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国連気候変動会議、Cisco TelePresence のバーチャル会議を積極利用

デンマーク外務省のスヴェンド・オーリン氏、COP15 における Cisco TelePresence の採用について、アクセス性および環境面での効果を強調

  * 当資料は、米国で発表されたニュースリリースの抄訳です。

2009 年 12 月 7 日

毎年開催されている国連気候変動会議で、初めての試みが実施されます。今月コペンハーゲンで開催されるこの会議において、参加者は Cisco TelePresence を利用して、自国にいる関係者との会議、交渉、記者会見をバーチャルに実施できます。

12 月 7 〜 18 日にデンマークで開催される第 15 回締約国会議(COP15)は、人類の活動で排出される温室効果ガスの削減に関する世界的な合意の成立を目的として、世界中から各国政府の代表が一堂に会します。その参加者の中には、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)のメンバーに加えて、政府間組織、非政府組織(NGO)、メディアのメンバーも含まれます。

デンマーク政府は、米国シスコ(本社:カリフォルニア州サンノゼ、NASDAQ:CSCO、以下シスコ)のテクノロジー支援を得て、この会議を可能な限り環境に優しく協調的なものにすることを目指しています。News@Cisco では、デンマーク政府とシスコの提携、実際の会議会場にいる出席者とバーチャルな参加者が得られる利点、今後の他の国際会議へ与える影響について、デンマーク外務省、スヴェンド・オーリン氏に詳しく伺いました。

COP15 で Cisco TelePresence を利用する考えはどのように生まれたのですか。

スヴェンド・オーリン氏(以下、「オーリン氏」):デンマーク外務省では長い間、ビデオ会議システムを利用しています。私が IT 部門の代表だった 2002 年、投資収益率と旅費削減の経済計算を基にビデオ会議システムを導入しました。当時、すべてのデンマーク在外公館で広域ネットワーク(WAN)の構築が済んだところだったのですが、すぐに先ほどの経済計算が不正確であることが判明しました。計算時には、ニューヨーク、ブリュッセル、ロンドンなど、アクセスや使用率が最も高い場所で最大の投資収益率(ROI)が得られると予想していました。ところが実際には、費用対効果が最大に発揮されるのは、アフリカやアジアなど、開発援助活動が重点的に行われており、しかも旅費が莫大にかかり渡航が困難な場所だったのです。

当初、ビデオ会議テクノロジーを積極的に利用しようとする人はあまり多くありませんでした。通常業務の一環として受け入れられていなかったため、利用率はなかなか上がらなかったのです。しかし一旦受け入れられ始めると利用率は急激に上昇し、すべての大使館で誰もが使いたがるようになったため、ビデオ会議ルームのキャパシティを増やすことになりました。現在、ビデオ会議はデンマークの外交業務において日常的に利用されており、大きな成果が得られています。

このようないきさつがあったため、2008 年秋に COP15 の準備を行うにあたって、ビデオ会議の導入が検討されたのは自然な成り行きでした。また、会議の主題が環境ということもあり、ビデオ会議の採用については、会議のデザインの一環として明確にしたいと考えました。会議での二酸化炭素排出量の削減と、より多くのメンバーの参加を実現するうえで、ビデオ会議が有用なツールであることは明白です。そこで、ビデオ会議を含むネットワーク コンポーネントのスポンサーを公開入札で募集しました。シスコとの関係はここから始まりました。シスコからは、ぜひ協力したいとの要望がありました。シスコは持続可能性に関する戦略、社会的責任(CSR)プログラム、国連グローバル・コンパクトの順守などについて私達の要求を満たしていたため、この会議のテクノロジー プロバイダーとして採用しました。

Cisco TelePresence 会議にご自身で参加されたことはありますか。また、その感想はいかがでしたか。

オーリン氏:TelePresence のような新しい会議システムは、社会的交流にまったく新しい体験をもたらします。第一世代のビデオ会議システムや従来のシステムではアイコンタクトなどができず、コミュニケーションとしては不十分であると言わざるを得ませんでした。とは言え、関係を深めるための手段は手紙から電子メール、電話、ビデオ会議システムへという一連の流れを通って進化を遂げてきました。その次の進化が、Cisco TelePresence のような高性能ビデオ会議システムです。画面上に等身大で表示された参加者とアイコンタクトが取れるなど、コミュニケーションにいっそうの深みが増し、単なる動画の送信を超えた仮想会議空間を実現します。実際に、そこにはいないはずの参加者と同じ部屋で会話しているような感覚が得られます。

