この章では、Cisco 4710 Application Control Engine(ACE)Appliance を装置ラックに設置する手順について説明します。また、ケーブルと AC 電源の接続、および ACE のブート手順についても説明します。
警告 インストレーション手順を読んでから、システムを電源に接続してください。
• ACE の設置
• ケーブルの接続
• AC 電源の接続
• ACE のブート
• 『 Regulatory Compliance and Safety Information for the Cisco 4710 Application Control Engine Appliance 』
また、以下の関連資料を読んで ACE に関する知識を取得しておくことを推奨します。これらの資料は Cisco.com で入手できます。
• 『 Release Note for the Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance 』
• 『 Cisco ACE 4700 Series Application Control Engine Appliance CLI Quick Configuration Note 』
• 『 Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance Device Manager GUI Quick Configuration Note 』
ACE CLI(コマンドライン インターフェイス)による詳細な設定情報については、次のソフトウェア マニュアルを参照してください。
• 『 Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance Administration Guide 』
• 『 Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance Application Acceleration and Optimization Configuration Guide 』
• 『 Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance Command Reference 』
• 『 Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance Routing and Bridging Configuration Guide 』
• 『 Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance Security Configuration Guide 』
• 『 Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance Server Load-Balancing Guide 』
• 『 Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance SSL Configuration Guide 』
• 『 Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance System Message Guide 』
• 『 Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance Virtualization Configuration Guide 』
• 『 Cisco CSS-to-ACE Conversion Tool User Guide 』
ACE デバイス マネージャ GUI による詳細な設定情報については、『 Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance Device Manager GUI Configuration Guide 』を参照してください。
• RJ-45 から 25 ピン D サブメス型への変換用コネクタ(×1)
• RJ-45 から 9 ピン D サブメス型への変換用コネクタ(×2)
• Cisco Product Documentation CD-ROM と保証パッケージ
• 『 Regulatory Compliance and Safety Information for the Cisco 4710 Application Control Engine Appliance 』
ACE は、輸送用カートンで梱包保護された状態で出荷されます。ACE 出荷品は完全独立のシャーシです。出荷品に対してコンポーネントの追加や取り外しを行うことはできません。
1. 輸送用カートンから ACE の各種アクセサリを取り出します。梱包材は、あとで再梱包するときのために保管しておきます。
2. ACE の構成とアクセサリをチェックして、梱包内容明細に記載されているすべての品目が揃っていることを確認します。明細と梱包内容が一致しない場合は、「製品が破損している場合」 に示した形式でご報告ください。
3. ACE をインストールする前に、「インストレーションの準備」に概説した内容を確認してください。
装置またはコンポーネントの一部が輸送中に破損していた場合は、直ちに、製品の点検と破損レポートの作成を行うよう運送業者に依頼してください。段ボールと梱包材は、すべての内容が確認されるまで保存しておいてください。
同時に、破損の程度と範囲について、製品を購入された代理店にご報告ください。その際、問題点または欠陥とともに、モデル番号とシリアル番号もご報告ください。折り返し、保守手順、または Return Material Authorization(RMA; 返品許可)番号と返品先をお知らせします。詳細については、「マニュアルの入手方法、テクニカル サポート、およびシスコのセキュリティ ガイドライン」 を参照してください。
ここでは、ACE を 4 支柱ラックに設置する手順について説明します。ラックは、床、天井、または壁面上部、および隣接するラックがある場合はそのラックに正しく固定してください。床および壁面に固定するには、業界標準で規定されている留め具と支柱を使用します。
ラックには、垂直方向に縦 1.75 インチ(4.44 cm)ごとに目盛が付いています。この 1 目盛をラック ユニット(RU)といいます。1 RU の装置は、高さ 1.75 インチ(4.44 cm)になります。
警告 この装置の設置、交換、または保守は、訓練を受けた相応の資格のある人が行ってください。
