクライアント動作を変更できます。複数のクライアントがそれぞれの関心をトラッキング プロセスに登録し、同じオブジェクトをトラッキングし、オブジェクトのステートが変化したときに異なるアクションを実行します。
クライアントには次の機能が含まれます。
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Embedded Event Manager(EEM)
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ホットスタンバイ冗長プロトコル(HSRP)
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仮想ポート チャネル(vPC)
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仮想ルータ冗長プロトコル(VRRP)および VRRPv3
オブジェクト トラッキングは、トラッキング対象オブジェクトのステータスをモニタし、変更があった場合は関係クライアントに伝えます。各トラッキング対象オブジェクトは、一意の番号で識別します。クライアントはこの番号を使用して、トラッキング対象オブジェクトのステートが変化したときに実行するアクションを設定できます。
Cisco NX-OS がトラッキングするオブジェクト タイプは、次のとおりです。
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インターフェイス ライン プロトコル ステート:ライン プロトコル ステートがアップまたはダウンかどうかをトラッキングします。
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インターフェイス IP ルーティング ステート:インターフェイスに IPv4 または IPv6 アドレスが設定されていて、IPv4 または IPv6 ルーティングが有効でアクティブかどうかをトラッキングします。
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IP ルート到達可能性:IPv4 または IPv6 ルートが存在していて、ローカル デバイスから到達可能かどうかをトラッキングします。
たとえば、HSRP を設定すると、冗長ルータの 1 つをネットワークの他の部分に接続するインターフェイスのライン プロトコルをトラッキングできます。リンク プロトコルがダウンした場合、影響を受ける HSRP ルータのプライオリティを変更し、よりすぐれたネットワーク接続が得られるバックアップ ルータにスイッチオーバーされるようにできます。
オブジェクト トラッキング リスト
オブジェクト トラッキング リストを使用すると、複数のオブジェクトのステートをまとめてトラッキングできます。オブジェクト トラッキング リストは次の機能をサポートします。
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ブール「and」機能:トラッキング リスト オブジェクトがアップになるには、トラッキング リスト内に定義された各オブジェクトがアップ状態である必要があります。
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ブール「or」機能:トラッキング対象オブジェクトがアップになるには、トラッキング リスト内に定義された少なくとも 1 つのオブジェクトがアップ状態である必要があります。
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しきい値パーセンテージ:トラッキング対象リストに含まれるアップ オブジェクトのパーセンテージが、アップ状態になるトラッキング リストの設定されたアップしきい値を上回っている必要があります。トラッキング対象リストに含まれるダウン オブジェクトのパーセンテージが設定されたトラッキング リストのダウンしきい値を上回っている場合、トラッキング対象リストはダウンとしてマークされます。
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しきい値の重み:トラッキング対象リスト内の各オブジェクトに重み値を割り当て、トラッキング リストに重みしきい値を割り当てます。すべてのアップ オブジェクトの重み値の合計がトラッキング リストの重みアップしきい値を超えている場合、トラッキング リストはアップ状態になります。すべてのダウン オブジェクトの重み値の合計がトラッキング リストの重みダウンしきい値を超えている場合、トラッキング リストはダウン状態になります。
他のエンティティ(たとえば、仮想ポート チャネル(vPC))は、オブジェクト トラッキング リストを使用することにより、vPC を作成する複数のピア リンクのステートに基づいて vPC のステートを変更できます。vPC の詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Interfaces Configuration Guide』を参照してください。
トラックリストの詳細については、「ブール式によるオブジェクトトラックリストの設定」を参照してください。
高可用性
オブジェクト トラッキングは、ステートフル リスタートを通じてハイ アベイラビリティをサポートします。ステートフル リスタートが実行されるのは、オブジェクト トラッキング プロセスがクラッシュした場合です。オブジェクト トラッキングは、デュアル スーパーバイザ システムでのステートフル スイッチオーバーもサポートします。 Cisco NX-OS はスイッチオーバーの後でランタイム設定を適用します。
オブジェクト トラッキングを使用して、ネットワーク全体の可用性が向上するように、クライアントの動作を変更することもできます。
仮想化のサポート
オブジェクト トラッキングは仮想ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスをサポートします。Cisco NX-OS はデフォルトで、デフォルト VRF のオブジェクトのルート到達可能ステートをトラッキングします。別の VRF のオブジェクトをトラッキングする場合は、オブジェクトをその VRF のメンバとして設定する必要があります(「デフォルト以外の VRF に対してオブジェクト トラッキングを設定する」の項を参照)。