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インタビュー:コロラド大学教授ら、「ブロードバンド需要研究」の結果を説明


シスコニュース、データの収集と分析を行って研究成果の調査を担当した大学教授3人にインタビューパネル参加者は次のとおりです。Lookabaugh博士(研究プログラムの指揮を担当)、Jackson博士(企業およびテレワークへのインタビューを管理)、およびSavage博士(住宅調査サーベイおよびインターネットアクセスに関する支払意思の評価を担当)

2003年5月1日

概要

コロラド大学ボールダー校の電気通信研究グループは、先ごろ、小規模企業からSOHO(small office/home office)、テレワーカーなどの範囲にまたがるユーザーを対象に、ブロードバンドを採用する際の要因や需要を調査したブロードバンド需要研究を発表しました。この研究は、シスコシステムズ社が資金を提供し、学際的電気通信学部(ITD)助教授のTom Lookabaugh博士、ITDおよびコミュニケーション学部助教授のMichele Jackson博士、ITD助教授のScott Savage博士、ITD助教授のDoug Sicker博士、経済学部教授のDonald Waldman博士らが執筆しました。

研究者として、ブロードバンドをどのように捉えていますか。

Tom Lookabaugh博士: ブロードバンドの定義としては、連邦通信委員会(Federal Communications Commission)が規定している定義を採用して研究を行っています。これによると、ブロードバンドとは、一方向以上において200 Kbpsを越える高速回線となっており、これには、 DSL(デジタル加入者回線)またはケーブルモデムも含まれます。つまり、ブロードバンドには、 ISDN やダイヤルアップアクセスは含まれません。

サーベイの回答者はブロードバンドをどのようなものと考えていましたか。

Michele Jackson博士: これについては、テレワーク活動を行っているユーザーに対する私たちの研究で取り上げられました。ユーザーがブロードバンドをどのようなものと考えているかを特に知りたいと思っていましたので、個人向けのインタビューとしてこの質問を採用しました。回答はさまざまでした。

Scott Savage博士: サーベイ研究を通じて、一般大衆はブロードバンドの定義と、意味するところについてさまざまな考え方を持っていることがわかりました。ブロードバンドはDSLのみと考えている人もいれば、ケーブルのみと考えている人もいます。が、全体として、ブロードバンドを高速インターネットアクセスとして捉え、ダイヤルアップアクセスよりも多分、10倍程度速いと考えているようです。

米国では、実際に、ブロードバンドはどの程度まで配備されていますか。また、他の国と比べて、どのようになっていますか。

Scott Savage博士: 私たちが「配備」という用語を使う場合は、ブロードバンドアクセスの可用性を議論する場合であり、ブロードバンドアクセスが使用できる郵便番号がいくつあるかで換算します。この「配備」という観点から言えば、ご質問の回答は、米国では、郵便番号全体の84%でブロードバンドが使えるということになります。一方、ブロードバンド人口、つまり、ブロードバンドを使用している加入者数で言うと、18%以下になります。

Tom Lookabaugh博士: そうなんです。これは、他者の研究結果とも一致しており、米国におけるブロードバンド人口は12%~20%の範囲になります。また、韓国、カナダ、デンマーク、ベルギー、スウェーデンのブロードバンド人口と比べると、米国は第5位または第6位になります。米国より上位にランクしている国の中には、韓国のように国土の狭い国もありますが、ブロードバンドの採用率では、国の広さが必ずしも関係しているわけではなく、各テーマにおける人口密度の方がより重要となります。したがって、ブロードバンドの採用率の場合、他の国と直接比較することは困難になります。

企業ユーザーと、一般消費者ユーザーの場合、現在のブロードバンドアクセスに対する需要を駆り立てる主な要因は何ですか。

Michele Jackson博士: 企業ユーザーに関する私たちの研究により、ブロードバンドは仕事の効率を高めることができるから必要と思っている回答者がもっとも多いことがわかりました。つまり、作業プロセスをもっと簡単にできるためということです。こうしたユーザーは、ブロードバンドが持つ特典サービスについて、必ずしも関心を持っているわけではありませんでした。実際、仕事以外の理由でブロードバンドを使用していると答えた回答者はわずか1名に過ぎず、したがって、圧倒的多数のユーザーがブロードバンドは生産性や効率を高めるキーとして考えていることがわかりました。テレワーカーの場合、事務所で作業しているのと同じように、効率よく仕事が行えるという便利さがほとんどです。

