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広域ワイヤレスLANの展開で大幅な収益増 ― 最近の調査結果

WLANの使用で大規模組織では生産性が27%上昇、出費減は年間数百万ドルに

2003年11月12日

ステイシー・ウィリアムズ、News@Cisco

ワイヤレスLAN (WLAN)は、すでに身近なものになりつつあり、もはや「すごい!」という驚きの反応は弱まってきています。今では、組織は「エキサイト要素」から先に進んで、WLANは結果として大幅な生産性の上昇と収益をもたらすことを理解するようになりました。

効率性が高まる主な理由の一つは、WLANはその利用者が製造フロアにいるのか、病院の緊急治療室にいるのか、教室にいるのか、空港の待合ラウンジにいるのかにかかわりなく、あらゆるモバイルワーカーにとって効果的な媒体であることです。医師が有線接続機器を使うためにオフィスに戻るのではなく、診察室で患者のための書類作業をする便利さを考えてみてください。これは小さなことのようですが、1日に何十例もあるこのような便利さは、組織全体にとっては非常に大きな効率性を生み出します。

調査会社であるNOP World Technologyがシスコのために実施したカスタム調査「2003年ワイヤレスLAN利益調査」(今年11月発表)で、WLANが生産性を大幅に高め、特に機能的役割と部署の広いスペクトルにわたってWLANを展開する組織においてそれが顕著であることがわかりました。

この調査では、ワイヤレスLANを使用しているアメリカ国内の400を超える中・大規模組織の、エンドユーザとITネットワーク管理者に質問をしました。調査結果で特に注目すべきは、エンドユーザが生産性が27%も増大したと報告していることで、主な理由としてはWLANの使用で、以前より1日平均3.75時間長くネットワークに接続した状態していられることをあげています。

また生産性が増大傾向にあるのは、ユーザが職場あるいは自宅で、または旅行中にというように、都合のよい時間に都合のよい場所で働くことができることにもあります。この今回の調査は、職員が自宅で職務のためにワイヤレス ネットワークを使う機会が増えていることを示しています。また、空港ラウンジ、喫茶店、ホテルなどのエリアを移動中に、ホットスポットをかなりよく利用していることもわかりました。調査の回答者は、都合のよい時間に都合のよい場所で働くという高い柔軟性によって、職員1人につき1仕事日にほぼ80分の時間節約ができると報告しています。

調査結果はまた、ワイヤレスLANテクノロジーの展開を組織内の新たな部署に拡大してユーザを増やすことで、より高い収益を実現できることを示しています。中規模・大規模の組織でワイヤレスLANにアクセスする職員は、2001年の16%から現在ではほぼ25%に増えています。このWLAN展開の拡大と、報告されたように節約時間が増えたことで節約時間のドル換算額も上昇し、現在、職員1人あたり年間ほぼ1万4,000ドルに達しています。2001年には、7,000ドルをやや上回る程度でした。この調査に回答したITネットワーク管理者たちは、今後2年間のうちに自分が所属する組織では職員の50%がワイヤレスLANにアクセスすると予測しており、それらの組織は非常に近い将来、さらに大きな収益を実現するものと思われます。大規模組織では、この節約による出費減は年間で総額数百万ドルに達するでしょう。

WLANによる生産性の増大とコスト削減は、長時間の接続と、都合のよい時間に働くことができる柔軟性という 2 つの要因によって成り立っています。もう 1 つの要因は、精度の向上です。50%以上のエンドユーザは、WLANテクノロジーは起こり得るミスを小さくすると言っています。70%に上る医療従事者は正確さが著しく向上したと信じていますが、これは治療の直前・直後に患者の情報にアクセスしたり新情報を記録したりできることからくる決定的な利益です。製造業部門では、60%のエンドユーザが、自動データ収集によって在庫と仕掛品をリアルタイムで追跡することが可能になったため、精度が向上したと述べています。

NOP World Technologyの調査結果は、これまでの調査と同じく、ワイヤレスLANの導入は携帯機器の使用に依存していることを示しています。調査によると、ワイヤレスLANを持つ組織の80%以上は、主要なネットワーク アクセス プラットフォームとして、ノートパソコンまたはラップトップ コンピュータを使用しています。これらの機器にはワイヤレスLAN機能が組み込まれているものが多くなっており、組織にとっては今後さらにWLANテクノロジーが展開しやすくなるでしょう。調査結果によると、携帯情報端末(PDA)のユーザの50%が、内蔵されたIEEE802.11規格準拠のテクノロジーを使ってワイヤレスLANにアクセスし、また調査に回答したITネットワーク管理者の 5 人に 1 人が、過去 1 年間に購入したノートパソコンには全てワイヤレスLAN機能が組み込まれていたと述べています。

「テクノロジーはかつて競争上の優位性を保つための「必需品」と見なされていましたが、現在は、技術投資の必要性を理解すべきであり、テクノロジーはこれまで以上に明確な利益を生み出すものであるべきだという、現実的な考え方になっています」と、NOP World TechnologyのCEOであるリチャード・ジェームソン氏は述べています。「この調査は、コスト削減及びその他の無数の利益とワイヤレスLANソリューション展開とを関連づける具体的な証拠を示しています」

ワイヤレスLANが最初に登場したとき、明らかなメリットは素早い設定、綱を解かれた自由なワーカー、ネットワーキングの柔軟性、比較的低いコストでした。テクノロジーが成熟し、より多くの部署と機能的分野にわたるワイヤレス ソリューション展開へと拡大する組織が増えるにつれて、ワイヤレスLANの収益性もより明らかになりました。

ステイシー ウィリアムズ:ユタ州ダッチジョンを拠点に活動するフリー ジャーナリスト

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