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ボストン公立図書館、歴史ある建物を保存しながらワイヤレスアクセスの提供を実現

2003年8月22日
ステイシー・ウィリアムズ、News@Cisco

ボストン公立図書館
カスタマー事例概要

ボストン公立図書館では、ネットワークセキュリティの確立と歴史ある建物の保存を両立しつつ、ワイヤレスインターネットのアクセスを利用者に拡大することを考えていました。

シスコのワイヤレス製品を基盤としたワイヤレスネットワークの採用により、無料で利用できるアメリカ初の大規模市立図書館という歴史的なたたずまいを残しながらも、ボストン公立図書館の利用者に最先端のワイヤレスサービスを提供することが可能になりました。

伝統文化の砦とも言われる図書館。何十年にわたり、公立の図書館で検索するといえば、いくつものケースに入った紙製のカードをパラパラとめくっていくことを意味していました。しかし現在、公立図書館はハイテク技術のオアシスへと生まれ変わり、高機能のインターネット検索を利用し、ネットワークを通じて情報を見つけることのできる場所となってきました。

ボストン公立図書館(Boston Public Library:BPL)は、その代表的な例です。この図書館は、昔からの伝統と新しい技術を融合し、歴史を温存しながらも、利用者によりよいサービスを提供する方法を見出してきました。1848年に設立されたBPLは、無料のサービスを提供しているアメリカで最も古い大規模市立図書館で、その建物は今や国の歴史的建造物に指定されています。BPLは公立図書館サービスにおける先駆者の役割のひとつとして、シスコのネットワーキング機器を使用した最先端のワイヤレスインターネットアクセスを提供しています。

「BPLの由緒ある建物の外観からは、シスコのワイヤレス技術の中でも最新のものが備えられているとは、とても信じられません」と、BPLのシステム担当職員カロリン・コールター(Carolyn Coulter)は語っています。

シスコの新しいワイヤレスネットワークを導入する際、BPLにはいくつかの目的がありました。そのリストのトップにあったのが、有線のパソコンによるインターネットアクセスを、最小限の待ち時間で図書館利用者に提供することでした。利用者が館内で自分のワイヤレス機器を使用してネット上の情報にアクセスしたりダウンロードすることを可能にすれば、館内に備えられた有線の機器を、それ以外の利用者に無料で開放できることになります。図書館にとっては館内のネットワークスイッチのロードを節約でき、利用者に対しては、利用しているネットワークのポートに関係なく館内のどこからでもインターネットにアクセス可能な環境を提供できるようになるのです。

BPLは、この案が固まるとすぐに単にインターネットアクセスポイントを整備するというよりはワイヤレスネットワークを構築するものであるとと判断しました。史跡に対して改築等を制限する連邦政府の厳格な指令への対応に加え、子どもたちを不適切なサイトの閲覧から守るために、大人と子どもに別々のアクセスを確保する必要があったからです。また、利用者がスタッフのネットワークに入り込めないようにすることも重要な懸案となっていました。

そこでBPLが、セキュリティを維持し完全性を構築しながら、図書館のワイヤレス化を実現したいと依頼したのが、シスコのゴールドパートナー、ディメンション・データでした。「我々の最大の課題は、スタッフ対利用者の問題と、子どもたちにどうやって政府が指定したプロキシフィルタを利用させ、不適切なサイトにアクセスできないようにするかということだったと言えるでしょう」BPLのプロジェクトを担当したディメンション・データの技術者、デイヴィッド・グーリー(David Gourley)は、こう説明しています。

大規模病院にワイヤレスネットワーキングソリューションを提供、イギリスの銀行で電話回線を利用したアクセスを確立、そして一般消費財を扱うある大企業のためにモバイル販売用のオートメーションアプリケーションを提供するなど、その実績を見れば、ディメンション・データはBPLにとって確かな選択だったと言えます。シスコのゴールドパートナーの認定を受けていたことが、ディメンション・データが必要不可欠なネットワーキング技術を有し、シスコのサポートを受けているという保証を図書館に示していたことは言うまでもありません。

ディメンション・データは、要件の検討や効果的なソリューションの計画・設計、そして導入までを実施するにあたり、自社が開発したPrimer方式を採用しました。最初の課題は図書館の立地を調査して、地形的な基盤や館内のインフラを分析し、見落とされた地域や信号の弱いポイントはないかを確認することでした。「これによって、設置した機器を後で動かしたり、交換したりする必要がないことが保証されました。費用も大幅に節約でき、頭痛の種もなくなりました」とコールターは述べています。

建物の見た目の美しさを守ることも最優先事項でした。すべてのワイヤレスアクセスポイントは、建物の従来の外観を損なわないように隠す必要がありました。また、この図書館は他の建物からわずか50~60フィートしか離れていない都会の環境にあるため、信号パスは他のワイヤレスネットワークに支障をきたさないように注意深く配置される必要がありました。

ディメンション・データは、最適なアクセスポイントを特定した後、セキュリティ問題の解決に着手しました。シスコのインテリジェントサービスにより、BPLの技術スタッフやシスコ、さらには他のメーカーとの共同作業が可能になり、VLANs(virtual local area networks バーチャルLAN)を使用してそれぞれに適切なセキュリティおよびアクセスレベルを確立することで、公共のワイヤレスネットワークからスタッフのプライベートネットワークを切り離すことを可能にしました。

館内のワイヤレスネットワークにより、BPLは利用者へのサービスをシームレスなワイヤレスネットワークの形で提供できるようになりました。自分のワイヤレス機器を持っている利用者は、館内のどこからでもインターネットに接続でき、自分のワイヤレス機器を持っていない利用者に有線のコンピュータを開放することができるのです。

図書館とディメンション・データは、初期段階終了後、このワイヤレスサービスを図書館という枠の外へと拡張し、利用者がBPL内にいなくてもインターネットに接続できるようにする作業に取りかかろうとしています。実現すれば、図書館の近くに座り自分のノートパソコンやその他のワイヤレス機器で検索したり、情報をダウンロードしたりすることが可能になります。

現在では、毎年BPLを訪れる220万人もの利用者は、目的にかかわらず、必要なものを手に入れることができます。それは、素晴らしい雰囲気の中で読書するための静かな場所かもしれませんし、類まれな芸術や建築を眺めることかもしれません。静かなスペースでインターネット上の研究資料を検索したいという人もいるでしょう。そうした一切を、従来のネットワークにコードでつなぐことなく手に入れることを可能にしたのです。図書館の目録を使用しての検索を行いたければ、それも可能です。

コールターは、無料のワイヤレスサービスと、幅広い層の利用者にサービスを適用する能力は、BPLにとって誇りの源だと述べています。この図書館は、自らを伝統と技術の交差点と位置付けており、新しい方法による利用者への情報提供や、ケーブル接続にかかる費用の節約などを、歴史的に貴重な19世紀の建物を守ることと両立しながら実現してきたのです。

ステイシー・ウィリアムズ:ユタ州ダッチジョンに拠点を置くフリー・ジャーナリスト

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