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IP ベースの通信が公安職員の緊急対応の効率化に貢献

2005 年 9 月 29 日

ジェニー・カーレス(Jenny Carless、News@Cisco)

生命が危険にさらされているときは、たとえ 1 秒とて無駄にはできません。

緊急時対応要員は、そのとき自分たちが対応しているのが自然災害であろうと、あるいはテロ攻撃や子供の誘拐事件であろうと、このことを身にしみて実感していることでしょう。世界の公安機関は、超高速かつ信頼できる通信手段が人命救助を支えることになると判断し、 IP ベースへの移行を開始しています。

IP ベースの公安サービスおよび技術は、音声、ビデオ、データ通信を統合することで、緊急事態の情報を可能なかぎり詳細に伝達します。対応要員に配信される実用的な情報には、音声による緊急派遣依頼、適切な経路が示された地図とロケーション データ、容疑者の写真、火事や犯罪の履歴、および現場のライブ ビデオ フィードなどがあり、いずれの場合も仮想の危機管理室が提供されます。

これらの最新技術はまた、公安機関の限られた予算内での作業を助けます。音声、ビデオ、およびデータを 1 つのネットワークに集約することで、月の支出と資産コストの両方が抑えられるのです。

公安ネットワーキング分野のリーダー

シスコシステムズは他企業と協力して、可動性、相互運用性、およびセキュリティを公安システムの主要な 5 層――公安機関ヘッドクォーターズ、指揮所、公安応答ポイント(PSAP : アメリカの 911(警察)コーリング センターやイギリスの 999(緊急)センター)など、モバイル緊急指令、現場対応要員/自動車――に行きわたらせる標準ベースの技術を提供しています。シスコの IP ベース システムを使うことで、情報を素早く収集し、指揮系統全体で共有することが可能です。

シスコのキー コンポーネントには以下のようなものがあります。

基本インフラストラクチャ

  • シスコの基本インフラストラクチャは、インテリジェント ネットワークのコアを構成する業界最高レベルのルーター、スイッチ、光ソリューション、およびストレージ アプリケーションを提供します。
音声および IP 通信
  • シスコ IP 通信ポートフォリオは、米国防総省認証の指揮統制用 IP テレフォニー、ユニファイド コミュニケーション、IP ビデオ/音声会議および監視、重大緊急事態対応の各アプリケーションにより構成。これらを使うことで、電話を音声、テキストおよびビデオの統合情報と共に仮想危機管理室に伝送することが可能になります。
ワイヤレス ネットワーキング
  • シスコの豊富なワイヤレス ネットワーク アプリケーション ポートフォリオは、信頼性、複数のセキュリティ層、相互運用性、および標準の各要件を含む公安ネットワーキング専用のワイヤレス インテリジェント ネットワーク インフラストラクチャから構成されており、コスト削減を促進します。ポートフォリオ製品には、現場の過酷な状況に耐えることができる堅牢なルーター、高性能ワイヤレス ローカルエリア ネットワーク(LAN)、およびワイドエリア ネットワーク(WAN)の各アプリケーション、ならびに有線網を超えてネットワーク アクセスを拡張するモバイルサービスの拡張スイートが含まれます。
セキュリティ
  • Cisco Self-Defending Network は、セキュアな接続、ならびにネットワーク全域にセキュリティの多重アプローチを提供する信頼性管理と認証管理から構成され、内外の既知および未知の脅威に幅広く瞬時に対応することが可能です。
州間法執行通信の強化
アメリカ最大の国内法執行通信ネットワーク「Nlets」(国際司法・公安情報共有ネットワーク)は、1 万 8000 の地方、州、および連邦の法執行機関ならびに公安機関による重要データのやり取りを可能にする仮想情報共有ネットワークです。

シスコの IP 通信をベースにしたエンドツーエンドのネットワークが、Nlets ネットワーク全域の情報を暗号化すること、およびネットワークの信頼性を向上させることによって、公安機能を強化。毎月 4100 万以上のメッセージが Nlets ネットワーク上で伝送されています。

「Nlets は国民と緊急時対応要員の安全を守ります」と管理部門ディレクターのボニー・ロック(Bonnie Locke)氏は言います。「私たちは、ネットワークを通して情報とサービスを日々送り続けることで人命を救っています。そして、この取り組みに欠かせないのが、高い信頼性を備えたシスコのネットワーク ソリューションなのです」

