日本版 ニュースリリース

大阪市交通局、多目的ネットワーク構築にシスコのネットワーク機器を導入


大阪市交通局、多目的ネットワーク構築にシスコのネットワーク機器を導入

~より利便性の高い公共交通を実現するための新たなIT基盤にも利用~

Nov. 05, 2004
No.2004059





インターネット向けネットワーキング機器ベンダーの最大手であるシスコシステムズ株式会社(代表取締役社長:黒澤 保樹、資本金:22億2千万円、住所:東京都港区赤坂2-14-27、以下「シスコ」)は、11月5日、大阪市交通局がシスコのネットワーク機器によってIPによる多目的ネットワークを構築したことを発表しました。この多目的ネットワークの構築は、これまでは路線毎に設置されていた市営地下鉄の運転指令所の統合に先立つ形で実施されたもので、2003年1月に構築を開始、2004年3月に完了しています。

今回構築されたネットワークは500台以上に上るシスコ製スイッチによって実現されており、これによって合計119の駅と輸送指令所(統合された運転指令所)、本局等を接続しています。支線部分のスイッチにはカメラとMPEG2/4エンコーダが多数接続されており、現時点で約300台のカメラの映像をIPマルチキャスト(スパースモード)によって輸送指令所へと配信しています。運転指令所の統合は2004年8月から始まっており、すでに市営地下鉄・谷町線の運転指令所が輸送指令所に移行、2012年度までに地下鉄7路線と建設中の地下鉄第8号線の運転指令所の統合を完了する予定です。

大阪市交通局では、これまでにも安全性の確保や円滑な運行のためにCCTV(Closed Circuit TV、閉回路テレビ)カメラによるテレビジョンシステムを利用しています。1981年に導入を開始し2000年に全路線への設置を完了したこのシステムにより、ホームや駅構内の状況、出庫番線や相互直通運転接続駅における運行列車の車両番号・車種、列車の行先表示や前部標識の設定等を各路線の運行指令所で確認できるようになっていました。しかし、このテレビジョンシステムは大がかりな専用システムであるためコストが高く、システム構成も路線単位に閉じており、柔軟な活用が難しいという問題を抱えていました。 そこで大阪市交通局は、2004年から順次実施される運転指令所の統合を円滑に進めると共に、その効果を最大限に引き出すため、2001年に新ネットワークの仕様検討に着手、IPをベースとした多目的ネットワークを構築しました。

この多目的ネットワークの最大の目的はテレビジョンシステムのIP化にありますが、局内の情報化推進のインフラとしても大きな期待が寄せられています。オフィスのIT基盤としての利用はもとより、今後は制御系ネットワークの統合や、テレビ会議システム等で活用することも検討されています。また大阪市交通局では、スルッとKANSAI協議会が仕様を策定した鉄道ICカード「PiTaPa(ピタパ)」の導入を近い将来に計画しており、そのために構築されるICカードシステムでもこの多目的ネットワークを利用する予定です。

■ ネットワーク システムの概要
大阪市交通局が導入した多目的ネットワークの構成は、図に示す通りです。まずネットワークのコア部分は、3つのコアと13のサブコアから構成されています。各コアは「Cisco Catalyst 6509」×2台、各サブコアは「Cisco Catalyst 4006」または「Cisco Catalyst 4506」×2台の冗長構成が取られています。支線部分のスイッチには、「Cisco Catalyst 2950」が採用され、各駅通信機器室や事業所、駅長室、券売機室等に設置されています。また輸送指令所と本局のスイッチには「Cisco Catalyst 4506」が採用されています。


【ネットワーク図】

スイッチ間の接続には、複数種類のメディアが利用されています。まずコア間の接続では、8Gbpsまたは4Gbpsの光ファイバを複数線構成で使用。コアとサブコアの間は、2Gbpsまたは1Gpbsの光ファイバが利用されています。支線部分の接続は、1Gbps/100Mbpsの光ファイバや、100Mbpsのメタルケーブル、VDSL、ADSLを使い分けています。輸送指令所と本局では1Gbpsの光ファイバと100Mbpsのメタルケーブルが使用されています。