Scott Savage博士: 今から高速ブロードバンドアクセスを使おうと考えている人は、恐らく、すでにダイヤルアップアクセスを行ったことがあり、ブロードバンドへアクセスしたことがあり、現在のダイヤルアップサービスに不満を感じている人だと思います。簡単にファイルをダウンロードできることも、話題になっています。高速というファクタは動機の一つになり得ると同時に信頼性にもなっています。ブロードバンドでは、ユーザーが技術面で心配する必要がないといった信頼性があるということも、ますます関心が高くなってくる要因であると思います。

つまり、ユーザーにとって、インストールはもはや大きな問題ではなくなっているということを知りました。インストールは「辛いと感じる要因」ではなくなっているという証拠があります。ユーザーは、インストールの面倒は1回だけ、それをしてしまえば、インストールの面倒は無くなるということを理解し、それを受け入れているように思えます。

Tom Lookabaugh博士: ユーザーはインターネット接続に悩みたくないですし、実際、それに取り組みたくないわけです。ブロードバンドアクセスを行っていない人は、「常時接続」という要素の良さも理解できません。この価値は、やってみなければわかりません。

Scott Savage博士: 本当ですね。ブロードバンドアクセスを行っている人は、非常に信頼性の高いサービスだと言っています。

Michele Jackson博士: 生産性や効率を高めたいと思っている人にとって、信頼性も重要な要因になります。また、ブロードバンドの「常時接続」性に戻って言えば、この研究の回答者はブロードバンドを技術としてみているのではなく、仕事をやりやすくする方法として捉えています。実際、「常時接続」という用語ではなく、もっと、わかりやすい言葉、特に、他人との関係において「いつも一緒にいる」といった言葉になるのではと考えています。ブロードバンドがあれば、他人に対していつでも応答できるのです。彼らの言い方で言えば、「接続できるのであれば、事務所にいるのと同じ」ということになるでしょうか。

ブロードバンドアクセスを採用する可能性のあるユーザーにとって、どのようなコンテンツやアプリケーションがもっとも魅力的になるでしょうか。

Michele Jackson博士: 私たちがインタビューした回答者は、主として、ブロードバンドアクセスを仕事面から捕らえています。ブロードバンドになったからアプリケーションを変更するというのではなく、ダイヤルアップで使っていたアプリケーションをそのまま使用するということです。

Tom Lookabaugh博士: そうですね、消費者は、電子メール、インスタント メッセージなど彼らが現在、使用しているアプリケーションをそのまま使用したいと思うでしょう。

Scott Savage博士: ですが、ブロードバンドがあれば、もっと色々なことができるのです。

Tom Lookabaugh博士: 特定の範囲について言えば、ブロードバンドでのみ作動するさまざまなメディアを使うアプリケーションは一般的にも、さらに使われるようになるでしょうが、基本的に、ユーザーはもっぱらよく使っているアプリケーションを主に使うのです。これは、ユーザーが新しいアプリケーションに挑戦したがらないということではなく、メインで使っているアプリケーションがまずほしいということです。

サービスと価格の関係について、この研究でどんなことがわかりましたか。

Tom Lookabaugh博士: 支払う意思があるかということと、顧客にとって何が価格的な問題になっているのかを見つけることを中心テーマとしました。

Scott Savage博士: 価格は重要な要因です。つまるところ、すべて、値引きと現行の価格の問題になります。現行のブロードバンドの価格決定は、早くからブロードバンドを採用しているユーザーにとっては問題ないのですが、第二波の波に乗っている顧客にとってはそうではないのです。

