日本版 ニュースリリース

岐阜大学医学部附属病院、シスコシステムズのオプティカルネットワークを導入


岐阜大学医学部附属病院、シスコシステムズのオプティカルネットワークを導入

~10GbpsのバックボーンでFTTB(Fiber To The Bed)を実現、医療の質向上の基盤に~

Apr 22, 2004
No.2004018





 インターネット向けネットワーキング機器ベンダーの最大手であるシスコシステムズ株式会社(代表取締役社長:黒澤 保樹、資本金:22億2千万円、住所:東京都港区赤坂2-14-27、以下「シスコ」)は、4月22日、岐阜大学医学部附属病院(病院長:北島 康雄、病床数:606床、住所:岐阜県岐阜市柳戸1-1)が、シスコのオプティカルネットワークを導入したことを発表しました。

 岐阜大学医学部附属病院はこれまで岐阜市司町に設置されていましたが、2004年5月に岐阜大学柳戸キャンパスに移転、6月1日から新病院として開院する予定です。今回導入されたオプティカルネットワークは、この新病院に敷設されるものです。その最大の特徴は各病床まで光ファイバー網が張り巡らされた"FTTB(Fiber To The Bed)"を実現している点にあり、ベッドサイドで1Gbpsという極めて高速な通信を行うことが可能です。

 バックボーンには10Gbpsの高速スイッチが採用され、院内には約2,800に上る光ファイバーのポートが設置されています。また病院内は全館に無線LAN環境が敷設されており、ユビキタス空間も実現。ネットワークの設計・構築はNTTデータカスタマサービス(株)が担当し、新病院の開院と同時に全館で本番稼働が始まる予定です。

 同病院がこれによって目指しているのは、ペーパーレス/フィルムレス病院を完全な形で実現することです。最近は診療のためにコンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴映像法(MRI)等、医療画像を活用するケースが増えていますが、これらは膨大なデータ量があり、1回の診断で1GBに達することも珍しくありません。そのためほとんどの病院ではこのデータを、数千~1万枚に上るフィルムに出力して利用しているという状況であり、出力作業やフィルムの取り扱いに膨大な手間と時間がかかっているのです。しかし1Gbpsで通信可能な環境が整備されれば、これらのデータをほぼリアルタイムでベッドサイドから参照できます。これによって診断をスピードアップすると共に、チーム医療を行いや すくし、医療の質を高めていくことが容易になります。

■新病院システムの概要
 岐阜大学医学部附属病院の新病院システムの概要は以下の通りです。



(1) 全館に光ファイバー網を整備
 バックボーンスイッチとして「Cisco Catalyst 6500」を採用し、10Gbpsの帯域を確保。その上で病床のベッドサイドまで光ファイバーを敷設した、全館ネットワーク網が構築されています。フロアスイッチとしては「Cisco Catalyst 4500」を採用。これによって約 2,800の光ファイバーポートが提供されています。

(2) 患者情報を一元管理する総合医療情報システムの実現
 岐阜大学医学部附属病院ではこれまでにも、CDR(Clinical Data Repository)による診療情報の一元管理やCDRを利用した電子サマリー/電子経過表の運用などを行ってきました。今回はこれらをさらに高度化した「新総合医療情報システム(電子カルテシステム)」が構築されています。このシステムは、あらゆる診療情報を、部門を超えてシーム レスに一元管理できるものであり、患者の情報を"全人的"に扱うことを可能にします。またこの患者情報は医師、看護師、各メディカルスタッフによって共有され、チーム医療を支援するものとしても重要な役割を果たします。このシステムも2004年6月1日から本番稼働を開始する予定になっています。

(3) ベッドサイドに液晶モニターを設置
 各病床のベッドサイドには、タッチパネル型の液晶モニターを使用したコンピューター端末が設置されます。この端末は電子カルテ端末として利用される他、特定患者に対する案内情報提供や連絡を行うイントラネットや、患者を対象に食事メニューを提供する食事選択システムなど、患者サービスの端末としても活用されます。

(4) クリニカルコックピット/ドキュメントビューを新規開発
 あらゆる形態の患者情報を、ひとつの画面で総合的に閲覧・判断できる"クリニカルコックピット"、病院内で発生する様々な医療文書の管理を統一的に行う"ドキュメントビュー"を新規開発しています。これらのアプリケーションはペーパーレス化の徹底を容易にすると共に、診断の精度向上や迅速化にも大きな貢献を果たすと期待されています。

