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新たな通信の時代へ移行を始めたサービス プロバイダー

新サービスでネットワークの集約や運営費用の削減、生産性の向上を目指すサービス プロバイダーとシスコの連携

2004年6月22日

通信サービス プロバイダーの世界は、大きく変化しています。昔からの電話サービスの利益率が縮小傾向にあり、サービス プロバイダーには、より採算性の高い、新たなサービスが必要になっています。また、従来のネットワークでは維持費が高くつき、インターネット時代における通信への対応も困難です。これらの問題に対処するために、シスコシステムズはサービス プロバイダーのお客様と連携し、サービス プロバイダーが自社のネットワークを変革し、採算性を高めるための技術や製品を開発しています。

先日、News@Ciscoでは、サービス プロバイダー マーケティング担当副社長のサミア パダイにインタビューを行い、通信業界の現状、将来、ならびにサービス プロバイダーの変革を支援するためのシスコの現在の取り組みについて、話を聞きました。

通信業界は、現在どのような状況にあるのでしょうか?

サミア パダイ:過去2年間は、財政規律がまさに業界全体の課題となっていました。しかし、キャッシュフローが改善している現在では、プロバイダーは新しいサービスによる収益および利益の拡大に着目するようになっています。コンシューマも、企業も、通信プロバイダーに対して数年前よりはるかに多くのものを求めるようになっています。単純なダイアル トーンやインターネット接続だけでは、まだ十分とはいえません。同時に、サービス プロバイダーでは、なんとかして運営費を継続的に削減させたいと考えています。その結果、通信企業にとって現在の最大の課題の1つは、お客様に革新的なサービスを費用効率良く提供する方法を見出すことになっています。そのような事情があるため、ほとんどのプロバイダーは、用途別にさまざまなものが存在していた旧来のネットワーク運営から、インターネット プロトコル(IP)とマルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)を基礎とした単一かつ共通のコンバージド ネトワーク インフラストラクチャを構築する方法に移行しようとしています。MPLSとは、ATMフレーム リレーなどのさまざまなタイプの通信プロトコルを変換して、IPベースのネットワークで処理するための技術を言います。複数のネットワークを集約させることにより、サービス プロバイダーでは運営費の大幅削減が可能になります。さらに、IP/MPLSネットワークへの移行により、音声、データ、動画といった、あらゆるタイプの通信を混合させ、お客様が求めるサービスに対応できるのです。

サービス プロバイダーのお客様を支援するためのシスコの戦略は?

サミア パダイ:我々の第1の目標は、サービス プロバイダーの完ぺきなパートナーとなることです。当社のパートナーとなっているサービス プロバイダーは、大手のキャリアや、通信改革法案(Telecommunications Reform Act)以降台頭してきた新規参入企業、ワイヤレス電話の企業、ケーブル事業者などです。事業形態はさまざまですが、これらのパートナーはすべて、インターネット、およびそれに伴うデジタル通信の成長によって拡大された、通信の需要および可能性に、それぞれのネットワークやビジネスを適応させなければならないという共通の課題を抱えています。

サービス プロバイダーが移行を進められるようにするために、当社では4つの分野に焦点を絞り込んでいます。まず、サービス プロバイダーが柔軟で、効率の良いパケットベースのネットワーク インフラストラクチャを構築できるようにします。それによって、運営費の削減が可能になりますから。同時に、企業カスタマーのニーズに対する当社の知識とIP/MPLSベースのネットワークに関する情報の蓄積の両方を提供することで、サービス プロバイダーが新しいサービスを提供できるようにします。このような新サービスにより、収益の増大と利益率の向上が期待されます。サービス プロバイダーのお客様との連携により、企業用ネットワーキングをご利用の当社のお客様とサービス プロバイダーを結びつけることもします。その際には、共同でのマーケティングやセールス トレーニングといったプログラムを活用します。さらに、サービス プロバイダーが、ベスト プラクティスやインターネットベースの技術を活用して運営の最適化を図るとともに、ネットワークを対象とした最新のサポート サービスの提供や、当社のチャネルを通じての流通の拡大を行えるようにします。

今後2年間で通信業界にとってもっとも重要な進展は何だとお考えですか?

サミア パダイ:我々が世界中のあらゆる規模の通信企業と行ってきた議論を基にすれば、3つの主要トレンドがあると思います。コンバージェンスとマネージド サービス、ブロードバンドですね。さきほど申しましたように、コンバージェンスへの動きがとても強くなっています。サービス プロバイダーは、現状の複数のネットワークからIP/MPLSを基礎とした単一のインフラストラクチャへの移行に着目しているのです。通信業界における他の大きなトレンドには、マネージド サービスもあります。サービス プロバイダーが売上と利益の増大を図る方法としては、これが主要なものとなります。マネージド サービスは、「接続性に付加されるもの」と考えていただいてけっこうです。マネージド サービスの一例としては、VPNやセキュリティ、ストレージ、IPテレフォニーがあります。企業や組織は、このようなネットワーク機能の管理をプロバイダーに委託するのです。このような管理委託の方法は、リソースに限りがある小規模の企業にとっては、とりわけ有意義なものとなります。その上、このようなサービスによって、組織は、同じネットワーク機能を自社で管理した場合に比べ、費用を半分程度に抑制することができます。

