Cisco Nexus 5000 シリーズ

Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチによるラックレベルの I/O 統合

ホワイト ペーパー





Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチによるラックレベルの I/O 統合



イントロダクション

今日のデータセンターの I/O 接続に関するベスト プラクティスでは、各サーバに冗長接続を設定し、それぞれを次の 2 つのネットワークに接続します。一方は IP ネットワークにつながる 2 つ以上のイーサネット ネットワーク インターフェイス、もう一方はストレージ ネットワークにつながる 2 つ以上のファイバ チャネル インターフェイスです。この方法では、配線が増え、莫大なコストがかかります(図 1)。専用のスイッチ、インターフェイス、トランシーバ、ケーブルと、それらをサポートする装置の管理、サービス、電力、冷却のコストがそれぞれのネットワークに必要です。目に見えないコストもあります。これらすべてのインターフェイスに対応した拡張スロット キャパシティを用意するために、IT 部門は I/O キャパシティのためだけにより大きくて高価なサーバにアップグレードする必要があります。これには、コストがかかり、貴重なデータセンターのラック スペースが消費されます。

図 1 各サーバにイーサネットとファイバ チャネル アダプタのペアを備えるのが今日のデータセンターのベスト プラクティスであり、その結果、アクセスレイヤ ケーブルとスイッチングが増える

図 1 各サーバにイーサネットとファイバ チャネル アダプタのペアを備えるのが今日のデータセンターのベスト プラクティスであり、その結果、アクセスレイヤ ケーブルとスイッチングが増える


この状況を変えるのが Cisco Nexus™ 5000 シリーズ スイッチです。このスイッチによって実現されるユニファイド ネットワーク ファブリックは、イーサネット、ファイバ チャネル、およびプロセス間通信(IPC)ネットワークを、10 ギガビット Data Center Ethernet(DCE)や FCoE(Fibre Channel over Ethernet)の単一のリンクでサポートします。サーバには 2 つの統合型ネットワーク アダプタ(CNA)を設定できます。これは、多機能アダプタとも呼ばれ、LAN およびオペレーティング システムのストレージ スタックのインターフェイスとなります。この新型アダプタを使用することで、LAN や SAN の動作モデルを変更する必要がなくなります。FCoE は、ファイバ チャネルの管理モデル、設定方法、およびツールと互換性があるので、FCoE への移行は迅速かつ容易に行うことができます。

図 2 Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチによってイーサネット、ファイバ チャネル、および IPC ネットワークが単一のネットワーク リンクに統合され、ラックレベルのケーブル配線とスイッチングが簡素化される

図 2 Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチによってイーサネット、ファイバ チャネル、および IPC ネットワークが単一のネットワーク リンクに統合され、ラックレベルのケーブル配線とスイッチングが簡素化される


ラックレベルの I/O 統合には、次のような利点があります。

  • 複数の NIC と HBA を 1 つの CNA に統合でき、ポートあたり最大 10 Gbps の帯域幅を使用できます。アダプタの数が減ることで、サーバ構成が簡素化され、拡張スロットの使用を節約できます。多額の総所有コスト(TCO)を削減できる可能性があります。詳細については、「Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチ:統合型 I/O によってデータセンターのコストを削減」を参照してください。
  • サーバとアクセス スイッチの間の配線はすべて、低コストで低遅延の SFP+(Small Form-Factor Pluggable Plus)直接接続 10 ギガビット銅ソリューションに置き換えることができます。これにより、高価なファイバ トランシーバ、大量のケーブルの束、およびエンドオブロー ファイバ チャネル スイッチまでの長さの約 90% をなくすことができます。
  • Cisco© Nexus 5000 シリーズ スイッチは、ネイティブのファイバ チャネル インターフェイスを介してデータセンター ストレージ ネットワークに直接接続されるので、ストレージ装置、管理ソフトウェア、およびスタッフ トレーニングへの既存の投資が保護されます。
  • アクセス スイッチでのアダプタ ポートの集約によってアップストリーム ポートが少なくなることで、必要なモジュラ型 SAN スイッチ ポートも減ります。

このドキュメントでは、2 ラック ユニット(2RU)サーバの高密度ラックと、10 ギガビット イーサネットをサポートするようになったブレード サーバのラックという 2 つの展開シナリオを例に、I/O 統合の利点を説明します。

高密度 2RU サーバ ポッドでの I/O 統合

Cisco Nexus 5020 スイッチは、ポート密度の高さと I/O 統合機能により、2RU サーバが上限まで搭載されたラックをサポートする際、必要なケーブルとスイッチの数を大幅に削減できます。図 3 に示すシナリオでは、ポッドは 2 つのラックで構成され、各ラックには 2RU サーバ 20 台と Cisco Nexus 5020 スイッチ 1 台が収納されています。

