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シスコ、社内データ通信の強化を目指す標準化活動を後押し

VPLS規格の進展により、メトロ サービス エリアの内外へローカル エリア ネットワークを延長

担当者: ニュース@シスコ、Charles Waltner記者

規格化へ動き出した仮想私設 LAN サービスは、複数の事務所や事業施設を抱える企業にとって、ネットワーキング通信を大幅に簡素化できると期待されています。

サービス プロバイダにとって、仮想私設LANサービス(VPLS)は、仮想私設ネットワーク(VPN)の構築を簡素化するモデルであり、低コストで行える代替策として魅力的な技術です。VPNでは、企業ユーザーが公衆ネットワークを使用してプライベートなデータ接続をセットアップし、事務所、製造工場、流通センターなどの事業施設が同じローカル エリア ネットワーク(LAN)上に接続しているかのようにリンクさせることができるため、企業にとってはちょっとした救世主のような存在になっています。また、LANに使用されている言語、つまり、Ethernetはすでにユビキタスであり、簡単であり、よく理解されていますので、このようなことが可能になることにより、企業のネットワーク管理を著しく簡素化することができます。この種のサービスは、市や局所的なエリアを広範囲にカバーしたEthernetネットワークを構築するという発想から、一般に、メトロ型 Ethernetと呼ばれています。

現在でも、通信事業者はメトロ型Ethernetサービスを提供できますが、Ethernetスイッチを使用して個別のネットワークを構築する必要があります。このようにすると、サービス プロバイダは、個別のEthernetネットワークを構築して管理しなければならないため、非常にコストのかかる方法になります。一方、VPLSの場合、企業はどのようなサービス プロバイダのネットワークを使用してもデータを送信することができるようになります。VPLSの機能は、メトロ型ネットワークから企業ネットワークへデータを配信する際、企業内のルーターに言葉(Ethernet)を「話し掛け」られるようにすることです。この方法の場合、企業側では、データを翻訳するのに別の装置やソフトウェアを使用する必要がありませんし、サービス プロバイダ側も、データを配信するのにEthernetネットワークを新たに構築する必要がなくなります。ただし、素晴らしいネットワーキングのアイデアを生み出すことと、それを広く認知された互換性のある規格として確立することとは別問題です。

この点において、シスコ社は、約2年前のVPLSの誕生以来、標準化の進展を後押ししてきました。そして、現在は、IETF(International Engineering Task Force)を通じ、同業企業と共同で、対立する2種類の規格からVPLSの技術仕様を確立する作業を進めています。

元々、VPLSには、Rivestone社、Timetra社、シスコ社のそれぞれから提出された3種類のドラフト案がありました。シスコ社は自社の提案を強行するのではなく、Riverstone社、Timetra社、および関心を持っているその他のベンダーと共同作業を行ってきました。その過程で、3種類の案をまとめたものがVPLSの規格として、もっとも広く支持されるバージョンとなり、「Lassere-V. Kompella」案として知られています。

VPNは現在、確かに広く採用されていますが、VPLSはネットワーク接続を簡素化し、サービス プロバイダに対する管理ならびにリソース需要を大幅に低減することができます。MPLSを使用する他のソリューションと組合わせることにより、VPLSはネットワーク性能や帯域幅の使用効率を向上させ、遅延を短縮させる魅力的な手段になります。

シスコ社、 IOS 技術事業部の製品ラインマネージャ、Azhar Sayeedによると、VPLSのアイデアは、1996年、LANエミュレーション(LANE)を備えたトランスペアレントLANサービス(TLS)という名称で知られていた同様な技術の導入に端を発します。この技術もまた、個別のLAN同士を簡単に接続するために考案されましたが、不運なことに、状況はLANEにとって芳しくありませんでした。

「LANE/MPOAは完全な失敗でした」と、Sayeedは述べています。「うまく拡張できませんでしたし、複雑すぎて管理できないということが実証されました」

ところが、数年前、マルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)として知られている別の技術の登場により、TLSに対する希望がよみがえりました。MPLSにより、どのような種類のネットワークでも(Ethernetスイッチを実装したネットワークを別途、構築しなくても)、VPLSを稼動できるようになり、Ethernetプロトコル言語だけで企業ネットワークへデータを引き渡せるようになりました。

ただし、VPLSが公式規格になるまでにはまだまだ解決しなければならない問題が数多くあります。対立する規格案もまだ存在しています(ただし、そのドラフト案を支持している企業は1社のみです)。さらに、この企業は、自社の案をLassere-V. Kompella仕様と互換性を持つバージョンに設計を見直しています。

「Lassere-V. Kompellaドラフト案の方が他の規格案よりも簡素であるため、業界はこの案を一致して支持しています」と、Sayeeは述べています。

広く支持されたVPLS規格の見通しは明るいのですが、VPLSの実現への動きは始まったばかりです。Sayeedによれば、VPLS規格が承認されるまでにはあと1年以上かかるということです。各ベンダーはその時までにこの技術のテストを開始する予定です。シスコ社は、すでに、このVPLS規格の機能テストを実地試験の形で行っています。

Sayeedによると、現行のメトロ型Ethernetソリューションと比較すると、VPLSの管理効率は優れていますが、VPLSが持っている潜在能力をフルに引き出すには、たとえば、接続サイト数が数百、あるいは数千といったネットワークをVPLSがサポートできるようにするには、まだまだしなければならないことがたくさんあります。こうした作業を続ける中で、スケーラビリティに関する問題のいくつかを解決できると期待されている階層型VPLS(HVPLS)などの他の規格案も生まれる可能性があります。

「実際に配備した経験を重ねて初めて、現実の状況の中でVPLSがどのように機能するか、また、さらに良くするには何が必要かを本当に理解できるようになるのです」と、Sayeedは述べています。

もちろん、シスコ製品を採用したサービス プロバイダや企業ユーザーにとってVPLSはメリットを生む可能性を持っていますので、シスコ社はゴールに向かって少しずつ進めていきます。

Charles Waltner氏は、カリフォルニア州オークランドで活動しているフリーランス ジャーナリストです。

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