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インタビュー:Paul Bosco、ケーブルインフラストラクチャ向けの革新的技術を解説

シスコ、現行のケーブルインフラストラクチャを完全デジタル化マルチメディア ネットワークへ移行する新開発の装置、ツールを投入

2003年5月12日

ケーブル事業者は、もはや、TVだけに留まっていません。これは、ケーブル事業者が顧客に高速インターネットアクセスを提供するというリーダーシップからも明白になりました。現在、他のオプションよりも、ケーブルモデムを使って家庭型ブロードバンドリンクを設定する人がますます増えています。また、ケーブル事業者も、高品位テレビ(HDTV)やビデオオンデマンド(VOD)など、新しいデジタルビデオサービスの開発や実現に向けて懸命になっています。IP上の音声(VoIP)技術を用いた電話サービスや商用サービスは、すでに、試用段階ならびに早期配備の段階に来ています。

デジタルサービスの配信には、米国内のほとんどの家庭に入っている同軸ケーブルを転換することができます。ケーブル事業者は、従来のテレビサービスを越えて、次世代マルチメディアネットワーキングと通信サービスの抱き合わせに向かって積極的に動くことを検討しています。シスコ社から提供される一連の新しい装置やツール群は、完全デジタル化の未来に向けて、ケーブル事業者の転換を加速する目的があります。この計画では、ケーブル事業者は、ますますネットワーク接続化していく家庭に設置した専用装置に革新的なサービスを配信するのです。

ニュース@シスコでは、先日、最近の技術開発と、こうした開発がケーブル事業者に与える影響について、シスコシステムズ社、ブロードバンドおよびケーブル産業開発担当副社長のPaul Boscoにインタビューしました。

ケーブル事業者に対するあなたのお考えを聞かせてください。

Paul Bosco: ケーブル事業者は、完全デジタル化インフラストラクチャのメリット、つまり、一般消費者向けのデータ、電話、ビデオサービスをひっくるめた、いわゆる「トリプルプレイ」の配信を実現しようと、大変積極的に動いていると、当社では見ています。当社ではまた、大手事業者と連携して、完全規格準拠のインフラストラクチャへの移行をお手伝いしています。つまり、ケーブル各社の事業の繁栄をある製品エリアだけに留めてしまっている、従来のクローズ型でベンダー独自仕様のシステムを置き換えるわけです。

技術的に遅れていると思われていたケーブル事業者は、非常に短期間の間に、通信業界の中でももっとも最先端のブロードバンドネットワークを保有する事業者へと転換したのです。表彰ものの高速データサービスをサポートする地域メトロ型IPインフラストラクチャはもっとも最先端であり、シスコ社は、当社のサービス プロバイダ向けポートフォリオの製品をお届けし、ケーブル事業者の成功のお役に立てたと自負しています。

ケーブルは、ブロードバンド革命をリードしています。衛星事業はもっとも大きな競争相手でしたが、製品のバンドル化、デジタル製品の再編成、高速データとビデオ オンデマンドを双方向サービスのバンドル化がこの競走に答えを出しています。地域の交換サービス事業者は、DSLサービスの方に高い関心を持っていますが、今のところ、ケーブル事業者はデータ通信におけるリーダーシップをますます発揮しています。

ケーブル事業者は、HFC、つまり、ハイブリッド方式の光ファイバ/同軸ケーブルのネットワークという、競争上の大きな利点を持っています。このインフラストラクチャは、過去10年間の間で大幅に再構築され、容量が増強されて双方向サービスをサポートできるようになり、ほとんどユビキタス的な存在になった光ファイバネットワークと、家庭と接続する同軸ケーブルとの組合わせを基盤としています。家庭と接続する同軸ケーブルは変わらないかもしれませんが、このケーブルの向こう側にあるネットワーク全体は転換しつつあります。ケーブル事業者は、現在、新しいタイプのネットワーク、つまり、完全デジタル化、完全双方向型のネットワークを構築しています。

