このドキュメントでは、必要に応じた最適の Cisco IOS® ソフトウェア リリースを選択する手助けとなるガイドラインが紹介されており、選択に役立つ提案とツールが提供されています。
注:このドキュメントで説明されているトラブルシューティングツールを使用するには、登録ユーザであり、ログインしている必要があります。
このドキュメントに関しては個別の要件はありません。
このドキュメントは、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細については、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
検討すべき最も重要な要素は次のとおりです。
Cisco IOS ソフトウェア リリースの選択で最初にチェックするのは、ハードウェア サポートです。Cisco IOSハードウェアサポートを検索できるCisco Feature Navigator(登録ユーザ専用)を使用することをお勧めします。
注:ツールを使用するには、次の操作を行う必要があります。
特定の Cisco IOS ソフトウェア リリースの機能とハードウェア サポートの詳細は、Cisco IOS ソフトウェアのサイトを参照してください。このページの、Cisco IOS ソフトウェアの最新リリース セクションで、必要な Cisco IOS ソフトウェア リリースを選択します。次に、「Product Literature」セクションの [Bulletins] リンクをクリックして、Cisco IOS リリースの機能とハードウェア サポートのドキュメントを参照してください。
ご使用のシスコデバイスのshow versionコマンドの出力データがあれば、Cisco CLI Analyzer(登録ユーザ専用)を使用して、潜在的な問題と修正を表示できます。このツールを使用するには、登録ユーザであり、ログインしていて、さらに JavaScript を有効にしている必要があります。
特に最新のソフトウェア機能を使用しようとする場合は、機能サポートについて確認することが重要です。現在ルータで稼動しているバージョンと同じ機能を確保する必要があり、どの機能を使用しているのかが不明な場合は、そのルータで show version コマンドを発行してください。
show version コマンドの 2 行目に次のように表示されます。
IOS (tm) 2500 Software (C2500-JS-L), Version 12.0(9), RELEASE SOFTWARE (fc1)
ここで、「JS」が機能セットです。この例では、J が「Enterprise」を意味し、S が「Plus」を意味しています。 この情報に従えば、同じ機能セットを選択できます。
使用する予定のすべての機能をサポートするCisco IOSソフトウェアを調べるには、Cisco Software Research(登録ユーザ専用)を使用することをお勧めします。これにより、機能またはリリース別に検索でき、2つのリリースを比較することもできます。お客様の要件を満たし、ご使用のハードウェアと互換性がある各種ソフトウェア バージョンを書き留めてください。
特定の Cisco IOS ソフトウェア リリースの機能とハードウェア サポートの詳細は、Cisco IOS ソフトウェアのサイトを参照してください。このページの、Cisco IOS ソフトウェアの最新リリース セクションで、必要な Cisco IOS ソフトウェア リリースを選択します。次に、Bulletins リンクをクリックして、Cisco IOS リリースの機能とハードウェア サポートのドキュメントを参照してください。
次に、導入する特定の Cisco IOS ソフトウェア リリースを選択する必要があります。そのリリースがご使用のハードウェアをサポートしており、必要な機能を含んでいて、そのルータのメモリに互換(「メモリ要件」を参照)であれば適合しています。 次に、作業を簡略化するための一般的な推奨項目とガイドラインを紹介します。
Cisco IOS ソフトウェア リリースは、A.B(C)D という書式を使用します。各要素の意味は次のとおりです。
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A、B、C は数字です。
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D(存在する場合)は文字です。
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A.B はメジャー リリースです。
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C はメンテナンス バージョンです。メンテナンス番号が大きいほど、より多くの不具合が修正されています。特定のメンテナンス バージョンで使用できる機能、不具合の修正、およびハードウェア サポートは、次のメンテナンス バージョンでも使用できます。
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D(存在する場合)は、そのリリースがメジャー リリースではなく、メジャー リリースの拡張であることを示します。このような拡張には、通常、新しい機能と新しいハードウェア サポートが追加されています。
Cisco IOS ソフトウェア イメージは、ED、LD、GD、DF のいずれかです。
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ED は「早期導入」を意味します。 早期導入リリースでは、新しい機能、プラットフォーム、あるいはインターフェイスのサポートが提供されています。ほとんどの非メジャー リリースは、ED リリースに含まれます。
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GD は「一般導入」を意味します。 リリースの機能が必要とされるお客様のあらゆるネットワークでの配備が適切とシスコが判断すると、Cisco IOS ソフトウェアのメジャー リリースが「一般導入」のマイルストーンに達します。「一般導入」マイルストーンになるための基準は、そのリリースを実環境およびテスト ネットワークで使用されているお客様からのフィードバック調査、カスタマー エンジニアの不具合のレポート、および導入実績などに基づきます。一般導入マイルストーンの候補はメジャー リリースのみです。
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LD は「限定導入」を意味します。 Cisco IOSソフトウェアのメジャーリリースは、最初の出荷からGDマイルストーンまでの間のライフサイクルの「制限付き導入」フェーズにあると言われています。
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DF は「保留」を意味します。 DF リリースは、既知の問題点があるため、ダウンロードでの利用はできません。これらのリリースはルータにインストールしないでください。
リリースを選択する際は、可能であれば GD リリースを選択することをお勧めします。ハードウェアとソフトウェアの機能上の制約によって他のリリースを選択できない場合のみ、ED リリースを選択してください。