警告 ラックに装置を取り付けたり、ラック内の装置のメンテナンス作業を行ったりする場合は、事故を防ぐため、装置が安定した状態で置かれていることを十分に確認してください。安全を確保するために、次の注意事項を守ってください。
• ラックに設置する装置が 1 台だけの場合は、ラックの一番下に取り付けます。
• ラックに複数の装置を設置する場合は、最も重い装置を一番下に設置して、下から順番に取り付けます。
• ラックにスタビライザが付いている場合は、スタビライザを取り付けてから、ラックに装置を設置したり、ラック内の装置を保守したりしてください。
ACE を設置する前に、「インストレーションの準備」に必ず目をとおして、設置場所や環境の適切な条件を確認しておいてください。これらの注意事項に従わないと、設置が正しく行なえず、ACE およびそのコンポーネントが破損する可能性があります。ACE の設置および保守を行う際には、以下の手順を実行してください。
ACE の設置および保守では、次の作業を実行する必要があります。
• ACE を設置する前に、すべての電源コードおよび外付けケーブルを外してください。
• 地域および国別の電気規定に従って、ACE を設置してください。
–米国:米国防火協会(NFPA)70、United States National Electrical Code
–カナダ:Canadian Electrical Code、Part I、CSA C22.1
–その他の国:国または地域の電気規定がない場合は、IEC 364、Part 1 ~ 7 を参照
• 人身事故を引き起こしたり装置の安全性を損なう可能性のある作業は行わないでください。
• 所定の場所にしっかりと固定されていないラックに、ACE を設置すると、ACE が破損したり、人身事故が発生する可能性があります。
• ACE はかなりのサイズと重量があるため、一人で設置作業は行わないでください。
ラックに装置を設置する際の安全性についての詳細は、「インストレーションの準備」および 「ラックマウントに関する注意事項」を参照してください。
ACE は、1U のシステム ラックに設置できます。図3-1 に、ラックのレール コンポーネントを示します。
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ACE を 4 支柱のラックに設置するには、次の 3 つの手順を実行します。
シャーシ レール マウントを取り付けるには、次の手順を実行します。
(注) 最初に、サーバ レールからシャーシ レール マウント部を取り外してから、以下の手順に示すとおりにシャーシに取り付けてください。
ステップ 1 サーバ レールをいっぱいまで伸ばします(図3-2 を参照)。いっぱいまで伸ばすと、サーバ レールがその位置でロックされます。
ステップ 2 ホワイトのタブ(図3-3 の 1 番)を矢印の方向にスライドさせて、シャーシ レール マウント部品を引き抜きます(この部品は、次の手順でシャーシに取り付けるので、横に置いておきます)。
図3-3 シャーシ レール マウントの取り外し用タブのスライド
ステップ 3 シャーシ レール マウントの穴をシャーシのペグ(図3-4 の 1 および 2)に合わせます。
図3-4 シャーシ レール マウントのシャーシへの取り付け位置
ステップ 4 穴を合わせて(図3-5 の 1)、レールをスライドさせ、所定の位置に固定します(図3-5 の 2)。
図3-6 に、所定位置に固定されたシャーシ レール マウントを示します。
図3-6 所定位置に取り付けられたシャーシ レール マウント
シャーシ レール マウントを取り付けたら、いっぱいに伸ばしたサーバ レールを縮めて、ラックに取り付ける必要があります。サーバ レールを縮めてある場合は、ステップ 2 に進みます。
ステップ 1 サーバ レールのアームを縮めるには、図3-7 に示したタブを押し、アームをスライドさせて縮めます。
ステップ 2 サーバ レールをラックに取り付けるには、丸ネジとケージ ナットを使用します。ご使用のラックの形状に対応する図を参照してください。
–角型ペグ ラックの場合は、図3-8 を参照
–丸型ペグ ラックの場合は、図3-9 を参照
ステップ 3 反対側のレールおよびラック アセンブリについても、ステップ 1 と ステップ 2 を繰り返します。
(注) ラックにレールを設置するまで、ブラケットとレールの間のネジを締めないようにしてください。そうすることで、ラックにレールを簡単に取り付けることができます。ラックにレールを取り付けたら、ネジを締めます。
ステップ 1 シャーシ レール マウント上で、ブルーのプラスチックのタブ(図3-10 の 1)を矢印の方向にスライドさせます。これにより、シャーシ レール マウントをレール上でスライドさせることができます。
ステップ 2 ラックにシャーシを挿入します(図3-11 を参照)。
シャーシを伸縮式レール上で前後に何度かスライドさせて、ラック内でシャーシがスムーズに動くことを確認します。
警告 この製品は設置する建物に回路短絡(過電流)保護機構が備わっていることを前提に設計されています。保護装置の電流と電圧の定格は、米国/カナダでは 120 VAC、15 A 以下、その他の国では 240 VAC、10 A 以下でなければなりません。
警告 雷が発生しているときには、システムに手を加えたり、ケーブルの接続や取り外しを行わないでください。
ACE にネットワーク ケーブルおよびコンソール ケーブルを接続するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 ネットワークに接続するには、ACE 背面パネルのイーサネット コネクタに、カテゴリ 3、4、または 5 の Unshielded Twisted-Pair(UTP; シールドなしツイストペア)ケーブルを接続します(図1-2 を参照)。ACE 背面パネルには、2 つのイーサネット管理用ポートと、4 つのイーサネット データ用ポートがあります。
(注) 100BASE-TX/1000BASE-TX イーサネット規格では、長さ 328.08 フィート(100 m)以内の標準 4 ツイストペア カテゴリ 5e ケーブルを使用する必要があります。
ステップ 2 ネットワークのハブまたはスイッチに、ネットワーク ケーブルの反対側を接続します。
ステップ 3 コンソール ケーブルを 図3-12 に示したとおりに接続します。一方の端に、コンソールまたはコンピュータのシリアル ポートに接続する際に必要となる DB-9 または DB-25 コネクタ、他方の端に、ACE コンソール シリアル ポート用の DB-9 コネクタが接続されます。2 つの D サブ アダプタ間を、RJ-45 ロール型(コンソール)ケーブルで接続します。