図 3 42RU ラックを 2 つ使用し、各ラックに 2RU サーバ 20 台を収納する場合の I/O 統合シナリオ

図 3 42RU ラックを 2 つ使用し、各ラックに 2RU サーバ 20 台を収納する場合の I/O 統合シナリオ


各サーバには CNA が 2 つずつ設定され、サーバの LAN トラフィックと SAN トラフィックは 10 ギガビット イーサネット ネットワーク リンクを介して伝送されます。各サーバの 1 つの CNA はそのラック内のスイッチに接続され、もう 1 つの CNA は別のラックのスイッチに接続されます。CNA は 2 つの 10 ギガビット イーサネット インターフェイスを提供できるので、冗長性を考慮する必要がない場合は、各サーバに CNA を 1 つ設定してケーブルで 2 つのスイッチに接続する構成を選ぶこともできます。ポッド内の配線については、ファイバや 10GBASE-T 銅に代わって、低コストで低電力、低遅延の SFP+ 直接接続 10 ギガビット銅ソリューションを使用できます。このソリューションでは、Twinax ケーブルと SFP+ トランシーバが統合されます。これにより、遅延は 1 リンクごとにわずか約 0.25 マイクロ秒、電力消費は 1 トランシーバあたりわずか 0.1 ワット(W)になり、資本コストと運用コストを削減できます。

Cisco Nexus 5020 では任意のポートを LAN アップリンクとして使用できますが、このシナリオではスイッチに 40 ある固定ポートはすべて、サーバとの接続に使用されています。このような場合は、拡張モジュール上のポートを使用して、目的のオーバーサブスクリプション比を達成するために必要なアップリンク数を用意します。ネイティブ ファイバ チャネル SAN への接続には 4 Gbps ファイバ チャネル ポートが必要ですが、これは拡張モジュールでのみ利用できます。

シスコが提供する拡張モジュール オプションは 3 つです。1 つ目は 10 ギガビット イーサネット、Data Center Ethernet、および FCoE の 6 ポート拡張モジュール、2 つ目は 1/2/4 Gbps ファイバ チャネルの 8 ポート拡張モジュール、3 つ目は 10 ギガビット イーサネット、Data Center Ethernet、および FCoE の 4 ポート モジュール プラス 1/2/4 Gbps ファイバ チャネルの 4 ポート拡張モジュールです。

この 2 ラック 40 サーバ構成の最も一般的なシナリオでは、イーサネット プラス ファイバ チャネルの拡張モジュールを 2 基使用します。このシナリオでは、全部で 8 のイーサネットと 8 のファイバ チャネル アップリンクを使用します。各ポートを接続すると、2 つのネットワークのそれぞれで 5:1 のオーバーサブスクリプション比をサポートすることになります。2 つの拡張モジュールの組み合わせのうち最適な 4 通りの組み合わせを表 1 にまとめます。

表 1 拡張モジュールの組み合わせによって LAN および SAN のオーバーサブスクリプション比が変化する

拡張モジュールの組み合わせ イーサネット リンクの数とオーバーサブスクリプション比 ファイバ チャネル リンクの数とオーバーサブスクリプション比
4 ポート 10 ギガビット イーサネット プラス 4 ポート ファイバ チャネル × 2 8
5:1
8
5:1
4 ポート 10 ギガビット イーサネット プラス 4 ポート ファイバ チャネル × 1
8 ポート ファイバ チャネル × 1
4
10:1
12
3.33:1
6 ポート 10 ギガビット イーサネット × 1
8 ポート ファイバ チャネル × 1
6
6.67:1
8
5:1
4 ポート 10 ギガビット イーサネット プラス 4 ポート ファイバ チャネル × 1
6 ポート 10 ギガビット イーサネット × 1
10
4:1
4
10:1


統合型 I/O の利点

IT 部門は、次のようにさまざまな方法で I/O を統合できます。

  • 互換性のある 10 ギガビット イーサネット NIC が装着されたサーバの場合は、ドライバで IP スタックとファイバ チャネル スタックを実装し、両方のトラフィック ストリームを同じリンクでアクセスレイヤ スイッチに渡すことができます。
  • 既存のギガビット イーサネット環境では、ギガビット イーサネット NIC は 2 つのファイバ チャネル HBA と共に使用されることがあります。このような環境では、サーバごとに 1 組のケーブルを使用することにより、ファイバ チャネルと複数のギガビット イーサネット リンクを 2 つの CNA に統合できます。
  • 組織に新しいサーバを導入する場合、CNA で統合型の冗長 I/O をサポートするように最初から設定することで、複数の 10 ギガビット イーサネット NIC と複数のファイバ チャネル HBA を導入するコストを回避できます。

