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中東と北アフリカが世界最先端のネットワーク テクノロジーを開拓

2003年11月10日

ジェイソン・デイン、News@Cisco

ワイヤレス ローカルエリア ネットワーク(WLAN)の存在を知っている人は多いでしょう。発達し続けるテクノロジーで、忙しく移動する人が「ホットスポット」エリアで、無線で企業ネットワークあるいはインターネットにアクセスするために使われるものです。

それでは、広い地域全体にわたるワイヤレス メトロポリタン エリア ネットワークはどうでしょうか。これはSF世界のように聞こえるかもしれませんが、ヨルダン南部の港湾都市アカバとその周囲の375平方キロメートル以上をカバーするアカバ経済特別区では、すでに現実のものになっています。

アカバ経済特別区では、指向性高利得八木アンテナを使用するCisco Aironet 350 シリーズのワイヤレス ブリッジによって、8つの主要ハブの間を転送速度11Mbpsでリンクしていますが、それを可能にしたのは安定した大気条件と、数キロメートル先まで何も遮るものがない平坦な地形です。

「以前は国際空港、市の中心部、埠頭、政府の税務課ビル、国境通過点などの場所は、全て「島状ノード」だったのです」と、アカバ経済特別区オーソリティー(ASEZA:Aquaba Special Economic Zone Authority)の経営情報システムディレクターであるオマール・カワス氏は語ります。

「ローカル テレコミュニケーション インフラストラクチャによってそれぞれの場所を接続する費用よりも、ワイヤレスの総所有コストのほうが低かったので、ワイヤレスを選びました。それにワイヤレスのほうが素早く展開でき、より広い帯域幅と安定性が得られ、当機関ネットワークの物理トランスポート層の所有権を得ることもできます」

ワイドエリア ネットワークでのワイヤレス使用はまさに先駆的ですが、中東・北アフリカで画期的なテクノロジーが使われているケースはほかにもたくさんあり、これはほんの一例にすぎません。例えば、この地域は非常に印象的なIPテレファニープロジェクトの本拠地でもあります。

またヨルダンでは、100万近い顧客を持つ同国有数のモバイル サービス プロバイダであるFastlinkが、シスコのテクノロジーを使って、同社の新しいIP Contact Center(エージェント数: 約200)に入ってくる1日6万5,000以上の通話に対処しています。

FastlinkのIPコンタクトセンターで使われている基盤テクノロジーは、シスコのプラットフォームであるAVVID (Architecture for Voice, Video and Integrated Data)です。AVVIDはまた、7億5,000万米ドルを投じたエジプトのCitystars Heliopolis開発において、この地域では最大規模のIPテレファニープロジェクトをサポートしています。

Citystarsは15万平方メートルの小売店・レジャー集合施設、7万平方メートルの特設オフィススペース、266棟の高級集合住宅、2万平方メートルの国際エキシビションセンター、3つの国際級ホテルで構成されています。シスコのAVVIDを利用して、全施設に最新のIPコミュニケーション サービスが備えられています。

同様の先端技術が、この地域におけるもう一つの大規模IT開発を作動させています。ドバイのInternet Cityは世界最初の完結した情報技術・テレコミュニケーションセンターで、自由貿易区内に建設されています。Internet Cityはシスコの機器を使って、企業・一般住宅向けの音声、ビデオデータの運用管理サービスのために、10Mbpsからギガビットイーサネットまでの転送速度で、次世代型のメトロ イーサネットをベースとしたブロードバンド接続性を提供しています。

シスコの北アフリカ・レバント(地中海東部沿岸諸国)地区担当オーぺレーション・ディレクターであるヤセル・エルカディーは、「これは間違いなく、この地域で最も意欲的なローカルエリア ネットワーク展開の一つであり、集約的なネットワークの提供における当社の経験をもとにこの開発に関わってきたことを、私たちは誇りに思います」と語っています。

この地域では、ASEZA以外にも、いくつもの注目すべきワイヤレスが展開されています。ドバイでは最近、Fairmountホテル系列の豪華な新ホテルがオープンしました。このホテルは、全寝室が電話線を使ったイーサネットによる高速ブロードバンド接続性を持ち、またロビー、カフェ、コンファレンス スイートなどの公共のミーティングエリアで、信頼性の高いワイヤレス インターネット サービスにアクセスできます。

クウェートのKempinski Julai'ホテル&リゾートも、同ホテルのビーチ・レストラン・スパ施設、及び133のシャレ―と客室の全エリア(総面積3万7,000平方メートル)で、WLANへのアクセスとダイアルアップ及びイーサネット接続性、インタラクティブテレビなどを提供することで、同様のサービスを展開してきました。

営利企業と同様、中東・北アフリカの政府機関も新技術の導入に意欲的です。ASEZAのワイヤレス展開のほかにいくつかの電子政府構想もあり、例えばバーレーンでは、Bahrain Telecommunications(Batelco)により、シスコのMetro Ethernet Switchingポートフォリオの機器を使って次世代型のビジネス ブロードバンド接続性を提供するプロジェクトが進められています。

この電子政府構想では、Batelcoはバーレーン政府の全省庁を高速ブロードバンド ネットワークに接続し、また営利団体が現在のワイドエリア ネットワーク接続性からギガビット イーサネットに移行するのを支援することになります。

このようなプロジェクトが重大な影響を及ぼすと思われる分野はたくさんありますが、その一つは教育です。多くの北アフリカ・中東諸国では人口が大きく分散しており、土地の制度により男女別々の学校教育が行われているところも多いからです。

例えばビデオ会議などのシスコのテクノロジーは、女子生徒が男子生徒と同じ水準の教育を受ける機会を多くし、中東・北アフリカ諸国が地域の文化的な一貫性を維持しながら、より大きなスキル資源で経済を強化するのに一役買っています。

ドバイのDubai Womens' College(DWC)は、この分野で陣頭に立つ教育機関の一つであり、United Computer and Management Consultancyと共同で、シスコの最新のIPネットワーキング テクノロジーを使って先進的なeラーニングサービスを行っています。

DWCはeラーニング プロジェクトのためにキャンパス全体をカバーするネットワークを構築し、学生と教職員に高速電話線・ワイヤレスインターネットへのアクセスを提供してきました。同カレッジは、この構想からただちに利益を受けることができました。学習目的のインターネット使用が増大し、管理費が減少し、インターネットで学生と講師のパフォーマンスをモニターできるようになったのです。

「高速インターネットへのアクセスとネットワークの信頼性を約束できなければ、eラーニングを論じることはできません」と、DWCの理事長であるハワード・リード博士は言います。

シスコのGulf Cooperation Council及び新興成長市場向けオーぺレーション・ディレクターであるガージー・アタラー(Ghazi Atallah)は、「公共セクターでも民間セクターでも、この地域全体に共通しているのは、新しいテクノロジーを導入して、より高質のサービスをより低いコストで提供したいという明確な願望です」と述べています。

「この地域の多くの国がレガシー・インフラストラクチャを軽んじてきたという事実は、当社が携わって実施しているのは、ほとんどの場合、技術開発の最先端を行くものであることを意味します。最新のネットワーク アプリケーションを探すには、今ではここが最適の場所です」

ジェイソン デイン:スペイン バルセロナ市を拠点に活動するフリーライター

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