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過渡的状況にある人々と社会をつなぐ:シスコのVoIPテクノロジーにより、優れたアイディアをさらに向上

2003年9月8日
ジェニー カーレス、News@Cisco

エイミーは、家庭内の暴力的な関係にがんじがらめになり、そこから逃れることは不可能だと感じていました。この一因としては、助けを得られそうな人に連絡を取るための安全な手段がなかったことが挙げられます。エイミーは、もし以前からコミュニティボイスメール(CVM)を利用していれば、何か月も前に家を出ていただろうと語っています。

エイミーのような状況は珍しくありません。多くの家庭内暴力の被害者は、特に子供が巻き込まれているような場合、避難するために計画を練る必要があります。そのような計画は、弁護士や教会、家族などと連絡を取ることができなければ不可能です。しかも家庭で電話をかけたり、受けたりするのは安全ではありません。

CVMは、エイミーのような家庭内暴力の被害者や、ホームレス、危機に瀕した人々、過渡的状況にある人々などに対して、周囲の世界との失われたリンクを提供し、その結び付きを維持できるようにしています。このプログラムは、こうした重要な活動を実施していることにより、シスコシステムズ基金からの補助金という極めて重大な支援を得ています。シスコシステムズ基金は、ハイテク革命を地域社会のあらゆるレベルの人々にまで浸透させるための支援を行っています。

10年にわたるエンパワーメント

非営利団体であるコミュニティボイスメール(CVM)は、10年間にわたって、電話を持たない人々に24時間無料で個別のボイスメールを利用してもらうというサービスを提供しています。コンセプトは非常にシンプルですが、CVMが過渡的もしくは危機的な状況にある人々に与えている力は甚大です。

米連邦通信委員会によると、米国内で電話を所有していない世帯は500万を上回り、しかもこの数字には、常に300万を超えると予測されるホームレスの数は含まれていません。電話に大きく依存している現代社会において、過渡的状況にある人々は社会から置き去りにされてしまいます。固定電話番号のない状態で、仕事の面接や病院の予約を取り決めることは極めて困難です。

CVMは、こうした人々とチャンスを結び付ける支援を行っており、現在、全米37都市の約2万4,000名に上る人々にサービスを提供しています。登録は無料で、設定には3分足らずしかかかりません。各ユーザは、個人用のボイスメールボックスを割り当てられ、自分の声で応答メッセージを録音すると、ボイスメールボックスが稼働を始めます。

典型的なユーザのサービス使用期間は、約4か月間です。2002年には、求職中のCVMユーザの50%が仕事を確保し、ホームレスのCVMユーザの65%が住居を見つけました。「私たちは、電話のない求職者のうち、CVMを利用している人と利用していない人の仕事獲得率を比較していますが、仕事を見つけるまでの期間に関しては、驚くほどの違いが生じています」と、CVMのエグゼクティブディレクター、ジェニファー ブランドン氏は語っています。

またこのサービスは、医療提供機関に予約を入れる際にも役立っています。「このサービスにより、医療スタッフや友人、家族との連絡を保つことができ、人生の新たなスタートを切ることもできます」と、かつてのCVMユーザであり、ガンを克服したジニーは述べています。

優れたアイディアをさらに向上

先日シスコシステムズ基金はCVMの本部に対し、5年間で250万ドルという、過去10年間のCVMの歴史において最大の補助金を提供しました。シスコシステムズ社もCVMプロジェクトのために、5万4,000ドルの設備と、年間3万2,750ドル相当の事務所スペースを提供しています。こうした資金やリソースにより、CVMは電話システムをCisco Unity Voice over Internet Protocol(VoIP)テクノロジーへと移行させ、米国で最も人口の多い上位50都市にサービスを拡大するための第一歩を踏み出すことができます。

Cisco Unityは強力な統合コミュニケーションツールであり、ユーザが電話でメールの内容を聞いたり、インターネットからボイスメッセージをチェックしたり、ファックスを転送させたりといった、数々の機能を備えています。

CVMはCisco Unityを使用して、電話システムを一元化する予定です。全米の37か所の拠点に置かれた、独立したボイスメールシステムを排除することにより、管理コストや技術コストを大幅に削減することができます。「新しい拠点の立ち上げには、資金調達、スタッフのトレーニング、機器の導入などのために、1年間もかかっていました」とブランドンは説明しています。「新しいUnityシステムにより、今後はわずか数か月で立ち上げられるようになります」。

新しいシステムは、各拠点の作業負荷を年間で20%削減し、新規拠点の立ち上げ期間を75%短縮させ、ユーザ登録を最大で50%増加させるものと予測されています。CVMは、2007年までに年間で約6万5,000名のユーザにサービスを提供するという目標を掲げていますが、これらの改善は目標の達成に欠かせません。

「CVMは、この国の貧困とホームレスの問題を終結させるために役立つ、重要なツールを提供しています」と、シスコシステムズ基金のエグゼクティブディレクター、ピーター タベルニズは語っています。「そしてこれは、シスコがこの種の重要な活動を支援するために、資金、スタッフ、その他のリソースなど、持てるものすべてをいかに提供しているかを示す好例と言えます」。

チームワーク

CVMがシスコから得た支援は、製品、資金、場所に留まりません。そこには、スタッフも含まれています。シアトル(CVMの拠点があります)のシスコのオフィスから、40名を超えるシスコのスタッフが、進んで時間と専門技術を提供し、製品開発、技術刊行物の作成、設備面など、さまざまなプロジェクトを支援しました。こうしたスタッフは、CVMのスタッフと直接協力し、Unity製品をCVM独自のニーズに合わせてカスタマイズし、全国的な分散モデルを導入して、CVMが効率性を大幅に向上させ、コストを削減できるよう支援しています。

「シスコチームに関しては、いくら申し上げても足りません」とブランドンは力説します。「CVMのスタッフは、シスコチームが提供してくれたテクノロジーと、それがユーザにもたらすメリットを、非常に喜ばしく思っています」。

テクノロジーを使用して人間の基本的要求を満たし、市民としての責任ある行動を促し、非営利団体における革新を促進することは、シスコシステムズ基金の社会奉仕活動の要であり、このCVMとの連携は素晴らしい組み合わせと言えます。CVMを支援してそのシステムをVoIPへとアップグレードすることで、シスコとCVMの協力関係はさらなる前進を遂げており、人々が長期にわたるホームレス状態や失業状態を回避し、あるいは家庭内暴力から避難し、より自立した存在になれるよう、手助けをしていくことができます。

ジェニー カーレス:カリフォルニア州サンタクルーズに拠点を置くフリーライター

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