(5) 高いレベルのセキュリティを確保
 ユーザー認証は有線/無線ともに802.1xをベースにしており、ユーザー認証時にはダイナミックVLANによって、適切なネットワークに接続されるようになっています。また公開鍵基盤PKIも活用されており、病院内の認証局が発行した証明書と暗号鍵を格納したICカードを、全職員が利用することを義務づけています。これらの仕組みを組み合わせることで、極めて高いセキュリティを確保しています。

(6) 標準化の徹底
 岐阜大学医学部附属病院はこれまでにも、病名オーダーとレセプト病名に標準病名の使用を徹底する等、標準化を強く意識した活動を進めてきました。標準化を徹底するという考え方は今回のシステム構築でも強く打ち出されており、JMIX、XML、DICOM、HL7、JLAC10、ICD10といった標準規格が採用されています。

岐阜大学医学部附属病院ネットワーク図


■今後の展望
 このネットワークシステムの構築によって岐阜大学医学部附属病院は、病院内のあらゆる場所で医療情報を活用できる"インテリジェントホスピタル"を完成させました。今後はこの環境によって、次のような取り組みが進められていく計画です。

(1) EBH(Evidence Based Healthcare)の実現
 患者のあらゆる情報を一元管理できる"全人的"なカルテは、EBM(Evidence Based Medicine:根拠に基づく医療)を実現する上で大きな貢献を果たします。しかし病院内だけではなく地域で情報を共有し、健康診断データ等の"プレ・ホスピタル"の情報や、退院後の"ポスト・ホスピタル"の情報も一元化できれば、EBH(Evidence Based Healthcare:根拠に基づく健康増進)も可能になります。岐阜大学医学部附属病院では2000年から岐阜市医師会と病疹連携ネットワークを構築するなど、地域医療機関との連携を強めていますが、今後はさらにその領域を拡大することで、EBH推進体制の確立を目指しています。

(2) 研究機関との連携
 一元管理された患者診療情報は、診療プロセスの最適化や適切な医療政策の立案、医療経済学の確立にも大きな貢献を果たします。これらの情報を研究に活かし、その結果を再び医療現場にフィードバックすることで、診療/治療の質向上や患者の負担軽減が可能になり、より満足度の高い医療を実現することが可能になります。

(3) 社会システムへの応用
 入院している患者や診断・治療にあたるスタッフにとって病院はひとつの"社会"であ り、ここで提供される各種サービスはより広範な社会システムに応用することが可能で す。岐阜大学医学部附属病院ではこのネットワークシステムを診療基盤としてだけで はなく、患者やスタッフへのサービス基盤としても積極的に活用し、社会システムに応 用可能なネットワーク活用事例として提示することも視野に入っています。

岐阜大学医学部附属病院について
 岐阜大学医学部附属病院は、1875年(明治8年)8月に岐阜県公立病院及び附属医学校として開設され、1967年6月に国立移管された大学病院です。"あなたとの対話が創る信頼と安心の病院"を基本理念に掲げ、患者中心のチーム医療、人間性豊かな医療人の育成、高度先進医療の研究・開発の実践、地域医療への積極的参画と連携強化を推進しています。2004年6月には完全なインテリジェントホスピタルを実現した新病院に移転。患者主体の医療をさらに追求していくと共に、地域医療の中核機能を担う存在としても大きな期待が寄せられています。岐阜大学医学部附属病院の概要・詳細は以下のWebサイトでご参照頂けます。
<http://www.med.gifu-u.ac.jp/hospital/index.html>

シスコシステムズ株式会社について
 シスコシステムズ株式会社は、インターネット/イントラネットの基盤となるネットワーク関連機器を提供する世界的なプロバイダ米国Cisco Systems Inc.(NASDAQ:CSCO)の日本法人です。ルータ「Cisco」シリーズ、スイッチ「Catalyst」シリーズ等のハードウェアから、世界のデファクト・スタンダードとなっているネットワークOS「Cisco IOS」、IPテレフォニー、ワイヤレス、ストレージ、セキュリティ、ネットワークドホーム、 オプティカル等アドバンスド・テクノロジー分野のソリューション・製品まで幅広くかつ多国籍に提供しております。シスコシステムズは、企業・団体・組織の生産性向上をお手伝いするために、NVO(Networked Virtual Organization)を提唱しています。シスコシステムズ株式会社の会社概要・詳細は以下のWebサイトでご参照頂けます。
<http://www.cisco.com/jp>

*Cisco、Cisco IOS、Cisco Systems、CatalystおよびCisco Systemsのロゴマークは、米国およびその他の地域における、Cisco Systems Inc.及び関係会社の登録商標です。その他、記載されている製品名、社名は各社の商標または登録商標です。

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