この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章ではOC12 POS Line Cardについて説明します。具体的な内容は次のとおりです。
• 「機能」
• 「OC12 POS Line Cardの光ファイバ仕様」
• 「LED」
OC12 POS Line CardをCisco 7304ルータに装着することで、1枚のカード上に単一または2重の
622.080 Mbps POSインターフェイスを実現できます。OC12 POS Line Cardを外部のOC-12ネットワークに接続するには、適切な光ファイバ ケーブルを使用する必要があります(光ファイバ ケーブルの詳細については、OC12 POS Line Cardの光ファイバ仕様およびケーブルおよびコネクタを参照)。
OC12 POS Line Cardには6つのモデルがあります。
• 7300-1OC12POS-MM ― マルチモード(図 1-1を参照)。
• 7300-1OC12POS-SMI ― シングルモード、中距離(図 1-2を参照)。
• 7300-1OC12POS-SML ― シングルモード、長距離(図 1-3を参照)。
• 7300-2OC12POS-MM ― マルチモード(図 1-4を参照)。
• 7300-2OC12POS-SMI ― シングルモード、中距離(図 1-5を参照)。
• 7300-2OC12POS-SML ― シングルモード、長距離(図 1-6を参照)。
図 1-1 7300-1OC12POS-MM ― 前面プレート図
図 1-2 7300-1OC12POS-SMI ― 前面プレート図
図 1-3 7300-1OC12POS-SML ― 前面プレート図
図 1-4 7300-2OC12POS-MM ― 前面プレート図
図 1-5 7300-2OC12POS-SMI ― 前面プレート図
図 1-6 7300-2OC12POS-SMI ― 前面プレート図
POS仕様は、SONET/Synchronous Digital Hierarchy(SDH;同期デジタル階層)リンクでのPPPカプセル化に対処しています。SONETは、51.840 Mbps(STS-1)~622.080 Mbps(STS-12)以上の階層型速度での光デジタル伝送用のANSI(米規格協会)規格(T1.1051988)です。SDHは、155.520 Mbps(STM-1)~2.488 Gbps(STM-16)以上の階層型速度での光デジタル伝送の国際規格です。
SONETは、標準速度および形式系列を定義するオクテット同期マルチプレクス方式です。POSの基本速度はSTS-3c/STM-1の速度である155.520 Mbpsです。使用可能な情報帯域幅は149.760 Mbpsです。これは、STS-3c/STM-1 Synchronous Payload Envelope(SPE;同期ペイロード エンベロープ)のSONETフレームのペイロード部分であり、オクテット指向ユーザ データのマッピング先です(オクテット境界は、SPEオクテット境界に位置合わせされます)。
ITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)は、155.520 Mbpsから始まる一連のSDH伝送速度を次のように定義しています。
|
|
---|---|
STS-12c2 |
|
SONETという名前が付いていますが、SONETは光リンクに限定されていません。電気的仕様はCATV 75 ohmの同軸ケーブルについて定義されています。伝送速度は、T3/E3ビット同期信号の伝送に使用できる51.840 Mbpsの整数倍です。
現在規定されていて一般に使用されている伝送倍数は、次のとおりです。
• STS-12c ― 622.080 Mbps(OC12 POS Line CardはSTS-12cに準拠)
POSおよびPPPの概念および仕様については、次の資料を参照してください。
• Simpson, W., Editor,『 The Point-to-Point Protocol(PPP) 』RFC 1512, Daydreamer, December 1993
• Simpson, W., Editor, 『 PPP in HDLC Framing 』RFC 1662, Daydreamer, July 1994
• Simpson, W, Editor, 『 PPP Over SONET/SDH 』RFC 1619, Daydreamer, May 1995
• 『 American National Standard for Telecommunications - Digital Hierarchy - Optical Interface Rates and Formats Specification 』ANSI T1.105-1991
• 『 American National Standard for Telecommunications - Synchronous Optical Network(SONET)Payload Mappings 』ANSI T1.105.02-1993 draft
• ITU-T Recommendation G.707, 『 Synchronous Digital Hierarchy Bit Rates 』 June 1992
• Telecordia GR-253-CORE SONET:Common generic criteria, September 2000
OC12 POS Line Cardには次の機能があります。
