ワールドニュース

米国ニュース


Metro社、「将来的ストア計画」の基盤に、シスコのリアルタイム小売業向けソリューションを採用

Metro社(ドイツの小売業者)がシスコ社などの技術を採用し、小売業の近未来体験モデルを構築

2003年4月30日

担当者: ニュース@シスコ、Jenny Carless記者

スーパーマーケットの近未来像を想像してみましょう。ショッピングカートには「ウェブパッド」画面が搭載され、商品売り場の配置図、調理方法、クーポンの支払機などが表示されています。売店では、買い物客が商品の特徴を調べたり、価格を比較したり、入荷されていない商品を注文しています。特殊な無線周波ID(Radio Frequency Identification、RFID)タグを商品に付けているため、精算所では、ショッピングカート全体を一回のみスキャンするだけで済みます。買い物客にとって明らかなメリットだけでなく、小売店側も、客層を絞ったトランスペアレントなマーケティングの実現、サプライチェーンを利用したコストの低減、従業員への正確な連絡、買い物客の維持の向上といったメリットを受けることができます。

こうしたことは、何も理想的な小売店を夢見たとっぴな想像ではありません。ストアーの将来は、すでに現実的なものになったのです。まさに、ドイツのラインベルグで実現しました。

METROグループ(欧州最大手の小売業者)の「将来的なストアー計画」は先ごろ、上述した以上の小売向けアプリケーションを採用し、Extraスーパーマーケット(METRO社ブランドの小規模なスーパーマーケット)をラインベルグで改装オープンしましたMETRO社は、シスコシステムズ社の他、Intel社やSAP社など、各技術分野の大手企業約30社と共同で、この革新的な「将来的な小売ストアー」の構築に必要な最先端技術、付随事業や対人処理プロセスの設計、実現、運営を検討してきました。

インターネット技術により近未来的なアプリケーションが現実に

最先端のアプリケーションの多くは、すでに、世界中の小売大手により個別に実現されています。たとえば、電子棚ラベルを実現したところもあるでしょうし、ショッピングカートにウェブパッドを搭載したところがある一方で、いまだに、店内に設けられたTVを使用して宣伝映像を放映しているところもあるでしょう。ところが、今日までどの小売業者も実現していないのが、こうした要素を密接に結びつけるというイメージです。

METROグループの「将来的ストアー計画」では、シスコシステムズ社のリアルタイム小売向けソリューションが採用されました。このソリューションは、IP電話、移動無線ネットワーク、インテリジェント型コンテンツ配信などの技術を使用して、一連の新しい小売向けアプリケーションを実現し、これらを密接に関連付けています。リアルタイム小売向けソリューションにより、METRO社は、(1)従業員への連絡の徹底、(2)買い物勝手の向上(買い物客に対して購入、支払い、やり取りの方法を複数提供)、(3)METRO社にとっての新たな収益源の創設(店内メディアを利用)、(4)サプライチェーンの管理に関わる効率の向上とコストの節約を実現しました。

「チェーンストアーでこうしたアプリケーションを稼動させ、本社とリアルタイムで接続するには、従来のネットワークでは対応できないほどの帯域幅が求められました。しかしながら、ブロードバンドの可用性が向上し、音声、データ、ビデオを1種類のIPアーキテクチャに統合できるようになったことにより、ストアーにおける近未来ビジョンは、コスト効果を高める実現可能なビジョンになりました」と、シスコ社、小売業向けビジネス開発/マーケティングディレクタ、CPG、および欧州/中近東/アジア伝送担当のChris Huggettは述べています。

ラインベルグのExtraストアーが採用した方法のいくつかは、下記に示す新技術を適用しています。

移動POSシステム: ポータブル型「お待たせ解消」チェック装置を装備した店員が店内を歩き回ることにより、買い物客への応対のスピードアップ、買い物客への商品情報や在庫データの提示、品切れの場合に代替品の推薦といったことが可能になります。

ウェブ対応の売店: セルフサービスの売店では、買い物客は商品を詳細に調べ、商品を見つけ、在庫を調べて商品を購入することができます。

マルチメディアを駆使した広告: インターネット技術により、従来までのビデオテープや静止画システムを使用する場合と比べて、さらに豊富なコンテンツを動画AVシステムを使用してわずかなコストで配信することができます。在庫システムと統合することにより、販売可能な商品のみを買い物客に勧めることができます。

