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Cisco Medical-Grade Networks、医療機関でより速く、より良いケアを実現

ボストンとアトランタの医療機関、医療体制を再構築し患者ケアを向上

2005 年 2 月 14 日

G. パトリック・ポーリング(G. Patrick Pawling、News@Cisco)

概略

  • ボストンの Boston Medical Center とアトランタの Children's Healthcare of Atlantaはそれぞれ個別の医療機関ですが、同じような問題を抱えていました。それは、「どのようなインフラストラクチャを構築すれば、ケアが改善され、効率性が向上されるか?」ということでした。
  • ボストンでは、ワイヤレスの新しいナースコール システムによりスピードアップが可能になりました。またアトランタでは、IP テレフォニー システムが、増え続ける病院スタッフの作業効率向上に貢献しています。

技術によって医療を向上させ、同時に費用を削減する方法が近ごろ話題となっています。ボストンの Boston Medical Center とアトランタの Children's Healthcare of Atlanta では、この方法はもはや話題ではなく、既製事実となっています。

Boston Medical Center では、シスコのワイヤレス ネットワーキングとナースコール システムの統合が行われています。そのため、患者は素早い対応とケアの向上というメリットが得られるほか、看護士は仕事がしやすくなり(結果的に人員確保も容易になる)、管理者も生産性の大幅な向上が見込めるようになっています。看護士はワイヤレス電話を携帯しているため、手順や労力を減らして、実際により多くの仕事ができるようになっています。

Children's Healthcare of Atlanta では、老朽化して管理が困難になった PBX 電話と、ストレスのたまるようなボイスメール システムの一式を、シスコの IP テレフォニー コミュニケーション システムに交換しました。その結果、患者へのケアの質が改善されただけでなく、家族やスタッフにもメリットがもたらされました。

2 つの病院は、アプローチこそ異なっていたものの、テクノロジーをスマートに利用するという、共通のプロジェクト目標を持っていました。2 つの病院はともに、患者ケアを改善し、運営効率を向上させなければならないのです。

Boston Medical:より良いケアをより速く

Boston Medical は旧市街のサウスエンドにある非営利の私立病院で、547 の病床を持つアカデミックな医療センターとなっています。同病院のモットーは、「優れたケアを分け隔てなく(exceptional care without exception)」-つまり、充分な保険に入っていない人々や医療保険のない人々を中心に医療を提供しようというものです。Boston Medical では、たえず効率の向上を目指しており、とりわけ効率とケアの両方を向上させる方法を模索しています。

新しいナースコール システムの導入を目指したのも、そのような背景があったからです。簡潔に言えば、これまでのシステムは患者にとっても、スタッフにとってもあまり満足の行くものではありませんでした。システムは過去のものになっており、Boston Medical は未来を求めていました。

「ナースコール システムが技術の発展に対応できなくなっているのが実感されていました。また、今後のメンテナンスやトレーニングを簡単に行えるようにするために、システムを標準化したいとも考えていました。我々はワイヤレス コンポーネントを備えたシステムを求めていたのです。看護士が双方向通信の装置を携帯できるようにしたかったので、古いシステムは廃棄したほうが良いと判断したのです。最初のアイデアは、コンピュータを看護士の腰に付けようというものでした」と、CTO(最高技術責任者)のダレン・ドゥオーキン(Darren Dworkin)氏は話しています。

Boston Medical ではすでにシスコのワイヤレス ネットワークを導入し、医師が患者のデータをラップトップに入力するようになっていましたので、このネットワークを利用して新しいナースコール システムを構築しようというのは当然の判断でした。診療エリアの 1 つに「Cisco Aironet」ワイヤレス アクセスポイントが新たに配備され、そこで仕事をする看護士はコンパクトで、耐久性のある「Cisco ワイヤレス IP フォン 7920」を携帯するようなりました。患者や看護士、管理者が将来の可能性を実際に見出したのは、このときが最初でした。

以前には、患者がベッドサイドのボタンを押して助けを求めると、看護士ステーションの机上のライトが点灯するようになっていました。机上のライトを監視する人が常駐していても、看護士を当該の病室に向かわせるためには、頭上に設置された、騒々しい呼び出しシステムを使用しなければならないことがよくありました。この方法は、時間がかかり、非効率的で、混乱の原因にもなっていました。

新しいシステムでは、患者がベッドサイドのボタンを押すと、テキスト メッセージがその病室担当の看護士に直接送られます。看護士はこれまでの作業を中断しなくてもよくなったのです。看護士は、腰に付けた電話をとり、メッセージを読み、病室のインターコムを通じて患者と直接通信できます。それから、必要な場合には医師に直ちに通報し、追加の投薬を要請することができます。このように、問題が起こってもほとんど即座に解決できるのです。

「このシステムにより、みんながうんざりしていた問題が解決されました。頭上で響く、騒々しい呼び出しシステムがなくなったのです」とドゥオーキン氏。

テストが大成功に終わったのを受け、Boston Medical では、すべての病室がこのシステムでカバーされるように配備を進めています。新システムには「Cisco Call Manager」と 300 台以上の XML 対応「Cisco ワイヤレス IP フォン 7920」が含まれ、従来の Rauland-Borg 社製のナースコール システムと統合される予定です。

「(看護士や患者から)好意的なフィードバックが殺到しています。看護士はこの技術をすぐに理解し、たちまちのうちにこの技術と恋に堕ちています」と、ドゥオーキン氏は言います。

たとえば、点滴液がなくなったときや酸素吸入器の調子が悪いときも、電話を通じて看護士に知らせることができます。つまり、誰かが助けの声を聞きつけてくれるのを希望するしかないという状況が解消されるのです。

ドゥオーキン氏によれば、このシステムは同病院の厳しいセキュリティ要件も充分に満たしているそうです。

「シスコなら安全なソリューションを提供してくれるはずだという確信があったからこそ、ワイヤレスについて話し合うことになったのです。シスコなら、我々の導入するソリューションを安全なものにしてくれると信頼していました。シスコは、まさにマーケット随一の本物のプレーヤーと言えるでしょう」

小児科病院の古い電話システム:拡大のその先は?

