ワールドニュース

米国ニュース


遠くの支社のファイルも即座に入手できる、Cisco Wide Area File Service

2005 年 3 月 17 日

ジェイソン・デイン(Jason Deign、News@Cisco)

大規模な組織では、データ ストレージが悩みの種となっているようです。通常の書類やスプレッドシート、プレゼンテーションは、人から人へと渡るたびに数百回とは言わないまでも、数十回は複製され、チェック、編集、追加、削除が加えられます。

これまでデータ ファイルがワードローブのコートハンガーのように複製されてきたのは、多くの場合、単一のファイルに何回もアクセスするのはあまり実用的でないという理由があったからです。

オリジナルのファイルがさまざまなオフィスのサーバ上にあっても、WAN を介してアクセスするにはレイテンシの問題がつきまといます。それに、ユーザーがアクセスしているのが最新のファイルのコピーであるという保証もありません。

このような問題は、シスコシステムズが昨年、「Cisco FE 511 File Engine」とともに「Wide Area File Service(WAFS)」を開発するまでは、常に存在していました。

ストレージ ネットワーキングにおける WAFS がもたらす影響は、大陸間旅行におけるジェット旅客機のそれに匹敵するかもしれません。つまり、WAN を横断する際の通信遅延時間が短縮されるため、ファイルを現在の 7 倍から 8 倍の速さで開き、7 分の 1 から 8 分の 1 の時間で保存できるようになるのです。

「この技術では、ビジネス上のあらゆるファイルを個々のユーザーが即座に利用できるようになっています。数多くの素晴らしいアイデアが採用された結果、数百マイル離れたところに保管されているファイルを、まるで隣の部屋のサーバにあるファイルのように利用できるようになっています」と、シスコ EMEA(ヨーロッパ、中東およびアフリカ)の光ストレージおよび WAFS 担当ディレクターのマーカス・チェンバーズ(Marcus Chambers)は述べています。

ストレージ要件を全体的に軽減できるというメリット以外にも、WAFS には、災害復旧とバックアアップの手順を簡素化できるというメリットもあります。支社オフィスのファイルを中央のデータセンターに保存できるからです。

これは、大きな特典となるでしょう。米国の Enterprise Strategy Group によれば(「Computerworld」誌 2004 年 12 月号より引用)、今のところ最大で組織のデータの 70 パーセントが、支社オフィスで保管されているそうです。

さらに、テープ バックアップ サービスも中央で行なえるようになるほか、支社内の「File Engine」をプリント サーバとして機能させることもできるので、費用の節約と管理の簡略化が可能になります。

共同作業も改善されます。編集や追加、承認といった作業を、どの場所からでも単一のファイルを元にして行なえるので、複数のコピーをとりまとめ、それぞれを照合し直すという手間が省けるからです。

これらの機能を実現するには、シスコの技術によって 2 つの処理が行なわなければなりません。まず、WAFS では、Microsoft Windows の CIFS (Common Internet File System)と UNIX の NFS(Network File System)という、LAN ベースの代表的な 2 つのファイル システム プロトコルに WAN を経由して対応するための処理が行われます。

NFS と CIFS の両方のプロトコルでは、WAN リンクでの使用は目的とされておらず、さらにファイル システムにアクセスするアプリケーションのほとんどは LAN ベースのアクセスを行なうものと想定されています。

一般的な Microsoft Word の「ファイルを開く」という指示には、数百の CIFS クライアント サーバ メッセージが埋め込まれており、そのうちの 40 パーセントは、長さが数バイト以下で、圧縮不可能なシグナリング メッセージとなっています。この場合、ネットワークの帯域幅を拡大しても、レイテンシの問題は解決されないのです。

