日本版 ニュースリリース

シスコシステムズ JR西日本のモバイルIPネットワーク網構築移動体試験実施(JR宝塚線)


シスコシステムズ JR西日本のモバイルIPネットワーク網構築
移動体試験実施(JR宝塚線)

~列車に設置されたアクセスポイントと沿線に設置された無線LANブリッジを利用して
列車車内から本社ネットワークに接続~

May 29, 2003
No. 2003028



 シスコシステムズ株式会社(代表取締役社長:黒澤 保樹、資本金:22億2千万円、本社:東京都港区赤坂2-14-27、以下:シスコ)は、西日本旅客鉄道株式会社(代表取締役社長:垣内 剛、資本金:1,000億円、本社:大阪市北区芝田2-4-24、以下:JR西日本)技術部とともに、JR宝塚線 尼崎~新三田間において、高速移動体に対応するモバイルIPネットワークを構築し、実証試験を行っていることを発表しました。

実験を進めたJR西日本車両内 JR西日本が構築したモバイルIPネットワークは、列車に設置されたアクセスポイント(CiscoAironet 350)、ルータ(Cisco2651)と沿線に設置された無線LANブリッジ(CiscoBR350)により本社試験ネットワークに接続し、高速移動する列車車内においてもIPネットワーク環境を構築するというものです。モバイルIPネットワークにより、例えば列車の運行状況から遅延情報、信号や踏切の状態といった情報が、リアルタイムで本社から列車や駅へ送付されるようになり、乗務員や駅員は運転席に設置された液晶モニターやPDAのような情報端末を携帯し、最新情報を入手することが可能になります。現場の社員が本社との情報交換を即時に行えることにより、情報の共有化と乗客に対する正確で迅速な情報伝達が実現することを目標に試験を行っています。

 これまで列車に対する情報伝達は、運転席と車掌室内に設置された列車無線か、駅で渡される指示書で行われており、十分な情報をリアルタイムで入手するのが困難でした。一方、携帯電話の普及により、乗客は車内でも駅でも情報をすばやくキャッチできるようになり、事故や故障による列車遅延情報について、乗客のほうが乗務員や駅務員よりも早く、かつ詳しい情報を入手しているケースも出てきました。

 それらの状況を改善し、情報伝達をスムーズに行う方法を模索し、JR西日本の技術部で検討を重ねてきた結果、ブロードバンド環境が日本でも広がり、安価なアクセスxDSLの普及も追い風となり、無線LANを使用した実験を採用することにしたものです。

 2002年2月に、川西池田-宝塚間6.5kmを、保守用車両を用いた低速(30km/h)での無線LANの実験から始めており、同年9月には通常運行している車両を使用し、実験速度も時速120kmにアップし低速時と変わらぬ成果を得ています。2003年3月からは、テスト区間を延長し、JR宝塚線尼崎~新三田約37km、走行時間約40分の区間に86局の無線LANブリッジによる実証実験さらにはIP電話の接続実験を継続、本格試験ネットワーク稼動に向けた詳細データの収集に努めてきました。

 モバイルIPネットワーク構想は、JR西日本特有の車両の運用方法から生まれたものです。JR西日本で使用している車両は、線区ごとに使用車両が固定されてはいない、言い換えれば、決まった路線を決まった色の電車が走るというわけではないことです。そのため、どの線区にどの車両が乗り入れても混乱なく使えるネットワークでなければなりません。列車無線は、線区ごとに無線チャンネルと周波数を振り分けており、IPネットワークの場合、線区が変わるごとにIPアドレスの設定を変えるというのは非現実的で、それに変わる技術として採用されたのが、モバイルIPです。

 情報端末にIPアドレスを振り分けることで、車両や線区が変わってもネットワークに混乱は生じなく、鉄道という独自性を考えた場合、鉄道向け通信ネットワークにはモバイルIPが最適な技術であるとJR西日本が判断し、実証実験を進めて来ました。当初から今後のIP化を考慮して、JR西日本ではIPv6にも対応した試験をおこなっています。

各社の役割分担:
JR西日本技術部 - ネットワーク構成設計と試験ネットワークオペレーション
シスコシステムズ - 無線LAN装置、モバイルIPネットワーク機器
株式会社中松商会 - 電波伝搬フィールドテストや無線装置置局配置設計をサポート
(代表取締役社長:竹平 康夫、資本金:1億円、本社:東京都千代田区鍛冶町2-3-4、URL:http://www.nakamatsu.co.jp/
西日本電気システム株式会社 - 地上設備工事施工
(代表取締役社長:上林 力、資本金:8,165万円、本社:大阪府吹田市南吹田1-5-25、URL:http://www.j-nesco.com/annai.html
株式会社ジェイアール西日本テクノス - 車上工事施工
(代表取締役社長:井澤 勝、資本金:1億6,100万円、本社:大阪市淀川区西中島5-4-20、URL:http://www.wjrtechnos.co.jp/

 2003年度はより高速な移動試験を行うため、JR西日本の中核線区であるJR京都線・神戸線(東海道本線)にシステムを構築し、より実用性を高めていくための試験を予定しております。

図:基本構成イメージ

西日本旅客鉄道株式会社について
 西日本旅客鉄道株式会社(略称:JR西日本)は、大阪市に本拠をおき、近畿、北陸、中国地区を領域として旅客鉄道事業、海上運送事業、関連事業を行っております。鉄道事業では総営業キロ数 5,078.4km(内訳:在来線50線区4,434.4km、新幹線1線区644.0km、駅数1,234駅、車両数6,745両 )を数えており、海上運送事業では、宮島航路(航路区間 宮島口~宮島1.8km、船舶数 3隻)を運営しております。西日本旅客鉄道株式会社の会社概要・詳細は以下のWebサイトでご参照頂けます。
<http://www.westjr.co.jp/company/profile/>


シスコシステムズ株式会社について
 インターネット/イントラネットの基盤となるネットワーク関連機器を提供する世界的なプロバイダ米国Cisco Systems Inc.(NASDAQ:CSCO)の日本法人です。1992年に設立されました。シスコはネットワークの「エンド・ツー・エンド」の製品を提供しており、ルータ「Cisco」シリーズ、LANスイッチ「Catalyst」をはじめ、ATM、フレーム・リレー等のハードウエアから、世界のデファクトスタンダードとなっているルータ制御用ソフトウエア「Cisco IOS」やネットワーク新技術「VoIP」等を、幅広くかつ多国籍に提供しております。シスコシステムズ株式会社の会社概要・詳細は以下のWebサイトでご参照頂けます。
<http://www.cisco.com/jp/>

*Cisco、Cisco IOS、Cisco Systems、CatalystおよびCisco Systemsのロゴマークは、米国およびその他の地域で、Cisco Systems Inc.の登録商標です。その他、記載されている製品名、社名は各社の商標または登録商標です。