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IPコミュニケーションの可能性、トロントのピアソン国際空港で広がる

シスコの包括的な音声、動画、データのインフラストラクチャで構築された新ターミナルは、施設内のあらゆる場所から有線および無線の両方でネット接続が可能

2004年3月30日

チャールズ ウォルトナー、News@Cisco

空港内通信の未来が、トロントで大きく広がろうとしています。

トロント ピアソン国際空港の管理会社である大トロント空港管理委員会(Greater Toronto Airports Authority: GTAA)は、4月にオープンする、44億カナダドルを費やした新ターミナルにおいて、あらゆる通信システムを対象としたインフラストラクチャを構築するために、包括的なエンドツーエンドのインターネット プロトコル(IP)ネットワークの開発をシスコシステムズに依頼しました。

このターミナルのネットワークは、IPをベースとした主要な業界最先端技術のショーケースとなるものです。ターミナルでは、マルチプトロコル ラベル スイッチング(MPLS)やバーチャル プライベート ネットワーク(VPN)、SONETサービスをサポートするオプティカル バックボーンが使用されているほか、多彩なワイヤレス インフラストラクチャも採用されています。新しいネットワークが配備されると、GTAAでは、複数の異なったシステムを、データ、音声、動画通信のための単一の通信ネットワークに統合できるようになり、キャパシティの増加や費用の削減、空港とテナントの両方での運営効率の改善が可能になります。

「我々の業界は急激に変化しており、我々は、さまざまな事業活動を行っているさまざまなテナントのニーズに効率的に対応していかなければなりません。14以上の異なった通信システムと無数のアプリケーションを、IPベースの単一で安全なローカルエリア ネットワークに統合することにより、かつて理想であったコンバージドで、モバイルな、統合型の通信が現実のものになったのです」と、GTAA の情報技術および通信担当副社長のジェームズ バーク氏は語っています。

トロント ピアソン国際空港はカナダでもっとも利用者数の多い空港で、2002年には2,590万人の旅行者がこの空港を利用しました。トロントの3つのターミナルには、65の航空会社が就航しています。

IPベースの新しいネットワークには、100台以上のネットワーキング スイッチ、1,000台以上のIP電話、1,000基以上のワイヤレス アクセス ポイントが含まれています。シスコは、空港用アプリケーションのスペシャリストであるSITA社と連携し、次世代のIPテレフォニー データ アプリケーションの開発も行いました。

有線および無線の包括的なIPネットワークにより、空港の管理企業やテナントは、施設内のあらゆる場所または施設の近辺からデータや通信システムにアクセスすることができます。

「シスコのワイヤレスLAN技術によって、きわめて移動の多い職種の人々にも情報を伝えられるようになっています。空港では、ずっと座ったままで仕事をしている人はあまり見かけません。みんな忙しそうに動き回っていて、ランプやエプロンにいる整備の人々や運営の人々に指示を送り続けています。ですから、“どこでも仕事ができる”という労働環境を実現する通信インフラストラクチャは、空港で働く人々が情報を獲得し、情報へアクセスできるようにするために、必要不可欠なのです」とバーク氏は話しています。

シスコのIPネットワーキング技術によって、共用ネットワークとして知られているものが実現され、施設内のあらゆるテナントが共通の通信インフラストラクチャを共有できるようになっています。このネットワークでは、空港やテナントが必要とする、多くのさまざまなシステムがサポートされるでしょう。IPネットワークの他の使用法としては、旅行者のチェックインとバゲージのトラッキングや、動画監視、電話サービスなどがあります。各テナントは、独自のプライベート ローカルエリア ネットワークを持ち、音声またはデータ、動画のアプリケーションを利用できるようになっています。

GTAAは、空港のネットワーキング インフラストラクチャを利用するすべての航空会社とその他のテナントに対処する、サービス プロバイダーとして機能します。あらゆるユーザーからのトラフィックは共通のインフラストラクチャ上を伝送されますが、GTAAでは、シスコのVPN機器や他の先進技術を利用して、有線および無線の両方のネットワークで全トラフィックの機密性と安全性を保護します。

新しい通信インフラストラクチャによって、空港や航空会社、その他のテナントは、ブースや旅行者搭乗ゲート、その他の設備の移動および再構成をこれまでよりはるかに簡単に行うことができるため、空港管理会社はテナントのさまざまなニーズに費用効果の高い方法で対応することができます。

シスコのIPネットワーキングにより、旅行者やバゲージ、ネットワークの安全性向上をはじめ、運用の効率および柔軟性の向上、経費の抑制、新たな収益機会の創出、ネットワークの信頼性増大といった多くの利点が、トロント ピアソン国際空港にもたらされます。たとえば、包括的な共有インフラストラクチャによって、トロント空港の旅客処理量はすでに15パーセント増大しています。

統合された通信システムは、追加の電話システムのような余分なネットワーク インフラストラクチャを構築する必要がないので、費用も削減されます。この方法によって、空港管理委員会とテナントの両方が、ハードウエアとサポートの経費を節約しています。また、空港内のあらゆる場所で共用ネットワークを活用できるようになったため、テナントは自身の通信システムを再構築する必要がありません。プラグインだけすれば、すぐに通信ができるのです。

トロントは、シスコの技術を採用したことによって、通信インフラストラクチャを改善した優れた空港の1つになりました。シスコのIPネットワークを利用しているその他の空港としては、ミュンヘン国際空港、アテネ国際空港、シドニー国際空港などがあります。

空港は、シスコがIPベース ネットワーク配備のために専用の製品やサービスでサポートしている4つの運輸部門の1つにすぎません。空港以外では、道路、鉄道および公共輸送機関、港湾が対象となっています。

つまり、陸・海・空で、IPコミュニケーションが利用されるのです。

チャールズ ウォルトナー:カリフォルニア州オークランドを拠点とするフリー ジャーナリスト

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