データ シートCisco IP Contact Center Express Standard 4.5Cisco® Unified Contact Center Express は、Cisco IP Communications システムに不可欠なコンポーネントであり、統合された Cisco IP テレフォニー アーキテクチャの利点を活かして、顧客とのコンタクトを管理するすべての機能を備えた統合型ソリューションを提供します。 シスコ ユニファイド コミュニケーションにおける音声および IP コミュニケーションの製品およびアプリケーションは、コミュニケーションを円滑にし、ビジネス プロセスの短縮、適切なリソースの迅速な活用、および生産性と利益の拡大を可能にします。シスコ ユニファイド コミュニケーションの製品は、シスコ ビジネス コミュニケーション ソリューションに不可欠です。シスコ ビジネス コミュニケーション ソリューションは、ネットワーク インフラストラクチャ、セキュリティ、ネットワーク管理の各製品、無線接続、ライフサイクル サービスなどから構成されます。 Cisco Unified Contact Center Express により、顧客とのコンタクト方法は新たな段階に進化します。つまり、今日のコンタクト センターの域を超えた、カスタマー インタラクション ネットワークが確立されます。カスタマー インタラクション ネットワークは、IP ベースの分散型カスタマー サービス インフラストラクチャで、進化し続ける革新的なマルチチャネル サービスと Customer Relationship Management(CRM)アプリケーションから構成されています。これらのサービスおよびアプリケーションにより、応答性の標準化、効率化された顧客とのやりとりが実現し、企業は優れたカスタマー サービスを提供できるようになります。カスタマー インタラクション ネットワークは、カスタマー サービス機能を企業全体に展開し、顧客満足度を向上させる統合性と協調性に富んだアプローチを可能にします。 Cisco Unified Contact Center Express の概要Cisco Unified Contact Center Express は、導入や運用が容易でアベイラビリティの高い優れたカスタマー インタラクション管理(1 ~ 300 エージェント)を必要としている企業の部門、企業の支店、または中小・中堅企業のニーズに対応します。Cisco Unified Contact Center Express は、Cisco Security Agent でセキュリティが確保された複数のサイトにおいて、統合型セルフサービス アプリケーションを使ってアベイラビリティの高い仮想コンタクト センターをサポートすることにより、顧客とのコンタクト インタラクション管理の効率性、アベイラビリティ、およびセキュリティを向上させます。Cisco Unified Contact Center Express は、優れたエージェント ベースの補助サービスと完全統合型セルフサービス アプリケーションをサポートすることにより、高機能で分散型の Automatic Call Distributor(ACD)、Interactive Voice Response(IVR)、Computer Telephony Integration(CTI)、エージェントおよびデスクトップのサービスを単一サーバによるワンボックス コンタクト センターとして実現しています。 こうした機能により、ビジネス コストが削減され、コンタクト センターに対する顧客の反応が改善します。 Cisco Unified Contact Center Express には、製品の機能と顧客コンタクト インタラクション管理の要件をより適切に一致させるため、Standard、Enhanced、および Premium の 3 つのバージョンが提供されています。Cisco Unified Contact Center Express 製品は、Cisco Unified CallManager との統合性が非常に高くなっています。 Cisco Unified Contact Center Express Standard の主な機能と利点Cisco Unified Contact Center Express Standard は、シンプル グループベース ルーティングや シンプル エージェント画面ポップアップを必要とする、インフォーマルなコール センターに最適です。Cisco Unified Contact Center Express Standard は、最大 300 のエージェントと 300 のプロンプト/コレクト ポートに対応できます。* その他の機能と利点には、次のものがあります。
Cisco Unified Contact Center Express Standard には、他の番号やサービス(ボイスメールなど)への転送機能に加えて、高度で設定可能な音声メニューと待機中のコールに対するカスタム コール処理機能(待機中のコール数や予想待ち時間に応じた処理、カスタム メッセージ機能、発信元への案内と情報収集など)が用意されています。 画面ポップアップCisco Unified Contact Center Express Standard は、統合された基本的な画面ポップアップ機能を提供します。また、HTTP や Extensible Markup Language(XML)を使って企業の Web サーバ上に保管されているデータにアクセスすることもできます。 履歴レポートCisco Unified Contact Center Express 製品にはすぐに使用できる図表形式のレポート機能が用意されているため、スーパーバイザやコール センターの管理者は次の業務を容易に行うことができます。
