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シスコ、不動産分野に門戸を広げ、価値の上昇、業務の効率化、サービス開拓に向けた取り組みを開始

2005年5月25日

ジェイソン・デイン (Jason Deign、News@Cisco)

通信全般を単一のネットワークで処理することで大幅な経費削減が見込める。大企業がこの事実に気づき始めたのは今から5年前のことです。現在、まったく同じ現象が、建設、不動産、地所といったサービス分野で再び起ころうとしています。

シスコシステムズではこれらの業種にターゲットを絞り、資本、および運営コストを削減し、業務の効率化を図ると共に、新たな収益源の創出と、安全およびセキュリティの向上を支援するためのフレームワーク「Cisco Connected Real Estate (CCRE) 」を展開しています。

CCRE はごくシンプルな基本概念に基づいています。5、6年前、大企業では音声、データ、ビデオのそれぞれの通信に合わせて異なるプラットフォームを運用するのが一般的でした。同じように今日のビル業界では、いくつかのオートメーション システムおよび関連するデバイス用に複数のネットワークが使われているという現状があります。

これらのシステムは、暖房・換気・空調 (HVAC)、セキュリティとアクセス、消防防災、分離独立した電気通信とデータ ネットワークなどに対応するものです。

上記のようなことから、近代的なビルの多くは運営に手間がかかり、取り付けや統合、メンテナンスのためのコストも高く、オートメーション化が制限されてしまいがちです。それなら、何故すべてのネットワークをひとまとめにしてしまわないのでしょうか。IP を使えば、これが可能なばかりか、統合の手間もかかりません。

ビルの開発業者、オーナー、テナント業者の多くが、すでにシスコの統合 IP ネットワークの導入について検討し始めています。IT とビル システムを直結し、音声、ビデオ、データの通信ばかりでなく、HVAC、照明、エネルギー、ビデオ監視、および情報へのアクセスをひとつのネットワークでまかなおうというのです。

こういったネットワーク化されたビルでは、設計・構築の段階からメリットが発生します。オープンスタンダードな単一ケーブルのインフラストラクチャにより、複数な閉じられたネットワークは必要なくなり、それに伴いネットワーク導入の際の手間やコストが軽減されるのです。

CCRE はまた、ビルのライフサイクル全体を通した運営コストの削減にも貢献します。オープンスタンダードに基づいたビルのインフラストラクチャにより、ビル環境の監視、保守、制御の集中化および遠隔化が促進されます。

コスト削減効果に加え、たとえば人気の高い高速インターネット アクセスや、監視や家事をWebベースでサポートするオートメーション システムといった特別なサービスをテナントに提供することで、CCRE はビル経営者に新たな収益の可能性をもたらします。

またIT とビルシステムの統合は、ビルの安全性向上に大きく貢献します。たとえば、消防署職員や、警察官、救急隊員がビル内のビデオ監視システムにアクセスし、緊急事態について調べるといったことも可能になります。

業界の動きを見ると、CCRE 展開に向けて市場が整ったということがよくわかります。

ARC Advisory Group 社が2003年にシスコのヨーロッパ・中東・アフリカ地区 (EMEA) 用に作成した「Building Automation Outlook」に次のような記述があります。「IT インフラストラクチャにおける BAS (Building Automation System) の存在が大きくなるにつれ、カスタマーのスケーラブルな性能に対する要求が高まりつつある」

1軒のビル、または複数のビル群、ひいては街全体の機能と機能をつなぎ、監視や、統合、制御を実施するためにこの BAS が使われることになるだろう、というのが ARC の見解です。

「ITとの統合、およびシステム間の情報共有を望むユーザの声の高まりとが一緒になって大きなチャンスが生まれる、ということに BAS 業界は気づき始めました。このようなチャンスは瞬く間に要求へと変わるのです」

シスコが重点を置く技術開発分野の多くは社内展開に力を注いでいますが、CCRE の場合も主にシスコグループ内において実績をあげています。シスコ EMEA では、7000人の社員と63ヶ所からなる大規模な不動産ポートフォリオを擁しています。

EMEA はシスコの AVVID (Architecture for Voice, Video and Integrated Data) プラットフォームを導入し、IP ネットワークを使ったビル システムを自社の不動産ポートフォリオ全体で構築。社員が、音声、ビデオ、およびデータに「どこからでも接続」できるようにしました。

その結果、シスコの IP 電話受話器や、パーム パイロット、デスクトップ PC、ラップトップ PCといったあらゆる IP 対応デバイスを任意のアクセス ポイントに接続し、誰もが場所を問わず、IP ネットワーク上で音声や、ビデオ、データにアクセスし、それらを共有することが可能になりました。

ワイヤレス IP は、有線 IP インフラストラクチャを補完する形で、さらなる柔軟性を提供します。ワイヤレスを使うことで、オンサイトで働くスタッフはどこにいてもすぐにインターネットに接続することが可能です。またシスコでは、お客様にお使いいただくために、受付にワイヤレス ホットスポットを設置しています。

CCRE インフラストラクチャは、自社の不動産ポートフォリオの監視や、問題の検知、および事故への対応を可能にします。IP ソリューションを導入したことで、シスコ EMEA では自社の不動産をユーザのニーズに合わせて設定することができるようになりました。

シスコ EMEA が達成したコスト回避益およびコスト削減益は、すでに3億3000万ドルを超えています。

具体的な効果としては、スペースの統合、社員の能率と生産性の向上、不動産管理システムの改善、配線や家具、システム保守、拠点間の通話などにかかるコストの削減などがあげられます。

世界的に見ると、シスコでは単一の IP ネットワークでビデオ監視システムを運用し、シスコ CCRE アプリケーションひとつにつき年間数百万ドルのコスト削減を実現しています。

このような効果を上げている企業はシスコだけにとどまりません。たとえばオランダを見てみると、アムステルダム サイエンス パークのマトリックス5 オフィス ブロックでは、統合ネットワーク インフラストラクチャを使うことで、少なくとも23パーセントの変動設備コストの削減 (設備コスト全体では10パーセント減) に成功しています。

似たような例として、イギリスの老舗サッカークラブであるマンチェスター シティ フットボール クラブは、4万8000席を擁するスタジアムに、HP と Fortress GB、シスコの3社共同による最新のワイヤレス システムを他に先駆け導入することを決定しました。

毎分1200人のユーザがこのシステムを使うことができ、スタジアム内でリアルタイム情報にアクセスしたり、電子財布で買い物をしたりといったことが可能です。また、クラブとそのスポンサーが顧客関係管理を採用した製品を提供できるようになり、お客様との関係や、ブランド価値、および収益の向上が見込めます。

「イギリスを代表するプロ クラブとしては、サッカーとビジネスの両方において、機敏機敏でなければなりません」と語るのは、マンチェスター シティ フットボール クラブのアリステア・マッキントッシュ代表取締役です。

「HPとシスコ、Fotress GB の 3社共同による『インテリジェント スタジアム』ソリューションは、ファンへのサービスや、販売促進におけるイニシアティブ、スポンサー契約などの面で新しい取り組みやさらなる発展を可能にし、今以上に強力なクラブ作りに貢献してくれることでしょう」

ジェイソン・デイン : スペイン バルセロナ在住のフリーランス ジャーナリスト

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