ケーブル事業者に対するシスコ社のビジョンは、プラグアンドプレイ式の互換性と、迅速なサービス配備をサポートする、規格準拠のインフラストラクチャのアーキテクチャに基づいています。最新の設定システムとエンドーツーエンドなインフラストラクチャソリューションにより、当社は、効率が高く回復力の強いインフラストラクチャ上で提供される、さまざまなサービスの開発、実現に向けて、ケーブル事業者をアシストしています。当社は、事業の成功と速やかな展開をサポートするパートナーとして、大手事業者と協業できることを大変光栄に思っています。

SCTE主催のCable Tec Expo 2003では、ケーブル事業者向けにどのような技術を展示しましたか。

Paul Bosco: 当社は、データ、音声、ビデオの3種類すべての通信分野で、ケーブル事業者のニーズに対応しています。ビデオ分野では、次世代デジタル ビデオ ネットワーク アーキテクチャと、ギガビット Ethernetおよび光技術に関する業界標準を採用した製品シリーズを開発しました。将来が非常に有望なVODサービスの実現を加速化し拡張するため、当社はこれらをケーブル事業大手数社と協力して設計しました。また、当社は、ケーブルモデムとインターネットを接続する技術として、業界最高のケーブルモデム終端システム(CMTS)製品プラットフォームの強化製品を発表しました。

最後になりますが、当社は、ケーブル向けのブロードバンド ローカル統合サービスソリューション(BLISS)を発表しました。これにより、ケーブル事業者は、Cisco BTS 10200ソフトスイッチを使用して、家庭用電話と次世代通信サービスを大量に配備することができます。また、このソフトスイッチは、音声、メッセージ、ならびに将来のIPネットワーク上の通信形態の基盤として、インターネット技術を利用できるようにする製品です。

これらの新しい製品は、ケーブルインフラストラクチャ ネットワーク向けの技術や装置を集めた現行のシスコ社ポートフォリオをどのように改善したものでしょうか。

Paul Bosco: これらの発表は、ビデオ、ならびにケーブルを使用したIP上の音声(VoIP)技術に関する当社の初めての製品となるだけでなく、従来のCMTS製品ラインを大幅に強化した製品となります。全体として見れば、これらの製品は、ケーブル事業者の「トリプルプレイ」サービス ポートフォリオを構成するそれぞれのサービスに対して、最高の性能と管理機能を実現するものになるでしょう。データ、音声、ビデオのいずれであっても、それぞれのネットワーク サービスに新しい、そして、優秀なインテリジェンスを実現するものなのです。

インテリジェンスとは、ネットワーク装置をより賢く、さらに互換性を高め、管理を簡素化するものです。当社のCMTSに機能性、たとえば、段階的サービスであるとか、トラフィック管理などの機能を統合する場合、新しいサービスを実現するだけでなく、事業者のネットワークに検知器や装置、器具を新たに購入したり、設置、統合、運用しなければならないといったことがないようにしています。

当社では、顧客の事業の繁栄をお手伝いし、顧客にニーズを深く理解することに勢力を注いでいます。MSO各社はシスコ社に多大な信頼を寄せており、新しいブロードバンド時代のリーダーとして、各社の成功を実現し、サポートできることを嬉しく思っています。

シスコ社のデータ、音声、ビデオ製品をどのように強化しましたか。

Paul Bosco: いずれについても、当社では、規格に準拠した基本的なネットワーキング技術に基づいて、柔軟性と管理能力の高いネットワーク製品やソリューションをお届けしています。当社では、従来のプラットフォームへの強化製品と、新しいエンドーツーエンド ソリューションを発表しています。

