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放送局が IP に注力することで新たなサービスが生まれ、コストも大幅に削減

新しいテクノロジーは、放送局から視聴者への到達方法を変化させ、業界に多大な影響をもたらす

2003 年 12 月 5 日

ジェイソン デイン、News@Cisco

メトロ イーサネットを基盤とするネットワーク インフラストラクチャの浸透により、サービス プロバイダーは、数十万の加入者にビデオ トラフィックを送信できる、復元力に優れたテクノロジーを獲得しています。またこのインフラストラクチャの普及は、従来のケーブル ベースの放送局が取ってきた運営方法を変化させ、視聴者に新しい形態の TV を提供できるものと期待されています。

これまで CATV 事業者は、旧式のネットワークに関して問題を抱えていました。新しいサービス プロバイダーとの競争に直面しつつも、既存のネットワーク インフラストラクチャを簡単に放棄することもできず、ヨーロッパでは同期デジタル ハイアラーキ(SDH)、米国では光同期伝送ネットワーク(SONET)を介してビデオを送信しなければなりませんでした。

メトロ イーサネットは、この問題の解決に役立ちます。メトロ イーサネットによって、通信事業者は、データや音声通信で使用されているプロトコルと同じ IP を介してビデオを送信できるようになるためです。これによって通信事業者に必要なネットワークはひとつのみになり、運用効率が大幅に高まります。

もうひとつ重要な点は、メトロ イーサネットを使用することで、IP を介して効率的かつ高速なビデオ オン デマンドを実現し、信頼性、セキュリティ、アベイラビリティなどの利点も得られるということです。

しかし多くの放送局は、これまでのネットワークを廃棄し、メトロ イーサネットを選択するという方法を取ることはできません。

このためシスコシステムズ® では、Cisco® ONS 15454 マルチサービス プロビジョニング プラットフォーム ML シリーズ インタフェースなど数多くの製品を発表し、既存のプラットフォームで利用できる強力な IP ベースのツールを提供しています。

これらの製品は、レジリエント パケット リングクラス オブ サービス(CoS)、マルチプロトコル ラベル スイッチングなどといった標準的技術やコンセプトに基づいて構築されており、放送局が IP ベースの TV およびビデオ オン デマンド構造へと移行できるよう支援します。

これまでビデオは、時分割多重方式(TDM)ネットワークを介して送信されていました。このネットワークは、基本的に、リング状に配置された 2 本のファイバ ペア(片方はバックアップとして機能)を用いて、多数のアナログ通話を転送するために構築されたものです。

主な TDM ネットワークとしては、SDH と SONET が挙げられます。これらは双方とも、デジタル ビデオやデータ パケットなどの「バースト性」トラフィックの伝送に関しては、比較的効率が悪くなります。

たとえば SONET では、同じ信号を双方のファイバで送信する必要があるため、利用できる帯域幅のうち少なくとも 50% は、ほぼ常に浪費されてしまいます。SDH では帯域幅の再利用が可能ですが、それに応じた回線のプロビジョニングを行っている場合に限られるため、こちらも無駄が多くなります。

SONET や SDH では、すべての回線の帯域幅が固定されているため、帯域幅が不要な場合でも再利用することができず、バースト性トラフィックに柔軟に対応できません。メトロ イーサネット テクノロジーを利用した IP ネットワークの場合は、このような非効率的な側面に悩む必要はありません。

これまでは残念ながら、IP ネットワークの自己修復にかかる時間が、放送局の信頼性要件を満たしていませんでした。また、SDH や SONET から(統合マルチサービス ネットワークではなく)オーバーレイ IP ネットワークへと移行するコストも、非常に高いものでした。

それでは、IP の柔軟性に匹敵する方法はないのでしょうか。シスコのオプティカル ネットワーキング製品は、オプティカル層にパケット処理機能を追加することによってこれを実現し、オプティカル ネットワークに、IP ネットワークと同じ機能性を効果的に付与します。

つまり、非効率的な TDM ネットワークでビデオ トラフィックをストリーミングし、さらなるファイバ容量をバックアップに利用するのではなく、ネットワークが各パケットをその通過時にチェックし、次の動作についてインテリジェントに決定することが可能です。

ビデオ情報の場合は、この決定はおそらく、宛先に到達するまでの優先順位づけになります。

また CATV 事業者のネットワークでは、他のトラフィックも送信できるようになります。高トラフィックの間は、他のトラフィック(たとえばメールなど)をバッファしたり、Blaster ワームなどセキュリティ的にリスクが生じそうな場合には、これをブロックしたりすることもできます。

アクセス層でパケット処理を行うことで、CATV 事業者はネットワークを最大限に活用し、シスコ テクノロジーの CoS 機能を生かして、パケットを損失することなく、最小限のジッタで重要なトラフィック(この場合はビデオ)を確実に伝送できます。

これらのテクノロジーは、既存の機器を新しいマルチサービス オプティカル ネットワークに統合させ、イーサネットのサービス プロバイダーが持つ柔軟性をすべて実現することによって、従来の SDH および SONET ネットワークを使用している CATV 事業者に、IP ベースのサービスの提供を始めるチャンスをもたらし、同時にコストも大幅に削減できるようになります。 さらに、オプティカル ネットワーキングに関するシスコ製品とテクノロジーの幅広さによって、CATV 事業者は自社のビジネスに最適なアップグレード パスを選択できます。

この事実は、2003 年初めにアムステルダムで開催された International Broadcasting Convention において実証されています。この会議でシスコは、ネットワークに QoS(Quality of Service)を取り入れた場合と取り入れていない場合の双方について、IP 経由でのビデオ転送の違いを示しました。

パケット技術によって、オプティカル ネットワークで SDH または SONET とイーサネットを統合し、プロセスを効率化できることに加え、従来はあまりに高価になってしまったアプリケーションも、オプティカル インフラストラクチャを使用して構築できるようになります。

たとえば、イタリアの Fastweb、ノルウェーの Lyse Tele や Salten Bredbend、Dubai Internet City などのメトロ イーサネット サービス プロバイダーは、IP ネットワークを使用して、Web ページや通話をコード化したデータの転送と同じ方法で、視聴者の家庭へビデオをストリーミングしています。

つまり、視聴者はボタンのクリック 1 回でビデオをリクエストし、即座に自分の画面に配信させることが可能です。また、地元のビデオ店に足を運んだり、VCR のプログラムを作成したりといった面倒もなく、VHS テープや DVD などと同様に、ビデオの一時停止、再生、早送り、巻き戻しなどもできます。

ジェーソン デイン:スペインのバルセロナを拠点に活動するフリーライター

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