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小規模企業に IP ネットワーキングのメリットをもたらす新製品群

社員 20 人から 1,000 人の企業に特化したネットワーキング スイッチや管理ソフトを作り出す、シスコの SMB クラス構想

2004 年 9 月 28 日

今年の前半、シスコシステムズの CEO(最高経営責任者)であるジョン チェンバーズは、小規模の企業が利用しやすい、最新のネットワーキング技術を開発すると公約しました。今月、シスコはその約束を果たすために新たな一歩を踏み出し、中小規模の企業(SMB)向けに特化した、一連のスイッチ製品群を発表しました。「SMB-Class」のハードウェアとソフトウェアは、シスコの洗練された、モジュラー型「Catalyst」スイッチング製品がベースになっており、従来の企業ネットワーク機器に比べてより安価で、より簡単に管理ができるため、さまざまな規模の組織に高性能なコンバージド IP コミュニケーションのメリットをもたらします。

News@Cisco では、シスコのワールドワイド コマーシャル マーケティング担当副社長であるピーター アレクサンダー(Peter Alexander)と、副社長兼ギガビット スイッチング ビジネス ユニット ジェネラル マネージャーのジョン マックール(John McCool)にインタビューを行い、最近発表された「SMB-Class」スイッチング製品について、それから、カスタマイズされた機能により、IT 予算とリソースが制限されている小規模企業が、最新の IP ネットワーキングのパワーを簡単に活用するための具体的な方法について、話を聞きました。

シスコが発表する「SMB-Class」の新しいスイッチング製品にはどのようなものがあるのですか?

ジョン マックール:全体的には、新製品群は、小規模企業がモジュラー式のスイッチング アーキテクチャを利用できるようにすることを目的としています。モジュラー式スイッチにより、お客様はコンポーネントの組み合わせ、連携が可能になり、より柔軟にさまざまな機能をサポートできるようになるほか、拡張性も向上させることができます。さらに、技術が進歩しても、お客様は古くなったコンポーネントを新しいものと取り替えるだけで済みますので、事業においてはネットワーキングへの初期投資を従来以上に保護できるようになります。これまで、モジュラー式スイッチとそのコンポーネントは、ほとんどが大規模な企業や組織での使用を想定して設計されていました。当社が現在展開している「SMB-Class」製品は、小規模な企業を想定して作られています。これら製品では、使いやすさやネットワーク セキュリティの向上、企業の成長に合わせた柔軟性や拡張性といった、小規模企業にとって最も重要な要素への配慮がなされています。たとえば、今回当社が作り上げた一連のモジュールやラインカードは、エントリーレベルのモジュール式スイッチである「Cisco Catalyst 4503」を想定したものとなっています。目玉商品の一つであるモジュールには「Supervisor II-Plus-TS」が含まれており、小規模企業では、サーバやデスクトップ コンピュータ、ワイヤレス機器、IP フォンに 10/100/1000 ギガビット/秒(Gbps)での接続ができるようになります。また、新たに追加される PoE(power-over-Ethernet)の機能を利用して、ワイヤレス アクセスポイントや電話機に電力を供給できるようにもなります。また、既存のものに比べてポート数が半分になったラインカードも新たに作りました。小規模の企業は不必要な容量にお金を使いたがらないからです。もっとも、この新しいカードの機能そのものは最先端のもので、光ファイバ回線への接続も可能になっているため、小規模企業ではネットワークの拡張が可能になるほか、必要に応じてその時点での最新の技術を利用できるようになります。当社では、「Cisco Catalyst 4948」の発表も行っています。この製品の特徴は、既存の「4500」シリーズと多くの点で共通していますが、サイズは 1 ラックユニット サイズに抑えられています。この製品のアイデアの基礎となっているのは、スペースに悩むお客様に高性能スイッチを提供したいという思いなのです。

「SMB-Class」の新しいハードウェアに合わせて、当社では斬新な、エントリーレベルのネットワーク管理アプリケーションを開発し、視覚的なユーザー インターフェースを通じて、中央集中的な管理や設定の自動化、シンプルなトラブルシューティングを実現させています。マニュアルでのプログラミングという手間を大幅に削減してくれるこのシステムは、通常のスイッチには必須のものとなっています。このようなシステムは「SMB-Class」の新スイッチはもちろん、スタッカブルな「Catalyst」スイッチの既存の製品ラインや「3750」シリーズなどの当社のルータでも機能するようになっています。そして何より、シスコのすべてのお客様には「Network Assistant」を無料でご利用いただけます。「Network Assistant」は、専門の要員を配置していないお客様に、製品を「箱から出してすぐに」使えるように感じていただくことを目的としています。我々は、ネットワーキングのエキスパートをソフトウェアにしたものとして、「Network Assistant」をとらえています。

これらの製品は、シスコの他のネットワーキング製品とどう違うのでしょう?