たとえば、今回発表した当社のビデオ製品では、Ethernetと光の規格を採用して、ビデオをパケット単位で伝送するデジタルインフラストラクチャを構築しました。これにより、ケーブル事業者は、VODなどの専用ビデオサービスのコンテンツや顧客が増えるに従って、スケールアップすることができます。当社のVOD製品は、主要機能とインテリジェンスを搭載、耐障害性が強く、機能性が充実した業界最高のスイッチング製品です。当社では、集約化というイメージに沿って規格準拠のデジタル パケット ネットワークを構築していますので、今後、展開される新しいマルチメディア アプリケーション、メディアの種類やフォーマット、コンテンツのガイドライン、双方向機能、家庭用装置だけでなく、現段階ではまだわかっていないものについても、容易に対応できると信じています。

データ分野では、当社はすでに素晴らしい製品を持っていますし、それをさらに良いものに作り変えました。当社のuBR7246VXR CMTS製品ラインについて、重要な発表を行っています。当社のMSO顧客数社からこのプラットフォームに「次世代」機能を追加してほしいという要望を頂戴し、それを実現しました。従来のCMTSシャーシにユーザーアップグレード可能な「ブレード」を採用した結果、既存の同軸ケーブルの効率、容量、および性能をぎりぎりまで高め、1段階上の「RF」性能を実現しました。この「ブレード」は、パワフルな新しい分散マルチ処理技術をuBR7246シリーズに投入するもので、データサービスやVoIP、商用サービスのスループットおよび容量を大幅に強化しています。

こうしたRFと基本的な性能を著しく強化したことに加え、「インテリジェント エッジ」という概念を創設して、ネットワークにおけるCMTSの役割を見直しました。当社の目標は、探知機、器具などの外付け装置が持つ機能性をCMTSに内蔵することです。これにより、たとえば、トラフィック管理、段階的なサービス、あるいは今後のセキュリティ機能などを実現し、操作性の向上、低価格化を顧客にお届けできるようになります。

音声技術については、Cable Labs PacketCable認定の当社BTS 10200ブロードバンド電話サービス(BTS)ソフトスイッチ、あるいはコール管理サーバー(CMS)を採用したVoIPソリューションを発表しています。この発表の焦点は、シスコ社製品とサードパーティ製品を一つのソリューションとしてバンドルし、これがテストに合格し、現場の実証を受けた包括的なエンドーツーエンドソリューションを提供した点にあります。主要な取引先からのニーズを基に、ケーブルを用いたVoIPの実現を積極的に支援していきます。シスコ社はケーブル事業者より、製品の供給だけでなく、市場参入、大量配備の目標達成を支援してほしいという依頼を受けました。

最後になりますが、事業者ネットワークに接続するモデムやコンピュータ、VoIP、セットトップボックスだけでなく、今後の装置もサポートする業界最高の設定システムへの強化製品を発表する予定です。OSS/SMS製品とソリューションはいまだに実現していませんし、議論の魅力的なテーマにもなっていないようですが、これらは事業の成功の鍵を握る大きな課題となります。当社の製品は、こうした装置の容量、性能を強化し、統合の簡素化を図り、新しいサービスをサポートするものになるでしょう。

ケーブル事業者は、さまざまなベンダーが提供する多様な装置を使用して、ビデオオンデマンド、高速インターネットアクセスなどの新サービスを首尾よく展開してきました。シスコ社は、こうしたソリューションやベンダーとは異なるものを提供するのですか。

Paul Bosco: 一番重要なことですが、当社では、規格やすでに実証されたソリューションに採用されている製品に基づいて、インテリジェント型のデジタルネットワーキング製品のメリットをケーブル事業者にお届けしています。当社は、スタンドアロン的な、あるいは独自仕様の製品は作りません。当社の製品は、世界最大のネットワークやもっとも成功しているネットワークで採用されているデータネットワーキング技術をベースにしています。真の意味で統合されたマルチメディア双方向型ネットワーク、つまり、顧客が何にも渡って希望してきたようなサービスを提供できるタイプのネットワークの基盤を提供するのは、こうした規格に準拠したインテリジェント型ネットワーキング装置なのです。

