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ARINSO、Cisco IP Communications を活用してグローバルな人材アウトソーシング サービスを提供

2005 年 1 月 11 日

ジェイソン・デイン(Jason Deign、News@Cisco)

グローバルな人材アウトソーシングの大手企業である ARINSO 社では、シスコシステムズの通信インフラストラクチャを利用して、生産性の劇的な向上とともに運営経費の大幅な削減を可能にする、新しいIP ベースのコンタクトセンターの構築を進めています。

ブリュッセルに本社を置き、22 ヶ国に 1,400 人の社員を有する ARINSO International 社では、新たな国への新規参入も計画していますが、その際の費用は、シスコの IP コミュニケーション技術を利用した、最新の「簡単コンタクトセンター」アプリケーションのおかげで、1 ヶ国当たり数千ドルで済むようになっています。

ARINSO は、最近成長を遂げている人材(HR)アウトソーシングに携わっています。

ARINSO のような専門の HR アウトソーシング企業では、規模の経済が作用するため、人事プロセスをクライアントより費用効果良く行うことができます。

ただし、これまでの HR アウトソーシング企業では、柔軟性には限りがありました。というのも、クライアントがかつて社内で行っていた人事機能の管理を代行するためのサービスセンターの設立、および運営に費用がかかるからです。

ARINSO では、サービス センターの基盤として、従来型のスイッチの代わりに IP スイッチを採用することで、上記のような柔軟性への制限を無くすことができました。つまり、新規のスタッフでも、ネットワークへのアクセスが認められている限り、誰でもどこからでもネットワークに「プラグイン」することができ、あらゆる活動が VPN を通じて中央でモニターできるようになっているのです。

理論的には、サービスセンターのスタッフは、自宅でも仕事ができます。

ARINSO の事業の 75 パーセント以上は、SAP や PeopleSoft のようなベンダーの HR ソフトウェアを、クライアントの IT システムに実装、および統合して行われています。さらに、事業の 5 パーセントはビジネス戦略のコンサルティングによるもので、同社では今後、ビジネス プロセス アウトソーシング(BPO)の分野での大幅な成長を見込んでいます。

ARINSO のHR サービスセンター コンサルタントのミシェル・ビリーケン(Michel Vereeken)氏によれば、この分野のビジネス収益の全収益に対する比率は、現在の 25 パーセントから、2007 年までには 2 倍の 50 パーセントに増加するそうです。

「当社は HR 分野の純粋なプレーヤーであり、財務面でも、IT の設備面でも、BPO インフラストラクチャへの投資には支障がない、という意識からこのマーケットに参入したのですが、幸いにして経験があることが有利となりました」と、ビリーケン氏は話しています。

「この事業に乗りだしたときは、HR には早くて、一般的な BPO には遅い状況でした。2001 年には VoIP(voice over IP)に移行できるような態勢を整えていましたが、その当時はまだ VoIP があまり普及しておらず、競合他社でも利用されていませんでした。

「5 年から 7 年の間に、従来からあるスイッチベースのコンタクトセンターは時代遅れになる、たとえ導入しても 2005 年か 2006 年までには新たな手法を導入しなくてはならず、そうなればかなりの痛みや苦しみが伴うと考えていました。そのため、我々はいきなり VoIP に移行しました」

ARINSO は、社内に蓄積されたノウハウと既存のコンポーネントを活用して、米国のアトランタに最初の BPO コンタクトセンターを設置しました。

ビリーケン氏は、ヨーロッパの各地に 10 以上のセンターを設置しなければならない契約を獲得したときのことを、次のように話しています。「最新の技術を採用した、プラグ アンド プレイの環境が必要でした。このような、いわゆる分散型のソリューションを独力で作り上げることは不可能だと分かっていましたので、シスコに相談しました」

現在、ARINSO は Celanese AG やJohnson Diversey、大手自動車メーカーなどのクライアントにサービスを提供しており、ベルギーやフランス、ドイツ、ポーランド、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国にコンタクトセンターを配備しているほか、間もなくカナダでも営業を開始する予定になっています。

それぞれのコンタクトセンターは、VPN を経由した冗長な構成によって、ベルギーにある 2 つのデータセンターと管理システムにリンクされています。管理システムでは、ブリュッセルにいるマネージャーが、世界中にいる ARINSO のすべてのエージェントの活動を、まるで同じビルにいるかのようにモニターすることができます。

技術を柔軟に活用した結果、ARINSO では、新しいコンタクトセンターの設置が必要な場合も、スタッフを採用してオフィスのスペースを確保し、必要な数のデスクとコンピュータ、 IP フォンを発送するだけで済むようになっています。

ビリーケン氏の試算によれば、このプロセスは 2 週間程度で完了し、デスク当たりの費用はおよそ 3,600 ユーロ(2,900 米ドル)で済むそうです。

「最大の効果は、あらゆることが中央で管理できるようになったことでしょう。つまり、中央で管理できていない場合に比べて、はるかに少ないリソースでビジネスの管理ができるのです」と、ビリーケン氏は言います。

他にも利点はあります。例えば ARINSO では、セットアップ費用の抑制が可能になっていて、1ヶ国当たり 3 人か 4 人の人員でコンタクトセンターの運営ができるようになっています。そのため、できるだけカスタマーの要望に合わせて労働力を分散できるのです。

つまり、クライアント関係のルーティンのプロセスや問い合せへの対応は、ポーランドやスペインといった、別の国にいる ARINSO のスタッフでも処理ができるようになっているのです。ただし、複雑な問題が発生した場合には、苦情を IP ネットワークを経由してクライアントの所在地の国にあるオフィスに転送し、小人数の専門家チームの手に委ねるようにしています。

このモデルにより、提供する HR サービスの品質を損なうことなく、クライアントにも費用削減の恩恵をもたらすことができるのです。

ジェイソン・デイン:スペイン バルセロナ在住のフリーランス ジャーナリスト

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