Cisco Unified Contact Center Express の履歴レポート クライアントを使用すると、スーパーバイザやコール センターの管理者は日時の範囲、ソート パラメータ、フィルタリング パラメータなどの機能を使用してレポート データを柔軟に表示できます。このツールでは、レポートを作成したあとでレポートのサイズを変更したり、PDF、Excel、および XML などのファイル形式でレポート データをエクスポートすることもできるため、あとでデータを操作したり、プレゼンテーションに利用したりすることが可能です。また、ジョブ スケジューラを使用すると、ユーザが定めた日時と間隔でレポートの出力または保存をスケジュール設定することもできます。 Cisco Unified Contact Center Express では、Crystal Reports ソフトウェアを使用して、Cisco Unified Contact Center Express の履歴レポート クライアントで表示可能なカスタム レポートを作成できます。標準的なレポートに表示されるデータ、履歴レポート データベースに保管される詳細データ、および Cisco Unified Contact Center Express でのカスタム レポートの作成手順については、詳細なマニュアルが用意されています。 Cisco Agent Desktop および Supervisor Desktop サービスCisco Agent Desktop と Cisco Supervisor Desktop は、Cisco Unified Contact Center Express と Cisco Unified Contact Center Enterprise におけるそれぞれエージェントとスーパーバイザのインターフェイスです。これらの製品で共通のデスクトップ環境を使用した場合、コンタクト センターのトレーニングと業務を一度定義すれば、複数の製品間で再利用することが可能になります。 Cisco Unified Contact Center Express では、Cisco Unified IP Phone 7970G、7960G、および 7940G 用の Cisco Unified IP Phone Agent をオプションで使用できます。このオプションに必要なのは、エージェント用の Cisco Unified IP Phone 7970G、7960G、または 7940G だけで PC は必要ありません。 Cisco Unified Contact Center Express Standard 用の Cisco Agent Desktop StandardCisco Agent Desktop では、エージェントは Cisco Unified IP Phone 7905G、7940G、7960G、または 7970G のデスクトップから直接呼制御機能を実行したり、Cisco IP Communicator ソフトフォンに対して呼制御を実行することができます。呼制御機能には、コール発信、コールの終了、コールの保留、コールの転送、および会議コールがあります。 そのほかに、次のような機能があります。
Cisco Unified Contact Center Express Standard 用の Cisco Supervisor DesktopCisco Supervisor Desktop を使用すると、スーパーバイザはデスクトップから直接呼制御機能を実行できます。呼制御機能には、「コール発信」「コールの終了」「コールの保留」「コールの転送」「会議コール」があります。 そのほかに、次のような機能があります。
Cisco Unified Contact Center Express Standard 用の Cisco Unified IP Phone AgentCisco Unified IP Phone Agent(図 2)は、Cisco Unified IP Phone 7970G 、7960G または 7940G 上で ACD 機能を提供します。Cisco Unified IP Phone Agent はエージェント デスクトップのすべての機能をサポートしているわけではありませんが、多くの場合、エージェントの PC にエージェント デスクトップをインストールする必要はなくなります(Cisco Unified IP Phone Agent は、Cisco IP Phone 7911G、7912G、7941G、7961G、7971G、および Cisco Unified Wireless IP Phone 7920G でもサポートされています)。 Cisco Unified IP Phone Agent には、次の機能があります。
Cisco Unified IP Phone Agent の Cisco Supervisor Desktop 制御には、次の機能があります。
![]() 図 2 Cisco Unified IP Phone Agent サービス作成およびスクリプト環境Cisco Unified Contact Center Express の Workflow Editor はサービスおよびスクリプトの作成環境を提供します。これにより、コールフロー動作およびコール処理の完全カスタマイズが可能になります。Workflow Editor は、場所に依存せずに企業 WAN 上のどこからでも実行でき、ワークフローは Cisco Unified Contact Center Express サーバ上にアップロードして実行することができます。このビジュアル エディタのインターフェイスはシンプルでわかりやすく、ビジネス通信アプリケーションを高度にカスタマイズして構築することを可能にします。図 3 に示すように、サービス作成とスクリプト環境を使用すると、ユーザは事前に定義されたコールフロー コンポーネントを選択し、そのコンポーネントを現在のコールフロー ドキュメントにドラッグ アンド ドロップできます。また、ドロップしたコンポーネントを右クリックするだけで、コンポーネントのパラメータを入力できます。 ![]() 図 3 サービス作成およびスクリプト環境 運用管理サービスCisco Unified Contact Center Express Standard では、Web ベースの運用管理機能が利用できます。この機能は、Cisco Unified CallManager の運用管理機能と完全に統合されています。Cisco Unified Contact Center Express Standard は、企業の WAN のどこからでも運用管理を行うことができます(図 4)。 ![]() 図 4 Web ベースの運用管理 管理サービスCiscoWorks は、インターネットのオープンな標準規格とシスコ製デバイスに実装されている機能を使用して、ネットワーク管理者が Cisco Unified Contact Center Express Standard などの IP テレフォニー環境を正常に稼働させたまま統合型ネットワークを監視できるように支援します。CiscoWorks では、IP テレフォニー環境のシスコ製デバイス用に設計されたリアルタイムの詳細な障害分析機能を利用できます。CiscoWorks はシスコ製デバイスに特化しているため、シスコの IP テレフォニー技術をベースとしたネットワークを監視するのに役立ちます。CiscoWorks では、発生した障害の詳細についてのインテリジェントなトラップを使用して、各種障害の識別、障害状態の分析、およびネットワーク管理者への通知を行うことができます。Cisco Unified Contact Center Express Standard では、サーバの検出、ヘルス統計、サブシステム プロセス チェック、およびアプリケーション実行ステータスなどのクリティカルなネットワーク管理機能がサポートされています(図 5)。 ![]() 図 5 Cisco Unified Contact Center Express Standard 用の CiscoWorks のサポート セキュリティCisco Unified Contact Center Express では、コンタクト センターや企業でのネットワーク セキュリティを維持するために、Cisco Security Agent だけでなく主要なウイルス対策ソフトウェア ベンダーのウイルス検出ソフトウェアもサポートしています。ホストベースの Intrusion Detection System(IDS; 侵入検知システム)である Cisco Security Agent は、ミッションクリティカルなエンタープライズ サーバやホストに対するセキュリティを提供します。Cisco Security Agent はウイルス検索ソフトウェアやファイアウォールといった従来のエンドポイント セキュリティ ソリューションとは異なり、悪意のある動作が実行される前に問題点を発見し防止します。このようにして、企業のネットワークやアプリケーションに悪影響を与える可能性のある既知および未知のセキュリティ リスクを除去します。Cisco Security Agent は、シグニチャによる識別ではなく動作を分析することによって、ウイルス対策ソフトウェアの機能を補完します。 Cisco Security Agent とウイルス対策ソフトウェアを組み合わせて使用すると、ネットワークの保護と運用コストの削減を可能にする優れたソリューションが実現します。 シスコ ユニファイド コミュニケーションのサービスおよびサポートシスコシステムズとパートナーは、シスコのライフサイクル サービスの考え方を活用して、シスコ ユニファイド コミュニケーション システムをサポートするための幅広いエンドツーエンド サービスを提供しています。これらのサービスは、IP コミュニケーション ソリューションの構築、運用、および最適化に効果のある手法を基にしています。たとえば、早期段階に計画サービスおよび設計サービスを活用すると、厳しいスケジュール要件を満たすことができ、導入作業中のネットワークの停止を最小限に抑えます。運用サービスを使用すると、専門家の技術サポートによって通信の中断リスクを軽減できます。最適化サービスを使用すると、ソリューションのパフォーマンスが向上し、運用効率が高まります。シスコとそのパートナーは、耐障害性の高い統合型ネットワークの構築および維持に役立つシステムレベルのサービスおよびサポートを提供し、企業ニーズに対応しています。 まとめCisco Unified Contact Center Express は、統合型 IP テレフォニー の利点を活用し、顧客との音声によるコンタクトを管理するすべての機能を備えた統合型ソリューションを提供します。Cisco Unified Contact Center Express は、企業の部門、企業の支店、または中小・中堅企業のカスタマー ケアのニーズに、洗練されたコール ルーティング、管理、およびアドミニストレーションの機能を提供することにより、ACD だけでなく、フォーマルおよびインフォーマルなコンタクト センターのニーズを満たします。 Cisco Unified Contact Center Express は、インストール、設定、およびアプリケーション ホスティングが簡単に行えるだけでなく、ビジネス アプリケーションの統合の簡素化、エージェント管理の緩和、エージェントの柔軟性の向上、ネットワーク ホスティングの効率改善を実現し、真のカスタマー インタラクション ネットワークに向けて発展し続けています。 * 特定のハードウェア サーバで使用できるエージェントおよびすべての機能を備えたプロンプト/コレクト ポートの実際の最大数は、そのサーバの性能と容量だけでなく、そのサーバ上でどのような機能がどれだけ稼動しているかによっても異なります。シスコまたはシスコのパートナーのアカウント チームは、エージェントおよびプロンプト/コレクト ポートの最大数の判断についてユーザをサポートします。 | ||||
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