どの方法で I/O を統合するかにかかわらず、次のような多くの利点があります。

  • ラック内のすべての I/O 接続は、サーバとトップオブラック スイッチを結ぶ低コスト、低遅延、低電力の SFP+ 直接接続 10 ギガビット銅ケーブルによってサポートされます。高価なファイバ接続を必要とするのは、アグリゲーション レイヤとの LAN 接続、または SAN コアとのファイバ チャネル接続だけです。
  • ラック内の配線が各サーバで 2 つ以上少なくなります。また、アダプタとトランシーバの数とその電力消費、およびデータセンター冷却インフラストラクチャへの負荷も減少します。
  • サーバ ラック内、またはサーバ ラック グループ内の統合が達成されると、アグリゲーション レイヤへの延長に必要なファイバ接続の数が少なくて済みます。この機能によってスイッチの総数が減り、データセンターの貴重なラック スペースが空くことで、資本コストと運用コストが削減されます。

ブレード サーバ ラックでの I/O 統合

ブレード サーバの 10 ギガビット イーサネット接続は、関連するオプションが増えつつあります。現在、一部のブレード システムは、内蔵スイッチで 10 ギガビット イーサネット接続を各ブレードに提供し、シャーシからの少数のアップリンクを提供しています。やがて 10 ギガビット イーサネットがブレード サーバのマザーボードでサポートされ、統合型ネットワーク アダプタがメザニンボード フォーム ファクタでサポートされるようになると、この状況は急速に変化すると考えられます。別のアプローチでは、ネットワーク パススルー接続を使用し、各ブレードのネットワーク インターフェイスとシャーシを接続してから、アクセスレイヤ スイッチまで直接延長します。

内蔵スイッチよりもネットワーク パススルー構成が推奨されます。パススルー接続では、すべてのトラフィックが均質なデータセンター ネットワーク インフラストラクチャで管理されるため、データセンター ネットワークでの一貫性のない管理作業が不要になるからです。ブレード スイッチでは、固定的なオーバーサブスクリプション比がシャーシ レベルで適用されます。また、多くの場合、ユニファイド ネットワーク ファブリックを各ブレードまで延長するために必要な機能は提供されません。他方、パススルー接続ではそのような問題はありません。

イーサネット パススルー接続と架空のブレード サーバ

図 4 は、パススルー ネットワーキングを使用する架空のブレード サーバ構成です。2 つのブレード システムが 1 つのラックに設置されています。それぞれのシステムは、16 のブレードと、各ブレードとシャーシを結ぶ 10 ギガビット イーサネット リンクを 2 つ備えています。各ブレードでは、次のいずれかの方法で I/O が統合されます。

  • ラックマウント サーバでの CNA と同様に、メザニン カードを使用してハードウェアベースで統合する。
  • 固定 10 ギガビット DCE 対応イーサネット NIC を装着したブレードの場合、ソフトウェア ドライバでイーサネット スタックとファイバ チャネル スタックを OS に実装することで、I/O を統合し、両方のトラフィック クラスを 10 ギガビット イーサネット リンクに渡す。

図 4 イーサネット パススルー構成による架空のブレード サーバの I/O 統合シナリオ

図 4 イーサネット パススルー構成による架空のブレード サーバの I/O 統合シナリオ


この例では、Cisco Nexus 5020 スイッチ上の 32 の固定ポートがブレード システムとのネットワーク リンクとして使用され、8 つの固定ポートがネットワーク アップリンクに使用されます。この構成のイーサネット ネットワークのオーバーサブスクリプション比は 4:1 になります。この構成では、ラック内のすべてのブレード間で完全なラインレート接続が実現し、ラックでのオーバーサブスクリプションはありません。

ファイバ チャネル SAN との接続は、Cisco Nexus 5020 の拡張モジュールを設定することで提供されます。論理的な選択肢としては、8 ポート 1/2/4 Gbps ファイバ チャネル拡張カードをスイッチに増設することになります。この構成でサポートされるファイバ チャネルのオーバーサブスクリプション比は、4:1 〜 16:1 になります。これは、8 ポート モジュールで使用されるアップリンクの数に基づいたそのままの値です。

まとめ

Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチでサポートされるユニファイド ネットワーク ファブリックは、イーサネットとファイバ チャネルのトラフィックを単一のネットワーク リンクに統合することにより、ラックレベルのネットワーキングを大幅に簡素化します。I/O 統合がラック レベルでサポートされることで、Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチをトップオブラック構成で使用するために必要なアダプタ、ケーブル、トランシーバ、およびアップストリーム ポートの数が削減されます。ラックレベルでの I/O 統合は、コスト削減の可能性を秘めており、魅力的なビジネス プロポジションです。詳細については、「Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチ:統合型 I/O によってデータセンターのコストを削減」を参照してください。

関連情報