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IP テレフォニーで通信環境の改善と成長の加速狙う、南アジアの新産業企業

2003 年 7 月 18 日

インドの通信インフラストラクチャは急速な発展を見せており、それに伴って規制面でも変化が現れています。そのため、マーケットでは、新しい形態のコンバージド コミュニケーション アプリケーションが受け入れられるようになっており、IP テレフォニーがとりわけ高い注目を集めています。10 億以上の人口を擁しているものの、100 人あたり 4 本の電話回線しかない(International Telecommunications Union 調べ)インドには、最新の音声技術がまさに最適であるといえるでしょう。Cisco India は、この進化の過程にあるマーケットの中心で、政府とビジネスの両方のリーダーに、IP テレフォニーと音声およびデータのコンバージド ネットワークがもたらす潜在的メリットをアドバイスしてきました。

インドとともに、バングラディッシュやブータン、モルディブ、ネパール、スリランカで構成される SAARC(South Asian Association for Regional Cooperation:南アジア地域協力連合)地域でもシスコのマーケティング活動の責任者を務めている Ranajoy Punja は、上記のような IP テレフォニーの普及を促進する活動に取り組んでいます。先日、News@Ciscoでは、Punja へのインタビューを行い、 なぜインドと南アジアが IP テレフォニーのブームのさきがけとなっているのか、およびそのブームが同地域のシスコの活動にどのような意味があるのか、を訊ねてみました。

なぜ、南アジアでIP テレフォニーの人気がこんなに高まっているのでしょう?

Ranajoy Punja:インドや他の南アジア諸国の企業は、「intelligent networked organization (インテリジェントなネットワークを持つ組織)」というコンセプトを正しく理解し始めています。ネットワーク機器を通じて数台のコンピュータを接続し、プリンターやファイルなどのリソースを共有することがスタートだったのですが、急速な進歩をみせ、企業規模のマルチサービス LAN(ローカルエリア ネットワーク)にまでなったのです。時間の経過とともに通信インフラストラクチャ全体も向上されるようになると、やがてWAN(ワイドエリア ネットワーク)が組織内部の通信のバックボーンとなり、現在では、 WAN は企業のネットワークでは欠かすことのできないものとなっています。地域全体を通じてインターネットの導入が急速に進んでいるため、我々は、企業が現在積極的に求めているのはVPN(バーチャル プライベート ネットワーク)であると考えています。

しかし、企業はデータ ハイウェイの構築にかなりの投資を行ってきた一方で、既存の音声インフラストラクチャへの投資もこれまでずっと続けてきました。さらに、銀行業務や企業規模の統合、社員管理の自動化を促進するネットワークド アプリケーションの登場により、データ通信機器への投資も増えつつあるため、企業の CIO(最高情報責任者)たちは、投資を再検討する必要に迫られ、より少ない投資でより多くの効果を求めるようになっています。このような傾向が続けば、次のステップとなるのは、2 つのハイウエイを 1 つにまとめ、共通の IP ネットワーク上で音声とデータの両方の通信を行うことになります。論理的に当然の帰結です。1 つで済ませられるのに、なぜ 2 つのネットワークが必要なのか、ということですね。IP テレフォニーが、この問題を見事に解決してくれるのです。

この地域における IP テレフォニーの成功にはずいぶん自信がおありのようですが、インドや他の南アジア諸国では、この技術はどのように使用されているのでしょう?

Ranajoy Punja:共通の IP インフラストラクチャに音声とデータを集約させることで利用可能になった新アプリケーションは、これらの地域の産業全体の進歩を促進しています。とりわけインドでは、コンタクト センターや IT 対応サービス(ITES)、ビジネス プロセス アウトソーシング(BPO)などを中心にとてもパワフルな産業が構築され、大成功しています。自社のコンタクト センターをこの国に移す企業がどんどん増えていますが、それは、費用効率良く、成功するような方法で、コンタクト センターを設立、運営するのに必要な専門知識を、我々が持っているからなのです。IP テレフォニーが普及するということは、コンタクト センター エージェントが、音声とデータの両方のサービスを充実させるような、先進のマルチメディア アプリケーションをより一層利用できるようになるということです。たとえば、コンピュータとテレフォニーを統合させれば、エージェントとカスタマーがオンラインで協力しあい、リアルタイムで問題をより効率的に解決できるようになるでしょう。