ルータに新しい Cisco IOS ソフトウェア イメージをインストールする前に、ご使用のルータがそのイメージのメモリ要件に適合していることを確認してください。これには、ルータで show version コマンドを発行して、次の行を探します。
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cisco RSP4 (R5000) processor with 65536K/2072K bytes of memory
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16384K bytes of processor board System flash (Read ONLY)
最初の行は、ルータに搭載されている DRAM とパケット メモリの量を示しています。プラットフォームの中には、DRAM の一部分をパケット メモリとして使用するものがあります。メモリ要件にはこの点が考慮されているため、ルータで使用可能な DRAM の量を調べるには(メモリ要件の観点から)両方の数を加算する必要があります。
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cisco RSP4 (R5000) processor with 65536K/2072K bytes of memory
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4000、4500、4700、および 7500 ルータでは DRAM とパケット メモリが分かれているため、最初の数字のみを見る必要があります。上記の例では、ルータに 65536K(64M)の DRAM が搭載されています。
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cisco 2611 (MPC860) processor (revision 0x202) with 29696K/3072K bytes of memory
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1000、1600、2500、2600、3600、および 7200 ルータでは、DRAM の一部分がパケット メモリとして使用されるため、DRAM の実際の量を調べるには両方の数を加算する必要があります。この例では、ルータに 29696 K + 3072 K = 32768 K(32 M)の DRAM が搭載されています。
...
cisco RSP4 (R5000) processor with 65536K/2072K bytes of memory
...
16384K bytes of processor board System flash (Read ONLY)
下の行は、使用可能なフラッシュ メモリの量を示しています。その一部はすでに使用されている場合があります。空きフラッシュ メモリの総量を調べるには、次のように show flash コマンドを発行します。
Router#show flash
System flash directory:
File Length Name/status
1 8407884 c2600-io3s56i-mz.121-6
[8407948 bytes used, 8369268 available, 16777216 total]
16384K bytes of processor board System flash (Read/Write)
show flash コマンドのバリアントを使用すると、プラットフォーム上の別の特定フラッシュ デバイスを調査できます。これらのバリアントの使用方法についての情報は、『show flash コマンドの定義』を参照してください。
選択したソフトウェアを使用可能にするには、DRAM 要件とフラッシュ メモリ要件を両方とも満たす必要があります。要件が満たされていない場合は、ルータにフラッシュ メモリまたは DRAM を追加するか、または別の Cisco IOS ソフトウェア リリースを選択します。下位の機能セットまたは古いリリースは機能が少なく、メモリ要件も小さいので、これらを検討することもできます。
特定のリリースのメモリ要件を見つけるには、「Download Software」エリアまたはリリース ノートを利用できます。Cisco IOS ソフトウェア リリースのリリース ノートにアクセスするには、次の手順に従います。
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「Download Software」エリアに移動します。
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[Cisco IOS and NX-OS Software] を選択します。
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探している Cisco IOS ソフトウェア リリースを、メイン ライン(Mainline)や早期配布特別版(Special and Early Deployment)などから選択します。
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製品を、Cisco 3800 や 2800 シリーズなどから選択します。
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Cisco IOS ソフトウェア リリースを、General Deployment(GD; 一般導入)、Limited Deployment(LD; 限定導入)、Maintenance Deployment(MD; メンテナンス導入)などから選択します。 この RHS で、それぞれの Cisco IOS イメージに必要な DRAM とフラッシュ メモリを表示できます。
新しいリリースでの不具合を調べるには、不具合のスクラビングを実施できます。Bug Search Tool(登録ユーザ専用)を参照してください。
これで 「Download Software」エリアに移動する準備ができました。次の手順を実行します。
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対象のメジャー リリースを選択します。
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プラットフォームを選択します。
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ダウンロードする正しいバージョンを選択します(この時点で、どのバージョンが GD、LD、または ED であるのかを確認できます。DF リリースはダウンロードでは入手できません)。
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必要な機能セットを選択します。
選択した機能セットのメモリ要件が表示されます。ご使用のルータがこの要件を満たしている場合は、先に進んでイメージをダウンロードします。