• シングルモード光ファイバによる短距離(7300-1OC12POS-MMおよび7300-2OC12POS-MM)、中距離(7300-1OC12POS-SMIおよび7300-2OC12POS-SMI)、および長距離(7300-1OC12POS-SMLおよび7300-2OC12POS-SML)の光インターフェイス
(注) OC12 POS Line Cardで使用するケーブル タイプの詳細については、「OC12 POS Line Cardの光ファイバ仕様」、および「ケーブルおよびコネクタ」を参照してください。
• Cisco 7304ルータのOnline Insertion and Removal(OIR;ホットスワップ)機能を使用して、OC12 POS Line Cardをオンラインで取り外し、取り付け、交換可能
• 16ビットおよび32ビットのCyclic Redundancy Check(CRC;巡回冗長検査)のサポート(CRC-16 およびCRC-32)
OC12 POS Line Card用の物理レイヤ インターフェイスはOptical Carrier-12(OC-12c:SONET STS-12cおよびSDH STM-4伝送速度の仕様)であり、OC12 POS Line CardはPacket-over-SONET仕様に従って設計されています。OC12 POS Line Cardは、サポート対象の全プラットフォームに対して単一の622.080 Mbps Packet OC-12ネットワーク インターフェイスを提供します。
各OC12 POS Line Cardには、シングルモード光ファイバに接続できるSCタイプの光レセプタクルが1組装備されています(このライン カードで使用する光ファイバ ケーブルの詳細については、OC12 POS Line Cardの光ファイバ仕様およびケーブルおよびコネクタを参照)。
パケット データは、PPP(ポイントツーポイント プロトコル)を使用して転送され、STS-12c/STM-4フレームにマッピングされます(RFC-1619)。
光ファイバ伝送に関するOC12 POS Line Cardの仕様はシングルモードです。
モードとは、特定の角度でファイバに入射する光の束と考えることができます。シングルモード ファイバは1つのモードの光だけをファイバに伝播しますが、マルチモード ファイバは複数のモードの光をファイバに伝播します。
ファイバに伝播されたマルチモードの光は、入射角に応じてそれぞれ異なる距離を進むため、宛先への到達時間がそれぞれ異なります(「 モード分散 」と呼ばれる現象)。したがって、シングルモード ファイバはマルチモード ファイバよりも広い帯域幅を扱うことができ、長いケーブル距離を進むことができます。 表 1-1 に、シングルモードの光ファイバ伝送用の定格OC-12光パラメータを示します。
(注) 接続されている2台のステーションの距離が、表示されている最大距離より長い場合は、信号損失のため、伝送の信頼性が失われます。
表 1-1 にOC-12光パラメータを示します。
タイプ 3 |
|
パワー 4 |
|
|
|
---|---|---|---|---|---|
シングルモード5 |
-5 dBm(最小) |
||||
シングルモード7 |
-15 dBm(最小) |
||||
-20 dBm(最小) |
4.この値は、レシーバが耐えることのできる最大パワーを示しています。 5.Bellcore GR-253-CORE Long Reach Specification(LR-1)に準拠しています。 7.Bellcore GR-253-CORE Intermediate Reach Specification(IR-1)に準拠しています。 |
アプリケーションに関するリンク損失および分散損失を計算する場合は、次の仕様およびマニュアルを参照してください。
• EIA/TIA-IVa Dispersion Unshifted Single-Mode Fiber
• EIA/TIA-IVb Dispersion Shifted Single-Mode Fiber
• GR-20-CORE 『 Generic Requirements for Optical Fiber and Fiber-Optic Cable 』
• ITU-T Recommendation G.957『 Optical Interfaces for Equipments and Systems Relating to the Synchronous Digital Hierarchy 』
OC12 POS Line Cardの前面プレートには、ライン カードのステータスを示すLED、インターフェイスのステータスを示すLEDがポートごとに、それぞれ2つずつ付いています(図 1-7を参照)。
システムの初期設定後にSTATUS LEDが点灯した場合は、電力が供給され、OC12 POS Line Cardが動作可能な状態になっています。
OC12 POS Line Cardをイネーブルにするためには、次の条件がすべて満たされている必要があります。
• OC12 POS Line Cardが正しく接続され、電力が供給されていること。
• システム バスがOC12 POS Line Cardを認識していること。
• 有効なバージョンのマイクロコードがロードされ、実行されていること。
この3つの条件のうち1つでも満たされていないか、または初期設定に失敗した場合は、STATUS LEDが点灯しません。
表 1-2 に、LEDのカラーおよび意味を示します。
|
|
|
|
---|---|---|---|