コンタクト センターや ITES、BPOCはいずれも、インド経済の成長の重要な要素となっています。他の多くの国々が、コール センターで使用されている、従来型のサーキット スイッチのテレフォニー技術に未だに投資を続けているのに対して、インドのトップ企業は、IP ベースのコンタクト センターのメリットを良く理解しており、差別化されたサービスをグローバルな規模で展開させるために IP によるアプローチを行っています。ここインドで、我々は専門性と人材を有しており、コンタクト センターに関する豊かな経験を世界中のお客様に提供することができます。IP テレフォニーにより、企業は潜在能力を最大に発揮することができるのです。

コンタクト センター企業が IP テレフォニーのメリットを受けている実例を挙げていただけますでしょうか?

Ranajoy Punja:シスコは、インドの色々な所に、コンタクト センターのお客さまがたくさんいます。それでは、vCustomer の事例をお話しましょう。インドでの業務運営に 1,200 万ドルを投資した vCustomer 社は、全世界から毎月120 万件以上のコールを受けています。ニューデリーにある同社のコンタクト センターでは、vCustomer は 2000 以上のエージェント用座席を設置しており、1 つの棚にあるシスコ機器だけでエージェント全員をサポートしています。これが、IP テレフォニーのパワーなのです。

ほかには、Phoenix Globalや Transworks、Manjushree、Nirvana なども、IP ベースのコンタクト センターを持っており、世界中のエンド カスタマーへの対応を行っています。

コンタクト センター以外の業種の企業には、IP テレフォニーはどのようなメリットをもたらすのでしょう?

Ranajoy Punja:インド国内や、海外に複数の事業所を置いている企業にとっては、IP テレフォニーはすぐにでも導入すべきものと言ってもいいでしょう。IP テレフォニーでは、約 1 年か 2 年で投資資金の回収ができますし、過去数年間にインドで立証されたように、長距離電話の料金をかなり削減できるというメリットもあります。企業もこの点を理解しており、IP テレフォニーを試してみようという企業が急増しています。我々は、四半期で数千台のIP 電話を出荷していますし、先日は、南アジアで 2 万台目の電話が導入されたのを祝いました。これだけの台数が出荷されていても、南アジアは未だ IP テレフォニーにとって未開の地なのす。つまり、この地は、すさまじい成長の可能性を秘めているということなのです。

シスコは独自の地位を築いています。当社は、IP ソリューションによって、インド電気通信局の電気通信エンジニアリング センター(Telecommunications Engineering Center)がこれまで一度だけ認可を下したベンダーの中に名を連ねているからです。そのため、当社は、マルチパーティ会議やディレクトリ統合、XML 統合、アプリケーション優先度設定コール(application prioritizing call)と価値が付加された IP テレフォニー アプリケーションの普及では、インドで最先端の企業となっています。

IP テレフォニーは、この地を始まりとして、南アジアでどのように普及の輪を拡げてゆくのでしょう?

Ranajoy Punja:端的に言えば、どんどん拡がってゆくでしょうね。この国でも、現時点では、IP テレフォニーの速やかな発展を拒む規制の壁は依然存在しているものの、我々は政府とも協力しあっていますので、このような規制はすぐに変更されるものと考えています。たとえば、現在、この国では、IP テレフォニー システムで公衆電話交換網(PSTN)へのコールはできません。この規制もすぐに変更されるものと期待しています。規制の状況は、ここ 2、3 年でずいぶん緩やかになっており、IP テレフォニーのマーケットが爆発的に発展する要因となっています。

また、当社はインドの企業にも快く受け入れられるようになっており、IP ソリューションが奇妙な新発見として見られるることもなくなっています。幅広い業種のお客様が、この技術を導入しているのです。お客様には、銀行も、金融機関も、政府機関も、巨大企業も、教育機関も、製造業も、サービス業も含まれています。IP テレフォニーはすでに確固たる実績を築いており、新規の IT 支出には注意深い態度をとることの多い企業からの注目も集めるようになっています。この技術のテストを依頼する組織が増えるにつれ、通信環境の向上による直接的なメリットを受ける組織もさらに多くなっているのです。管理の簡単さと管理費用の安さが 2 大メリットですが、現在では、企業は XML の生産性向上アプリケーションも試しています。これらのアプリケーションが今後も SAARC 地域で受け入れられるようになれば、この地域では、IP テレフォニーに替るものは論理的にまったくありえないという、明白な結論がまもなく下されるようになるでしょう。

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