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シスコシステムズ、非営利団体にITのメリットを提供

2003年9月3日
テリー モース、News@Cisco

グローバル企業は常に、社員の生産性のレベルを上げる方法を模索しています。ただでさえ予算が厳しい上に、さらに多くの要求が加わり、その作業負荷を処理する人員の数が減少している現在、生産性の向上は企業にとって不可欠となっています。創造力のある企業は、ワークフロープロセスの合理化、レポート機能の向上、在庫管理の自動化など、あらゆるニーズに対応するため、テクノロジーやインターネットを活用しています。

実は、非営利団体も同じニーズを抱えています。現在多くの非営利団体が、営利企業と同様に、テクノロジーの採用によって生産性の向上に努めています。非営利事業における新しいカテゴリ、「e-ノンプロフィット」は、革新的なテクノロジーをうまく活用することによって利益を生み出します。e-ノンプロフィットを語る際には、熱心な活動と決断、そしてスタッフについての説明を欠くことはできません。

シスコシステムズは、技術的ボランティアや知識伝達という形で、資金供給、ボランティア活動、商品などを通じ、テクノロジーのもたらす生産性の向上を非営利団体に積極的に紹介しています。シスコの社会奉仕プログラムは、インターネットテクノロジーの利点を生かすことにより、生産性向上とコスト削減を達成できるよう精力的に取り組むという点で、同社のビジネス戦略を忠実に反映するものとなっています。これは非営利団体にとっては、適切なテクノロジーの活用を通じて、寄付を促進し、コストを削減することを意味します。独自のテクノロジーに関する専門技術を分かち合いたいと願うシスコは、安定した国際社会を築くために、教育、知識伝達、戦略的計画といった目標を掲げています。

サンタクララ/サンマテオ郡のセカンドハーベストフードバンクをテクノロジーにより支援

現在進行中の成功事例としては、サンタクララ/サンマテオ郡のセカンドハーベストフードバンクのケースが挙げられます。民間の非営利団体であるこの食糧銀行は、毎年2,600万ポンドに上る食糧を集め、その配布や調理、提供を行う代理機関や、特定の受取人に直接配送を行なう配送拠点に向けて分配しています。フードバンクは現在、1か月につき平均16万7,200名の低所得者に向けて、食糧を供給しています。

大量の情報を管理し、追跡することは、当然膨大な作業となります。フードバンクでは、財務/会計、在庫管理、開発(資金調達)、給与支払いなどのシステムを導入していましたが、こうした個別のシステムを統合させる必要があることは明らかでした。既存のソフトウェアシステムの多くは、相互に通信することができませんでした。

2年前、7名のシスコフェローが同行のチームに加わり、ネットワーク内のシステムのアップデートと統合に取り組むことになりました。「Cisco Community Fellowship Programにより、当行は既存のテクノロジーを再検討し、アップデートを行う機会を得ました。これはケーブリング配線に始まり、サーバ、ルータ、ファイアウォールなどのハードウェア、そしてサーバルームそのものにまで至りました」と、フードバンクのエグゼクティブディレクター、デーヴィッド A サンドレット氏は語ります。「また当行では、これまでに購入したソフトウェアを新バージョンへとアップグレードし、これにより統合が可能となりました」。

シスコフェローは、新しいソフトウェアの統合機能を使用可能にするため、ブリッジコードを開発しました。また、財務モジュールを含む在庫管理システムもアップグレードしました。「私たちがアップグレードした財務システムは、給与支払いシステムとリンクしており、この給与支払いシステムは、人事システムもサポートしています」とサンドレット氏は付け加えています。

もうひとつの改善点は、フードバンクのサービス照会システムであるFood Connectionでした。これは、ユーザの郵便番号を入力すると、食糧が提供される最寄の代理機関を照会してくれるというシステムです。「これまでは、呼び出し側のプロフィールを入力し、応答を返すまでに、最長で4分間かかっていました」とサンドレット氏は明かしています。「システム改善の結果、今や応答には30秒しかかかりません。Food Connectionへの呼び出しは、通常の休暇期間中には2倍になりますが、この改善のおかげで、臨時社員を増やす必要がなくなりました」。

