Network Functions Virtualization(NFV)

サービスの俊敏性を向上するには:オーケストレーションの活用

ホワイト ペーパー





サービスの俊敏性を向上するには:オーケストレーションの活用



モノのインターネット(Internet of Everything)はサービス プロバイダーに多大な機会をもたらします。世界中のあらゆる機器、プロセス、人を繋げるこの技術と無関係でいられる業界はありません。しかし、サービス プロバイダーが新たなビジネス チャンスをつかむには、ネットワークの大きな課題を克服する必要があります。さまざまなサービス(モバイル、ソーシャル、ビジュアル)を提供すると共に、高パフォーマンスが求められるリッチ メディア アプリケーションのニーズにも応えなければなりません。中でも、最も重要な課題は「サービスの俊敏性」です。


ライフサイクルが複雑な場合、サービスの開発、変更、見直しに時間がかかってしまいます。さらに、これらのプロセスはビジネスの俊敏性にも影響を与え、会社としての競争力や収益力が損なわれる可能性があります。機敏で柔軟なサービス プロバイダーは、この状況を「競争力強化の絶好のチャンス」に変えることができます。

現在、ネットワーク業界では次のような動向が見られ、俊敏性の向上をはじめ、その他多くのメリットをサービス プロバイダーにもたらすと予想されます。

  • ソフトウェア定義型ネットワーキング(SDN)により、アプリケーションとネットワークの連携を向上。
  • ネットワーク機能の仮想化(NFV)により、ネットワークのアーキテクチャと運用を変革。柔軟性と適応性に優れた動的なインフラストラクチャを実現できる。
  • オープン ソースやシンプルなオープン API を使用することで、多くの関係者がソフトウェア開発に参加。革新的なソフトウェアを短期間で開発できる。

これら 3 つの業界動向は、サービス プロバイダーが動的で俊敏性に優れたネットワークを構築するための道しるべとなります。しかし、俊敏性を高めるには、新しいツールの導入と利用に関する「ベスト プラクティス」を知らなければなりません。適切な指針がなければ、大規模で複雑なサービス プロバイダー環境の俊敏性を高めることはできません。


制御および運用の抽象化レイヤを作成


まず必要なのは、有効な抽象化モデルです。抽象化モデルを自動システムが使用することで、サービスの開発や配信を簡素化し、迅速化することができます。インターネットの階層とプロトコルは抽象化モデルに基づいており、そのおかげでネットワークの第 1 層〜第 7 層が独立して発展してきました。トランスポート層とデータ通信層が自動化され、俊敏性が向上したものその一例です。しかし、制御層と運用層は話が別です。サービス プロバイダーのネットワークの制御層については、最近まで適切な抽象化手法が開発されておらず、業界全体としてまだ大きな牽引力を必要としています。

抽象化によってサービスの開発と管理が簡素化され、ひいては運用コストの低下につながります。高度にモジュール化されたサービス プロバイダー環境に抽象化技術が普及すれば(たとえば、NFV を導入するなど)、すべての関連コンポーネントが情報を容易にやり取りし、動的に連携できるようになります。その結果、サービスの俊敏性が向上します。それを実現するのが SDN と NFV です。しかし、真に俊敏で動的なサービス プロバイダー環境を手に入れるには、多数の革新的パートナーがサービス開発に参加できるオープン ソース環境が必要です。


オーケストレーション機能を使用してサービス インフラストラクチャを管理


モジュール化と抽象化を経て、よりサービス指向の強いインフラストラクチャへと進化する中、ネットワークを新たな方法で管理する必要が生じてきました。現在、業界が注目しているのは、サービスのオーケストレーションと自動化です。効果的なオーケストレーション ソリューションの条件は、データセンター環境だけでなく、サービス インフラストラクチャ全体を網羅することです。多くの機能を中央データセンターに配置し、アプリケーションごとに設けた各種サービスとして互いに連携させます。その他の機能は、WAN、データセンター相互接続、本部オフィス、CPE に分散されます。データセンター オーケストレーションが大きな注目を集めていますが、WAN、アクセス、モバイル パケット コア オーケストレーションも欠かせません。サービス プロバイダーのネットワークにおける柔軟性の有無と運用コストに大きく関わってくるからです。

通信事業者のインフラストラクチャとすべてのサービスをオーケストレーション システムで管理できなければ、サービス全体の俊敏性が十分に向上しません。たとえば、データセンター、WAN、およびサービスに関わるその他のネットワーク要素が互いに連携されていなければ、それぞれ複数のデータセンターが設置された 2 都市を接続するという基本的な構成でさえ、必要以上にコストがかかります。それぞれのデータセンターがどれほど密に連携していても、構成が複雑で、利用率が低く、回復力に問題があれば、余分なコストがかかってしまいます。オーケストレーション システムに必要なのは、サービスの状況、すべてのデータセンターの活動とリソース、および WAN の現状を把握し、どのように連携して目的のサービスをサポートするかを判断する機能です。

最新のオーケストレーション システムは、さまざまなベンダーからなる物理インフラストラクチャおよび仮想インフラストラクチャのエンジニアリングと運用を自動化します。サービス配信環境を使用してインフラストラクチャを抽象化し、オープンでプログラム可能なインフラストラクチャを実現します。このアプローチが運用の一貫性を維持し、新しい革新的サービスの最適化と導入を支援します。これらのオーケストレーション システムにより、サービス プロバイダー、顧客、およびサードパーティのパートナーはネットワーク サービスのアプリケーションを開発し、新しいユーザ体験を提供できます。

ネットワーク サービスの機能の 1 つに、帯域幅のスケジューリングがあります。利用状況を可視性し、ネットワーク リソースを確保することで、新しいサービスの ROI を改善する機能です。こうした機能が役立つアプリケーションには、(オンデマンドまたはスケジュールに基づく)データセンターの回復、ビデオ ストリーミング、仮想クラウド サービス(プライベートまたはハイブリッド)の移行があります。

現在、大規模なモノのインターネット サービスが広がりつつあり、NFV によるコンポーネント化も進んでいます。さらに、オープン ソースを通じて多くのパートナーが開発に関与できるようになり、SDN の誕生によりアプリケーションとネットワークの対話が可能になりました。まさにサービス インフラストラクチャの管理方法を見直すときと言えるでしょう。これからは、物理リソースと仮想リソースの両方を効果的に管理しなければなりません。従来の運用支援システム(OSS)とビジネス支援システム(BSS)を設計し直すか、新しいサービス インフラストラクチャに合わせて完全に作り変える必要があります。すべてのサービス コンポーネントを管理し、ネットワーク機能を適切に連携させると共に、大規模な環境で優れたパフォーマンスを維持することが最重要課題となっています。

クロスドメイン オーケストレーションの主な特性として、すべてのサービスとネットワーク ドメインを対象に、仮想リソースと物理リソースの両方をリアルタイム(またはほぼリアルタイム)で自動プロビジョニングできることがあります。自動プロビジョニングは、サービスを効率的に提供できるよう、必要に応じてリソースを割り当てる機能です。需要が増えた時点でリソースを追加し、需要が減少した時点でリソースを解放します。優れたオーケストレーション システムは複雑な部分をアプリケーションから隠蔽し、 アプリケーションやサービスをすばやく、効率的に、低コストで提供するためのすべての処理を実行します。


詳細情報