私の場合、2 つの点でこのこと実感しました。まず第 1 に、TelePresence 会議で私は実際の会議と同じように振舞いました。従来のビデオ会議システムの場合、ビデオ会議であるという意識が常に頭や心のどこかにあったのですが、TelePresence 会議ではそれがバーチャル会議であることを忘れていました。つまり従来システムでは自分と参加者の間にテクノロジーの層が厳然として存在したのですが、TelePresence のような高性能システムでは、その層を意識することなく会議に集中できるのです。

もう 1 つは、長い会議の後に感じる疲労感が、一般的な実際の会議とほとんど変わらないことです。従来のシステムの場合、ビデオ会議には実際の会議よりもより高い集中力が必要でした。TelePresence を利用すると、バーチャルな出席者の目を見て会議を進行し、微笑のニュアンスやジョークに対するその場の反応を見て取れるため、より正確に情報をやりとりできます。従来のビデオ会議システムから実際の会議にどの程度近付いているかを考えてみると、少なくとも全体の 3 分の 2 までは進んでいると思います。ここから先の進化は非常に困難でしょう。もちろん実際の会議とまったく同じにするには画面越しにコーヒーを手渡したり握手をしたりできるようになる必要がありますが、シスコはきっと次の段階も考えていることと思います。

以前の代表会議では不可能だったことの中で、今回実現が期待されていることは何ですか。

オーリン氏:2 つあります。一番明確なのは、もう既に触れましたが、会議全体での炭素ガス排出量削減です。このような世界的な会議では、航空機による会場までの往復による二酸化炭素排出量が全体の約 92% に及びます。バーチャルな参加の場合、当然二酸化炭素排出量は大幅に減少します。これが高性能システムの利用によって得られる直接的な効果の 1 つ目です。

2 つ目は、これも先ほど少し触れましたが、多数の参加を得られる点です。COP15 は国連の会議であり、すべての国連加盟国が代表団とともに参加します。しかし、国によっては参加のための資金調達が困難な場合もあります。そういった国々にとって、旅費や宿泊費は大きな問題であり、代表団の人数を必要以上に削って参加することがよくあります。また、NGO 参加者の中にもオブザーバとして参加できない人がいます。参加する必要はあるのですが、資金調達が間に合わないこともあるのです。

平等性を実現するにあたり必要不可欠なのは、どこからでも会議に参加できる TelePresence サイトを地球上のあらゆる地点に設置することです。私たちは、無料でコペンハーゲンに接続できる場所を世界中で 100 ヶ所準備しました。そうしないと、たとえば、シンガポール、東京、北京、ニューヨークなど、必要なインフラストラクチャがすでに存在する場所からの代表団が有利となり、情報格差が実際に拡大する恐れがあります。その場合、アフリカなどの国々が必要以上に不利な立場に陥ってしまいます。

COP15 の参加者が TelePresence を利用できることの利点について、さらに詳しく聴かせてください。

オーリン氏:たとえば、ガーナの NGO メンバーがコペンハーゲンに行きたくても、財政上の理由で無理だったとします。このような場合、コペンハーゲンにいる同じ会議の参加者に会議の受付カウンタに行って参加依頼をしてもらえばいいのです。参加者の 1 人がガーナにいて来場できないことを伝えて、支援を求めるだけで大丈夫です。すると担当者から、ガーナに残っている人はアクラにあるデンマーク大使館へ行ってくださいと指示が出ます。あとはそこに行けば仮想会議室にアサインされ、会議に参加できます。難しいことは何もありません。

このような参加形式を可能にするため、シスコの協力を得て世界中で 75 ヶ所のオフィスを用意し、25 ヶ所のデンマーク大使館を公開して、世界中で合計 100 ヶ所のサイトを用意しました。この割り当てはうまく補完しあってくれました。シスコのテクノロジーは一般的に経済的に恵まれた地域に多く導入されていますが、一方で、デンマークの大使館は開発援助活動の一環として経済的に恵まれていない地域に重点的に置かれているからです。特にアフリカには多くの大使館を開いています。さらに、COP15 開催中の 2 週間、会場には TelePresence ルームが 4 室用意されます。

