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この章では、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)サーバが DHCP クライアントに設定パラメータを提供する方法について説明します。DHCP を使用すると、ホスト IP アドレス、デフォルト ゲートウェイ、および DNS サーバを含む各種のネットワーク設定を行うことができます。DHCP クライアントおよび関連サーバが同じ IP ネットワークまたはサブネットに存在しない場合でも、DHCP リレー エージェントはそれらの間で DHCP メッセージを送信できます。DHCP リレー エージェントは、DHCP クライアントおよびサーバ間のインターフェイスとして動作します。また、クライアント要求を受信し、クライアントのリンク情報など、サーバがクライアントにアドレスを割り当てる際に必須となる設定データを追加します。DHCP サーバが応答すると、DHCP リレー エージェントは DHCP クライアントへ応答を転送します。
(注) ACE は共有 VLAN 上で受信した DHCP ブロードキャスト パケットに対する DHCP リレーをサポートしません。
DHCP は、TCP/IP ネットワーク上のホストへ動的に構成情報を受け渡すためのフレームワークを提供します。DHCP クライアントは、IP アドレスなどの設定パラメータを取得するために DHCP を使用するインターネット ホストです。
DHCP リレー エージェントは、クライアントおよびサーバ間で DHCP パケットを転送する任意のホストです。リレー エージェントは、クライアントおよびサーバが物理的に同一のサブネット上にない場合に、それらの間で要求および応答を転送するために使用します。リレー エージェントによる転送は、通常の IP ルータでの転送とは区別されます。通常の IP ルータでの転送では、IP データグラムがネットワーク間で透過的にスイッチングされます。これとは対照的に、リレー エージェントは DHCP メッセージを受信したあと、新しい DHCP メッセージを生成してその他のインターフェイスに送信します。
図5-1 に、DHCP クライアントが DHCP サーバに対して IP アドレスを要求した場合に発生する基本的な手順を示します。クライアントであるホスト A が DHCPDISCOVER ブロードキャスト メッセージを送信して、DHCP サーバを検索します。リレー エージェントが、DHCP クライアントおよびサーバ間でパケットを転送します。DHCP サーバは、DHCPOFFER ユニキャスト メッセージによって、IP アドレス、MAC アドレス、ドメイン名、IP アドレスのリースといった設定パラメータをクライアントに提供します。
表5-1 は、ACE に DHCP リレー機能を設定するために必要な手順を簡潔に示したものです。各手順には、その作業を完了するために必要な CLI コマンドが示されています。各機能の詳細な説明および各 CLI コマンドに関するすべてのオプションについては、 表5-1 以降のセクションを参照してください。
ここでは、ACE に DHCP リレー エージェントを設定する方法について説明します。DHCP リレー エージェントとして設定された ACE は、DHCP クライアントおよびサーバ間でネゴシエートされる要求と応答を転送する役割を担います。デフォルトでは、DHCP リレー エージェントはディセーブルです。DHCP リレー エージェントをイネーブルにする場合、DHCP サーバを設定する必要があります。
DHCP リレー エージェントは、次のように ACE のコンテキスト レベルおよび VLAN インターフェイス レベルの両方で設定できます。
• DHCP リレー エージェントをコンテキスト レベルで設定すると、設定はコンテキストに関連付けられたすべてのインターフェイスに適用されます。
• DHCP リレー エージェントを VLAN インターフェイス レベルで設定すると、設定は特定のインターフェイスにのみ適用され、残りのインターフェイスは、コンテキスト レベルの設定に戻されます。
ip dhcp relay enable コマンドを使用すると、関連付けられたコンテキストまたは VLAN インターフェイスのクライアントから DHCP 要求を受け入れ、DHCP リレー エージェントをイネーブルにすることができます。DHCP リレーによって、関連付けられた VLAN インターフェイスまたはコンテキストに対して、 ip dhcp relay server コマンドで指定された DHCP サーバ アドレスへのパケット転送が開始されます。
たとえば、コンテキストに関連付けられたすべてのインターフェイスへの DHCP リレーをイネーブルにするには、次のように入力します。
たとえば、VLAN インターフェイス レベルで DHCP リレーをイネーブルにするには、次のように入力します。
コンテキストに関連付けられたすべてのインターフェイスへの DHCP リレーをディセーブルにするには、次のように入力します。
VLAN インターフェイス上で DHCP リレーをディセーブルにするには、次のように入力します。
ip dhcp relay server コマンドを使用すると、DHCP リレー エージェントがクライアント要求を転送する DHCP サーバの IP アドレスを設定できます。
ip dhcp relay server ip_address
ip_address 引数では、DHCP サーバの IP アドレスを指定します。ドット付き 10 進表記でアドレスを入力します(たとえば、192.168.20.1)。
たとえば、コンテキストに関連付けられたすべてのインターフェイスに対して DHCP リレー サーバの IP アドレスを設定するには、次のように入力します。
たとえば、VLAN インターフェイス レベルで DHCP リレー サーバの IP アドレスを設定するには、次のように入力します。
DHCP サーバの IP アドレスを削除するには、次のように入力します。
コンフィギュレーション モードで ip dhcp relay information policy コマンドを使用すると、転送されたメッセージにすでにリレー情報が含まれていた場合に DHCP リレー エージェントが実行すべき作業を認識するように設定できます。デフォルトの再転送ポリシーでは、DHCP リレー パケットをドロップするように設定されています。
(注) リレー エージェント情報の再転送ポリシーは、VLAN インターフェイス レベルで設定することはできません。この機能は、コンテキストと関連付けられたすべてのインターフェイスに対してグローバルにのみ設定できます。
ip dhcp relay information policy {keep | replace}
• keep ― DHCP リレー エージェントで既存の情報を変更しないことを指定します。
• replace ― DHCP リレー エージェントで既存の情報を上書きすることを指定します。
たとえば、コンテキストと関連付けられたすべてのインターフェイスに対して、既存の情報を置き換えるようにリレー エージェント情報の再転送ポリシーを設定するには、次のように入力します。
DHCP リレー パケットをドロップするデフォルトのリレー情報ポリシーに戻すには、次のように入力します。
show ip dhcp relay コマンドを使用すると、DHCP リレー エージェント用に収集された構成情報および統計情報を表示できます。DHCP リレーには 3 つの show コマンドがあります。
• show ip dhcp relay conf ― DHCP 構成情報を表示します。
• show ip dhcp relay information policy ― リレー エージェント情報の再転送ポリシーに関するステータスを表示します。
• show ip dhcp relay statistics ― DHCP リレー統計情報を表示します。
このコマンドの出力値は、 clear ip dhcp relay statistics コマンドを入力するまで増分します。
たとえば、リレー エージェント情報の再転送ポリシーの設定ステータスを表示するには、次のように入力します。
DHCP リレー統計情報をすべてクリアするには、 clear ip dhcp relay statistics コマンドを使用します。たとえば、次のように入力します。
表5-2 に、 show ip dhcp relay conf コマンドの出力フィールドを示します。
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表5-3 に、 show ip dhcp relay statistics コマンドの出力フィールドを示します。
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