(注) コンフィギュレーション コマンドを入力するには、コンソール ポートをコンピュータ、コンソール、または通信サーバに接続します。アクセサリ キットに含まれているシリアル ケーブルを用意してください。このシリアル ケーブル アセンブリには、RJ-45 コネクタ付きのロール型(コンソール)ケーブル、2 つの DB-9 コネクタ アダプタ(PN 74-0495-01)、1 つのDB-25 コネクタ アダプタ(PN 29-0810-01)が含まれています。
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警告 この装置はアースする必要があります。絶対にアース線を破損させたり、アース線が正しく取り付けられていない状態で装置を稼働させたりしないでください。アースが適切かどうかがはっきりしない場合には、電気検査機関または電気技術者に確認してください。
ACE に AC 電源ケーブルを接続するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 「インストレーションの準備」に概説した安全性に関する情報を確認してください。
ステップ 2 ACE の背面にある電源コード レセプタクルに、AC 電源コードを取り付けます(図1-2を参照)。
ステップ 5 ACE の前面にある電源制御ボタンを押します。
ACE の電源を投入すると、ブート処理中に次のタスクが実行されます。
• ハードウェアの初期化と Power-On Self Test(POST; 電源投入時自己診断テスト)
• ブート メニューの表示(コンソールが接続されている場合のみ)(シリアル コンソール接続の確立を参照)
(注) 電源投入中に、ACE の前面のグリーンの電源 LED が点灯します。
これで、ACE を設定および使用できます。ACE の初期セットアップと設定作業については、『 Cisco ACE 4700 Series Application Control Engine Appliance CLI Quick Configuration Note 』および『 Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance Device Manager GUI Quick Configuration Note 』を参照してください。
CLI または デバイス マネージャ GUI を使用して設定手順を完了すると、ACE で次のタスクを実行できるようになります。
ACE が稼働したら、前面パネル LED で ACE の動作ステータスを監視します。前面パネル LED の位置と機能については、図1-1 を参照してください。
ACE を設定するには、シリアル コンソール接続を確立する必要があります。この手順を実行するには、PC 1 台、DB-9/RJ-45 アダプタ 2 つ(付属)、ロール型 RJ-45 ケーブル 1 本(付属)、端末エミュレーション通信ソフトウェア(ハイパーターミナルなど)が必要です。シリアル コンセントレータ接続を使用することもできます。
シリアル コンソール接続を確立するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 次の手順に従って、背面パネルのシリアル コンソール ポートにコンソールを接続します。
a. DB-9/RJ-45 アダプタをコンソールのシリアル ポートに取り付けます。
b. DB-9/RJ-45 アダプタを ACE のシリアル ポートに取り付けます。シリアル ポートの位置については、図1-2 を参照してください。
c. ロール型 RJ-45 ケーブルを使用して、コンソールを ACE に接続します。
ステップ 2 ACE の電源を投入していない場合は、「ACE のブート」 で説明した手順に従って電源を投入します。
ステップ 3 PC 上で端末エミュレータを開き、ACE CLI を起動します。次の手順に従って、Windows のハイパーターミナルを使用します。
a. ハイパーターミナルを起動します。[Connection Description] ウィンドウが表示されます。
c. [ OK ] をクリックします。[Connect To] ウィンドウが表示されます。
d. ドロップ ダウン リストで、装置の接続先 COM ポートを選択します。
e. [ OK ] をクリックします。[Port Properties] ウィンドウが表示されます。
h. Enter キーを押すと、 CLI プロンプトが表示されます。
ステップ 4 セッションを作成したら、[File] メニューで [ Save As ] を選択して、接続の設定を保存します。接続の設定を保存しておくと、次の 2 つの利点があります。
• 次回、ハイパーターミナルを起動したとき、セッションが Start > Programs > Accessories > HyperTerminal > Name_of_session の下にオプションとして表示されます。このオプションを使用すれば、設定手順を繰り返さなくても、CLI プロンプトをただちに起動できます。
• 新規のハイパーターミナル セッションを設定しなくても、別の装置にケーブルを接続できます。このオプションを使用する場合、新規の装置の接続先ポートは、保存したハイパーターミナル セッションに設定したポートと同じにする必要があります。そうしないと、プロンプトなしで空の画面が表示されます。
警告 オン/オフ スイッチのあるシステムの場合は、事前に電源をオフにしてから電源コードを取り外してください。
警告 この製品を廃棄処分する際には、各国の法律または規制に従って取り扱ってください。
ネットワークから ACE を物理的に取り外すには、次の手順を実行します。
ステップ 1 ACE の前面パネルにある電源ボタンを押して、ACE の電源を切断します。
ステップ 2 電源コードとネットワーク ケーブルを取り外します。
ステップ 4 ACE を交換するには、新しい ACE をラックに設置して、取り外した ACE と同じ設定パラメータ(IP アドレスなど)を使用して設定します。
詳細については、『 Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance Administration Guide 』および『 Cisco 4700 Series Application Control Engine Appliance Routing and Bridging Configuration Guide 』を参照してください。