Children's Healthcare of Atlanta は、患者である子供たちが成長するのと同じくらい速いペースで成長しているようです。

2 つの医療機関による合併の産物であるこの病院は、アトランタ地域の中心的な小児科医療施設で、3 つのメイン キャンパスと 16 の衛生医療施設、それに 5,500 名以上の職員を有しています。「Child Magazine」誌の「アメリカの小児科病院トップ 10」の第 6 位にランクされている Children's Healthcare は、臓器移植や腫瘍学、心臓学、新生児学、整形外科といった分野の業績でも高い評価を得ています。

2 つの医療機関の合併によってあらわになった技術的な問題の 1 つは、旧来の電話システム同士の統合でした。この問題への取り組みに苦慮しているあいだに、問題自体が古いシステムでは解決できないほどに深刻化していることに気づかされるようになりました。問題の本質は、維持するのが困難で、費用も高くつく3 つの大規模な PBX にあり、サービスと生産性にも支障をきたしていました。

「ダイアルプラン(番号設定)は、複雑化する一方でした。我々には、中央管理が可能な単一のボイスメール システムが必要でした。音声通信をできるだけシームレスにさせたかったのです」と、副院長兼 CIO のジャック・ストーリー(Jack Storey)氏は話しています。

Children's Healthcare では、新しい電話システムを導入しなければならないことは明らかになっていましたが、厳格な要件もありました。電話システムは、きわめて信頼性が高く、総費用コストが低く、内部的にも、外部的にもカスタマー ケアを向上させるものでなければならなかったのです。

「我々が注目していたのは、費用とともに、寿命の長い技術が使われているかということでした。IP システムなら将来にわたって大いに活用できると考えたのです」とストーリー氏は言います。

Children's Healthcare では、費用効果が高く信頼のおける、エンド ツー エンドのソリューションを提供できる企業は 1 つしかないという結論がすぐに下されました。音声、スイッチング、ルーティング、ワイヤレス、セキュリティ、ストレージ、およびバーチャル プライベート ネットワークを統合させた、シスコのソリューションが採用されたのです。

「Voice over IP を利用したほうが費用がかからなかったのです」と、Children's Healthcare の技術ディレクター、ジム・アトウッド(Jim Atwood)氏は話しています。

Children's Healthcare では、これまでに 4,600 台の「Cisco 7960」シリーズ フォンを配備しています。柔軟性と拡張性を備えたシスコのコンポーネントがすでに数多く配備されていたため、ネットワークを完全刷新する必要もなく、移行費用を軽減できました。また、このソリューションには、およそ 100 台の IEEE 802.11b 準拠の「Cisco ワイヤレス IP フォン 7920」を網羅した、シスコのワイヤレス ネットワークも含まれています。

ストーリー氏の試算によれば、同病院では新しいワークスペースを作るたびに電話 1 台当たりの設置費用が 250 ドル節約されるそうです。

現在ではシステム管理も大幅に簡素化され、病院内ですべての処理ができるようになっています。また、Children's Healthcare では 3 億 5,000 万ドル規模の拡張事業-同種のプロジェクトとしてはジョージア州で史上最大規模-が実際に進行されています。

「1 つのオフィスを閉鎖して、新しいオフィスを開設し、スタッフをそこに移動させるという作業をたえず行っています。VoIP システムの導入前なら、調整がもっと面倒になっていたでしょう。現在では、電話機をプラグから抜いて、新しいオフィスに運び、またプラグを差し込むだけで済むようになっています。これなら自分たちでやれますからね」と、アトウッド氏は言います。

IP テレフォニー システムにより、年間 40 万以上のコールを受ける、同病院の看護士ホットラインでの対応も簡単かつ安価にできるようになっています。「IP Communications」システムにより、自宅にいる看護士を緊急電話で呼び出し、効率的に緊急対応ができるようになっていますので、需要が高まっているときにスタッフを追加することも簡単にできるようになっています。

「みんなが満足できるシステムですね。本院のあらゆる施設を横断して、(e-メールやメッセージ転送によって)ボイスメールのやりとりができるようになっており、管理部門では本当に良く利用しています」と、ストーリー氏は話しています。

Children's Healthcare の緊急治療担当ディレクターのアンナ・マリー・ハンリー(Anna Marie Hanley)氏によれば、新しい電話システムにより病院での日常が簡素化されるようになったそうです。

「合併直後には、誰に電話すればよいのかわからない、いざ電話をしようとしてもその人の内線番号がわからない、といったことがありました。現在では、問い合わせの電話をとても簡単に転送できるようになっています。一旦電話を切ってもらって、担当者から電話をかけ直すということがなくなり、即座に電話を転送できるのです。そのため、ケアの質を高めるためにより多くの時間が割けられるようになっています」

2 つの病院。2 通りのアプローチ。シスコの医療機関用技術のおかげで、どちらも経過は上々です。

パット・ポーリング:ニュージャージー州オーシャンシティー在住のフリーランス ジャーナリスト。

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