組織におけるコラボレーションの 3 つのフェーズ
Web 2.0 コラボレーションには 3 つの開発フェーズがあります。ここでは各フェーズを識別し、それに応じたプランニングについて説明します。
Features Story
コラボレーションの問題 (シリーズ第 1 回)
組織におけるコラボレーションの促進 (シリーズ第 2 回)
組織におけるコラボレーションの普及 (シリーズ第 3 回)
シスコ、コラボレーションを促進する新世代のリーダーを育成 (シリーズ第 4 回)
関連情報
2009年11月30日、チャールズ・ウォルトナー
すべての企業、そしてその中のすべての組織が調査フェーズ、実行フェーズ、変革フェーズという、コラボレーションの各フェーズに直面します。
フェーズ間の移行スピードは、ビジネス上の優先順位とコラボレーションの準備環境によって異なります。適切なコンポーネント(人材、プロセス、テクノロジー)を適切な時期に開発することが、移行スピードを保つ鍵となります。また、前のフェーズでの取り組みを土台に、次のフェーズの取り組みが積み重ねられます。組織がフェーズを移行してゆくにつれて、コラボレーションから得られる利益が大きくなります。
ここでは、組織におけるコラボレーションの各フェーズを識別し、それに応じたプランニングに役立つ概要を示します。
調査フェーズ
調査フェーズは、学習と準備を行うフェーズです。おそらく多くの組織が、すでに調査フェーズに位置しているはずです。このフェーズでは、各種の Web 2.0 ツールを適宜、自発的に使用して個々の生産性に役立てます。これらのツールの使用は、人から人へと口コミで広がっていきます。
「Wiki/ブログが必要だ」、「ビデオ会議/Web ミーティングを主催したい」といった意見を耳にしていれば、それは調査フェーズにいるということを表します。これは、コラボレーションを数名の個人または小規模グループに利益をもたらすイベントやアクティビティとしてみた、シングル ツールまたはシングル タスクの発想です。
調査フェーズで使用するツールは通常、自発的に実行するものであり、組織の情報テクノロジー システムへの統合があるとしてもごくわずかです。従業員による Web 2.0 の導入に企業が慎重になるにつれ、このようなツールや関連アクティビティは、ネットワークを保護し、制御された用途でその効果をテストするために「サンドボックス化」されることが必要になります。
組織はこのような個々のコラボレーションから少しずつ利益を得ることができますが、多くのコラボレーション ツールを導入すれば使用率も上がり、価値も増加します。情報交換用のソーシャル ネットワークは、コンピュータ ネットワークのメトカーフ法に従います。メトカーフ法では、ネットワークの価値は接続ユーザの数の二乗に比例して増加するとされています。
その最終的な影響力には限界がありますが、調査フェーズは幅広い展開を実現するための重要な土台となります。このフェーズではベスト プラクティスと成功例を生成し、企業はそれらを使用して教育や啓発を実施します。さらにこの調査フェーズで、専門家が集うコミュニティから指導者が生まれ、成長します。また、このフェーズで自然に芽生える熱意、創造性、包括性を養うことが重要になります。これが、将来のコラボレーションの取り組みに対する重要な基礎となるのです。
実行フェーズ
調査フェーズはあくまで、業務改善の手段として用いる Web 2.0 ツールと企業コラボレーションの必須入門フェーズです。組織規模の利益を得るには、「溝」を超えて実行フェーズに移行する必要があります。
コラボレーション ツールと各種技術の導入は、サポートの拡大もなく、利益が明確に定義されることもなく、一定の状態が保たれます。特に企業は、コラボレーション テクノロジーを利用してビジネスをどのように変えられるかという視点で、その戦略を明確にする必要があります。調査フェーズでは、この戦略について豊富なアイデアが出されます。しかし、実行フェーズでは、企業の長期的なビジョンと戦略に基づき、コラボレーションの取り組みに優先順位を付けることが重要になります。
実行フェーズでは、組織は企業の運営とプロセスの実行に注力します。またこのフェーズで、コラボレーション開発への取り組みを、極めて自然で日和見的なアプローチから、より構造的で規範的なアプローチに移行させます。この段階で企業は、組織の業務改善に関わるビジネス モデル、組織モデル、サポート システムを確認します。
さらにこのフェーズにおいて、組織はコラボレーションのテクノロジーから人材、プロセスの側面に焦点を移す必要があります。さらに、調査フェーズで個人や小規模グループが学んだ内容を活かし、それらをビジネス全体のニーズに適用します。
調査フェーズとは異なり、実行フェーズでは人材、プロセス、テクノロジーのすべてのフレームワーク コンポーネントを適用し、ターゲットとする支持者層で新しいコラボレーション機能が適切に、そして確実に導入されるようにする必要があります。たとえば、個人の結果ではなく、グループとしての業績を評価する方法を確立することが、実行フェーズにおける重要な目的になります。
変革フェーズ
変革フェーズは、コラボレーションを使用して組織を改革するフェーズです。このフェーズでは、組織の新しいコラボレーション機能が浸透した状態にあるため、以前は不可能だったことも実行できるようになります。
変革フェーズで最大限の価値を得るには、ビジネス コラボレーションに残された職務上、政治上、プロセス上の障害を取り除くことに真正面から取り組むことが必要です。ここでは、組織はコラボレーション フレームワークの運用コンポーネントをビジネスの中心に据えます。管理部門は、Web 2.0 コラボレーションを、組織に備わっている特徴の一部としてみる必要があります。
Web 2.0 コラボレーションを基礎とすることで、組織はグローバル展開、24 時間体制、仮想チームといったコンセプトを取り入れることができます。従業員、パートナー、カスタマーをコラボレーション システムに容易に組み込むことができれば、組織はバウンダリーレス(境界のない)企業、クラウドソーシング、あるいは未開発のビジネス モデルの観念を取り入れることができます。
チャールズ・ウォルトナー:カリフォルニア州ピードモント在住のフリー ライター
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