こうしたプロジェクトの遂行により、フードバンクは毎年、約200万食相当のコストを削減することが可能となっています。新しいFood Drive統合データベース、代理機関からのオンラインによる食糧発注など、業務プロセスのさらなる改善により、生産性がいっそう向上し、コストの削減につながるものと思われます。「これもすべて、シスコの支援によるものです」。

「ここ1年半の間、当行のサービスへの需要は40%も増加しています」とサンドレット氏は語ります。「シスコと協力することによって、『テクノロジーの開発や共有により、人々が恩恵を受けられる』という点に関して、私たちの理念が同じであることがわかりました」。サンドレット氏は、他の食糧銀行からも同行の統合ソフトウェアを利用できるようにしたいと考えています。つまり、他の食糧銀行が在庫管理/財務にNavisionを、資金調達にRaisers Edgeを使用している場合、そのシステムを操作して、データを共有することができます。サンドレット氏は、こう付け加えています。「これは、テクノロジーの強化が、現実的な利益をもたらした実例です。実に素晴らしいことです」。

ワンエコノミーの課題はBeehive Webサイト

情報へのアクセスを向上させることで低所得者層を支援するワンエコノミーコーポレーションも、シスコの技術的ノウハウを活用したe-ノンプロフィットの一例です。ワンエコノミーは、コンピュータやインターネットアクセス、インターネットトレーニング、Webベースのサービスなどを提供しています。ワンエコノミーの目標は、人々が生活水準を向上させ、貧困から脱却できるよう支援するために、テクノロジーの可能性を最大限に活用することにあります。

シスコのスタッフとワンエコノミーは、デジタル時代以前の人々もコミュニティに参加してもらえるよう、家族や近隣住民と協力しました。人々がインターネットリソースを活用できるよう支援することで、シスコとワンエコノミーは全国にわたって、手頃な値段での住宅供給、メール、新しいライフスキルを提供しています。ワンエコノミーの利用者向けWebサイトであるBeehive.org(www.theBeehive.org)は、主に金融、教育、仕事、家庭、医療、政府サービス、住宅保有などに焦点を定め、製品やサービスに関する情報を提供しています。

e-ノンプロフィットモデルが多くの利点をもたらす

シスコは多くの組織と協力し、ネットワーキングテクノロジーや知識伝達によって恩恵を得られるよう支援してきました。テクノロジーによって非営利団体を支援するという世界的なアプローチには、在庫管理、人事、給与支払い、財務および資金調達などが含まれています。「e-ノンプロフィットモデルは、生産性向上、コスト削減、QOS向上など、さまざまな利点をもたらしますが、こうした利点はすべて、ネットワーキングテクノロジーが企業顧客に提供できるものと同じです」とシスコシステムズ基金のエグゼクティブディレクター、ピーター タベルニズは語っています。「私たちは常に、企業顧客に対してと同様に、非営利団体のニーズに対応し、有益なビジネス・ソリューションを提供する方法を模索しています。同時に私たちは、非営利部門において次に必要となるものは何であるかを自問しています」。

タベルニズは次のように続けます。「シスコでは、パートナー組織とともに、e-ノンプロフィットの意義を探求していますが、私たちが最初に学んだことは、そこにはインフラストラクチャの構築、ツールの統合、Webベースアプリケーションの活用などが含まれるという点でした。たとえば私たちは、インターネットテクノロジーが非営利団体にとって費用効果が高く、使い勝手もよいため、多くのボランティアやスタッフが容易にシステムを活用でき、そして最終的に、サービスを受ける側にとっても有益であるということに気付きました」。

シスコシステムズ基金は現在、e-ラーニングプログラムとe-ノンプロフィットプログラムに取り組んでおり、組織にテクノロジー、資金、リソースを提供しています。テクノロジーやインターネットの成長が全世界のビジネスの方向性に影響を及ぼしているように、非営利の世界においても、強力な影響を及ぼしつつあります。

テリー モース:ワシントン州シアトルに拠点を置くフリーライター

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