ピーター アレクサンダー:これらの新製品は、小規模企業特有のニーズに対応するものです。「Fortune 1000」にランクされるような大企業が性能や拡張性に着目してネットワーキング機器を選ぶのに対して、SMB には、より小さなスケールの製品への要望-我々が「形状要因」と呼ぶ、異なった設計を好む傾向-があります。つまり、安心して木材を運べるピックアップ トラックだけがあれば良いとする大工さんのニーズと、鉄骨を運ぶためのトレーラー トラックが必要な大手建設会社のニーズが違っているようなものですね。どちらもトラックが必要なのですが、求めるタイプがまったく違っているのです。この考えを推し進めれば、明らかに費用が問題となってきます。一般に、企業の規模が小さくなれば IT 予算の制限も厳しくなり、ちょっとした金額の支出であっても帳簿全体への影響が大きくなります。このような現状を考慮した結果、我々が「製品のライト サイジング(サイズ適正化)」と呼んでいる方向性が生まれ、SMB にちょうど相応しいような性能や容量、機能を装備した製品を提供しようということになったのです。これらの製品は煩雑さという問題にも対応しています。SMB は、大型の企業とは違い、自社のネットワークの管理を担当する IT 社員や人材が充実しているわけではありませんので、機器の管理を簡単かつシンプルに行えるようにすることが大きな意味を持つのです。

SMB がこれらの製品を使えば、使用前と比較して新たにどのようなことができるようになるのでしょうか?

ピーター アレクサンダー:SMB マーケット向けに今回発表した新製品および現在開発中の製品によって、IT 用の人材および予算に制限がある小規模な企業でも、「インテリジェント ネットワーキング技術」と我々が総称しているものをはるかに簡単に、安価に利用できるようになります。「インテリジェント ネットワーキング技術」とは、生産性の向上と費用の削減を実現するために大企業が現在採用している技術のことで、ワイヤレスや IP テレフォニー、サービス品質(QoS)、アドバンスド セキュリティ、バーチャル プライベート ネットワーク(VPN)などがこれに含まれています。これらの技術により、企業では、オフィス内部や遠隔地の社員間で、あるいは世界各地のパートナーを相手として、情報のやりとりがより簡単に、効果的に行なえるようになり、結果的にサプライチェーン管理の効率化、カスタマー サービスの改善が達成され、財務および人事ソフトウェアのようなバックオフィス アプリケーションも効率的に利用できるようになるのです。

ジョン マックール:小規模企業は、ほんの少し前には予算に余裕のある「Fortune 1000」の企業しか手に入れることができないと考えられてきた先端技術から、大企業以上の価値とは言えないまでも、多くのものを得るようになっています。確かに、セキュリティは現在のあらゆる企業にとって憂慮すべき問題となっています。小規模企業も、大規模企業と同じようにハッカーやウイルスの被害を受ける可能性があるからです。また、小規模企業の多くはとても積極的にワイヤレスの配備を進めています。IP テレフォニーを活用してデータ ネットワークにオフィス用電話を接続した場合の費用節約効果を魅力的に感じるのは、おそらく小規模な組織のほうでしょう。小規模の企業も大企業と同じように、ネットワーク IT への投資が事業そのものに大きな影響を及ぼすと考えているのです。さらに、インターネットの普及により、サプライチェーンを管理するためにネットワーキングが積極的に利用されるようになっています。大企業、とりわけリテーラーに物品を販売している多くの小型企業は、自社のビジネス プロセスをリテーラーとネットワーク接続しなければなりません。紙の書類を中心としたサプライチェーン管理は、あらゆる企業で瞬く間に過去の遺物となっているのです。今回発表した「SMB-Class」製品、および将来発表する「SMB-Class」製品により、小規模企業はあらゆるビジネス ニーズに対応できるようになるでしょう。

先日発表された製品以外に、シスコでは、小規模企業がインテリジェント ネットワーキング技術をより自由に利用できるようにするために、どのような施策を進めるのでしょうか?

