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仮想私設LANサービス規格の登場:仮想Ethernet LANの構築


Probe Research社インターネット インフラストラクチャ担当副社長のRichard Endersby氏とのインタビュー

Richard Endersby氏は、Probe Research社でグローバル インターネット インフラストラクチャ市場サービス部門を指揮しています。Endersby氏は先ごろ、VPLS規格の登場について、ニュース@シスコのCharles Waltner記者のインタビューを受けました。

VPLSのメリットと、VPLSがサービス プロバイダや企業に与える役割について教えてください。

Richard Endersby: 仮想私設LANサービス(Virtual Private LAN Service、VPLS)により、企業は、サービス プロバイダが提供しているインフラストラクチャを経由して、複数のサイトに設置されている Ethernet LAN同士をリンクさせることができます。企業から見ると、サービス プロバイダの公衆ネットワークは一つの巨大なEthernet LANのように見えます。また、サービス プロバイダにとって、VPLSは、多大な設備投資を行わずに、従来のネットワークに加えて、収益を創出するサービスを別個に実現する機会を与えてくれます。通信事業者は「資産のフル稼働」ということを話題にしていますが、これは、ネットワークに配備されている装置の運用寿命を引き伸ばすという意味です。VPLSは、帯域幅をフルに使用するよい例となります。あるいは、複数のサービスを使用して、より価値の高い、マージンの多いトラフィックを伝送するという意味ではネットワーク容量の再利用と言ってもいいでしょう。

VPLSに対抗する技術と、VPLSがそれよりも優れている点について教えてください。

Richard Endersby: VPLSは、MPLSを使用したレイヤー2の VPN ソリューションで、こうした技術と、MPLSを使用しない代替技術は当面、共存します。たとえば、Martini社のドラフト案はMPLS型のVPNソリューションですが、ポイントツーポイントという性格による制限があり、これはEthernetネットワーク モデルとうまくフィットしません。もちろん、メッシュ型のポイントツーポイントなリンクを構築することも可能ですが、スケーラビリティの点で問題が生じます。現在のところ、サービス プロバイダは、RFC2547bisなど、任意対任意型のVPNを導入していますが、これらはIPトラフィックを伝送します。VPLSは、これらのソリューションの中間に位置するもので、複数対複数型のネットワークを容易に設定できるというメリットを生かしてレイヤー2のEthernet接続を構築することができます。

VPLSが直面している技術的な限界、あるいは問題がありますか。

Richard Endersby: VPLSの実現に当たってはいくつかの問題がありますが、今のところ、解決していません。解決すべき最大の問題は、VPLSがまだ市場で実証されていないということです。ただし、サービスプロバイダはVPLSに非常に関心を持っており、その多くは現在、VPLSソリューションを吟味しているところです。それと同時に、VPLSに対して過大に期待したり、過小評価しないよう、ベンダーは十分に注意しています。特に、VPLSのスケーラビリティの問題や、顧客側のエンドポイントが多数ある場合のMAC学習容量(ルーターをCPEとして使用すれば低減できます)、ならびに自律システムの境界を越えてVPLSドメインを広げられることの可能性と方法など、いくつかの問題点があります。

対抗する規格に関する話題も色々ありますが、企業はVPLS製品の互換性を心配しなくてもよいのでしょうか。

Richard Endersby: より優れた技術ソリューションが生まれるのであれば、限られた期間に競合する規格があっても、それは必ずしも業界にとって悪い状況とはいえません。VPLSの取り込みを制限するものがあるとすれば、サービス プロバイダの将来があるベンダーに左右されているとサービス プロバイダが考えてしまうことです。多くの企業は、こうしたことは受け入れられないと考えるでしょう。互換性だけに限れば、今年の3月に、Isocore社がVPLSの基本的な互換性を実証しました。Isocore社の目的の一つは、同社のInternetworking Labで達成されましたが、一般マルチプロトコル ラベル スイッチング(Generalized Multi-Protocol Label Switching、GMPLS)と、マルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)におけるネットワーク間接続技術を推し進めることです。完全な互換性が達成されないとすれば、これは驚くべきことですが、現段階で重要なことは、通信士業者の収益源としてVPLSを存続させていかなければならないということです。

さまざまな規格が与えられている現状において、会社としては、VPLSの採用計画をどのようにすべきでしょうか、たとえば、この技術を購入したり、採用しても良いのはいつ頃になるでしょうか。

Richard Endersby: もちろん、これが最大の問題です。会社は、VPLS技術について厳しい試験を行わずに、また、VPLSをサポートする事例を詳しく分析せずに、ネットワークに新しいものを採用することに慎重になるでしょう。規格論争を別にすると、ベンダー各社は、この市場に対して、過去に他の市場で行ってきたよりも慎重なアプローチを取っていると私は信じています。しかし、私としては規格の問題が近いうちに解決されることを希望していますし、業界がたどらなければならないプロセスにすぎないと思っています。進歩的な顧客によっては、規格が決まった段階で規格品にアップグレードすることを前提に、規格前の技術を使用した試験的なVPLSを開始しようとしているところさえあります。

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