このような制約に対処するために、「Cisco WAFS」では、エッジとコアのエンジンの間に独自の適応プロトコルが配置されています。

もう 1 つの処理は、シスコのファイル エンジンを利用した巧妙な方法で、ファイルの全部あるいは一部のコピーをローカル ファイルとして行なうというものです。

クライアント メッセージの 90 パーセント近くは、ローカルのエッジ ファイル エンジンで処理が可能な読み取り、あるいはアクセスの要求です。つまり、WAN を経由して送信しなければならないのは編集の必要がある場合だけで、編集内容だけをデータセンター内に保管されているマスター ドキュメントに同時に書き換えるようにすれば良いのです。

「このシステムでは、いくつものポリシーやアルゴリズムを継続維持させることによって、キャッシュされたデータをいつもフレッシュな状態に保つことができるようになっています。また、ユーザーがファイルを開いたときには、最後にファイルを閉じたとき以降の最新バージョンがつねに表示されるようになっています」と、シスコ EMEA の WAFS 担当ビジネス開発マネージャー、クリストファー・マッキンタイア(Christopher McIntire)は述べています。

「Cisco ファイル エンジン」は、支社オフィスと本社またはデータセンターという WAN 接続の両端に設置されるように設計されています。

配備および設置を簡単にするために、それぞれのファイル エンジンは、エッジ ファイル エンジン、コア ファイル エンジン、WAFS 中央管理機能のいずれとしても作動する、WAFS ソフトウェアを事前に組み入れて出荷されています。

「会社内のあらゆるデータを包括する、中央管理の情報管理ポリシーを実装したいという、ユーザーからの需要が明らかに高まっています」と、アナリスト グループの Macarthur Stroud International のマネージング ディレクター、ヘイミッシュ・マッカーサー(Hamish Macarthur)氏は話しています。

「問題は、あらゆる地域本部および支社のオフィスをすべて網羅しながら、いかに効果的にこれを実現するかということです。シスコの WAFS ソリューションにより、法的および規制上重要な意味を持つものを多く含んだ、大量のドキュメントを中央管理することが可能になります」

昨年シスコはストレージエリア ネットワーキングでの発展を目指すと発表しましたが、その後、2004 年 6 月にワイドエリア ファイル サービス ソフトウェアのデベロッパーである Actona Technologies 社の買収がありました。

「WAFS 技術が登場するまでは、長い距離をはさんでファイルにアクセスするときに発生するレイテンシの問題を解決する、実用的な方法はありませんでした」と、Enterprise Strategy Group の創業者でシニア アナリストのスティーブ ・デュプレシー(Steve Duplessie)氏は話しています。

「ファイルのやり取りにこだわらず、アプリケーションのレベルを高度に保つようにしたことが、この技術の成功の秘訣でしょう。

「遠隔地のブランチ オフィスのファイル サービスとストレージを中央で一括管理できるようになれば、IT 管理者は個別に分散したリソースの管理がより容易に行えるようになるとともに、メインのデータセンターにすでに配備してある、データ保護インフラストラクチャをさらに活用できるようになるでしょう」

シスコのキャッシング サービス ビジネス ユニットの副社長、ジョージ クリアン(George Kurian)は次のように説明しています。「社員のデスクトップやラップトップ コンピュータ、ワークステーションに保存されている、大量のミッション クリティカルな情報は、共有、バックアップおよびアーカイブ化されなければならないのです。

「今日の分散化された支社オフィスを対象としたストレージ管理手法は、複雑で、費用がかかるようになっています。このように分散化された支社オフィスにインテリジェントなネットワーク サービスを提供して、ファイル サーバとストレージを中央管理できるようにし、さらに遠隔地オフィスにあるデータの保護を向上させ、費用効果の高い管理ができるようにすることが、重要なのです。

「この技術は、最高レベルのワイドエリア ファイル サービス ソリューションとなっており、ストレージの統合とともに、WAN 上で『LAN と同じような』ファイル アクセスができるようになります」

ジェイソン デイン:スペイン バルセロナ在住のフリーランス ライター。

▲Return to Top

お問い合わせ