アラーム状態です。アラームの定義については、 表 1-3 を参照してください。 |
|||
CARRIER/ALARM LEDがイエローに点灯している場合は、アラーム状態が発生しています。 表 1-3 に、発生する可能性のあるアラーム状態を示します。特定のアラーム状態を表示する場合は、show controllersコマンドを使用してください。
|
|
---|---|
|
|
|
|
|
|
ルータをネットワークに接続するか、またはOC12 POS Line Cardを装備した2台のルータを連続して接続する場合は、シングルモード(短距離、中間距離、または長距離構成の場合)光ファイバ ケーブルを使用します。SONET/SDHシングルモード光ファイバ接続では、シンプレックスSCタイプ ケーブル(図 1-8を参照)を2本、またはデュプレックスSCタイプ ケーブル(図 1-9を参照)を1本使用します。
図 1-8 シンプレックスSCタイプ ケーブルおよびコネクタ
図 1-9 デュプレックスSCタイプ ケーブルおよびコネクタ
(注) ステーション間の最大ケーブル長については、表 1-1を参照してください。OC12 POS Line Cardのシングルモード光ファイバ ケーブルが別途必要です。
ライン カードと接続先装置との間に、シンプレックス光ファイバ ケーブルを1本使用します。ケーブルの受信側(Rx)と送信側(Tx)の接続関係に注意してください(図 1-10 を参照)。
(注) レーザーの安全に関する注意事項については、「レーザーに関する注意事項」を参照してください。
警告 光ファイバ ケーブルが接続されていない場合、ポートの開口部から目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。レーザー光にあたらないよう、開口部をのぞきこまないでください。
(注) 光ファイバ コネクタは、埃、油などの汚れから保護する必要があります。アルコールを染み込ませた綿棒などを使用して、光ファイバ コネクタの汚れをていねいに落としてください。
図 1-10 OC12 POS Line Cardの送信(Tx)ポートおよび受信(Rx)ポート
OC12 POS Line Cardは、次のカプセル化方式に対応しています。
統計モデルは、標準のワースト ケース方式よりも正確にパワー バジェットを査定します。統計方式でリンク損失を算出するには、データ リンク コンポーネントについての正確な知識が必要です。統計的なパワー バジェット分析は、このマニュアルの範囲外です。詳細については、ITU-T標準およびご使用の機器の仕様を参照してください。
減衰量およびパワー バジェットの決定についての情報が記載されている文書は、次のとおりです。
• T1E1.2/92-020R2 ANSI、『 Broadband ISDN Customer Installation Interfaces:Physical Layer Specification 』というタイトルのDraft American National Standard for Telecommunications
• 『 Power Margin Analysis, AT&T Technical Note 』、TN89-004LWP, May 1989
ここでは、Cisco 7304ルータのスロット位置について説明します。具体的な内容は次のとおりです。
OC12 POS Line CardはCisco 7304ルータのスロット2~スロット5に搭載できます。図 1-11に、OC12 POS Line Cardをスロット2およびスロット5に搭載したCisco 7304を示します。
(注) スロット0およびスロット1はNSE(ネットワーク サービス エンジン)専用です。
ここでは、Cisco 7304ルータに搭載されたOC12 POS Line Cardのインターフェイス アドレスの識別方法について説明します。インターフェイス アドレスは、ルータ上の各インターフェイスの物理的な位置を指定します。
Cisco 7304ルータに搭載されたOC12 POS Line Cardのインターフェイスでは、他のライン カードの取り付けや取り外しに関係なく、常に同じインターフェイス アドレスが維持されます。ただし、ライン カードを他のスロットに移すと、インターフェイス アドレスの最初の数字が新しいスロットの番号に変わります。
表 1-4 に、インターフェイス アドレスの識別方法を示します。
|
|
|
|
---|---|---|---|
スロット ― 0~58 |
|
ここでは、Cisco 7304ルータに搭載されたOC12 POS Line Cardで使用されるインターフェイス アドレスの識別方法について説明します。インターフェイス アドレスは2つの番号からなり、フォーマットは、 スロット番号/インターフェイス ポート番号 です。インターフェイス アドレスのフォーマットについては、 表 1-4 を参照してください。
Cisco 7304ルータのスロットは、下部のスロット0(NSE-100専用のデュアル幅スロット)からスロット5まで、左下から右上へ順に番号が付いています。
(注) スロット0では、NSE-100カードだけがサポートされています。
スロット2に搭載されたOC12 POS Line Cardのインターフェイスのインターフェイス アドレスは2/0です(スロット2およびインターフェイス0)。OC12 POS Line Cardをスロット4に搭載した場合は、同じインターフェイスでも番号は4/0(スロット4およびインターフェイス0)になります。