当社には、大企業や政府/軍隊向けのもっとも安全で回復性の高いインフラストラクチャから、非常に多くのサービス プロバイダ向けネットワークに至るまで、パケット型デジタルネットワーキングの構築では膨大な実績があります。こうした立場にいるのは当社だけです。GigEまたはIPインフラストラクチャを用いて、さらに重要性が要求されるデータ/ビデオサービスをケーブル事業者が配備するようになれば、より戦略的なサプライヤーが必要になってきます。購入先の企業がどのようなビジネスを行っているか知りたくなります。当社の実績と事業の強さを基に、ケーブル事業者の転換において重要な役割を演じられる候補者となれるのです。当社には責任がありますし、実現しなければなりません。

当社の顧客もまた、他のベンダー各社に見られるような関係を越え、密接なパートナーとなって、顧客のビジョンを実現してもらいたいと期待しています。顧客は製品以上を求めています。当社が、サービスを市場に投入するための顧客のパートナーとなること、顧客が抱いているアーキテクチャやインフラストラクチャに対する長期計画を共同で実現することを望んでいます。

将来は非常に有望です。ケーブル事業者はブロードバンド革命をリードしていますし、そのリードをさらに強固なものにしようとしているように思われます。問題は、最終的に顧客がどのようなサービスや装置をいっせいに採用するかは誰もわからないということです。現在、当社では大手事業者と共同で焦点のバランスを取ろうとしています。つまり、急速な転換から生まれる戦術的な問題の解決と、高速データやビデオオンデマンドなど、ヒットした新製品のスケールアップのどちらを優先させるかです。しかしながら、当社の戦略的な目標は、顧客のニーズ、そして、顧客のユーザーのニーズを満たしながら、今後、2年、5年、10年に渡ってまっすぐに発展できるネットワークを確実に構築することにあります。事業者の成功を助けられる立場にいるのはシスコ社だけです。

現在の通信市場は厳しいものです。シスコ社の新しい装置は能力を増強していますが、ケーブル事業者の投資節約にはどのように役立っているのですか。

Paul Bosco: これが当社のアプローチの素晴らしいところです。発表しましたように、当社CMTSへのインテリジェンスとRF性能の強化により、ケーブル事業者はネットワーク管理の効率をさらに高めることができます。uBR7246VXRへの強化により、現在配備されている装置の寿命を引き延ばし、ケーブルモデムを使った高速データサービスだけでなく、VoIPサービスの実現に向けて大きくスケールアップすることができます。

私はケーブル業界に携わってきましたので、今回のRF性能の強化を特に嬉しく思っています。これにより、非常にコストのかかる改築や再構築を行うことなく、既存のインフラストラクチャの容量をぎりぎりまで引き出すことができます。uBR7246VXRへの強化では、広く配備されているデータおよびVoIP用装置の容量と性能を増強していますが、これは大変素晴らしいことです。この強化により、ケーブル事業者は次世代のプラットフォームへの投資を行わずに、現在設置している製品で次世代の機能を実現することができます。

ビデオオンデマンドは、その性質から、ネットワークやセットトップボックスの交換は不要ですが、ストリーム当たりのコストが要求され、非常に投資効果の高いサービスになります。当社のVoD製品は、コスト効果の高いスケーラブルなソリューションであるばかりか、設定や構成を自動化するインテリジェンスを導入することができます。

VoIPならびに設定用製品における当社の目標は、コストのかかるテストや統合化作業を省くことにより、時間とコストを節約することにあります。当社では包括的なサービスを提供することにより、トップラインの速やかな活動をアシストし、VoIPの大規模な投入をサポートする計画です。

シスコ社は、MSO顧客の投資を節約するだけでなく、顧客が将来のブロードバンドを構築する上でも投資を節約できる唯一の立場にあります。

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