ピーター アレクサンダー:そうですね、全体的には、当社では中小規模の企業に適した製品の開発および販売を行うために、今後 2 年間で 20 億ドルの投資を決めています。6 月にジョン チェンバーズが公約したように、当社では、来年中に 30 以上のSMB 向け製品を投下する予定です。つまり、SMB に特化した設計のネットワーキング製品が今後ますます多く登場してくるのです。また、SMB 向けの財務や教育などのサービスも開発しています。さらに、本年前半に発表したマイクロソフトとのコラボレーションが示しているように、アプリケーション ベンダーとの関係強化を進めており、カスタマー リレーションシップやサプライチェーン管理などの、ネットワーク化されたビジネスオペレーションの構築および運用を効率的にする、ネットワーク機能のパッケージ化-我々が「全用途提供」と呼ぶもの-を行う予定にしています。さらに、グローバルなセールス組織を再セグメント化し、SMB 向け販売をすべて担っているチャネル パートナーと当社の連携に同期するようにしています。SMB 支援を得意とするチャネル パートナーの獲得も進めています。

ジョン マックール:当社の活動の一貫として、我々は今後も最新の技術を活用し、SMB 向け製品に組み込んでゆくつもりです。仕事の多くは、ワイヤレスや IP テレフォニー、セキュリティを「Catalyst」スイッチング プロットフォームに柔軟に組み入れた、適切なサイズの製品を作ることとなるでしょう。今まで話してきましたようにSMB のニーズが多様化しているため、そのようなニーズに対応するネットワーキング機器は、小規模な企業が特定の業務に必要な機能だけをピックアップできるような適応性を備えていなければなりません。この目標を達成するための大きな一歩として、当社は「Cisco 統合型サービス ルータ」と総称されている、「Cisco 1800」シリーズ、「Cisco 2800」シリーズおよび「Cisco 3800」シリーズをすでに発表しています。これら装置、とりわけ小型の「1800」シリーズと「2800」シリーズは、1 つのボックスでデータおよび音声、動画、セキュリティのすべてをサポートできるため、小規模企業には理想的な製品と言えるでしょう。これらのルータにより、あまり多くの IT 人材を有していない企業でも、コンバージド コミュニケーションという、高い評価を受けているコンセプトをこれまでよりはるかに自在に利用できるようになるのです。

これまで、シスコおよびネットワーキング業界は、複合的なネットワークを運営している大手企業向けの機器の開発に重点を置いてきました。現在、シスコが小規模な企業に特化した製品およびサービス、サポートを作りだそうとしているのは、なぜなのでしょう?

ピーター アレクサンダー:これまでの 10 年間、ネットワーキング業界のほとんどの企業が大手企業のニーズに重点を置いてきたのは、よく知られていることです。確かに、小規模の企業-つまり、社員が 20 名から 1,000 名までの企業-もネットワーキング製品を使っていましたが、主に大企業の支社オフィス用に設計された製品がほとんどでした。しかし、このような製品は SMB を具体的に想定して設計されたものではありませんでしたので、つねに SMB のニーズを解決してくれるわけではありませんでした。しかし、現在のネットワーキング技術は、小規模企業に相応しい「適正化サイズ」の製品を作ることができる水準に達しています。ルータやスイッチングの技術は過去 10 年間に充分に成熟し、従来に比べて取り扱いが簡単で、価格も妥当なネットワーク機器が世に出るようになっています。また、10年前は、ブロードバンド接続ができるのは大企業だけでした。現在では、ほとんどすべての企業がネットワークに接続し、自社の内外でかなりの量のビジネス情報を転送しています。つまり、明らかに、現在における小規模企業のネットワーク技術への依存度は、大企業と同じく、自社の成功のために不可欠であると言えるレベルにまで高まっているのです。

そのような点に留意すれば、インテリジェント ネットワーキング インフラストラクチャへの関心が高まっているSMB は、きわめて有望なマーケットとなっているのです。世界では、数十万の企業がネットワークをこれまで以上に活用したいと考えており、未だに適切なツール-つまり、安価で、費用効果良くネットワークを管理するツール-を手にしていないのです。これら小規模企業の全世界におけるネットワーキング機器のマーケット規模は 100 億ドルにもおよび、今後年間 15 パーセントの成長が予想されています。米国だけでも、SMB は 50 万社以上になるのです。このマーケットのポテンシャルおよび価値は、初期段階にあるシスコの「SMB-Class ソリューション」構想をすでに下支えしており、当社では四半期ごとに 2 万社のお客様を新規に獲得するようになっています。かなりの数のお客様と言えるでしょうね。

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