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METRO の Future Store 店内で新しい広告メディアを体験

ドイツのリテールの巨人、シスコ技術を利用して、新たなマーケティング情報プラットフォームをテスト

2003 年 7 月 10 日

Jason Deign(News@Cisco)

パワフルな広告の世界が、後戻りできないほど大きな変貌を遂げようとしています。そのきっかけは、法律やグローバリゼーション、経済などではなく、ドイツのラインベルグにある小さなスーパーマーケットなのです。

その場所では、小売業者の METRO Group が実験を行っています。数多くの未来技術とともに、コンテンツ センシティブなプラズマ スクリーン広告が、これから 10 年の間、もっとも効果的な広告媒体のひとつになるだろうと考えられているのです。

店内広告は、目新しいものではありません。主だった平均的消費者はこれまでかなり長い間にわたって、静的なプロモーション、カスタマー情報スタンド、リーフレット、その他店頭 (PoP) 宣伝などの販売アイテムを買い物時に経験してきました。

それらのアイテムは、功を奏しています。業界団体の Point Of Purchase Advertising International (POPAI)による「In Store Advertising Becomes a Measured Medium」と題されたレポートでは、PoP 広告で 2% から 65% の売り上げ増大が可能になると書かれています。

購買決定のおよそ 75 パーセントが来店前ではなく、来店してから行われることを考えれば、この報告もさほど驚くべきものではありません。

リテーラーと広告主は、この効果を認識しており、広告自体の実際の価値をマーケットで測定することは困難であっても、店内のオーディエンスをターゲットにして多額の広告費を支出しています。

たとえば英国では、一般購買層の 70 パーセントが大手スーパーマーケット グループ 5 社の店舗を毎週訪れており、媒体購買代理店である Starcom Motive によると、ショッピング カートや駐車場などでの広告メッセージに年間 3,500 万ポンド (約 5,800万 US ドル) が支払われているそうです。

ただし POPAI によれば、同団体の英国およびアイルランドの会員企業(マーケットの約 3 分 1 に相当)は、店内でのプロモーションに年間 7 億 9,000 万ポンド (約 10 億 3 千万 US ドル)を投資しているそうです。いずれにしても、広告が非常に重要視されていることは明らかです。

そのため、リテーラー、広告主、広告代理店は、いささか露骨な店内でのプロモーション活動ではなく、洗練されたテレビ コマーシャルのようなものに大いに興味を抱くようになっており、現在では、テレビ コマーシャルが企業のマーケティング予算のほとんどを吸い上げています。

このような興味の対象は、まもなくラインベルグに移るようになるでしょう。この地では、26 か国に 2,300 の販売店を擁する、世界で 5 番目に大きいリテール チェーン、METRO Group が、Future Store というコンセプトで経営される同グループのスーパーマーケットで新しいかたちの店内広告を展開させているからです。

METRO Group の会長兼 CEO(最高経営責任者)である Hans-Joachim Kvrber 博士が述べているように、Future Store は 2003 年 4 月 28 日、「小売業の世界的な技術革新プロセスに、さらなる刺激を与える」ために開店しました。

39 社の著名な技術、ソフトウエア、サービス、消費者製品の企業とのコラボレーションにより実現した、このプロジェクトは、リテールの最新イノベーションのショーケースとなっており、シスコシステムズの Store as a Medium と呼ばれるコンセプトも含まれています。

Store as a Medium は、店内キオスクおよび店舗向けデジタル通信の 2 つの技術ソリューションで構成されています。キオスクでは、直接消費者に情報を配信し、リテール環境内でカスタマーとの新しいコミュニケーションを促進することができます。これらは、より高度な水準のセルフ サービスも可能にします。

デジタル通信では、Cisco Application and Content networking System (ACNS)が利用されており、新しくて、信頼性が高く、効率性に優れて、計量可能な情報チャネルが店内に向けて構築されます。Cisco ACNS により、リテーラーは中央のロケーションから、任意の数のネットワーク ベースの配信ポイントへ送られる、リッチ メディアの配信管理を行うことができます。

つまり、Store as Medium によって、いつでもどこでも買物客がもっとも購買決定を行いたいときに、小売業者は高品質のビデオ フォーマットで、特定の情報キオスクとプラズマ スクリーンにコマーシャルを確実に送ることができるようになるのです。

Store as a Medium は、Real-Time Retailと呼ばれるシスコシステムズの広大なプラットフォームの一部で、数多くの異なった技術が含まれており、効率性と生産力を向上するためのネットワーク ベースのツールがリテーラーに提供されます。

単体でも、Store as a Medium は小売業界に大きなメリットをもたらす潜在能力を有しています。しかし、店内での売り上げ増加とは別に、消費者ブランドは自社の商品をシステム上で宣伝するために広告費を使いたがる傾向があり、システムを単なるテレビ、あるいは他のメディアと同じように考えることがあります。

「この種の店内マーケティングのビジネス モデルは、まだ未発達状態にあります。しかし、おそらく消費者向けパッケージ商品を扱う企業が、コンテンツを提供し、料金を支払うようになるでしょう」Cisco で EMEA 内のリテール ソリューションのビジネス開発を担当するマネージャーである、Dimitris Nikolatos はこう述べています。

リテーラーには、ほかにもボーナスがあります。プラズマ スクリーンと Cisco ACNS を組み合わせることで、e-ラーニング パッケージ(カスタマーに対するサービス スキルをつねに向上させながらコスト削減も実行できるという、とりわけ注目を集めている分野)によってスタッフ トレーニングができるほか、キャッシングや URL フィルタリング サービスによって WAN の帯域幅を最適化することができるのです。

現在、この種の技術を利用した実験を行っているリテーラーは、METRO Group だけではありません。

英国では、Tesco、Sainsbury's の大手 2 社を含む多数のスーパーマーケット チェーンが、実験的に店内でテレビ広告を行っています。また、オランダでは、MacDonald's がテレビと対話型キオスクを利用したコンセプトを 4 店舗のレストランで試行しています。

他にも、店内トレーニングに同様のシステムを使用している企業があります。例えば、英国の大手ハードウェア チェーンでは、e-ラーニング パッケージを使用して 30,000 人のスタッフに衛生安全などの分野の教育を行っています。その結果、費用削減効果や、顧客と従業員の満足度の向上が報告されています。

一方、POPAIは、PoP として使用される視聴覚システムに支払われている金額が、英国内だけで 2003 年までに 3 億 5,000 万ポンド (約 5 億 8,000 万 US ドル) に達すると予測しています。

「小売業、広告、ブランド製品に関わる企業の多くが現在、このことが業界にとって何を意味するのかを考えています」と、Nikolatos は述べています。

Jason Deign:スペインのバルセロナを中心に活躍するフリーランス ライター

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