日本版 ニュースリリース

シスコシステムズ、神戸大学医学部附属病院にモビリティソリューションを導入


シスコシステムズ、神戸大学医学部附属病院にモビリティソリューションを導入

~セキュアな無線LANが実現する医療現場のためのITインフラ~

Oct 28, 2003
No. 2003057



 インターネット向けネットワーキング機器ベンダーの最大手であるシスコシステムズ株式会社(代表取締役社長:黒澤 保樹、資本金:22億2千万円、住所:東京都港区赤坂2-14-27、以下「シスコ」)は、10月28日、神戸大学医学部附属病院(病院長:横山 光宏、病床数:920床、住所:兵庫県神戸市中央区楠町7-5-2)に、シスコのモビリティソリューションを導入したことを発表しました。

 今回導入されたモビリティソリューションは、2003年3月から本番稼働が始まっている電子カルテシステムの活用基盤となるものです。神戸大学医学部附属病院では以前から、医療事務システムや診療オーダーエントリーシステムなどの導入を行っており、医療現場におけるIT活用を積極的に進めてきました。2002年11月には既存の診療オーダーエントリーシステムをリプレースする形で、診療オーダーエントリーシステムと統合された電子カルテシステムの構築を開始、このシステムの構築と並行して、新しいネットワークインフラの整備も進められていきました。このネットワークインフラに採用されたのがシスコのモビリティソリューションであり、これによって病院内をくまなくカバーする"ユビキタス環境"を実現します。

 このネットワークインフラは2003年2月に完成しており、その上で稼働する電子カルテシステムと共に、病院全体の情報インフラとして重要な役割を果たしています。この環境によって2003年8月には看護部門におけるペーパーレス化が実現されており、2004年3月までには病院全体のペーパーレス化を達成する計画です。その一方でこのシステムは、診療支援や患者への情報提供、経営効率化の基盤としても積極的に活用されており、これまで以上に高い品質の医療を低コストで提供することが目指されています。なお今回構築された電子カルテシステムとネットワークインフラの設計・構築は、株式会社 麻生情報システム(代表取締役社長:神崎 聡、資本金:3千万円、住所:福岡市早良区百道浜2-4-27 AIビル8階) と神戸大学医学部附属病院医療情報部によって行われました。

■今回のモビリティネットワーク導入の概要
 今回構築されたネットワークインフラの構成は、以下の図に示す通りです。

<ネットワーク構成図>
ネットワーク構成図

<概要>
 バックボーン用のスイッチとしては「Catalyst6509」が4台導入されており、第一病棟に2台、外来診療等に2台設置されています。これらのスイッチ間はそれぞれ4Gbpsの帯域を持つ光ファイバで接続されています。ディストリビューションには合計84台の「Catalyst2950」を導入、「Catalyst6509」と1Gbpsの光ファイバによって接続されています。さらにその先には約130台の「Cisco Aironet」が接続されており、病院内をくまなくカバーする無線LAN環境を実現しています。この環境で利用されている端末(PC)の数は、約1,300台に上っています。

 今回のネットワーク構築で、シスコのモビリティソリューションが採用された理由は大きく2つあります。ひとつは「802.1X/EAP」をベースに開発された「Cisco-EAP」、「LEAP(Lightweight Extensible Authentication Protocol)」や「CKIP(Cisco Key Integrity Protocol)」(Wi-Fiが規定するWPAの元となった技術)によって、極めて強固なセキュリティを実現できることです。無線LANのセキュリティ確保の方法としては、ESS-IDの設定やWEPによる暗号化などが一般的なものとして知られていますが、これらは初期の802.11 無線LAN規格に採用されたものであり、現在では十分なセキュリティを確保できないことが指摘されています。これに対してLEAPはユーザー認証とアクセス管理、動的暗号化を統合した認証方式であり、SSIDやWEPに比べてはるかに強固なセキュリティを確保できます。また従来のWEPではWEPキー(暗号鍵)を端末側で個々に設定しますが、LEAPを利用することでログイン時に個人単位で動的にWEPキーを割り当てることが可能になります。このためWEPキーが漏洩するリスクが極めて低く、第三者による暗号解読も事実上不可能になります。

 第2の理由は、VLAN機能の装備です。この機能を利用することで、1台の無線LANアクセスポイントで、同時に複数のVLANにアクセスすることが可能です。神戸大学医学部附属病院のネットワークは、診療だけではなく研究用にも利用されるため、アクセス権限の異なる複数のVLANを設定できることが必須条件でした。シスコのモビリティソリューションなら無線LANのアクセスポイントでVLANを利用できるため、このような要求にも応えることができます。なおシスコのソリューションでは"ダイナミックVLAN"機能も提供されており、RADIUSサーバーで認証された個人の user IDによって、アクセス先のVLANを自動選択することも可能です。この機能はネットワーク対応が進んでいる診療用機器の接続等で、大きな効果を発揮すると期待されています。

