日本版 ニュースリリース

常石造船、シスコのIPコミュニケーションを導入


常石造船、シスコのIPコミュニケーションを導入

~PBXの廃止と管理集中化で大幅なコストセービングが可能
コミュニケーション効率化やワークスタイル改革にも期待 ~

Jan. 26, 2005
No.2005004





インターネット向けネットワーキング機器ベンダーの最大手であるシスコシステムズ株式会社(代表取締役社長:黒澤 保樹、資本金:22億2千万円、住所:東京都港区赤坂2-14-27、以下「シスコ」)は、1月26日、常石造船株式会社(代表取締役社長:神原 勝成、資本金:3億2000万円、住所:広島県沼隈郡沼隈町常石1083番地、以下「常石造船」) が、シスコのIPコミュニケーションの導入を開始したことを発表しました。

常石造船は2003年度に「中期IT化計画」を策定しており、IT活用によって職場環境を向上させることや、コストセービングを実現すること、横連携を高めるための意識変革を進めること等が目指されており、今回のIPコミュニケーション導入もその一環として実施されたものです。同社のこれまでの電話システムは約20台のPBXで構成されていましたが、今後はこれらを段階的に廃止、最終的には全面的にIPコミュケーションへと移行する計画です。常石造船の本社工場には、修繕工場、本館ビル、造船工場、マリンパーク地区の4つのエリアがありますが、すでに修繕工場は2004年9月、本館ビルも2004年10月にIPコミュニケーションが導入されています。本社の他のエリアや本社以外の場所(多度津工場と東京オフィス)はこれからの導入となりますが、2005年度末までには全社展開を完了させ、最終的に1000台近くのIPフォンが導入される予定になっています。

このIPコミュニケーション導入に先立ち、ネットワークの再構築も行われています。以前のネットワークは、LANは100Mbpsのイーサネット、WANはフレームリレーとISDNによって構成されていました。このうちLAN環境の再構築は2003年12月から約1ヶ月かけて行われており、バックボーンのギガビット化やコアスイッチの二重化、ルーティングプロトコルの変更(RIPからOSPFへ)などを実施。さらにWAN環境についても2004年7月~8月にかけて、IP-VPNと地域IP網への移行が行われています。

常石造船では今回のIPコミュニケーション導入によって、オフィスレイアウト変更に伴うPBXメンテナンス費用(年間300万円強)や、公衆網への加入契約数の削減(約100回線から40回線程度へ)、運用管理の集中化による運用コスト削減など、大幅なコスト削減が可能になると見込んでいます。またITシステムと電話システムの連携が容易になることで、コミュニケーションの円滑化・効率化も可能になると期待されています。近い将来にはCisco Unityも導入し、ITシステムと連携したアプリケーション開発を進めていく計画です。またワイヤレスIPフォンやCisco IP Communicator(Cisco SoftPhone)の導入も検討されています。

ネットワークシステムの概要
今回のIPコミュニケーション導入に伴い構築されたネットワークシステムは、図に示すような構成になっています。

まずLANのバックボーンはCatalyst3550によるギガビットイーサネットを採用。2台のスイッチで冗長構成を取っており、ルーティングプロトコルも従来のRIPからOSPFへと移行しています。エッジスイッチにもCatalyst3550が利用されており、末端のネットワークは100Mbpsのスピードとなっています。Cisco CallManagerは2台設置されており、Publisher 1台+Subscriber 1台という構成。PSTN(公衆網)とPBXへのゲートウェイとしては、Cisco 3725が利用されています。すでにマシンルームのある本館と修繕工場、CRS(2004年11月に設立されたカーリサイクリング事業を行う関連会社、オフィスは本館エリアに設置)にはIPフォンが導入されており、マシンルーム内のCallManagerによって制御されています。IPフォンとしては、Cisco IP Phone 7912とCisco IP Phone 7970が採用されています。

WAN環境では2種類のサービスが利用されています。まず本社近辺の拠点ではNTTが提供する地域IP網を利用。それ以外の拠点ではIP-VPNサービスを利用しています。IP-VPNで接続されている拠点としては、多度津工場と東京オフィスの他、フィリピンの設計会社(TTSP)とフィリピン造船所(THI)および中国の造船所(THB)も含まれています。これらの拠点の内線電話は、以前はフレームリレー上で音声データをやりとりするVoFRが利用されていましたが、今回のネットワーク更新に伴いVoIPへと移行しています。