通路の無いストアー: CD、DVD、書籍をオンデマンドで製作、印刷できる技術の登場により、店内にはベストセラー商品のみを展示するだけで、全商品を扱えるようになります。

無線周波ID(RFID): 商品ごとにつけるRFIDタグは、バーコード、手動による在庫チェック、盗難防止装置の後継として賞賛を浴びていますが、商品名、価格、あるいは購入済みか否かを示すデータなどを符号化した無線信号を送出することができます。

小売業者へのメリット

店内における移動性: シスコ社は、無線 LANWLAN)インフラストラクチャを用意し、店内での移動を可能にするソリューションをExtraストアーに提供しています。これは信頼性の高い高品質なプラットフォームで、セキュアなIPネットワーク上で稼動する店内用移動/スキャン装置を接続できます。

こうした移動性ソリューションは、販売時(自動スキャン装置を使用)や、精算時(効率が向上した精算所を通過)の両面で、店内の効率を向上させます。つまり、精算時間を短縮することになりますので、買い物客の満足感を高め、コストも低減することができます。

移動性ソリューションにより、たとえば、リアルタイムな在庫管理を可能にするRFID蔵出し/値札付け、季節の変わり目や売上高のため各商品を置く棚スペースを簡単に配置換えできる「自動棚」、店内を訪れた見物客と買い物客の人数と、店内にとどまっていた時間を計算する「買い物客カウント」など、新しいアプリケーションをストアーに導入できるようになります。

マルチチャネル通信: シスコシステムズ社のIP電話により、データ、音声、ビデオの各システムが集約され、METROグループは大幅なコスト低減を達成できることになります。また、IP電話により、購買部長、店員などの社員は、統合メッセージや音声メールなどの新しい効率向上サービスやストアーの在庫情報にアクセスしたり、ディレクトリやウェブサービスを各自の電話で直接設定したり、各自のユーザープロファイルを維持しながら他の人の電話を自由に使用できるようになります。つまり、PCを使用しなくても、社員は電子メールやウェブにアクセスできるのです。これにより、紙による事務処理が大幅に少なくなります。比較のための数字をあげてみますと、あるイギリスのスーパーマーケット チェーンで、毎週、本社から各店舗に送付される書類の枚数を調べたところ、50,000枚に上るという結果が出ています。

サプライ チェーンや買い物客の調査能力が向上したことで、METROグループは売上高を最大に高めることができるようになります。たとえば、買い物客が商品の展示場所を探している場合、店員は買い物客から離れることなく、商品説明、価格、在庫といった情報を簡単に手に入れることができます。

メディアとしてのストアー: シスコシステムズ社のコンテンツ配信ネットワーキング(CDN)により、オーディオ/ビデオ(AV)コンテンツやデータをたとえば、情報センターから任意の数のネットワーク接続された配信先へ放送することができます。METROグループの場合では、こうした情報が店内のあちこちにある売店やプラズマ画面、ハンドヘルド型パーソナル ショッピング サポート端末に表示されるようになります。ネットワーク内にビデオを配信できることから、METRO社にはコンテンツを自由に変更できるという柔軟性が生まれますので、時間ごとに、あるいは曜日ごとに変わる番組を放送するといった可能性が広がります。また、METRO社では同じインフラストラクチャを使用して、社員への連絡、スタッフ用の電子ラーニング、あるいは食品の栄養情報を配信することも可能になります。

シスコシステムズ社の技術により、小売業の姿が変貌します。METROグループの「将来的ストアー計画」は、技術によって、商品情報をリアルタイムで買い物客に提示したり、全社的な通達機能を検証したり、従業員の移動性と接続性を高めることができるといった、新しい方法の有効性を示す明らかな証拠を他の小売業者に見せたものです。

Jenny Carless氏は、カリフォルニア州サンタクルーズで活動しているフリーランス ライターです。

Related Links
米国の有力運輸団体数社が苛酷な環境へのEthernetの配備として、Cisco Catalyst 2955を選定

シスコ、報道機関向けのスイッチング技術イベント「革新と加速」を主催

インタビュー:シスコ社、副社長兼IP通信事業部長のMarthin De Beerが、新しい無線およびデスクトップ型IP電話の特徴について解説
▲Return to Top

お問い合わせ