■モビリティソリューションがもたらすメリット
 神戸大学医学部附属病院では、今回導入されたモビリティソリューションによって、次のようなメリットが期待されています。

1.カルテの完全ペーパーレス化
 電子カルテの導入は、手書き文字で発生しやすい読み取りミスの防止や、カルテ作成に関わる労力の削減、カルテに対するアクセス性の向上など、様々なメリットをもたらします。しかしこれらのメリットを最大限に引き出すには、すべてのカルテの電子化・ペーパーレス化を実現することが求められます。もちろんそのためには、いつでもどこでも電子カルテにアクセスできる環境が必要です。病院内をくまなくカバーする"ユビキタスネットワーク環境"は、ペーパーレス化を推進するために不可欠な基盤だといえます。

2.情報活用の促進
 病院内のどこからでもネットワークにアクセスできるため、診療や研究に必要な情報を利用しやすくなります。これによって診療現場の作業効率を高めることが可能になり、患者に対する情報提供も行いやすくなります。また最近の医療現場は専門分化が進んでいますが、専門外の知識をITによって提供することも容易になります。

3.ワークスタイルの変革
 ノートPCを持ち歩いて利用することで、病院内のどこででも仕事を行うことが可能になります。大学病院の医師は、病室や研究室、カンファレンスルームなど、様々な場所に移動しながら診療や研究活動を行っているため、モビリティの確保は大きなメリットをもたらすことになります。

4.端末に対する責任所在の明確化
 ネットワークにアクセスできる場所が制限されている環境では、ユーザーが利用する端末を設置できる場所も限られるため、端末を共用するのが一般的です。しかし共用端末は管理責任を明確にすることが難しく、管理面での問題が発生することが少なくありません。しかしモビリティが確保された環境であれば、1人1台のノートPCを割り当てることで管理責任を明確にすることが可能になります。

5.システム投資の抑制
 固定端末で構成されたシステムは、必要な場所に端末を設置することが要求されるため、実際のユーザー数よりも多くの端末が設置される傾向があります。しかし1人1台の端末を割り当てることが可能になれば、ユーザー数以上の端末を設置する必要がなくなり、システム投資を抑制できます。

神戸大学医学部附属病院について
神戸大学医学部附属病院は、1869年(明治2年)に神戸病院として発足、その後、公立神戸病院、県立神戸病院、県立医学専門学校附属医院、県立神戸医科大学附属病院を経て、1964年に始まった県立神戸医科大学の国立移管に伴い、1967年に国立移管された国立大学附属病院です。現在の診療科目数は30科、病床数は920床に上ります。患者中心の医療の実践、人間性豊かな医療人の育成、高度先進医療の開発と推進、災害救急医療の拠点活動、医療を通じての国際貢献を基本理念に掲げ、医療の質を向上させるための取り組みを積極的に進めています。神戸大学医学部附属病院の概要・詳細は以下のWebサイトでご参照頂けます。<http://www.hosp.kobe-u.ac.jp/>

シスコシステムズ株式会社について
 シスコシステムズ株式会社は、インターネット/イントラネットの基盤となるネットワーク関連機器を提供する世界的なプロバイダ米国Cisco Systems Inc.(NASDAQ:CSCO)の日本法人です。ルータ「Cisco」シリーズ、スイッチ「Catalyst」シリーズ等のハードウェアから、世界のデファクト・スタンダードとなっているネットワークOS「Cisco IOS」、IPテレフォニー、ワイヤレス、ストレージ、セキュリティ、ネットワークドホーム、オプティカル等アドバンスド・テクノロジー分野のソリューション・製品まで幅広くかつ多国籍に提供しております。シスコシステムズは、企業・団体・組織の生産性向上をお手伝いするために、NVO(Networked Virtual Organization)を提唱しています。シスコシステムズ株式会社の会社概要・詳細は以下のWebサイトでご参照頂けます。
<http://www.cisco.com/jp/>

*Cisco、Cisco IOS、Cisco Systems、CatalystおよびCisco Systemsのロゴマークは、米国およびその他の地域における、Cisco Systems Inc.及び関係会社の登録商標です。その他、記載されている製品名、社名は各社の商標または登録商標です。