Tom Lookabaugh博士: この理由は、これらの人々が技術の発展により価格がもっと下がるということを期待しているからです。たとえば、DVDプレーヤーがその例となります。プレーヤーの価格は市場の競争により低下してきています。しかし、ブロードバンドの技術は他の技術とは異なっています。市場では、こうした技術の価格が下がり続けると見ていますが、技術として見たブロードバンドは価格が下がる段階にまだ達していません。それでも、ケーブル会社やサービス プロバイダは、サービスの速度別に異なる価格設定を設けることにより、市場の切り分けを行い始めています。

Scott Savage博士: ユーザーは、今後、ダイヤルアップサービスに対するブロードバンドの信頼性とサービス品質、サービス速度、「常時接続」性を重視するようになるでしょう。また、私たちがこのように見出した点はサーベイの結果にも表れています。回答者も同じように速度や信頼性を重要視しています。

テレワーキングに向けて注目すべき傾向がありますか。

Michele Jackson博士: 米国の労働人口に締めるかなり多くの割合の人が、週に5時間以上は事務所から外出して働いています。ただし、テレワーカーと考えるにはやや疑問が残ります。つまり、テレワーカーとして考えるのではなく、テレワーキングとして考えるのです。私たちが見出した点は、従来の事務所のように、仕事を行うべき場所から、個人が緩やかに解放されているということです。

テレワーキングの傾向がますます高まると、ブロードバンドの採用に影響を与えますか。

Michele Jackson博士: 恐らくそうなると思います。明らかな傾向として、ビジネスユーザーは一定レベルの機能性を事務所に期待するようになっており、これと同じレベルの機能性が自宅にも必要だということを認識している点です。家庭の技術環境と事務所で使える機能性が同じであるということが重要なのです。大衆は、どこに行こうと、同じ機能性が使えることを望み、必要としていますし、彼らにとってそれが透明性を持っていなければなりません。これが、ブロードバンドと他のサービスとが大きく異なる点です。

また、たとえば、セールスマンや作家、ライターのように、昔から事務所から離れて仕事をしている人は別の見方をしています。彼らにとって技術とは変革なのです。ブロードバンドにより、彼らは顧客、クライアント、あるいは事務所と接触する時間を今まで以上に長く持てるようになりました。

Scott Savage博士: 今回のサーベイや結果の検討から、一般大衆の心理を探ってみたところ、ブロードバンドを実際に使ってみない限り、その利点を理解しないということがわかりました。

Michele Jackson博士: そうですね、ブロードバンドには、「足りないものが一般大衆が理解していない」という問題があります。速度や信頼性といった長所を持つブロードバンドを一度でも使ってみれば、元には戻りたくなくなるでしょう。

あなた方が調査したさまざまな業種でブロードバンドに対する需要の相違が見られましたか。

Michele Jackson博士: 特にありません。私たちは、複数の業種に携わるビジネスマンにインタビューしましたが、業種別の需要差は特に見られませんでした。わかったことは、たとえば、渉外事務部やセールス部など、クライアントと接触して仕事を行う分野ほど需要が高いということです。

サービスの供給は、需要を満たし続けていますか。

Tom Lookabaugh博士: ええ、ブロードバンドサービスの可用性は、今のところ、需要よりも先に行っています。わずか一年前は、必ずしもそうではありませんでした。が、現在では、顧客のほとんどがブロードバンドサービスが使えるようになっています。

今回の研究で、一番驚かされた結果は何ですか。

Scott Savage博士: 私が驚いた結果の一つに、大衆が「常時接続」というコンセプトや、そのメリットの大きさを理解しているようには思えないという点でした。実際にブロードバンドを使ってそれを体験してみれば、このコンセプトがよりわかりやすいものになります。

Tom Lookabaugh博士: 私の場合、信頼性に関する方が関心が高かったという点です。インストールに関する方が関心が低かった、つまり、これは予想とおりだったのですが、ブロードバンドに注目している人にとって、インストールが障害になっているとはもはや思われないということです。彼らが求めているのは高い信頼性です。

Michele Jackson博士: 私にとって一番嬉しかったことは、30年前にも問題にしていたように、仕事関係や他人との関係について論じているということでした。人々にとって、明らかに、仕事の関係や会話が非常に重要であることに変わりはないのです。

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