ワールドニュース

米国ニュース


シスコ、Interpolが新設/配備する大掛かりな仮想私設ネットワーク(I-247)をサポート

世界各国のInterpol当局が安全性の高いVPN構築に協力

2003年5月20日

ニュース@シスコ、Claudia C. Church記者

顧客がインターネットの力を有効利用できるようアシストするという使命の下に、シスコシステムズ社は、この度、国境を越えた刑事警察間の協力を円滑化する国際機関、Interpol(国際刑事警察機構)と協力して、「I-247」と呼ばれる仮想私設ネットワーク(VPN)を新設し配備することになりました。シスコ社は、Interpolの主要ソリューションベンダーの1社として、I-247の目標を「Interpol通信のストリームライン化」「コストの大幅な削減」「各国当局の警察データベースへのオンライン双方向接続などを含めたサービスの強化」といった3本の柱をテーマに掲げました。現在、I-247により、アルゼンチンからアフガニスタンに至る世界中のInterpol当局は、犯罪、盗難車、テロリズムなどの脅威に関する犯罪情報を共有できるようになっています。

Interpolは国連に次ぐ規模を持つ国際機関で、五大大陸の181カ国が加盟しています。世界規模の犯罪とテロリズムが増加するなか、21世紀の国際的な対応体制の必要性が明らかになってきています。

Interpolは、X.25回線を使用したX.400ネットワークによる世界通信ネットワークを1990年代に初めて立ち上げました。このネットワークは民間の事業者により管理され、電子メールメッセージを安全にやり取りするためだけのものでした。そこで、コストの削減と、世界中のデータベースへのオンライン双方向接続によるサービスの改善といった両面から、最新のシステムを求めるニーズが発生しました。

このニーズを満たすため、今回、Interpolが構築する新しいネットワークは3つの条件を満たさなければなりませんでした。「加盟各国で使えるようにするため、オープン規格に基づいた技術を求めていました」と、Interpolの情報システムディレクタであるPeter Nevitt氏は述べています。「さらに、国によっては、警察官が最新技術に接した経験を持っていないところもあるため、ネットワークで稼動するIPアプリケーションは使い易くなければなりませんでした。アプリケーションは、そうした職員でも使いたくなるようなものでなければなりません」

3番目の課題はセキュリティでした。Interpolにとって、ネットワークのセキュリティは国際警察業務を存続させる鍵になります。適正なセキュリティが確保されて初めて、警察官は事件を解決へと導く情報にアクセスできるのです。セキュリティが確保されなければ、警察局は不正なアクセスや犯罪を意図したアクセスによる壊滅的なダメージを受けるリスクを抱えてしまいます。

Interpolでは、クラス最高のセキュリティを確保するため、各局ならびに主要局にファイアウォール/VPN装置を設置してインターネット内に安全なトンネルを創設します。このシステムには、暗号/解読プロセスによる機密性、不正なアクセスや変更からデータベースを保護するデータベースの保全性、メッセージの認証等々の機能を搭載します。

VPNソリューションベンダーの選定に当たり、シスコ社はInterpolのニーズに無理なく適合しました。「我々は個々の製品の評価に重点を置きました」と、Nevitt氏は述べています。「特に、Cisco PIXファイアウォールと競合製品との比較や、可用性、信頼性、機能群、サポートにおいてシスコ製品が高くランク付けされている点を記載しているGartnerレポートに注意を払いました」

Interpol当局の中でも、シスコ社をパートナーとして指名した局のソリューションの場合は、インターネット接続したPC、局の規模に合わせてカスタマイズしたシスコセキュリティ技術がソリューションに含まれています。それぞれのVPNトンネルを通過する伝送はすべて暗号化され、インターネットを経由した各国の支局と本局間の接続の安全性を確保しています。シスコ社のファイアウォール技術は、スループット360 Mbit/s以上に加えて、最大280,000件の同時セッションを処理する能力を持っています。VPN専用の内蔵ハードウェア高速化機能により、最大70 Mbit/sまでの3DES(Triple Data Encryption Standard)VPNを処理し、2000個までのIPセキュリティ(IPSec)なトンネルをサポートします。これは、Interpol加盟各国の複数の警察局が同時にネットワークを使用できる性能です。また、Interpolは、ネットワーク侵入検出システムなど、ファイアウォールを越えて侵入する脅威に対するセキュリティ手段も配備しました。

現在では、I-247は、世界の警察当局にとって主要なツールになっています。警察官は日常業務としてシスコ製のセキュアなVPNを使用し、Interpolデータベースの検索、情報の提供、他国の専門家との通信、Interpolデータベースへの大量の事件記録の転送などを行っています。

I-247はまだ試験段階ですが、すでに、Interpolの生産性と効率を上げています。世界各国のユーザーは情報をより簡単に入手し、共有することができ、各国の政府ネットワークとInterpolネットワークが接続できるようになったときにさらにメリットが拡大します。さらに、VPNは、民間ネットワークに比べてコスト効率が高いということも証明しました。Interpolでは、ネットワーク伝送コストの大幅な削減を期待しています。削減できたコストは、加盟各国に対して、さらにレベルを高めたサービスと新しいアプリケーションの実現に向けられるのです。

Interpolでは、将来を見据えた結果、たとえば、米国連邦捜査局(FBI)の盗難車データベースなど、機密性を特に要しない政府系データベースの相互接続を助長することに関心を高めています。初期試験では、FBIが認定した60カ国で、I-247を使用して、FBIのデータベースや、Interpolの盗難車データベースの検索が行えるようになりました。「今後12ヶ月で、第1段階の加盟国で収めた成功を基に前進を図ります」と、Nevitt氏は述べています。「我々は、第1段階において、技術を実証しただけでなく、システムのサポート体制をきめ細かく調整し、ネットワークを流れる情報の質と量を強化しました」2002年末、Interpolは南アメリカの12カ国と接続しました。また、2003年末までに、加盟181カ国のほとんどがI-247に接続できるようになります。

Interpolでは、I-247の成功は、VPNの簡易性と能力によるものと評価しています。「世界の特定地域に新技術を導入することは簡単な作業ではありません」と、Nevitt氏は述べています。「最近、ネットワークに接続した国はアフガニスタンと東チモールですが、この他に残っている加盟国は、まだ、治安の安定していない地域にある国々なのです」来年中に、ドイツ連邦警察(German Federal Police)はInterpolスタッフの支援を受けて、Interpol派遣団として、アフガニスタンの警察力を高めることになっています。「I-247は、同国と他の国々とを結ぶネットワークになります」と、Nevitt氏は述べています。「I-247が抱える範囲は膨大です。これが持つ潜在的な影響力は世界を変革させています」

Claudia C. Church氏は、英国を拠点とするフリーランス ライターです。

Related Links
シスコ、統合ネットワークセキュリティにおけるリーダーシップをパワーアップ

インタビュー:Rob Redfordによるシスコ社セキュリティ ポートフォリオの新しい展開についての解説

インタビュー:Peter Alexanderによるシスコ社「技術による成長」ソリューションの解説

シスコシステムズ、中小企業向けに特化された技術ソリューション4種を披露

▲Return to Top

お問い合わせ