アリゾナ州フェニックスの Nlets ヘッドクォーターズに設置されたネットワーク バックボーンは、冗長性に優れたシスコのルーター、スイッチ、およびファイアウォールで構成されています。アイダホ州のバックアップ施設にも同じ構成のバックボーンが置かれています。各メンバー機関は順次シスコ ルーターの導入を進めているところです。すべての伝送は、データの機密性を保つために、エンドツーエンドのシスコ機器によって暗号化されています。またシスコの侵入防止システムにより、公安機関は不正な行為や悪意のある行為からネットワーク リソースを守ることが可能です。

シスコのインフラストラクチャはまた、新たなパートナーシップを短期間で構築する柔軟性を Nlets にもたらします。「公安環境は目まぐるしく変化します。帯域幅や新しいサービスを追加する必要がある場合は、素早くそれに対応しなければなりませんが、シスコの機器を使うことで敏捷性を保つことが容易になります」とエグゼクティブ ディレクターのスティーブ・コレル(Steve Correll)氏は述べています。

またオペレーション部門ディレクターのフランク・ミニス(Frank Minice)氏はこう言います。「常に利用できること、それが Nlets の絶対条件です。ミッションクリティカルで、生死を左右するネットワークゆえ、私たちは頼れる機器を必要としています。それを満たしてくれるのがシスコなのです」

緊急時通信の強化

IP ベースの通信はまた、各自治体の取り組みを助け、市民の安全を向上させます。

たとえば、コロラド州コルテスでは先ごろ、CML Emergency Services(以下、CML)が開発し、Cisco Call Manager 4.1(3) との相互運用性が保証されている最新の公安通信管理システム「Patriot」を導入しました。シスコ アフィリエイト パートナーである CML は、Cisco Technology Developer Program で定められた厳しい基準を満たし、認証を獲得しています。

Patriot はインバウンド緊急呼び出しの終了を管理するコールテーキング アプリケーションであり、適切な対応要員に正しい情報をコスト効率よく届けます。

Patriot は、救急サービスのより迅速かつ効率的な対応を可能にするネットワークを作成。このシステムは PSAP 用に設計されており、音声とデータ――ワイヤレス電話など――を単一のネットワーク プラットフォームに統合し、素早い協調と情報に基づいた対応を可能にすることで、意思決定を簡素化し、緊急対応を効率化します。

「私たちの目的は、コルテスの住民およびコルテスを訪れる人々に最良の救急サービスを提供することです。だからこそ Patriot を選ぶにいたったのです」とコルテス警察の緊急派遣管理者であるコニー・ジョンソン(Connie Johnson)氏は述べています。

Patriot は、対応をさらに迅速化し、重要情報をもっとも必要としている対応要員に素早く振り分けることで、現在の PSAP システムを改善。シスコは試験済みの堅牢な製品およびサービス――IP ベースで、異なるシステムを使っている場合でも対応要員同士が会話をすることが可能――のスイートにより、音声と無線の相互運用性の問題に対処します。

たとえば、Patriot を運送部門のカメラと組み合わせることで、対応要員は目的のエリアの高速道路カメラによって入り口ランプなど障害物の情報を知ることができるようになります。さらには、あらゆる形態の情報(写真、テキスト メッセージ、ビデオなど)を PSAP のディスパッチャーを通してまとめて転送するのではなく、現場にいる対応要員に直接送ることも可能です。

Patriot はネットワークを通して通信を行い、Cisco CallManager との相互通信に対応しています。これによって、PSAP へのコールが 911 なのか事務的な電話なのかを瞬時に判断し、適切な対応要員に瞬時に転送することが可能になります。

シスコという名前に公安職員は信頼感を覚える、と CML は言います。

「リスクを嫌う、慎重な人たちですから」と CML の社長兼 CEO のスティーブ・パニコ(Steve Panyko)氏は説明します。「シスコの名前をあげるだけで『セキュリティ、オープン、信頼』と言っているも同然です。おかげで Patriot の印象もよくなりました」

大小の都市から州間通信ネットワークまで、公安職員は可能なかぎり的確に状況を判断し、また最適な解決法を導き出すために極めて重要な情報を素早く共有する必要があります。IP ベースの通信により節約される 1 分 1 秒が人の生命を救うのです。

ジェニー・カーレス : カリフォルニア州サンタクルーズ在住のフリーランス ジャーナリスト

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