これは新たな一歩だと思います。他の国際会議でも同様の設備が用意されたことはありましたが、今回の会議における違いは TelePresence が会議の一部として完全に組み込まれていることです。別棟に用意されていて料金を支払って利用するような、従来の扱いとは大きく一線を画します。これらの仮想会議室は通常の会議室と同等に扱われます。

シスコとの提携期間は 2010 年末まで続きます。このテクノロジーは、COP15 終了後にどのように利用されていくと思われますか。

オーリン氏:デンマークは 2010 年の 1 年間、COP 議長国を務めます。会議後はシスコとのスポンサー契約に基づいて、すでに準備ができている TelePresence ルームの一部を引き続き使用します。具体的には、気候変動に関する議論の中心的な存在である国々に置かれている設備です。これには、デンマーク環境/エネルギー省に加えて、ニューヨーク、ドイツのボン、ケニアのナイロビ、スイスのジュネーブにある国連のオフィスも含まれます。これらの設備は、各国が効率的に連携できるように引き続き使用される予定です。

以前から気候変動に関する外交交渉は、シャトル外交に大きく依存してきました。代表が各国を訪問して多数の二国間会合を行い、国の姿勢、考えられる妥協案、その解決方法を決定します。それが、COP チームの代表の役割です。しかし、TelePresence のようなテクノロジーを利用することで、このプロセスが非常に効率的になります。高性能なバーチャル会議システムを利用する場合とジェット機で往復する場合を比較して、1 日に行うことができる二国間協議の数を考えてみてください。また、二酸化炭素排出量を大幅に削減できるので、言動を一致させることにもつながります。

さらに、デンマークは国家としては小規模ですが、サイズを超えたインパクトを持つ外交をしていきたいとも考えています。これはコミットメントと信頼に関する問題であると同時に、スピードと効率の問題でもあります。TelePresence を利用すれば、例えばある問題について国連気候変動担当事務局長に話をする必要がある場合、会議室に行くだけでその目的は達成できます。反応時間は、実際にそこへ行かなければならない場合に比べて断然速くなります。ニュースに迅速に対処して 1 番に廊下を走って行き、「議題のこの事項についてどうお考えですか」と訴える担当者が必要なのです。誰かが待っていてくれる訳ではないので、他に方法はありません。

地域貿易交渉や核軍縮議論など、このテクノロジーが関心の高い他のコミュニティへ与える影響をどのように考えますか。

オーリン氏:今後の会議開催方法の変化に向けた一歩となるでしょう。もちろん、まだ実績がありませんから実験的な側面も当然あります。私たちは報道機関の支援、NGO やオブザーバの参加、そして日程の問題で会場に来られない他の組織の支援などを目的として、このテクノロジーをどのように活用できるかを探るために現在のユーザや潜在的ユーザのさまざまな使用方法のアイデアを多数調査し、シスコと協力して改善の努力を続けてきました。この分野には、多方面から多くの興味が寄せられています。

今後、この流れがどのように進んでいくか楽しみです。1 月には、成功した点と失敗した点についてより多くの経験が得られていると思います。成果が得られれば、さまざまな国際会議でこの方法が採用されるでしょう。少なくとも、国連が主催するイベントではほぼ確実にこの方法が導入されるようになるのではないかと思います。しかし、このような作業を進めるにあたり慣例になっている事柄が多いため、時間はかかると思います。2010 年に、まったく別の方法で政治的な国際会議が行われることは想像できません。デンマーク政府は、TelePresence を利用した会議をますます推進していく努力を続けることをお約束します。こういった会議をどのように進化させることができるか、可能性は尽きません。

シスコシステムズ合同会社について

シスコシステムズ合同会社は、米国シスコ(NASDAQ:CSCO)の日本法人です。シスコは、ビジネスの基盤となるインテリジェントなネットワーキングソリューションから、音声、映像、データ、ストレージ、セキュリティ、エンターテイメントをはじめとする新しい分野、そして、人々の仕事や生活、娯楽、学習のあり方を一変させることのできるネットワーク プラットフォームの提案を目指しています。 シスコの会社概要・詳細は以下のWebサイトでご参照頂けます。
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