コンバージェンスやマネージド サービスと同じく、我々はブロードバンドの重要性が今後さらに高まり、最終的には、お客様が買うことのできる最高の通信サービスになると考えています。IPベースのネットワークが登場したことにより、電話接続は、独立したインフラストラクチャではなく、ブロードバンドのリンク上で行われるようになるでしょう。残念ながら、ブロードバンドや接続性は一般的に普及するものであり、通信企業の課題に対する「ソリューション」とはなりません。しかし、我々は、ブロードバンドはお客様を引きつけるための要素となる、と信じています。さらに、時間とともに、企業と個人の両方のお客様が、より高度で、より良質な帯域幅を求めるようになるでしょう。ですから、ネットワーク運営者は、このような帯域幅を提供するための、効率的な方法を見つけなければならなくなるでしょう。採算性を向上させるためには、帯域幅だけではなく、サーキットベースの電話ネットワークにおけるキャッチフォンや発信者番号通知サービスのような付加価値サービスや他の機能をもっとも効果的に提供するような方法も模索しなければなりません。ブロードバンドにはとても多くの可能性がありますが、サービス プロバイダーはビデオ電話やペアレンタル コントロール、マネージド ワイヤレスといったサービスに注目して、お客様に付加価値を提供するとともに、付加的な収益や高い利益率を獲得できるようになるでしょう。

最近発表された「Ciscoキャリア ルーティング システム(CRS-1)」は、変革の過程にあるサービス プロバイダーにどのような影響を及ぼすと考えていますか?

サミア パダイ:CRS-1は、サービス プロバイダー自体だけでなく、サービス プロバイダーが通信の新しい時代にうまく移行できるかどうかにも、大きく関わってくるものと考えています。世界中のキャリアは、コンバージェンスを進めており、ほとんどすべてのキャリアが、IP/MPLSが新たなインフラストラクチャの基盤になる、と認めています。CRS-1により、キャリアは、もっとも効率的で、費用効果の高い方法で自社のネットワークを統合させる手段を手に入れることができるのです。拡張性、信頼性および柔軟性という面では、これに匹敵するものはマーケットではありえません。CRS-1は、サービス プロバイダーのお客様のビジネスの基盤になりうるものです。そして私は、CRS-1を配備したキャリアは、運営の効率性とサービスの柔軟性により、競争上の優位を確固たるものにすることができる、と信じています。

今後の数年間では、通信業界では他にどのようなトレンドが起こると考えていますか?

サミア パダイ:本当に革新的なサービスやアプリケーションが、職場や、家庭や、店内や、あるいは病院の診察室に、幅広く浸透すると予想できます。今後数年間で、このようなサービスが、モビリティの「follow-me」機能やデスクトップ ビデオ会議、ICタグ(RFID)トラッキング、ユニファイド メッセージングとして一般に普及するのではないか、と私は考えています。さらに、さほど遠くない将来には、ブロードバンド接続が電気のコンセントのようにユビキタスなものとなり、今は想像さえされていないアプリケーションや通信機能を次々と生み出すようになっているかもしれません。

また、今後2年間のうちに、サービス プロバイダーはバックオフィスの改善やカスタマー サービスの管理に一層着目するようになり、インターネットベースの技術を活用して、ネットワーク機能と課金やプロビジョニングなどの管理を統合させるとともに、ワークフォースをより費用効果の高い方法で連携させるようになる、とも考えています。この領域は、まだ多くのサービス プロバイダーが注目しているわけではありません。これまで、サービス プロバイダーは、全体的なビジネス プロセスの生産性を向上させることより、機器の電力消費といったネットワーク運営面での問題を重要視してきたからです。その結果として、比較的早い段階で効率がかなり向上するという成果が上がっています。我々は、AT&T WirelessやTelefonicaなど、さまざまなサービス プロバイダーに協力し、これら企業のビジネスを「電子変革」させることによって、年間の運営費を数十億ドル規模で節約できるようにしています。そのために、我々は大規模なエンタープライズ環境向けに開発されたインターネットベースのアプリケーションをサービス プロバイダーの運営に適応させるようにしています。このような、サービス プロバイダーに全面的に対応する姿勢は、当社独自のユニークな取り組みの具体的な実証例となっています。強調しておきたいのは、サービス プロバイダーとシスコとの連携は、サービス プロバイダーとネットワーク機器メーカーとの連携ではなく、サービス プロバイダーとビジネス パートナーの連携である、ということです。

シスコシステムズ社について

Cisco Systems, Inc.(NASDAQ: CSCO)は、インターネット/イントラネットの基盤となるネットワーク関連機器を提供する世界的なプロバイダです。シスコに関するニュースならびに関係資料はhttp://www.cisco.comでご覧いただけます。

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