このドキュメントでは、Microsoft Windows システムの復元後に Cisco AnyConnect Secure Mobility Client が適切にアップグレードされないと発生する問題について説明します。 この問題の解決方法も説明します。
次の項目に関する知識が推奨されます。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。
本書の情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。 このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。 稼働中のネットワークで作業を行う場合、コマンドの影響について十分に理解したうえで作業してください。
次の条件が当てはまる場合、AnyConnect Client のアップグレードは失敗します。
この状況では、システム復元後、次回ユーザがマシンから接続するとき、AnyConnect Client が自身をアップグレードするという動作が予想されます。なぜなら、実行されている AnyConnect Client は ASA で設定されているバージョンより古いからです。 ところがその予想される動作は行われません。
ヘッドエンドへの VPN 接続が開始されると、AnyConnect Client は、マシンに現在インストールされているバージョンと ASA に設定されているバージョンを比較します。 この比較を完了するために、AnyConnect Client は VPNManifestClient.xml ファイルや VPNManifest.dat ファイルに保存されている情報を使用します。 マニフェスト ファイルに設定されているバージョンがヘッドエンドに保存されているバージョンより古い場合、ダウンローダーをバイパスするためのクライアント プロファイルが設定されていなければ、AnyConnect Client は自動的にアップグレード プロセスを開始して自身をアップグレードします。
上記のシナリオでは、システムの復元が完了する前は、マニフェスト ファイルには AnyConnect Client が実行するバージョンがバージョン X 以降に指定されていました。 ただし、システムの復元が完了して、AnyConnect Client がダウングレードされているとしても、マニフェスト ファイルは修正されません。 その理由は、Microsoft Windows はこれらのファイルを個人的なドキュメントと見なし、古いバージョンに戻さないためです。 それで、これらのファイルが報告するバージョンは、システムの復元前に動作していたバージョンです。
この問題を解決するには、次の接続試行の際にソフトウェア アップグレードをトリガーするファイル(VPNManifestClient.xml と VPNManifest.dat)の両方を削除する必要があります。