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金融・保険界の巨大機関 ING、シスコの IP テレフォニーを採用してチリのネットワークを統合、アップグレード

2005 年 3 月 7 日

ジェニー・カーレス(Jenny Carless、News@Cisco)

ING Chile は、オランダを本拠とする、グローバル規模の金融・保険機関である ING Group の一員です。過去数年間、同社はチリ国内でめざましい発展を遂げてきました。社内通信およびカスタマーとの通信を大幅に改善させるために、同社ではシスコシステムズの IP テレフォニーを採用することにしました。

ING Chile は、サンチアゴ市内に 5 つの社屋があるほか、117 の支社(メトロポリタン地域に33 の支社と、その他の地域に 84 の支社)と 4,000 名の社員を有しています。また、同社のきめ細かいサービスを求めるカスタマーの数は、150 万を越えています。このように巨大な組織では、信頼性の高い、最先端の通信インフラストラクチャが必要です。

音声とデータの統合

同社では、音声とデータのプラットフォームを統合させることでカスタマー ケアを向上させ、全体的に通信費用の削減を図りたいと考えていました。絶対に満たさなければならない条件は、サービスを中断させないように、配備を迅速に行なうことでした。

ING の技術プラットフォームの改良では、3 通りのプロジェクトが検討対象として提示されました。そのうちの 2 つは構内交換機(PBX)を利用したもので、残りの 1 つはIPテレフォニーを利用したものでした。ING Chile ではそれぞれの提示案を評価し、シスコシステムズの技術を利用して IP テレフォニーを配備することにし、CMET(国内のテレフォニー企業)が運営企業に、Magenta(シスコ チリのパートナー企業)がインテグレーターに決まりました。

ING では、これがチリ史上最大の IP テレフォニー プロジェクトになると確信しています。

ING Chile の通信およびセキュリティ担当マネージャー、ロドリゴ ルイス(Rodrigo Ruiz)氏によれば、このプロジェクトは本当に困難だったそうです。「本社には、7 つの電話交換機がありました。あるビルディングから別のビルディングに電話するのにも、公共のネットワークを介して通話しなければなりませんでした。ですから、我々にとって重要な目標は、外部からの干渉を受けない、独自の電話交換システムとして機能させることでした」

プロジェクトでは、公共ネットワークへのアクセスを集中させるのではなく、分散させ、高い可用性を維持することを目標としました。この目標は見事に達成されました。現在のシナリオでは、あるビルディングの通信が落ちても、他の 4 つのビルディングで通話の割り振りができるようになっています。

いくつものオフィスを単一のプラットフォームに統合させるために、「最初にしたことは、ビルディングを相互接続する高速バックボーンの設計と配備でした」と、ルイス氏は話しています。「『Cisco Catalyst 6500』スイッチを使って、5 つの社屋を結ぶリングを構築しました。それから、『Cisco Catalyst 6500』スイッチをさらに 2 台投入し、リングを閉じました」

次に、ING Chile は支社ネットワークの統合に着手しました。これまで、同社では 4 つのデータ ネットワークが相互接続していない状態となっていました。しかし現在では、新しいプロジェクトのおかげで、データ ネットワークも本社ビルディングとオンラインで繋がっています。その結果、以前は社内電話のために利用していた、有料の地域電話サービスにかける費用がかなり削減されるようになっています。ルイス氏によれば、地域電話サービスを利用するのは、控えめに見積もってもトラフィックの 20 パーセント程度に過ぎないそうです。

停電によって発生するかもしれない問題を解決するために、ING Chile では、「ハイブリッド ソリューション」を採用しました。インラインの電源スイッチが、それぞれおよそ 50 名のユーザーがいる各フロアに配備されました。今回のソリューションは、停電の場合にも管理アシスタントとマネージャーが相互に通信できるように設計されています。また、他のユーザーの電話も数秒のうちに復旧するようになっています。

通信を刷新

ルイス氏によれば、プロジェクトの主役は、1,400 台の「Cisco IP フォン」だそうです。管理アシスタントには「Cisco IP フォン 7960」が、マネージャーには「Cisco IP フォン 7940」が、その他のユーザーには「Cisco IP フォン 7910」が配備されました。これらの電話機はまったく新しい、さまざまなアプリケーションに対応しているだけでなく、基本的な電話機能も満たしています。

当初、ING Chile では、アナログ電話の使用を検討していました。しかし、ルイス氏が説明しているように「ほんの少しだけ投資額を増やして、あらゆる IP 機器を購入」することにしました。

「本当のところ、そんなに簡単な決断ではありませんでした」と、ルイス氏は言います。「アナログ電話と比較すれば、我々が購入したいちばんシンプルな IP フォンでも、大きな進歩になりますからね」

テレフォニー始動

プロジェクトはとても速やかに進行しました。2002 年 12 月に開始されたプロジェクトは、2003 年の 1 月には大部分が完了していました。

ING Chile では、成功のためには新しい技術のユーザー トレーニングが不可欠であるという認識を抱いています。機器導入の 1 か月前から、社員は IP テレフォニーや新しい電話機に関する情報を得るようになっていました。それから、フロアごとにトレーニングが行なわれ、1 台のスイッチと、同社が購入した 3 種類の「Cisco IP フォン」、1 台の PC から成るモバイル ラボラトリーが利用されました。

「成功のために大切なことは、電話機が机上に設置される前に、モバイル ラボラトリーを通じてユーザーがこの技術に慣れ親しめるような態勢を築くことでした」と、ルイス氏は指摘しています。

投資の回収期間は 28 ヶ月から 36 ヶ月で、新しい技術は ING Chile に大きなメリットをもたらすだろうと予想されています。

「社屋内で有料の地域電話サービスを使う必要がなくなりましたので、電話通信費の削減ができるようになりました。また、ユニファイド メッセージングや中央管理された電話ディレクトリ、インテリジェントな IP フォンのおかげで、生産性も向上しています。しかも、カスタマー ケアも改善されているのです」と、ルイス氏は話していました。

ジェニー カーレス:カリフォルニア州サンタクルーズを拠点とするフリーランス ライター。

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