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Black & Decker社、シスコ製品をベースとした仮想プライベートネットワーク(VPN)で国際的な事業体制を整備

2004年6月1日

ステイシー ウィリアムズ、News@Cisco

概 要

  • Black & Decker社では、高いネットワーキング費用と低帯域幅がネックとなり、世界各国に置かれた拠点から企業アプリケーションにアクセスすることができず、かといって遠隔地にあるオフィスを接続するには多額の費用がかかると考えていました。
  • シスコのソリューションをベースとしたVPNは、Black & Decker社の世界中の拠点を結ぶことで企業アプリケーションへのユビキタスな接続を可能にすると同時に、ネットワーク費用を大幅に削減します。

多くの企業は今、地元や地域に関心を寄せるだけでなく、グローバルな市場やロジスティクスについて考える必要があります。世界中にオフィスを展開する企業にとって、たった1つだけ必要なことがあります。それは、たとえオフィスがどこにあろうとも、いかにすばやく安全に信頼性の高い通信を維持するかということです。

世界的な電動工具および付属品メーカーのBlack & Decker社は、その典型的な例だといえます。同社が国際的な事業体制を整えるには、世界40か国にある160か所以上の拠点と1,500人以上の遠隔地スタッフを接続する必要があります。

各遠隔拠点の生産性を向上させるには、グローバルな製造および販売をサポートする企業アプリケーションに従業員がアクセスする必要がありました。ところが、多くの遠隔拠点ではフレームリレーやダイヤルアップ接続を利用していたため、企業システムにアクセスしてアプリケーションを実行するには速度が遅すぎる上に、高い費用がかかりました。

「南米やアジアなどの各拠点では、非常に低速でコストのかかる回線を使用していました。接続スピードは64 kbpsか32 kbpsしかなく、増大するトラフィックの需要に応えられるようなものではなかったのです」と話すのは、Black & Decker社でネットワーク サービス部長を務めるウィリアム トンプソン氏です。

遠隔拠点の多くは、独自の販売システムや製造システムを持っており、グローバルなデータを処理したり分析したりすることは不可能でした。それどころか、企業アプリケーションに接続する術をまったく持っていなかったのです。

世界的に事業を展開する多くの企業の例にもれず、Black & Decker社は、世界各地の拠点をオンラインで単一のグローバル アーキテクチャに集約することの有用性に気づいていました。しかし、国際拠点に必要な帯域幅を提供するには、多額のコストがかかるのではないかとも考えていました。国によっては、高速なフレームリレー接続を利用すると、米国に比べて10倍ものコストがかかる場合があったからです。

また、Black & Decker社が設定していた業務モデルでは、遠隔拠点は、各自でネットワーク サービスに投資する必要がありました。ところが、年間数百万ドルの売上しかない拠点では、アップグレードにかかる高いネットワーク費用を負担することは不可能でした。

こうした遠隔地のスタッフやオフィスのニーズに応えるため、Black & Decker社は、シスコのソリューションをベースとした仮想プライベート ネットワーク(VPN)を導入しました。同社が導入したVPNによる広域ネットワークは、公衆網(インターネット)を使って遠隔地の拠点やユーザを接続する私設ネットワークです。VPNでは、専用回線に代表される専用の接続を利用する代わりに、インターネット経由で本社の私設ネットワークと遠隔拠点を繋ぐ「仮想的な」接続を利用します。

Black & Decker社は、長年シスコのネットワーキング ソリューションを利用して良い成果が得られていることから、迷わずCisco VPN 3000シリーズ コンセントレータを採用しました。ネットワーキング チームは、まずオーストラリアとニュージーランドの拠点で試験的な導入を開始しました。シスコ製品をベースとしたVPNソリューションを導入したことで、従来のフレームリレー接続の数分の1の費用で各拠点をサポートすることが可能になり、より多くの帯域幅を供給できるようになりました。試験導入の成功を受け、VPNはすぐに世界中の拠点に配備されました。

当初のプランでは、VPNは既存のフレームリレー ネットワークを補うものとして、比較的規模の大きい国際拠点に段階的に導入される予定でした。ところが、VPNソリューションの効果が非常に高いことがわかったため、VPNはすぐに既存ネットワークに取って代わりました。

シスコ製品をベースとしたVPNソリューションは、今では欧州、南米、アジアのビジネスユニットやチェコ共和国の製造拠点などをサポートしています。各拠点は、Black & Decker社の主要なデータ センターへの伝送経路を複数持つよう設定されており、自動的なフェールオーバーや冗長性を実現しています。

Black & Decker社の例では、インターネットを利用したシスコのVPNにより、コストが大幅に削減され、ネットワーク パフォーマンスが飛躍的に向上しています。同社のPower Tools-Europeのネットワークだけを見ても、ネットワークの接続にかかる費用を年間10パーセント削減することができました。

「昨年から今年にかけて、欧州事業のネットワーク予算を10パーセント削減することができました。同時に、ネットワーク容量が4倍に増え、サービス品質が向上しました」と、トンプソン氏は話しています。

さらに重要なこととして、VPNのおかげで、製造、販売、ERP(企業資源管理)の各アプリケーションを世界中の拠点に完全配備でき、生産性の向上と意思決定の合理化が実現できたということが挙げられます。

同社の需要供給チェーン管理アプリケーション「Manugistics」にしても、今では南米とアジアの各拠点にまで拡張されていますが、かつてこれらの拠点は企業アプリケーションへのアクセスを持っていませんでした。「月に1,000[米]ドル足らずの費用で、[南米とアジアの]これらの拠点をネットワークに加えることができました」

Black & Decker社は、グローバルVPNの拡張と、音声・データ統合技術などの新しいテクノロジーの開拓を今後も継続することにしています。シスコ製品ベースのVPNが世界中に配備された今、同社の計画の大半はソフトウェアのアップグレードだけで実現可能です。

トンプソン氏は次のように語っています。「シスコは、新たな機能を次々と追加してくれます。ソフトウェアを使って製品をアップグレードできるということは、弊社にとって非常に重要なことです。シスコ製品の設置基盤があれば、ニーズの変化に合わせた新たな機能の導入が可能になると考えています」

ステイシー ウィリアムズ:米ユタ州ダッチジョンを拠点に活動するフリー ジャーナリスト

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