カメラが撮影した映像は、MPEG2/4エンコーダによってMPEG2(6Mbps)とMPEG4(384kbps)のデータにエンコードされ、スパースモードのIPマルチキャストによって輸送指令所に送られます。輸送指令所では集合型MPEG2デコーダによって映像データをデコードして大型の運行表示盤に映像を表示すると共に、指令長卓表示装置や旅客指令卓表示装置にもMPEG2またはMPEG4の映像を表示できるようにしています。さらに一般業務用のパソコンでも、ソフトウェアデコードにより映像を表示でき、IPリーチャブルな場所であればどこででも、カメラ映像を利用できるようになっています。

■ 多目的ネットワーク導入のメリット
大阪市交通局ではこの多目的ネットワークによって、次のようなメリットを期待しています。

(1) 対応措置の迅速化
輸送指令所ですべての路線の状況が一目瞭然となるため、異常が発生した時の対応措置が迅速化されます。ダイヤ回復や区間運行実施など、どのような対応を行うべきかの意思決定が容易になることで、乗客の利便性も向上します。

(2) 情報提供の積極化
多目的ネットワークによってカメラ映像が利用しやすくなることで、外部に対する情報提供もより積極的に行えるようになります。このメリットを活かすために、今回の運転指令所の統合では新たに「旅客指令」と呼ばれる部門が新設されます。これは広報機能を担当するもので、乗客やマスコミ、職員に対して、運行状況などの情報提供を行います。

(3) サービスレベルの向上
改札口などにカメラを設置して、駅務機器などの遠隔チェックを行いながら乗客の問い合わせに即応できる設備の構築も可能となるので、効率的に駅業務を行う新しいシステムの導入も容易となります。

(4) 情報伝達の円滑化
IPリーチャブルな場所であれば映像を配信できるため、輸送指令所だけではなく、本局の非常対策室や電気指令所、駅長室でもカメラ映像を利用できます。また、このネットワーク上にテレビ会議システムを構築すれば、通話だけによる情報伝達と比較して情報量を飛躍的に増大させることも可能です。現場の映像を共有することで情報伝達をより円滑化し、短時間で的確な判断を下せるようになります。

(5) 多角的な情報化の推進
今回構築されたネットワークは、局内の情報インフラとしても活用できます。ひとつのネットワークを多目的に利用することで、格段に高いコストパフォーマンスを実現できます。また大阪市交通局では、スルッとKANSAI協議会が仕様を策定した鉄道ICカード「PiTaPa(ピタパ)」の導入を予定しており、そのためのICカードシステムでもこの多目的ネットワークが活用される予定です。

大阪市交通局について
大阪市交通局は、大阪市内の地下鉄7路線、バスと地下鉄の中間の輸送力を持ちコンピュータ制御で運行するニュートラム、市バス、市営観光バス等を運営しています。地下鉄とニュートラムの営業距離は合計で122.2kmに達しており、大阪市民にとって欠かすことのできない“足”として、重要な役割を果たしています。“お客様第一主義”のもと、安全で便利で快適な輸送サービスを提供することを経営理念の筆頭に掲げており、利用案内サービスやカードシステムの拡充にも積極的に取り組んでいます。大阪市交通局の概要・詳細は以下のWebサイトでご参照いただけます。
<http://www.kotsu.city.osaka.jp/>



シスコシステムズ株式会社について
シスコシステムズ株式会社は、インターネット/イントラネットの基盤となるネットワーク関連機器を提供する世界的なプロバイダ米国Cisco Systems Inc.(NASDAQ:CSCO)の日本法人です。ルータ「Cisco」シリーズ、スイッチ「Catalyst」シリーズ等のハードウェアから、世界のデファクト・スタンダードとなっているネットワークOS「Cisco IOS」、IPテレフォニー、ワイヤレス、ストレージ、セキュリティ、ネットワークドホーム、オプティカル等アドバンスド・テクノロジー分野のソリューション・製品まで幅広くかつ多国籍に提供しております。シスコシステムズは、企業・団体・組織の生産性向上をお手伝いするために、NVO(Networked Virtual Organization)を提唱しています。シスコシステムズ株式会社の会社概要・詳細は以下のWebサイトでご参照頂けます。
<http://www.cisco.com/jp>

*Cisco、Cisco IOS、Cisco Systems、CatalystおよびCisco Systemsのロゴマークは、米国およびその他の地域における、Cisco Systems Inc.及び関係会社の登録商標です。その他、記載されている製品名、社名は各社の商標または登録商標です。

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