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シスコのIT部門、「Storage Networking World」の権威ある賞を受賞

第1世代ファブリック スイッチ30台から高ポート密度Cisco MDS 9509の4台に移行して、自社SANの統合を推進

2004年4月7日

ニック レーデン、News@Cisco

シスコのIT部門が、エンタープライズ規模のストレージ エリア ネットワーク(SAN)統合プロジェクトにより、「Storage Networking World」(SNW)の権威ある賞を受賞しました。賞の対象となったプロジェクトにより、シスコのストレージ管理関連費用は数百万ドル節約されています。

ノースカロライナ州リサーチ トライアングル パークにあるシスコの施設で発足したこの統合プロジェクトは、ComputerworldとStorage Networking Industry Associationが共同開催する教育的会議「SNW」で、「Systems Implementation」カテゴリーの「Best Practices in Storage Award」を受賞しました。2004年4月7日に授賞式が行われるこの賞は、ストレージ技術の優れた配備例を対象としています。

「今回の受賞は、我々のストレージのビジョンがまた1歩前進したことを示すものです。企業はシスコの技術を活用することでDASの束縛から解放されてSANに移行し、さらにデータセンター内ならびにデータセンター間でのSANサービスの共有にまで進もうとしています。当社のITチームを誇りに思うのはもちろんですが、他の企業もこのツールを応用して、統合による利点と費用節約を同じように実現できるのです」と、シスコのITインフラストラクチャ担当副社長ランス ペリーは述べています。

このプロジェクトは、シスコのエンタープライズ リソース プラニング(ERP)ソフトウエアで利用されるストレージ リソースの必要性が飛躍的に増大していることに対処するため開始されました。ERPは、同社のミッションクリティカルなさまざまなビジネス プロセスを管理するアプリケーションです。シスコでは最終的に、必要なストレージの容量が、ERPソフトウエアをサポートするだけで合計350テラバイト(TB)になり、データは18台のBrocade製スイッチと12台のMcData製スイッチで構成された、物理的に離れた位置にある11のSAN「アイランド」に分散して保存されていました。

スイッチのサイズが小さく、VSAN(バーチャルSAN)の機能も欠落していたために、やむを得ず構築されたSANアイランドのアーキテクチャには、2つの問題がありました。まず、アイランドごとに2つの管理ポイントがあったため、管理が困難になっていました。さらに、SANアイランド間でのストレージのオンライン化は、同じベンダーのスイッチを使っていても大変困難で、スイッチベンダーが違えばまったく不可能でした。アイランドを単一のSANに統合させるのは技術的には実行可能であっても、そのリスクは許容範囲を越えていました。また、あえて統合を行おうとすれば、ビジネス機能とストレージのタイプを分散させるというビジネス上のルールを破ることになるほか、さまざまなISL(インタースイッチ リンク)と管理機能の両方で性能ボトルネックが生まれる危険性がありました。

SANが11もあるため、各アイランドの利用度が60パーセント以下という非効率的な状態にもなっていました。TCO(総所有コスト)が1 MBあたり10セントと試算されていましたので、利用度の改善により1,400万ドル以上のROI(投資収益)が可能になっていました。

ERPアプリケーションはミッションクリティカルなものなので、22のファブリック スイッチで構成された11のSANアイランドから、1対1冗長機能を備えた2台のファブリック スイッチで構成された単一の640ポートSANへ、堅実な手法で移行されました。まず、従来のBrocade製スイッチの半分とMcData製スイッチをCisco MDS 9509マルチレイヤ インテリジェント ディレクタに取り替え、1対1冗長機能を備えたファブリック スイッチの半分が導入されました。ERPアプリケーションをこのような分割モードで2か月間使用したあと、残りのファブリック スイッチがCisco MDS 9509と取り替えられました。最終的には、6つのVSANが構築されました。

当初、シスコが競合ベンダーのスイッチを採用したのは、2002年に同社が伝統的なDASベースの環境からSANに移行したとき、SANスイッチを販売していなかったからです。現在では、16から224のFCポートにまで拡張が可能です。競合企業のディレクタクラス スイッチの2倍近くのポートを利用できるCisco MDS 9509により、VSAN機能を利用したストレージの統合が可能になっており、複数の独立したアイランド環境にも単一のSANファブリックで対応できるようになっています。

30台のスイッチで構成されたこれまでの環境から、ポートの容量が増え、VSAN機能を備えた4台のシスコ スイッチへ移行したことで、多くのメリットが生まれました。まず、アプリケーションのダウンタイムがまったくないままで、統合をすべて完了できました。利用度も大幅に増加しました。また、その結果として、ストレージの利用度は確実に増えているのに、2期連続でストレージを追加購入せずに済みました。22あった管理ポイントが2つに削減されたので、管理も簡単になりました。ファブリック スイッチのイベントは特定のVSANにしか影響しないので、影響を受けない環境では製造と開発を、物理的に同じインフラストラクチャに共存させることができるのです。

現在シスコでは、受賞対象となったこのプロジェクトの成功を受け、このプロジェクトと同様にCisco MDS 9509の高ポート密度とVSAN機能を利用したSANを使って、他のビジネス ユニットでもストレージの統合を進めています。シスコではこれまで、製造およびエンジニアリング部門のデータ センター内にあるすべてのSANネットワークで、82台のBrocade 製スイッチと69台のMcData製スイッチの取り替えを行ってきました。長期的には、多数の個別のSANではなく、単一の共有型ストレージ設備によって、各ビジネス ユニットのストレージへのニーズに対応していく予定です。

産業界およびストレージ業界のエキスパートで構成された権威ある選考委員会が、最終選考に残った100の候補の中からシスコをSNWに選出しました。SNWは、エンタープライズ インフラストラクチャをはじめ、データの管理およびセキュリティ、ビジネス継続、最新ストレージ技術に携わるITマネージャやプロフェッショナルを対象とした、最大規模の教育フォーラムとなっています。

ニック レーデン:ジョージア州アトランタ在住のフリー ジャーナリスト

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