IPコミュニケーション導入のメリット
常石造船ではIPコミュニケーション導入によって、次のようなメリットを期待しています。

  1. コストセービング
    PBXを廃止することで、オフィスレイアウト変更に伴うPBXメンテナンスが不要になります。常石造船では最低でも年に2回は大規模なレイアウト変更が行われており、PBXのメンテナンスコストとして年間300~350万円が費やされていました。しかし全面的にIPコミュニケーションに移行した段階で、このコストがゼロになると見込まれています。またこの他にも、電話システムの管理を情報システムに統合することで、管理コストの大幅な削減や、公衆電話網への加入契約数の最適化(削減)も可能になります。以前は公衆電話網への加入契約数は約100回線分ありましたが、現在すでにその数を50回線まで削減しています。最終的には40回線程度まで削減できると見込まれており、基本料金や通話料金も大幅に節減できると期待されています。
  2. コミュニケーションの円滑化/効率化
    常石造船ではIPフォンを単なる“電話の代替手段”ではなく、新たなコミュニケーションツールと位置づけており、これによってコミュニケーションロスを抑制できると期待されています。たとえば顧客とのやり取りでは、通話内容をデジタル録音装置で保存することでコミュニケーション上のミスを回避でき、クレーム対応も“生の声”をグループウェアなどで伝達することで、顧客の怒りのレベルを全社で共有できるようになります。造船業は注文生産であるため、コミュニケーションロスによる“作り直し”は製造コストに大きなインパクトを与えます。また発注のほとんどは海外の顧客からのものなので、会話も英語で行われるケースが一般的です。コミュニケーションロスをいかにして回避するかは、極めて重要な課題のひとつなのです。
  3. ワークスタイルの変革
    常石造船のビジネスの柱のひとつに修繕事業がありますが、そこでは年間数百隻の修繕が行われており、ベテラン級の社員がドックとオフィスを行き来しながら作業を進めています。そのため従来の固定電話では円滑なコミュニケーションが行いにくく、作業現場ではトランシーバー等を併用するケースが一般的でした。しかし今後はワイヤレス対応のIPフォンの導入も検討されており、これによって現場のコミュニケーションがさらに円滑になると期待されています。トランシーバーは特定の相手としか通話できませんが、IPフォンなら社内はもちろんのこと、外線通話にも対応可能だからです。また同社が導入したCallManager 4.0はCisco VT Advantageをサポートしているため、IPネットワーク上でTV会議を行うことも容易になります。常石造船ではすでに東京オフィスでTV会議システムが導入されていますが、今後はこれをVT AdvantageでIP化することや、TV会議を海外設計子会社でも活用すること等が計画されています。
  4. 従業員のモチベーション向上
    電話システムをITシステムに統合することで、オフィスに敷設されていた古い電話線等が不要になり、職場環境が改善されます。これによって従業員のモチベーションが向上すると期待されています。また今後はCisco Unityを導入し、ITシステムと電話を連携させたアプリケーションを開発することで、社員の利便性をさらに高めていくことも視野に入っています。


常石造船株式会社について
常石造船株式会社は1917年に創業された、長い歴史を持つ造船会社です。「社員の幸せのために事業の安定と発展を追求する」という企業理念のもと、安全で高品質な船舶を提供し続けることで、地域社会の発展に寄与しています。その一方で1995年からフィリピンのセブ島に、また2004年には中国の秀山島に造船所を建設する等、他の国内中・大手造船所とは一線を画した国際戦略によって、世界的な価格競争に打ち勝つための取り組みも積極的に推進。現在では海外の関連会社を含め、約6000名の従業員が働く造船所として、世界経済の発展にも大きな貢献を果たしています。常石造船株式会社の概要・詳細は以下のWebサイトでご参照いただけます。
<http://www.tsuneishi.co.jp/>

シスコシステムズ株式会社について
シスコシステムズ株式会社は、インターネット/イントラネットの基盤となるネットワーク関連機器を提供する世界的なプロバイダ米国Cisco Systems Inc.(NASDAQ:CSCO)の日本法人です。ルータ「Cisco」シリーズ、スイッチ「Catalyst」シリーズ等のハードウェアから、世界のデファクト・スタンダードとなっているネットワークOS「Cisco IOS」、IPテレフォニー、ワイヤレス、ストレージ、セキュリティ、ネットワークドホーム、オプティカル等アドバンスド・テクノロジー分野のソリューション・製品まで幅広くかつ多国籍に提供しております。シスコシステムズは、企業・団体・組織の生産性向上をお手伝いするために、NVO(Networked Virtual Organization)を提唱しています。シスコシステムズ株式会社の会社概要・詳細は以下のWebサイトでご参照頂けます。
<http://www.cisco.com/jp>

*Cisco、Cisco IOS、Cisco Systems、CatalystおよびCisco Systemsのロゴマークは、米国およびその他の地域における、Cisco Systems Inc.及び関係会社の登録商標です。その他、記載されている製品名、社名は各社の商標または登録商標です。

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